有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、米中貿易摩擦や、英国でのEU離脱後の見通しの不確実性等による景気減速が継続しております。また、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症による影響が出始め、今後の世界経済の急減速が見込まれております。
このような環境の下、企業価値である「Smiles for the Public ――人々が笑顔になれる社会をつくる――」を実現するため、モノ・ヒト両面を通じて「お客さまとのつながり」をより一層強める活動を行っております。国内では、自然災害対策、インバウンド需要、働き方改革などの社会情勢に沿った価値の提供を減災防災市場、交通インフラ市場を中心に展開してまいりました。また、海外では、一層の意思決定の迅速化や地産地消ビジネスの推進を通じて、アジア・パシフィック地域事業の拡大を図ることを目的に、シンガポールの連結子会社の株式を追加取得しました。また、地域密着商品のスピーディーな企画・開発・導入を目的として、中国のコミュニケーション機器メーカーとの合弁会社を設立しました。中国市場における業界トップシェアの獲得を目指していきます。
これらの結果、当期の売上高は45,068百万円(前年同期比△1,269百万円、2.7%減)となりました。利益については、販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は3,465百万円(前年同期比△437百万円、11.2%減)、経常利益は3,577百万円(前年同期比△522百万円、12.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,065百万円(前年同期比△438百万円、17.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、報告セグメントの算定方法を当連結会計年度より変更いたしました。この変更に伴い、前連結会計年度を変更後の算定方法により比較算出しております。
(日本)
売上高は29,412百万円(前年同期比△540百万円、1.8%減)、セグメント利益(営業利益)は6,775百万円(前年同期比+163百万円、2.5%増)となりました。
減災・防災市場で好評頂いている「ホーンアレイスピーカー」や、「防災用スリムスピーカー」の自治体向け販売などが伸長した一方、鉄道車両向けの出荷が減少したことなどにより、売上高は減少しましたが、販売費及び一般管理費が減少したことでセグメント利益は増加しました。
(アジア・パシフィック)
売上高は7,455百万円(前年同期比+272百万円、3.8%増)、セグメント利益(営業利益)は1,373百万円(前年同期比+127百万円、10.3%増)となりました。
タイでは地下鉄案件などの交通インフラ市場向けの納入が進みました。インドネシアでは大型スポーツ施設や空港などへの納入が進み、売上高、セグメント利益は増加しました。
(欧州・中東・アフリカ)
売上高は4,381百万円(前年同期比△924百万円、17.4%減)、セグメント利益(営業利益)は513百万円(前年同期比△417百万円、44.9%減)となりました。
欧州・中東地域の景気減速に伴う売上高減少に加え、為替円高による影響と大型案件の減少もあり、売上高、セグメント利益は減少しました。
(アメリカ)
売上高は2,148百万円(前年同期比△25百万円、1.2%減)、セグメント利益(営業利益)は138百万円(前年同期比△93百万円、40.4%減)となりました。
アメリカでの小売店向け音響機器の販売は伸長しましたが、為替円高による影響で売上高は減少しました。売上高の減少や販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益は減少しました。
(中国・東アジア)
売上高は1,670百万円(前年同期比△50百万円、2.9%減)、セグメント利益(営業利益)は181百万円(前年同期比△20百万円、10.1%減)となりました。
台湾や香港での販売は伸長しましたが、為替円高による影響で売上高は減少しました。売上高の減少や販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益は減少しました。
当連結会計年度末における総資産は58,653百万円となり、前連結会計年度末に比べ910百万円の増加となりました。資産の部は、現金及び預金や有価証券の減少はありましたが、たな卸資産や有形固定資産の増加などにより増加しました。負債の部は、短期借入金の増加や設備投資による未払金の増加などにより増加しました。純資産の部は、利益剰余金の増加はありましたが、資本剰余金の減少などにより減少しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は16,108百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,552百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益3,297百万円、減価償却費1,437百万円、たな卸資産の増加額△975百万円、法人税等の支払額△1,106百万円などにより、営業活動による資金の増加は1,832百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、仕入債務の減少による資金の減少が923百万円多かったこと、税金等調整前当期純利益が802百万円少なかったことなどにより、1,428百万円の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
研究開発棟等の新設や生産設備の取得による支出2,391百万円などにより、投資活動による資金の減少は2,558百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、有形固定資産の取得による支出が776百万円多かったことなどにより、533百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払879百万円や連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出2,458百万円などにより、財務活動による資金の減少は2,746百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、短期借入金の借入による純増額が886百万円多かった一方、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出2,458百万円が当連結会計年度に新たに発生したことなどにより、1,881百万円の支出の増加となりました。
当社及び子会社における資金需要は、製品の製造販売に関わる部材購入費や営業費用などの運転資金、設備投資資金、研究開発費が主なものであり、内部資金のほか、間接調達により十分な資金枠を確保しております。また、当社は複数の金融機関とコミットメントライン(特定融資枠契約)を締結しております。これらは、大きく変動する市場環境のなかで、事業成長のための資金需要に迅速に対応するためのものであります。なお、重要な資本的支出として、研究開発拠点の再開発を推進しております。こちらは、自己資金より支出しております。
(3) 生産、受注及び販売の状況
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 金額は製造原価ベース(消費税等別)によって記載しております。
②受注状況
当社は製品の性質上、原則として見込生産を行っております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、米中貿易摩擦や、英国でのEU離脱後の見通しの不確実性等による景気減速が継続しております。また、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症による影響が出始め、今後の世界経済の急減速が見込まれております。
このような環境の下、企業価値である「Smiles for the Public ――人々が笑顔になれる社会をつくる――」を実現するため、モノ・ヒト両面を通じて「お客さまとのつながり」をより一層強める活動を行っております。国内では、自然災害対策、インバウンド需要、働き方改革などの社会情勢に沿った価値の提供を減災防災市場、交通インフラ市場を中心に展開してまいりました。また、海外では、一層の意思決定の迅速化や地産地消ビジネスの推進を通じて、アジア・パシフィック地域事業の拡大を図ることを目的に、シンガポールの連結子会社の株式を追加取得しました。また、地域密着商品のスピーディーな企画・開発・導入を目的として、中国のコミュニケーション機器メーカーとの合弁会社を設立しました。中国市場における業界トップシェアの獲得を目指していきます。
これらの結果、当期の売上高は45,068百万円(前年同期比△1,269百万円、2.7%減)となりました。利益については、販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は3,465百万円(前年同期比△437百万円、11.2%減)、経常利益は3,577百万円(前年同期比△522百万円、12.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,065百万円(前年同期比△438百万円、17.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、報告セグメントの算定方法を当連結会計年度より変更いたしました。この変更に伴い、前連結会計年度を変更後の算定方法により比較算出しております。
(日本)
売上高は29,412百万円(前年同期比△540百万円、1.8%減)、セグメント利益(営業利益)は6,775百万円(前年同期比+163百万円、2.5%増)となりました。
減災・防災市場で好評頂いている「ホーンアレイスピーカー」や、「防災用スリムスピーカー」の自治体向け販売などが伸長した一方、鉄道車両向けの出荷が減少したことなどにより、売上高は減少しましたが、販売費及び一般管理費が減少したことでセグメント利益は増加しました。
(アジア・パシフィック)
売上高は7,455百万円(前年同期比+272百万円、3.8%増)、セグメント利益(営業利益)は1,373百万円(前年同期比+127百万円、10.3%増)となりました。
タイでは地下鉄案件などの交通インフラ市場向けの納入が進みました。インドネシアでは大型スポーツ施設や空港などへの納入が進み、売上高、セグメント利益は増加しました。
(欧州・中東・アフリカ)
売上高は4,381百万円(前年同期比△924百万円、17.4%減)、セグメント利益(営業利益)は513百万円(前年同期比△417百万円、44.9%減)となりました。
欧州・中東地域の景気減速に伴う売上高減少に加え、為替円高による影響と大型案件の減少もあり、売上高、セグメント利益は減少しました。
(アメリカ)
売上高は2,148百万円(前年同期比△25百万円、1.2%減)、セグメント利益(営業利益)は138百万円(前年同期比△93百万円、40.4%減)となりました。
アメリカでの小売店向け音響機器の販売は伸長しましたが、為替円高による影響で売上高は減少しました。売上高の減少や販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益は減少しました。
(中国・東アジア)
売上高は1,670百万円(前年同期比△50百万円、2.9%減)、セグメント利益(営業利益)は181百万円(前年同期比△20百万円、10.1%減)となりました。
台湾や香港での販売は伸長しましたが、為替円高による影響で売上高は減少しました。売上高の減少や販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益は減少しました。
当連結会計年度末における総資産は58,653百万円となり、前連結会計年度末に比べ910百万円の増加となりました。資産の部は、現金及び預金や有価証券の減少はありましたが、たな卸資産や有形固定資産の増加などにより増加しました。負債の部は、短期借入金の増加や設備投資による未払金の増加などにより増加しました。純資産の部は、利益剰余金の増加はありましたが、資本剰余金の減少などにより減少しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は16,108百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,552百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益3,297百万円、減価償却費1,437百万円、たな卸資産の増加額△975百万円、法人税等の支払額△1,106百万円などにより、営業活動による資金の増加は1,832百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、仕入債務の減少による資金の減少が923百万円多かったこと、税金等調整前当期純利益が802百万円少なかったことなどにより、1,428百万円の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
研究開発棟等の新設や生産設備の取得による支出2,391百万円などにより、投資活動による資金の減少は2,558百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、有形固定資産の取得による支出が776百万円多かったことなどにより、533百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払879百万円や連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出2,458百万円などにより、財務活動による資金の減少は2,746百万円となりました。
前連結会計年度との比較では、短期借入金の借入による純増額が886百万円多かった一方、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出2,458百万円が当連結会計年度に新たに発生したことなどにより、1,881百万円の支出の増加となりました。
当社及び子会社における資金需要は、製品の製造販売に関わる部材購入費や営業費用などの運転資金、設備投資資金、研究開発費が主なものであり、内部資金のほか、間接調達により十分な資金枠を確保しております。また、当社は複数の金融機関とコミットメントライン(特定融資枠契約)を締結しております。これらは、大きく変動する市場環境のなかで、事業成長のための資金需要に迅速に対応するためのものであります。なお、重要な資本的支出として、研究開発拠点の再開発を推進しております。こちらは、自己資金より支出しております。
(3) 生産、受注及び販売の状況
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
日本 | 24,568 | +0.2 |
アジア・パシフィック | 120 | △15.3 |
欧州・中東・アフリカ | 361 | △11.5 |
アメリカ | 39 | +63.5 |
中国・東アジア | 144 | △6.4 |
合計 | 25,233 | △0.0 |
(注) 金額は製造原価ベース(消費税等別)によって記載しております。
②受注状況
当社は製品の性質上、原則として見込生産を行っております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
日本 | 29,412 | △1.8 |
アジア・パシフィック | 7,455 | +3.8 |
欧州・中東・アフリカ | 4,381 | △17.4 |
アメリカ | 2,148 | △1.2 |
中国・東アジア | 1,670 | △2.9 |
合計 | 45,068 | △2.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。