有価証券報告書-第42期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/30 14:15
【資料】
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【項目】
169項目

研究開発活動

研究開発につきましては、技術革新と市場環境変化の激しい半導体、電子デバイス業界にあって、各ユーザーとの情報交換・技術交流を通して今後の技術発展動向とユーザーニーズを先取りすることを重視し、研究開発をすすめております。
現在の研究開発は、当社の技術担当部門が中心となり、日本・米国・欧州・アジアの各拠点で進めております。
当連結会計年度の研究開発費は5,513百万円であります。なお、研究開発費については、セグメント別に表示することは困難であるため総額で表示しております。
その主な成果は次のとおりであります。
(1)半導体等装置関連事業
①真空シール
真空シール事業におきましては、シール機能や回転機能以外の付加価値のある製品開発に加え、磁性流体を始めとする基礎技術開発も積極的に取り組んでおります。
②セラミックス製品
ファインセラミックス事業におきましては、大手半導体製造装置メーカー向けのチャンバー部品用高性能素材の開発ならびに認定取得の取り組みを進めております。また、マシナブルセラミックス事業に関しましては、半導体検査装置部品用の高機能素材の開発ならびにレーザー加工技術の高度化に取り組んでおり、素材の特性を活かした応用製品の開発も進めております。
③CVD-SiC
CVD-SiC事業におきましては、半導体製造装置用部品の開発を進め、大手顧客での実機評価が複数進行中です。あわせて製造プロセス技術の高度化と合理化を進め、高性能かつコスト競争力のある製品の開発を推進中です。
④石英坩堝製品
石英坩堝については、半導体向け需要に応えるために、品質の安定化や積極的な改善を実施しております。さらに、半導体向け大口径型の石英坩堝の需要や顧客要求量を満足させるため、新規製造設備の導入及び製造プロセスの確立作業にも積極的に取り組んでおります。
⑤シリコンウエーハ事業
半導体向けシリコンウエーハを単結晶インゴットからウエーハ加工まで一貫した製造を行なうための試作開発と量産技術開発に取り組んでいます。シリコンウエーハについては、結晶引上げを銀川工場にて製造し、6インチ以下の小口径ウエーハを上海工場にて製造、8インチと12インチウエーハは、杭州工場で試作開発と量産技術開発を行なっており、ウエーハ品質の重要な項目である結晶欠陥制御、平坦度、清浄度などの品質向上を目指します。
杭州工場は新たにエピタキシャルウエーハの生産に取り組んでおり、顧客が取り扱うバイポーラIC用・ディスクリート用・MEMS用・CIS用などの量産品に向けた供給体制を築くための技術開発に取り組んで貢献してまいります。
⑥再生ウエーハ事業
再生ウエーハ事業としてシリコンウエーハ事業部の顧客の膜付ウエーハをWet膜剥離し、再研磨、検査を行い再生ウエーハとして納入製造を行うための量産技術開発に取り組んでいます。顧客要望の強い12インチ大口径ウエーハを中心に8インチウエーハ含め、膜剥離プロセス、研磨プロセスの技術開発に取り組んでおります。
(2)電子デバイス事業
①サーモモジュール
熱電材料開発としては、引き続き性能向上に取り組んでおります。サーモモジュールを使用したアッセンブリ製品開発においては、半導体、医療やオートモーティブ分野など多岐にわたる分野・アプリケーションで様々な顧客から高い評価を頂いており、継続的に高付加価値化・信頼性向上を目的とした構造の開発に取り組んでおります。
②磁性流体
スマートフォン用振動デバイス向け次世代製品、医療診断・検査向けの新たな磁性材料製品を米国拠点と共同で開発し、量産工程の立上げを進めています。中長期の当社事業成長を支えるべく、自動車・医薬・精密機器に関連する新応用について、学術機関と連携しながら研究開発を継続的に推進し、積極的に成果を公開しています。
③パワー半導体用基板
グローバルに顧客を有する当社ではパワーデバイストップメーカーからの要求に応えるべく性能向上及び品質改善に取り組んでおり、顧客より好評を得て、順調に売上を伸ばしております。信頼性要求が高い車載向け製品にも採用・検討が進んでおり、更なる売上向上を目指し、顧客要望仕様に応えることができる製品開発に積極的に取り組んでおります。