四半期報告書-第101期第1四半期(平成29年4月1日-平成29年6月30日)

【提出】
2017/08/10 15:03
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間における経済環境は、北米と欧州では消費拡大による景気回復が継続し、中国でも政策効果による景気持ち直しの動きが見られました。日本経済においては、企業収益が改善し、設備投資が堅調に推移する等、景気は緩やかな回復基調が継続しました。こうした中、当社では成長実現のための基本方針として「成長市場への注力」及び「財務体質の強化」の2つを掲げ、エコ・省エネ、グリーンエネルギーの重点戦略市場で新製品の売上拡大に努めるとともに、固定費の削減に取り組んでまいりました。当第1四半期連結累計期間の業績につきましては、半導体デバイス事業で白物家電向け製品及び自動車向け製品の販売が引き続き好調に推移したことなどから、売上高は414億52百万円と、前年同四半期に比べ45億53百万円(12.3%)増加いたしました。損益面につきましても売上高の増加に伴い、営業利益は20億36百万円と、前年同四半期比17億17百万円(538.2%)増加し、経常利益は15億14百万円(前年同四半期 経常損失5億94百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億47百万円(前年同四半期 親会社株主に帰属する四半期純損失11億82百万円)と、それぞれ増加いたしました。
事業セグメント別の概況につきましては、次の通りです。なお、当第1四半期連結会計期間より、従来の「PM事業」と「PS事業」を統合して「パワーシステム事業」とし、報告セグメントを「半導体デバイス事業」と「パワーシステム事業」の2セグメントに変更しております。以下のセグメント別業績の前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
半導体デバイス事業では、エアコンや洗濯機、冷蔵庫等の白物家電向け製品の販売が拡大したことに加え、電装化が進む自動車に向けた製品が好調な販売を継続したことなどから、当事業の連結売上高は351億92百万円と、前年同四半期比42億71百万円(13.8%)増加いたしました。損益面につきましても、売上高の増加に加え、円安傾向で推移した為替の影響もあり、連結営業利益30億87百万円と、前年同四半期比13億79百万円(80.8%)増加いたしました。
パワーシステム事業では、採算の厳しいテレビ向けアダプターを始めとするAV・OA市場向け製品については、販売抑制により売上が減少いたしましたが、通信市場向け製品の販売が回復してきたことなどから、当事業の連結売上高は62億59百万円と、前年同四半期比2億81百万円(4.7%)増加いたしました。損益面につきましては、低採算製品の売上が減少した結果、連結営業損失3億5百万円(前年同四半期 営業損失6億40百万円)となり、損失額は半減いたしました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における資産の部は、1,862億11百万円となり、前連結会計年度末より35億11百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が12億4百万円、棚卸資産が15億65百万円、有形固定資産が6億90百万円増加したことなどによるものであります。
負債の部は、1,310億5百万円となり、前連結会計年度末より30億42百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が13億15百万円、コマーシャル・ペーパーが15億円増加したことなどによるものであります。
純資産の部は、552億5百万円となり、前連結会計年度末より4億68百万円増加いたしました。これは主に、為替換算調整勘定が1億83百万円、利益剰余金が1億23百万円増加したことなどによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社では、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次の通り定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次の通りです。
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
上場会社である当社の株式については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められているため、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思により決定されるべきであり、当社株式に対する大規模な買付行為に応じて当社株式を売却するかどうかの判断も、最終的には当該株式を保有する株主の皆様の意思によるべきものと考えます。
しかしながら、当社及び当社グループの経営にあたっては、独自のウエーハプロセスや半導体デバイスの製造技術、また回路技術を駆使した電源システムとオプティカルデバイスの組み合わせなど、幅広いノウハウと豊富な経験が必要になります。更に、お客様・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者に、これらへの理解が無い場合、将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできず、当社の企業価値及び株主共同の利益が著しく損なわれる可能性があります。
また、大規模な買付行為の中には、高値で株式を会社関係者に引き取らせる行為など、株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合もあります。この様な場合、当社は当該大規模買付行為の是非に関し、株主の皆様に適切にご判断いただくため、大規模買付行為を行おうとする者に対し、必要な情報の提供を求めるとともに、適切な情報開示や株主の皆様が検討に必要とする時間確保にも努め、また、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講ずるべきと考えております(以下「基本方針」といいます。)。
②基本方針実現のための企業価値向上に向けた取組み
当社では、経営理念に則り、半導体をコアビジネスに技術力と創造力の革新に努め、独自技術によるグローバルな事業展開を進めるとともに、企業に対する社会的要請や環境調和への着実な対応を通じて、企業価値を最大限に高めるべく、確固たる経営基盤の確保に邁進しております。更に、中長期的な会社の経営戦略として、3ヶ年にわたる中期経営計画を策定しており、その実現に向け、グループを挙げて取組んでおります。
また、当社では、独立系パワー半導体メーカーというポジションと、それを最大限活用する経営方針・経営計画へのご理解を深めて頂くため、各ステークホルダーとの対話を緊密化させ、企業価値への適正な評価が得られるように努めております。
コーポレート・ガバナンス体制の強化としては、独立社外取締役の選任により取締役会の監督機能を強化するとともに、執行役員制度を通じ機動的な業務執行体制の構築、マネジメント機能の強化を推進しております。加えて、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制の実現と、事業年度における取締役の経営責任の明確化を図るため、取締役の任期を1年としております。
当社取締役会は、これら取組みが、当社の企業価値を向上させるとともに、当社株主共同の利益を著しく損なう様な大規模買付行為の可能性を低減させると考えております。従って、これら取組みは基本方針に沿ったものであり、当社株主共同の利益に資するものであると考えております。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は43億54百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。