有価証券報告書-第57期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 13:54
【資料】
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【項目】
116項目

対処すべき課題

当社グループは、アジア新興国を中心に拡大を続ける半導体組立市場において、微細化・高精度化・低コスト化が進むパッケージに対応するため、コスト競争力や高付加価値を伴う製品の拡販、市場を牽引する大手OSATなどの新規顧客の開拓、収益構造改革の一環として数年来取り組んでいるタイ工場への生産移管などに注力してきました。これらは着実に進展し、一定の成果が現われつつある一方で、製品の開発および評価期間の長期化とともに、収益構造改革の諸施策は途上にあり、依然として厳しい業績状況が続いています。
こうした状況の中で、当社グループは以下の課題に取り組んでいます。
① 事業効率の改善
グローバルな市場ニーズの変化にタイムリーかつスピーディに対応するため、平成25年10月より「企業体質強化」に取り組み、営業・技術・生産体制の再構築を進めています。引き続きこの新体制構築を推進していくとともに、その早期定着を目指します。
営業については、各国販売拠点が主体の各地域に密着した販売活動をすることにより、顧客満足度の向上を図ります。
技術については、生産・品質部門と連携し、開発・設計からのコストダウンを推進し、収益性改善を目指します。
生産については、最適地生産によるコスト低減を実現するため、一部製品の製造業務を外部に委託するとともに、フレキシブルできめ細やかな生産を目指すべく生産機能を子会社へ移管する取り組みを進めています。また、タイ工場・国内工場および外部委託先それぞれが相互補完関係を築き、グループ全体の生産効率向上に努めていきます。
② ビジネスチャンス獲得に向けた技術力・商品力の向上
今後のパッケージ技術トレンドは、フリップチップ、ウェーハ・レベル・パッケージなどのワイヤレスプロセスが大幅に増加していくと予想されており、フリップチップボンダ市場の拡大が期待されています。また、TCB工法フリップチップデバイスの量産が見込まれており、来たるべき顧客の量産投資に備え、外部パートナーとのアライアンスも推進し、3Dパッケージなどの先端技術分野での競争優位性を高めていきます。同時に、多様な工法への対応により競合他社との差別化を図るとともに、コスト競争力の高い次世代プラットフォームの開発に注力していきます。
ワイヤボンダ・ダイボンダでは、既存顧客・新規参入顧客へ信頼性の高い技術提供を継続していきます。また、装置単体のオペレーター・サポート機能を発展させ、装置稼働状況や生産状況の管理も含めたシステム・ソリューション提案を通じて、新興OSAT等への拡販を図ります。