四半期報告書-第69期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/10 10:14
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は下記のとおりであります。
資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べて4,027百万円増加いたしました。その主なものは、現金及び預金が3,984百万円、原材料及び貯蔵品が2,850百万円減少し、受取手形及び売掛金が6,993百万円、商品及び製品が2,693百万円、のれんが1,396百万円増加したことなどによるものであります。
負債の部につきましては、前連結会計年度末に比べて5,529百万円増加いたしました。その主なものは、支払手形及び買掛金が2,421百万円、短期借入金が1,177百万円、未払金が1,534百万円増加したことなどによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べて1,502百万円減少いたしました。その主なものは、利益剰余金が339百万円、為替換算調整勘定が1,097百万円、退職給付に係る調整累計額が104百万円減少したことなどによるものであります。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間における世界経済の動向につきましては、世界銀行が2021年1月5日に発表した2020年度の世界経済の成長率は4.3%のマイナス成長となる見込みであります。2020年7月から9月に世界的に経済再開が進んだことで2020年6月時点の予想に比べ0.9ポイント上方修正されましたが、リーマンショックが発生した2009年のマイナス1.7%を大きく下回り、戦後最悪を記録する見込みであります。2021年度は世界経済の成長率を4.0%と予測し、2020年6月時点から0.2%下方修正しております。新型コロナウイルスのワクチン普及が進まず信用収縮などが加わる深刻な事態に陥った場合には、2021年度もマイナス成長の可能性が残ると試算しております。
当社グループの主要市場である米国の状況といたしましては、2020年2月以降、新型コロナウイルスが米国内において感染拡大したことにより経済活動へ及ぼした影響は、連邦準備理事会が政策金利を実質ゼロに引き下げたことや米国政府による巨額の財政支援策などにより改善傾向にあります。失業率は2020年4月に戦後最悪の14.7%を記録し、その後は改善しておりましたが、2020年10月の失業率は6.9%、11月は6.7%、12月は6.7%となり改善傾向が鈍化いたしました。特に12月は非農業部門の雇用者数が前月比でマイナス14.0万人に転じるなど、新型コロナウイルスの第2波の拡大に伴い、政府による規制強化、外出抑制などの影響が出始めております。今後の米国の経済につきましては、新型コロナウイルスのワクチンが2021年4月から6月にかけて接種されることを前提に、2021年後半には景気回復が加速されるとの見通しを示しておりましたが、足元の新型コロナウイルス感染者数の増加で今後4ヵ月から5ヵ月は非常に厳しい景気動向になるとの見通しも示しており、今後の経済見通しは引き続き不透明であります。
わが国の状況といたしましては、2020年12月22日に政府が公表した月例経済報告におきまして、国内景気について「依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる」との総括判断を維持しております。足元では新型コロナウイルス感染の「第3波」が続き、景気の下押し圧力が強まっているものの、政策効果や海外経済の改善によって回復基調が続くとの見通しを維持いたしました。個人消費については前月までの「持ち直している」から「一部に足踏みも見られるが、総じてみれば持ち直している」に下方修正した一方、輸出については「持ち直している」から「増加している」に上方修正いたしました。中国向け電子部品を始め、アジアや米国向けの輸出数量が増えていることを踏まえたものとなっております。輸入や企業収益などもそれぞれの判断が上方修正されております。しかし、先行きにつきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響について「内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要がある」と指摘しております。
このような状況下、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、62,229百万円(前年同四半期比11.4%減)となりました。これは米国市場において、2020年3月期第4四半期から続いている液晶テレビの好調な販売が、当第3四半期においても持続されたものの、年末商戦向け特売製品の販売を行わなかったことから、当該売上が減少したことなどによるものであります。損益面につきましては、米国における液晶テレビ事業の利益率の改善などにより、営業利益は480百万円(前年同四半期は1,889百万円の営業損失)を計上することになりました。経常利益は、受取利息及び為替差益を計上したことなどから775百万円(前年同四半期は1,478百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は、当社の連結子会社であるFUNAI CORPORATION,INC.において法人税等調整額を計上したことに加え、当社と当社の連結子会社であるP&F MEXICANA,S.A. DE C.V.との取引について、移転価格税制に関する事前確認申請等に基づいて法人税等の追加納付が見込まれる額を「過年度法人税等」として計上したことなどから、339百万円(前年同四半期は1,579百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
所在地別セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本の2020年のテレビ市場におきましては、アナログ停波から約10年が経過したことによる買い替え需要や新型コロナウイルス対策として日本政府による特別定額給付金の給付に加え、巣ごもり需要の影響により好調に推移いたしました。当社が株式会社ヤマダホールディングスと独占販売契約を締結している薄型テレビやBDレコーダーなどの「FUNAIブランド」製品は2K液晶テレビの販売が好調であり、2020年6月から発売した世界初のハードディスク内蔵有機EL Android TV™も引き続き好調に推移し、高付加価値製品である4K液晶テレビの販売比率も向上いたしました。この結果、売上高は25,436百万円(前年同四半期比2.2%減)となり、セグメント損失(営業損失)は1,190百万円(前年同四半期は2,446百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
(米州)
米国のテレビ市場におきましては、米国政府による失業保険の給付や巣ごもり需要による特需等により、テレビ販売が前年に比べ大幅に伸長し、その傾向が当第3四半期においても持続されたことなどにより、液晶テレビの販売を中心とする映像機器事業の好調な売上が維持されました。これに伴い、当第3四半期において北米市場における液晶テレビなどの流通在庫は、引き続き低い水準で推移するとともに販売価格も維持されました。なお、2021年3月期第3四半期においては年末商戦向け特売製品の販売を行わなかったことから、当該売上が減少いたしました。この結果、売上高は36,747百万円(前年同四半期比15.0%減)となり、セグメント利益(営業利益)は1,341百万円(前年同四半期比398.3%増)となりました。
(アジア)
液晶テレビの販売が減少したこと等により、売上高は22百万円(前年同四半期比97.7%減)となり、セグメント利益(営業利益)は988百万円(前年同四半期比597.0%増)となりました。
(その他)
欧州におきましては、第1四半期連結会計期間に全株式を取得し連結の範囲に含めたプレキシオン株式会社の100%子会社であるPreXion(Europe)GmbHの損益計算書を第2四半期連結会計期間から連結したことにより、新たに歯科用CTスキャンの売上を計上いたしました。売上高は23百万円(前年同四半期は売上計上なし)となり、セグメント損失(営業損失)は103百万円(前年同四半期は98百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3,798百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。