有価証券報告書-第68期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/30 14:39
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの主要市場である米国におきましては、第1四半期から第3四半期にかけて健全な労働市場、賃金の上昇、堅調な消費マインドに支えられ、家計支出は強い状況であり、設備投資や輸出は弱含んだままとなっていたものの、経済全体としては緩やかな成長が続いておりました。しかし、第4四半期に入り、新型コロナウイルスが米国内においても本格的に感染拡大し、各地域で感染拡大防止に向け外出禁止令が発出されるなど、経済活動が事実上ストップしたことを受け、経済成長率が前年比で大幅に下落し失業者が増大するなどの影響が出ております。これを受け、連邦準備理事会は2020年3月に緊急理事会で政策金利を実質ゼロと大幅に引き下げ、米国政府も過去最大となる2兆ドル規模の景気刺激策法案を成立させましたが、2020年1月から3月期の実質GDPはマイナス4.8%と2008年10月から12月期のマイナス8.4%以来の落ち込みとなっております。
中国におきましては、2019年は政策による下支えにより景気は底堅い基調にありましたが、2020年年初から新型コロナウイルスの感染が中国全土に急拡大したことから、中国政府は2020年1月下旬より感染拡大の中心となっていた武漢市などの都市封鎖に踏み切りました。この措置に伴い、封鎖された都市等における経済活動が停止したことにより、中国の2020年3月の実質GDPは前年比マイナス6%を記録するに至りました。
わが国におきましては、2019年10月の消費税増税や台風等の影響を受け、個人消費や生産面で落ち込みがみられ、景気の減速感が強まりを見せておりました。2020年2月以降、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響が国内にも及んだことから、その拡大防止策として外出自粛、学校の休校といった措置が講じられるなど国内の様々な活動の制約が余儀なくされる状況に陥りました。これらにより、経済活動には深刻な影響が発生しており、政府による2020年4月の月例経済報告ではリーマンショック後に世界経済の低迷が続いた2009年5月以来約11年ぶりに「景気が急速に悪化しており、極めて厳しい状況」との判断が示されました。
このような状況下、当社グループにおきましては、主要市場である北米向けにAndroid TV搭載の新製品を投入、日本国内向けには2019年7月に「観る・録る」をコンセプトに録画ができる有機ELテレビ等を中心とする新製品ラインナップを投入いたしました。また、2019年6月には新カテゴリーとなるネイルアートプリンターである「CureNel」を市場投入いたしました。しかし、第1四半期から第2四半期にかけては、米国トランプ政権の関税強化措置(第4弾)の対象製品となった中国製液晶テレビが前倒しで米国市場に大量に輸出されたこと等を受け、液晶テレビが供給過剰となったことから製品価格が大幅に下落し、当社製品の販売に大きな影響が発生いたしました。
第3四半期は、前述の関税強化措置が2019年9月15日から施行されたことにより、中国製液晶テレビの北米向け輸出が大幅に減少して製品の需給バランスが改善いたしました。加えて、大手量販店における液晶テレビの小売価格が更に下落すると想定しコストダウンに努めていたところ、製品価格が想定より下げ止まりしたこと、年末商戦向けに用意した65インチ液晶テレビの販売が好調だったこと等により、営業利益を確保することができました。
第4四半期は、新型コロナウイルス感染拡大による中国サプライヤーの部品供給遅延などがあったものの、当社の液晶テレビ生産拠点であるFUNAI(THAILAND)CO.,LTD.並びにFunai Manufacturing, S.A.DE C.V.における生産は概ね計画どおりとなり北米向け輸出を継続することができました。一方、中国から北米市場への液晶テレビの輸出が新型コロナウイルス感染拡大で更に減少したこと等が当社グループに有利に働きました。他方、ブルーレイディスクレコーダーやプリンター等の生産拠点であるFunai Electric Philippines Inc.は2020年1月にタール火山噴火の影響、2月は新型コロナウイルス感染拡大による中国サプライヤーの部品供給遅延に加え、3月中旬からはフィリピン国内の新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とするコミュニティ隔離宣言、外出禁止令を受け工場稼働を停止する等、生産計画に影響を及ぼしました。しかし、全体としては液晶テレビ等の販売で補うことができ2四半期連続で営業黒字となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は57,985百万円(前連結会計年度末69,958百万円)となり、11,972百万円減少いたしました。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は12,698百万円(前連結会計年度末13,335百万円)となり、637百万円減少いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は18,589百万円(前連結会計年度末28,121百万円)となり、9,532百万円減少いたしました。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は905百万円(前連結会計年度末1,114百万円)となり、209百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は51,189百万円(前連結会計年度末54,057百万円)となり、2,868百万円減少いたしました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高88,425百万円(前期比16.2%減)、営業損失1,732百万円(前期は682百万円の営業利益)、経常損失1,594百万円(前期は1,392百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失2,392百万円(前期は2,613百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
所在地別セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本は、売上高36,074百万円(前期比1.5%減)、セグメント損失(営業損失)2,534百万円(前期は637百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。
(米州)
米州は、売上高51,198百万円(前期比24.8%減)、セグメント利益(営業利益)227百万円(前期比41.6%増)となりました。
(アジア)
アジアは、売上高1,153百万円(前期比40.7%増)、セグメント利益(営業利益)479百万円(前期比32.3%減)となりました。
(その他)
欧州においては、インクカートリッジの販売が終了したことから計上すべき売上はありません。セグメント利益(営業利益)は87百万円(前期比35.3%増)となりました。なお、前連結会計年度まで欧州としておりましたが、重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より報告セグメントから除外し、その他としております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純損失の計上、仕入債務の減少、未払金の減少及び有形固定資産の取得による支出等があったものの、売上債権の減少、たな卸資産の減少及び定期預金の払戻による収入等により、前連結会計年度末に比べ1,029百万円(3.1%)増加し、当連結会計年度末には34,573百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は1,653百万円であり、前連結会計年度に比べ1,854百万円(52.9%)減少となりました。これは主に税金等調整前当期純損失の計上、仕入債務の減少及び未払金が減少したものの、売上債権の減少及びたな卸資産が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は490百万円であり、前連結会計年度に比べ284百万円(36.7%)減少となりました。これは主に定期預金の払戻による収入及び有形固定資産の売却による収入があったものの、定期預金の預入による支出及び有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は231百万円であり、前連結会計年度に比べ8百万円(3.6%)減少となりました。これはリース債務の返済による支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
日本(百万円)4,914113.8
米州(百万円)14,663277.6
アジア(百万円)40,60864.2
合計(百万円)60,18682.7

(注)1.金額は製造価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループが販売している自己ブランド製品は需要予測による見込生産を行っております。従いまして、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
日本(百万円)36,07498.5
米州(百万円)51,19875.2
アジア(百万円)1,153140.7
合計(百万円)88,42583.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、金額には消費税等は含まれておりません。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額
(百万円)
割合(%)金額
(百万円)
割合(%)
WAL-MART STORES,INC.53,60150.846,55752.7
株式会社ヤマダ電機16,28115.416,72418.9

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は57,985百万円(前連結会計年度末69,958百万円)となり、11,972百万円減少いたしました。
受取手形及び売掛金の減少(7,724百万円から6,472百万円へ1,251百万円減)、商品及び製品の減少(13,517百万円から4,693百万円へ8,824百万円減)、原材料及び貯蔵品の減少(11,059百万円から9,293百万円へ1,766百万円減)が大きく、受取手形及び売掛金の減少の原因の主なものは、売上が減少したことによるものであります。商品及び製品の減少の原因の主なものは、当社グループの主要市場である米国において、第4四半期に中国から北米市場への液晶テレビの輸出が新型コロナウイルス感染拡大により減少したこと等に伴い当社製品への需要が増加したことによるものであります。また、原材料及び貯蔵品の減少の原因の主なものは、原材料の仕入が減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は12,698百万円(前連結会計年度末13,335百万円)となり、637百万円減少いたしました。
その原因の主なものは、繰延税金資産の減少(1,201百万円から848百万円へ352百万円減)によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は18,589百万円(前連結会計年度末28,121百万円)となり、9,532百万円減少いたしました。
支払手形及び買掛金の減少(15,618百万円から8,763百万円へ6,854百万円減)、未払金の減少(8,287百万円から5,472百万円へ2,814百万円減)が大きく、支払手形及び買掛金の減少の原因の主なものは、原材料等の仕入が減少したことによるものであります。また、未払金の減少の原因の主なものは、特許権使用料に係る未払金の減少によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は905百万円(前連結会計年度末1,114百万円)となり、209百万円減少いたしました。
固定負債のその他に含まれている長期未払金の減少(333百万円から8百万円へ324百万円減)が大きく、その原因の主なものは、支払期日が1年以内に到来する長期未払金が流動負債へ振り替られたことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は51,189百万円(前連結会計年度末54,057百万円)となり、2,868百万円減少いたしました。
その原因の主なものは、利益剰余金の減少(24,583百万円から22,190百万円へ2,393百万円減)及び為替換算調整勘定の減少(△11,609百万円から△11,974百万円へ364百万円減)によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は88,425百万円(前期比16.2%減)となりました。第1四半期から第2四半期にかけて、米中貿易戦争の影響で中国製液晶テレビが前倒しで米国に大量に輸出されたこと等を受け、液晶テレビが供給過剰となったこと等から製品価格が大幅に下落し収益に大幅な影響が生じました。第3四半期は関税強化措置が2019年9月から施行されたことにより、中国製液晶テレビの北米向け輸出が大幅に減少して製品の需給バランスが改善いたしました。加えて、大手量販店における液晶テレビの小売価格が想定より下げ止まったことなどにより収益が改善いたしました。第4四半期は、Funai Manufacturing,S.A.DE C.V.並びにFUNAI(THAILAND)CO.,LTD.におけるテレビ生産は新型コロナウイルス感染拡大の影響はあったものの、ほぼ計画通りとなり、北米向け輸出は継続できました。他方、中国から北米市場への液晶テレビ輸出が新型コロナウイルス感染拡大で更に減少したこと等が当社グループに有利に働きました。
(営業利益)
利益面につきましては、売上の減少で約1,700百万円、売上から売上原価と販売費を除いた付加価値の低下により約800百万円の減益要因が生じましたが、一般管理費が100百万円改善したことにより、1,732百万円の営業損失(前期は682百万円の営業利益)となりました。
(経常利益)
前述の内容に加え、受取利息ほかの営業外収益と円高による為替差損などの営業外費用などプラスマイナスがあり、この結果、経常損失は1,594百万円(前期は1,392百万円の経常利益)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
前述の内容に加え、親会社株主に帰属する当期純損失は法人税の支払いなどにより2,392百万円(前期は2,613百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、本業における利益率を高めることが全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、売上高営業利益率を最も重要な指標として位置付けております。
前連結会計年度に持続的な成長に向けて収益構造改革を実現する「2018年度 経営方針(2018年4月~2021 年3月)」を策定し、「マーケット・シェアの拡大」「FUNAIブランド浸透」「新規ビジネスの展開」の3つの基本戦略に取り組んでまいりました。その結果、初年度である前連結会計年度は、売上高105,549百万円、営業利益682百万円となり、黒字化の目標を達成いたしました。経営方針2年目となる当連結会計年度は、前述の経営成績のとおり、当社グループの主要市場である北米市場において米中貿易摩擦の影響を受け、売上高88,425百万円、営業損失1,732百万円となりました。2021年3月期連結会計年度につきましては、前述の「第2 事業の状況(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」等で記載したとおり、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せず、今後の需要動向を予測することが極めて困難であることから、2021年3月期の連結業績予想につきましては、極めて遺憾ながら現時点では未定とさせて頂いております。新型コロナウイルス感染症の収束が見通せる段階に入り、今後の予測について合理的に算定できた時点において、速やかに開示することといたします。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
薄型テレビやBDレコーダーなどの「FUNAIブランド」製品は、当連結会計年度においてハイエンド製品である有機ELテレビを含む製品ラインナップを刷新し更なる拡売を図るとともに、2019年6月1日から新規商材であるネイルアートプリンター「CureNel」の市場投入を開始し、年末商戦も堅調に推移いたしました。しかし、液晶テレビ等の単価下落等の影響もあり、売上高は36,074百万円(前期比1.5%減)となり、セグメント損失(営業損失)は2,534百万円(前期は637百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。
(米州)
第1四半期から第2四半期にかけては、米国トランプ政権の関税強化措置(第4弾)の対象製品となった中国製液晶テレビが前倒しで米国市場に大量に輸出されたことを受け、液晶テレビが供給過剰となったこと等から製品価格が大幅に下落した影響を受けました。第3四半期に入り、関税強化措置(第4弾)が発動され、中国製液晶テレビの北米市場向けの輸出が大幅に減少したこと等から液晶テレビの製品価格が下げ止まり、年末商戦も堅調に推移いたしました。第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染拡大により中国サプライヤーの部品供給遅延などの影響もありましたが、当社の液晶テレビ生産拠点であるFUNAI(THAILAND)CO.,LTD. 並びにFunai Manufacturing,S.A.DE C.V.における生産は概ね計画通りとなり北米向け輸出が継続できました。この結果、売上高は51,198百万円(前期比24.8%減)、セグメント利益(営業利益)は227百万円(前期比41.6%増)となりました。
(アジア)
部品関連の販売が減収となりましたが、液晶テレビが増収となりました。この結果、売上高は1,153百万円(前期比40.7%増)、セグメント利益(営業利益)は479百万円(前期比32.3%減)となりました。
(その他)
欧州においては、インクカートリッジの販売が終了したことから計上すべき売上はありません。セグメント利益(営業利益)は87百万円(前期比35.3%増)となりました。なお、前連結会計年度まで欧州としておりましたが、重要性が乏しくなったため当連結会計年度より報告セグメントから除外し、その他としております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要及び設備資金需要があります。
運転資金需要のうち主なものは製品の仕入、製造子会社では製品を製造するための材料仕入、製造費、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要といたしましては、主に機械装置並びに工具、器具及び備品等の固定資産購入によるものであります。
財務政策
当社グループは現在、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は銀行からの借入金で調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、その作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び収益、費用の報告数値について影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は過去の実績や状況に応じた合理的な見積り、判断及び仮定により継続的に検証し意思決定を行っており、特に次の会計方針が連結財務諸表の作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、当連結会計年度の連結財務諸表の作成にあたって、新型コロナウイルス感染症の影響を会計上の見積り及び仮定の設定において検討しておりますが、現時点において重要な影響を与えるものではないと判断しております。ただし、今後の状況の変化によって判断を見直した結果、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
a.たな卸資産の評価減
当社グループは、たな卸資産の市場需要に基づく将来販売見込み及び市場状況に基づく時価の見積額を測定し、収益性が低下したたな卸資産については帳簿価額を切り下げ、評価減を計上しております。実際の市場における将来需要又は時価が当社グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、事業用資産については連結グループにおける管理会計上の単位を基礎とした区分により、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行っており、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。