四半期報告書-第198期第1四半期(平成26年4月1日-平成26年6月30日)
有報資料
文中の将来に関する事項は,当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間のわが国経済は,消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減により,一時的に減速したものの,その影響は限定的で,全体としては緩やかな回復基調が続きました。
また,世界経済は,一部の新興国での政情不安や地政学的リスクが引き続き見られたものの,先進国を中心に全体として緩やかな拡大傾向にありました。
このような事業環境下での,当社グループの当第1四半期連結累計期間の受注高は前年同期比18.9%増の2,775億円となりました。売上高は,前年同期比11.2%増の2,812億円となりました。また,損益面では,営業利益は前年同期比94.7%増の151億円となったものの,持分法投資損益及び為替差損益の悪化の影響により経常利益は前年同期比20.0%減の121億円となり,四半期純利益についても前年同期比28.7%減の65億円となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
⦅資源・エネルギー・環境⦆
受注高は,ボイラの増加により,前年同期比18.2%増の1,017億円となりました。
売上高は,ボイラ,ガスプロセスの増収により,前年同期比27.8%増の724億円となりました。
営業損益は,上述の増収の影響があったものの,低採算工事の受注等により,前年同期から12億円悪化し,12億円の赤字となりました。
⦅社会基盤・海洋⦆
受注高は,海洋構造物の増加により,前年同期比130.3%増の460億円となりました。
売上高は,橋梁の増収と,都市開発における不動産の分譲の増加により,前年同期比56.0%増の379億円となりました。
営業損益は,海外橋梁がおおむね順調に推移していること及び都市開発の増収により,前年同期から25億円改善し,13億円の黒字となりました。
⦅産業システム・汎用機械⦆
受注高は,車両過給機の増加により,前年同期比9.8%増の959億円となりました。
売上高は,車両過給機,製紙機械が増収となったものの,運搬機械の減収と昨年10月にIHIメタルテック㈱の圧延機を主体とする事業を分離した影響により,前年同期比4.6%減の861億円となりました。
営業利益は,上述の減収の影響に加え,販管費の増加等により前年同期比52.9%減の22億円となりました。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
受注高は,ロケットシステム・宇宙利用,防衛機器システムの減少により,前年同期比17.4%減の322億円となりました。
売上高は,前年同期に艦艇用ガスタービンの引渡しがあったことの反動により防衛機器システムが減収となったものの,民間向け航空エンジンの引渡し台数増加により,前年同期比1.5%増の842億円となりました。
営業利益は,航空エンジンの増収と採算改善や費用発生の後倒し等により,前年同期比89.1%増の148億円となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は1兆5,218億円となり,前連結会計年度末と比較して254億円増加しました。主な増加項目は,仕掛品で482億円,現金及び預金で114億円,主な減少項目は受取手形及び売掛金で510億円です。
負債は1兆1,754億円となり,前連結会計年度末と比較して416億円増加しました。主な増加項目は,退職給付に係る負債で236億円,前受金で207億円です。
純資産は3,463億円となり,前連結会計年度末と比較して161億円減少しました。これには四半期純利益65億円,剰余金の配当による減少92億円,及び退職給付会計基準等の変更に伴う利益剰余金の減少146億円が含まれています。
以上の結果,自己資本比率は,前連結会計年度末の23.1%から21.7%となりました。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は62億円です。なお,当第1四半期連結累計期間において,当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因と対処状況
当社グループのIHI E&C International Corporation(IHI E&C社)とKiewit Energy Company(キューイットエナジー社)のジョイントベンチャーであるIHI-Kiewit J.V.が昨年度受注した,米国のコーブポイント天然ガス液化設備のEPC事業については,設計は順調に進行中であり,主要機器の発注も完了し,現在,建設許可受領後の現地着工に向けて,建設計画を進めています。引続き,IHI E&C社を軸にして国内関係部門や米州統括会社等が連携し,施工体制及びモニタリング体制の強化を通じて,本プロジェクトを着実に遂行していきます。
また,橋梁事業において,平成23年度に当社グループの㈱IHIインフラシステムと伊藤忠商事㈱のコンソーシアムが受注したトルコのイズミット湾横断橋の建設工事は,昨年1月に工事着工し,本年3月に,北側及び南側の主塔基礎ケーソンを予定通りのスケジュールで水中40メートルの海中に沈設し,本年7月に主塔ブロックを搭載しました。
これら大規模プロジェクト遂行にあたっては,引き続き内部管理体制を維持し,リスクマネジメントを確実に実行していく所存です。
(5)経営戦略の現状と見通し
今後のわが国経済は,消費税率引き上げの反動による影響が一巡することに加え,経済政策による内需の下支えにより,持続的な成長が期待されます。
また,世界経済は,米国の量的金融緩和縮小の影響や,中国をはじめとする一部の新興国に景気減速懸念があるものの,米国で消費や設備投資が堅調な伸びを示していることや,欧州で金融緩和により消費や投資に回復の兆しが見られることなどから,先進国を中心に緩やかな回復が継続すると見込まれます。
このような状況にあって,当社グループは,昨年4月よりスタートした3ヵ年の中期経営計画「グループ経営方針2013」にもとづく取組みを進めています。「グループ経営方針2013」の中間年度である平成26年度は,「資源・エネルギー・環境」「社会基盤・海洋」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4事業領域と「ソリューション・エンジニアリング」「高度情報マネジメント」「グローバルビジネス」の3つの「つなぐ」機能との連携をさらに強化し,平成27年度経営目標の達成に向けて成長を加速していきます。
当第1四半期連結会計期間における主要な取組みは次のとおりです。
資源・エネルギー・環境事業では,世界的な天然ガス需要の拡大を背景に,LNG(液化天然ガス)貯蔵タンク及び受入基地建設が増加傾向にあり,当四半期においては,清水建設㈱と共同で,石油資源開発㈱の計画する相馬LNG受入基地向けに地上式LNGタンクの施工を開始しました。本事業は,東北太平洋岸地域への天然ガス安定供給能力の確保を目的として,相馬港にLNG基地並びに既存新潟・仙台ラインとの接続パイプラインを建設するものであり,震災復興,地元雇用の創出への貢献が期待されることから,復興庁より東日本大震災復興特別区域法に基づく復興推進計画に認定されています。また,6月には,ドイツのエンジニアリング会社Steinmüller Engineering GmbH(シュタインミュラーエンジニアリング社,以下SE社)をドイツのSiemensAG(シーメンス社)から買収しました。SE社は未利用エネルギーである褐炭を燃料とする火力発電用ボイラの知見を数多く有しており,今後の市場拡大が期待される褐炭焚きボイラの開発を加速し,早期の市場参入を目指します。
社会基盤・海洋事業では,中国最大の民間EPCコントラクターであるThe Wison Group(ウィソン社)から,浮体式LNG受入・再ガス化設備(FSRU:Floating Storage and Regas Unit)に搭載するSPB(Self-supporting, Prismatic shape, IMO type B)タンク2基を受注しました。SPBタンクは,当社グループが開発した独自の技術で,タンク内部に隔壁があり船体構造から独立しているためLNGの揺れによる衝撃損傷を受けにくく,貨物内にタンクを格納できることから甲板上にLNGプラント等を設計しやすい等の優位性を有しています。また,ノルウェーのBW Offshore Limited(BWオフショア社)から,洋上での石油生産に使用される「浮体式石油生産・貯蔵・積出設備(FPSO:Floating Production Storage and Offloading Unit)の船体建造工事」一式を受注しました。本FPSOは,BWオフショア社から英国のPremier Oil plc(プレミアオイル社)にリースされ,平成29年中頃に北海での運用を開始する予定です。
産業システム・汎用機械事業では,当社グループの㈱IHI機械システムが,今後も成長が見込まれる中国において熱処理設備製造のリーディングカンパニーである江蘇豊東熱技術股份有限公司(フェンドン社)と,真空熱処理装置の生産・販売拠点となる合弁会社設立についての契約を,6月に締結しました。当社グループの真空炉・真空浸炭炉事業は,自動車をはじめとする製造業の発展に伴い順調に推移しており,部材の軽量化や高機能化の流れを受けて,引き続き成長が見込まれています。
航空・宇宙・防衛事業では,世界的な航空機需要の増加に対応すべく,航空エンジン用複合材部品の専門工場を,相馬事業所と当社グループの㈱IHIエアロスペース富岡事業所の2拠点に新設することを決定しました。両工場とも,当社グループとしては初となる複合材部品の専門工場で,複合材の積層・切断から成形,接着,塗装といった工程を1つのラインで行ないます。これにより,通常,量産化が難しいとされていた,複合材部品のリードタイムを大幅に短縮し,量産化が可能となります。富岡は平成26年度上期中に,相馬は平成28年度上期に完成する予定です。また,6月には,米国のGeneral Electric Company(ゼネラル・エレクトリック社)が開発を進めている,Boeing777Xに搭載される民間航空エンジン「GE9X」のエンジンプログラムに参加することを決定しました。「GE9X」は,現在,運航中のBoeing777に搭載されている「GE90」の後継エンジンであり,当社グループは,「GE90」と同様に,低圧タービン部品等を担当します。「GE9X」は,民間航空エンジンとしては世界最大級の100,000ポンド級の推力を有し,かつ「GE90」に比べ約10%の燃費改善を目指した最新鋭の航空エンジンとなります。
また,3つの「つなぐ」機能に関しては,「ソリューション・エンジニアリング」では,昨年度実現した複数のプロジェクトからさらに対象事業の拡大に向けたソリューション営業の強化を,「高度情報マネジメント」では,制御システムの適用拡大を図るとともに,センシング・ICTの強化により当社グループ製品・サービスの高度化・総合化を進めています。「グローバルビジネス」においては,重点国・重点地域を対象として当社グループの取組みをプロモートすることに加え,重点国別のマーケティング機能の強化に取り組んでいきます。
さらに,当社グループは,「グループ経営方針2013」の実現に向けて,当社の本社を「グループ本社」と位置付け,グループの成長に貢献する本社機能の強化を目的とした本社業務改革活動を昨年度より推進しており,その一環として,本年4月1日付けで当社に「グループ業務統括室」を新設しました。「グループ業務統括室」では,当社グループの管理・サービス等の業務を集約して業務プロセスの標準化を推進し,本社機能の業務効率の最大化を図っていきます。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金については,借入金や社債,コマーシャル・ペーパー及び自己資金により充当しています。当第1四半期連結会計期間末の有利子負債残高はリース債務を含めて3,800億円であり,前連結会計年度末と比較して222億円増加しています。この増加は主に事業活動による運転資金の増加及び投資資金の一部を外部借入等で調達したことによります。
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は727億円であり,主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠,コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段とあわせて,十分な流動性を確保しています。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当第1四半期連結累計期間において,当社グループにおける経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。
(注)数値表記について,億円表示は切捨て,その他は四捨五入表示しています。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間のわが国経済は,消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減により,一時的に減速したものの,その影響は限定的で,全体としては緩やかな回復基調が続きました。
また,世界経済は,一部の新興国での政情不安や地政学的リスクが引き続き見られたものの,先進国を中心に全体として緩やかな拡大傾向にありました。
このような事業環境下での,当社グループの当第1四半期連結累計期間の受注高は前年同期比18.9%増の2,775億円となりました。売上高は,前年同期比11.2%増の2,812億円となりました。また,損益面では,営業利益は前年同期比94.7%増の151億円となったものの,持分法投資損益及び為替差損益の悪化の影響により経常利益は前年同期比20.0%減の121億円となり,四半期純利益についても前年同期比28.7%減の65億円となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
⦅資源・エネルギー・環境⦆
受注高は,ボイラの増加により,前年同期比18.2%増の1,017億円となりました。
売上高は,ボイラ,ガスプロセスの増収により,前年同期比27.8%増の724億円となりました。
営業損益は,上述の増収の影響があったものの,低採算工事の受注等により,前年同期から12億円悪化し,12億円の赤字となりました。
⦅社会基盤・海洋⦆
受注高は,海洋構造物の増加により,前年同期比130.3%増の460億円となりました。
売上高は,橋梁の増収と,都市開発における不動産の分譲の増加により,前年同期比56.0%増の379億円となりました。
営業損益は,海外橋梁がおおむね順調に推移していること及び都市開発の増収により,前年同期から25億円改善し,13億円の黒字となりました。
⦅産業システム・汎用機械⦆
受注高は,車両過給機の増加により,前年同期比9.8%増の959億円となりました。
売上高は,車両過給機,製紙機械が増収となったものの,運搬機械の減収と昨年10月にIHIメタルテック㈱の圧延機を主体とする事業を分離した影響により,前年同期比4.6%減の861億円となりました。
営業利益は,上述の減収の影響に加え,販管費の増加等により前年同期比52.9%減の22億円となりました。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
受注高は,ロケットシステム・宇宙利用,防衛機器システムの減少により,前年同期比17.4%減の322億円となりました。
売上高は,前年同期に艦艇用ガスタービンの引渡しがあったことの反動により防衛機器システムが減収となったものの,民間向け航空エンジンの引渡し台数増加により,前年同期比1.5%増の842億円となりました。
営業利益は,航空エンジンの増収と採算改善や費用発生の後倒し等により,前年同期比89.1%増の148億円となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は1兆5,218億円となり,前連結会計年度末と比較して254億円増加しました。主な増加項目は,仕掛品で482億円,現金及び預金で114億円,主な減少項目は受取手形及び売掛金で510億円です。
負債は1兆1,754億円となり,前連結会計年度末と比較して416億円増加しました。主な増加項目は,退職給付に係る負債で236億円,前受金で207億円です。
純資産は3,463億円となり,前連結会計年度末と比較して161億円減少しました。これには四半期純利益65億円,剰余金の配当による減少92億円,及び退職給付会計基準等の変更に伴う利益剰余金の減少146億円が含まれています。
以上の結果,自己資本比率は,前連結会計年度末の23.1%から21.7%となりました。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は62億円です。なお,当第1四半期連結累計期間において,当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因と対処状況
当社グループのIHI E&C International Corporation(IHI E&C社)とKiewit Energy Company(キューイットエナジー社)のジョイントベンチャーであるIHI-Kiewit J.V.が昨年度受注した,米国のコーブポイント天然ガス液化設備のEPC事業については,設計は順調に進行中であり,主要機器の発注も完了し,現在,建設許可受領後の現地着工に向けて,建設計画を進めています。引続き,IHI E&C社を軸にして国内関係部門や米州統括会社等が連携し,施工体制及びモニタリング体制の強化を通じて,本プロジェクトを着実に遂行していきます。
また,橋梁事業において,平成23年度に当社グループの㈱IHIインフラシステムと伊藤忠商事㈱のコンソーシアムが受注したトルコのイズミット湾横断橋の建設工事は,昨年1月に工事着工し,本年3月に,北側及び南側の主塔基礎ケーソンを予定通りのスケジュールで水中40メートルの海中に沈設し,本年7月に主塔ブロックを搭載しました。
これら大規模プロジェクト遂行にあたっては,引き続き内部管理体制を維持し,リスクマネジメントを確実に実行していく所存です。
(5)経営戦略の現状と見通し
今後のわが国経済は,消費税率引き上げの反動による影響が一巡することに加え,経済政策による内需の下支えにより,持続的な成長が期待されます。
また,世界経済は,米国の量的金融緩和縮小の影響や,中国をはじめとする一部の新興国に景気減速懸念があるものの,米国で消費や設備投資が堅調な伸びを示していることや,欧州で金融緩和により消費や投資に回復の兆しが見られることなどから,先進国を中心に緩やかな回復が継続すると見込まれます。
このような状況にあって,当社グループは,昨年4月よりスタートした3ヵ年の中期経営計画「グループ経営方針2013」にもとづく取組みを進めています。「グループ経営方針2013」の中間年度である平成26年度は,「資源・エネルギー・環境」「社会基盤・海洋」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4事業領域と「ソリューション・エンジニアリング」「高度情報マネジメント」「グローバルビジネス」の3つの「つなぐ」機能との連携をさらに強化し,平成27年度経営目標の達成に向けて成長を加速していきます。
当第1四半期連結会計期間における主要な取組みは次のとおりです。
資源・エネルギー・環境事業では,世界的な天然ガス需要の拡大を背景に,LNG(液化天然ガス)貯蔵タンク及び受入基地建設が増加傾向にあり,当四半期においては,清水建設㈱と共同で,石油資源開発㈱の計画する相馬LNG受入基地向けに地上式LNGタンクの施工を開始しました。本事業は,東北太平洋岸地域への天然ガス安定供給能力の確保を目的として,相馬港にLNG基地並びに既存新潟・仙台ラインとの接続パイプラインを建設するものであり,震災復興,地元雇用の創出への貢献が期待されることから,復興庁より東日本大震災復興特別区域法に基づく復興推進計画に認定されています。また,6月には,ドイツのエンジニアリング会社Steinmüller Engineering GmbH(シュタインミュラーエンジニアリング社,以下SE社)をドイツのSiemensAG(シーメンス社)から買収しました。SE社は未利用エネルギーである褐炭を燃料とする火力発電用ボイラの知見を数多く有しており,今後の市場拡大が期待される褐炭焚きボイラの開発を加速し,早期の市場参入を目指します。
社会基盤・海洋事業では,中国最大の民間EPCコントラクターであるThe Wison Group(ウィソン社)から,浮体式LNG受入・再ガス化設備(FSRU:Floating Storage and Regas Unit)に搭載するSPB(Self-supporting, Prismatic shape, IMO type B)タンク2基を受注しました。SPBタンクは,当社グループが開発した独自の技術で,タンク内部に隔壁があり船体構造から独立しているためLNGの揺れによる衝撃損傷を受けにくく,貨物内にタンクを格納できることから甲板上にLNGプラント等を設計しやすい等の優位性を有しています。また,ノルウェーのBW Offshore Limited(BWオフショア社)から,洋上での石油生産に使用される「浮体式石油生産・貯蔵・積出設備(FPSO:Floating Production Storage and Offloading Unit)の船体建造工事」一式を受注しました。本FPSOは,BWオフショア社から英国のPremier Oil plc(プレミアオイル社)にリースされ,平成29年中頃に北海での運用を開始する予定です。
産業システム・汎用機械事業では,当社グループの㈱IHI機械システムが,今後も成長が見込まれる中国において熱処理設備製造のリーディングカンパニーである江蘇豊東熱技術股份有限公司(フェンドン社)と,真空熱処理装置の生産・販売拠点となる合弁会社設立についての契約を,6月に締結しました。当社グループの真空炉・真空浸炭炉事業は,自動車をはじめとする製造業の発展に伴い順調に推移しており,部材の軽量化や高機能化の流れを受けて,引き続き成長が見込まれています。
航空・宇宙・防衛事業では,世界的な航空機需要の増加に対応すべく,航空エンジン用複合材部品の専門工場を,相馬事業所と当社グループの㈱IHIエアロスペース富岡事業所の2拠点に新設することを決定しました。両工場とも,当社グループとしては初となる複合材部品の専門工場で,複合材の積層・切断から成形,接着,塗装といった工程を1つのラインで行ないます。これにより,通常,量産化が難しいとされていた,複合材部品のリードタイムを大幅に短縮し,量産化が可能となります。富岡は平成26年度上期中に,相馬は平成28年度上期に完成する予定です。また,6月には,米国のGeneral Electric Company(ゼネラル・エレクトリック社)が開発を進めている,Boeing777Xに搭載される民間航空エンジン「GE9X」のエンジンプログラムに参加することを決定しました。「GE9X」は,現在,運航中のBoeing777に搭載されている「GE90」の後継エンジンであり,当社グループは,「GE90」と同様に,低圧タービン部品等を担当します。「GE9X」は,民間航空エンジンとしては世界最大級の100,000ポンド級の推力を有し,かつ「GE90」に比べ約10%の燃費改善を目指した最新鋭の航空エンジンとなります。
また,3つの「つなぐ」機能に関しては,「ソリューション・エンジニアリング」では,昨年度実現した複数のプロジェクトからさらに対象事業の拡大に向けたソリューション営業の強化を,「高度情報マネジメント」では,制御システムの適用拡大を図るとともに,センシング・ICTの強化により当社グループ製品・サービスの高度化・総合化を進めています。「グローバルビジネス」においては,重点国・重点地域を対象として当社グループの取組みをプロモートすることに加え,重点国別のマーケティング機能の強化に取り組んでいきます。
さらに,当社グループは,「グループ経営方針2013」の実現に向けて,当社の本社を「グループ本社」と位置付け,グループの成長に貢献する本社機能の強化を目的とした本社業務改革活動を昨年度より推進しており,その一環として,本年4月1日付けで当社に「グループ業務統括室」を新設しました。「グループ業務統括室」では,当社グループの管理・サービス等の業務を集約して業務プロセスの標準化を推進し,本社機能の業務効率の最大化を図っていきます。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金については,借入金や社債,コマーシャル・ペーパー及び自己資金により充当しています。当第1四半期連結会計期間末の有利子負債残高はリース債務を含めて3,800億円であり,前連結会計年度末と比較して222億円増加しています。この増加は主に事業活動による運転資金の増加及び投資資金の一部を外部借入等で調達したことによります。
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は727億円であり,主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠,コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段とあわせて,十分な流動性を確保しています。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当第1四半期連結累計期間において,当社グループにおける経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。
(注)数値表記について,億円表示は切捨て,その他は四捨五入表示しています。