四半期報告書-第200期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は,当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間のわが国経済は,為替円高の進展や個人消費・企業収益の伸び悩みなどにより不透明な状況が広がりました。また世界経済は,米国景気が堅調だったものの,中国やアジア新興国において減速感が顕著となり,さらに地政学的リスクの高まりや英国のEU離脱問題などにより混乱が見られました。この影響により,前年度末日に112円台であった円・ドル相場は,当四半期末日には102円台となりました。
このような事業環境下での,当社グループの当第1四半期連結累計期間の受注高は前年同期比14.0%減の2,588億円となりました。また,売上高は前年同期とほぼ横ばいの3,414億円となりました。損益面では,営業利益は,前年同期における社会基盤・海洋の一部受注工事の採算悪化の影響の反動などによる増益で106億円となりました。経常利益は,前期に見積もった外貨建の「契約納期遅延に係る費用」を当四半期末日の為替レートで再評価した一方で,為替円高による為替差損を計上した影響等により,前年同期から増益ではあるものの45億円となり,親会社株主に帰属する四半期純利益については,前年同期から増益の8億円となりました。
なお,当連結会計年度から,一部の海外連結子会社の決算日を12月31日から3月31日に変更(以下,「報告期間統一」という。)しており,当第1四半期連結累計期間においては,該当する海外連結子会社の会計期間が6か月となっています。この影響により,売上高で252億円,営業利益で27億円がそれぞれ増加しています。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
⦅資源・エネルギー・環境⦆
受注高は,前年同期にボイラで大型案件受注があった反動により,大幅に減少しました。
売上高は,報告期間統一の影響のほか,ボイラの大型定検工事の売上や工事進捗に伴う増収はあったものの,プロセスプラント及び陸舶用原動機の減収により,前年同期に比べ減収となりました。
営業損益は,ボイラの増収増益効果はあったものの,プロセスプラント及び陸舶用原動機の減収影響等により,赤字となりました。
⦅社会基盤・海洋⦆
受注高は,シールド掘進機及び交通システムの減少があったものの,橋梁・水門の増加により,前年同期に比べ増加しました。
売上高は,F-LNGの工事進捗に伴う増収があったものの,橋梁・水門及び都市開発の減収により,前年同期とほぼ横ばいとなりました。
営業損益は,F-LNGで,シンガポール向けドリルシップでの電線物量増加に伴う追加コストや,ノルウェー向け洋上浮体式石油生産貯蔵積出設備(FPSO)船体建造工事での,工事物量の見直しによるシンガポールYardでの外注費の増加及び現地SV(監督者)増員に伴って必要となる追加コスト,加えて,アルミSPBタンクにおける組立能率の悪化に伴う追加コストの計上を行ないましたが,前年同期における,F-LNG及びトルコ イズミット湾横断橋建設工事での損失計上の反動により,赤字幅が縮小しました。
⦅産業システム・汎用機械⦆
受注高は,運搬機械及び建機の減少があったものの,物流・産業システム及び車両過給機の増加により,前年同期に比べ増加しました。
売上高は,報告期間統一の影響もあり,車両過給機,物流・産業システム及び運搬機械の増収により,前年同期に比べ増収となりました。
営業利益は,報告期間統一の影響による販管費の増加はあったものの,上述の増収効果に加え,回転機械及びパーキングの採算改善により,前年同期に比べ増益となりました。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
受注高は,航空エンジン及び防衛機器システムの増加により,前年同期に比べ増加しました。
売上高は,為替円高の影響などにより民間向け航空エンジンが減少したことや,防衛機器システムにおいて前年同期に艦艇用ガスタービンの引渡しがあった反動により,減収となりました。
営業利益は,研究開発費等,販管費の減少はあったものの,上述の減収影響により,前年同期に比べ減益となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は1兆6,756億円となり,前連結会計年度末と比較して393億円減少しました。主な減少項目は,受取手形・売掛金で622億円,主な増加項目は仕掛品で343億円です。
負債は1兆3,539億円となり,前連結会計年度末と比較して277億円減少しました。主な減少項目は支払手形・買掛金で158億円,賞与引当金で100億円,短期借入金で99億円,受注工事損失引当金で84億円,主な増加項目は,前受金で397億円です。純資産は3,217億円となり,前連結会計年度末と比較して116億円減少しました。これは為替換算調整勘定の減少68億円,その他有価証券評価差額金の減少31億円によるものです。
以上の結果,自己資本比率は,前連結会計年度末の18.6%から18.4%となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金については,借入金や社債,自己資金により充当しています。当第1四半期連結会計期間末の有利子負債残高はリース債務を含めて3,625億円であり,前連結会計年度末と比較して119億円減少しています。これは主に事業活動により前受金が増加し,また売上債権の回収が進んだためです。
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は1,048億円であり,主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠,コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段とあわせて,十分な流動性を確保しています。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は69億円です。なお,当第1四半期連結累計期間において,当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは,平成28年度を初年度とする3か年の中期経営計画「グループ経営方針2016」をスタートしました。同方針では,「収益基盤の強化」をメインテーマに掲げており,① 品質を含めたものづくり力を強化する,② 事業戦略の実行力を高める,③ 工事利益を安定的に確保できる体制を整備する,④ お客さまの価値創造に向けたソリューションを提供し,また製品・サービスを高度化する,という方針のもと具体的な施策を着実に実施しています。
また,前連結会計年度に発生した当社愛知工場における生産混乱については,コーポレート主導による部門を超えた技術者・専門家の配置やモニタリング強化などの施策を継続し,生産混乱の収束と損失の最小化を図っています。
(注)数値表記について,億円表示は切捨て,その他は四捨五入表示しています。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間のわが国経済は,為替円高の進展や個人消費・企業収益の伸び悩みなどにより不透明な状況が広がりました。また世界経済は,米国景気が堅調だったものの,中国やアジア新興国において減速感が顕著となり,さらに地政学的リスクの高まりや英国のEU離脱問題などにより混乱が見られました。この影響により,前年度末日に112円台であった円・ドル相場は,当四半期末日には102円台となりました。
このような事業環境下での,当社グループの当第1四半期連結累計期間の受注高は前年同期比14.0%減の2,588億円となりました。また,売上高は前年同期とほぼ横ばいの3,414億円となりました。損益面では,営業利益は,前年同期における社会基盤・海洋の一部受注工事の採算悪化の影響の反動などによる増益で106億円となりました。経常利益は,前期に見積もった外貨建の「契約納期遅延に係る費用」を当四半期末日の為替レートで再評価した一方で,為替円高による為替差損を計上した影響等により,前年同期から増益ではあるものの45億円となり,親会社株主に帰属する四半期純利益については,前年同期から増益の8億円となりました。
なお,当連結会計年度から,一部の海外連結子会社の決算日を12月31日から3月31日に変更(以下,「報告期間統一」という。)しており,当第1四半期連結累計期間においては,該当する海外連結子会社の会計期間が6か月となっています。この影響により,売上高で252億円,営業利益で27億円がそれぞれ増加しています。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
報告セグメント | 受注高 | 前第1四半期 | 当第1四半期 | 前年同期比 増減率 | |||||
前第1 四半期 連結 累計期間 | 当第1 四半期 連結 累計期間 | 前年 同期比 増減率 (%) | 連結累計期間 | 連結累計期間 | |||||
(27.4~27.6) | (28.4~28.6) | (%) | |||||||
売上高 | 営業 損益 | 売上高 | 営業 損益 | 売上高 | 営業 損益 | ||||
資源・ エネルギー・ 環境 | 1,461 | 867 | △40.6 | 1,011 | △9 | 963 | △23 | △4.8 | - |
社会基盤・海洋 | 233 | 270 | 15.7 | 338 | △130 | 338 | △65 | 0.0 | - |
産業システム・ 汎用機械 | 1,014 | 1,094 | 7.9 | 931 | 6 | 1,015 | 32 | 9.0 | 366.1 |
航空・宇宙・防衛 | 279 | 328 | 17.4 | 1,111 | 173 | 1,037 | 169 | △6.7 | △2.7 |
報告セグメント 計 | 2,988 | 2,561 | △14.3 | 3,392 | 41 | 3,354 | 112 | △1.1 | 171.4 |
その他 | 158 | 144 | △9.3 | 105 | △5 | 146 | △3 | 39.4 | - |
調整額 | △137 | △116 | - | △90 | △35 | △87 | △1 | - | - |
合計 | 3,010 | 2,588 | △14.0 | 3,407 | 0 | 3,414 | 106 | 0.2 | - |
⦅資源・エネルギー・環境⦆
受注高は,前年同期にボイラで大型案件受注があった反動により,大幅に減少しました。
売上高は,報告期間統一の影響のほか,ボイラの大型定検工事の売上や工事進捗に伴う増収はあったものの,プロセスプラント及び陸舶用原動機の減収により,前年同期に比べ減収となりました。
営業損益は,ボイラの増収増益効果はあったものの,プロセスプラント及び陸舶用原動機の減収影響等により,赤字となりました。
⦅社会基盤・海洋⦆
受注高は,シールド掘進機及び交通システムの減少があったものの,橋梁・水門の増加により,前年同期に比べ増加しました。
売上高は,F-LNGの工事進捗に伴う増収があったものの,橋梁・水門及び都市開発の減収により,前年同期とほぼ横ばいとなりました。
営業損益は,F-LNGで,シンガポール向けドリルシップでの電線物量増加に伴う追加コストや,ノルウェー向け洋上浮体式石油生産貯蔵積出設備(FPSO)船体建造工事での,工事物量の見直しによるシンガポールYardでの外注費の増加及び現地SV(監督者)増員に伴って必要となる追加コスト,加えて,アルミSPBタンクにおける組立能率の悪化に伴う追加コストの計上を行ないましたが,前年同期における,F-LNG及びトルコ イズミット湾横断橋建設工事での損失計上の反動により,赤字幅が縮小しました。
⦅産業システム・汎用機械⦆
受注高は,運搬機械及び建機の減少があったものの,物流・産業システム及び車両過給機の増加により,前年同期に比べ増加しました。
売上高は,報告期間統一の影響もあり,車両過給機,物流・産業システム及び運搬機械の増収により,前年同期に比べ増収となりました。
営業利益は,報告期間統一の影響による販管費の増加はあったものの,上述の増収効果に加え,回転機械及びパーキングの採算改善により,前年同期に比べ増益となりました。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
受注高は,航空エンジン及び防衛機器システムの増加により,前年同期に比べ増加しました。
売上高は,為替円高の影響などにより民間向け航空エンジンが減少したことや,防衛機器システムにおいて前年同期に艦艇用ガスタービンの引渡しがあった反動により,減収となりました。
営業利益は,研究開発費等,販管費の減少はあったものの,上述の減収影響により,前年同期に比べ減益となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は1兆6,756億円となり,前連結会計年度末と比較して393億円減少しました。主な減少項目は,受取手形・売掛金で622億円,主な増加項目は仕掛品で343億円です。
負債は1兆3,539億円となり,前連結会計年度末と比較して277億円減少しました。主な減少項目は支払手形・買掛金で158億円,賞与引当金で100億円,短期借入金で99億円,受注工事損失引当金で84億円,主な増加項目は,前受金で397億円です。純資産は3,217億円となり,前連結会計年度末と比較して116億円減少しました。これは為替換算調整勘定の減少68億円,その他有価証券評価差額金の減少31億円によるものです。
以上の結果,自己資本比率は,前連結会計年度末の18.6%から18.4%となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金については,借入金や社債,自己資金により充当しています。当第1四半期連結会計期間末の有利子負債残高はリース債務を含めて3,625億円であり,前連結会計年度末と比較して119億円減少しています。これは主に事業活動により前受金が増加し,また売上債権の回収が進んだためです。
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は1,048億円であり,主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠,コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段とあわせて,十分な流動性を確保しています。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は69億円です。なお,当第1四半期連結累計期間において,当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは,平成28年度を初年度とする3か年の中期経営計画「グループ経営方針2016」をスタートしました。同方針では,「収益基盤の強化」をメインテーマに掲げており,① 品質を含めたものづくり力を強化する,② 事業戦略の実行力を高める,③ 工事利益を安定的に確保できる体制を整備する,④ お客さまの価値創造に向けたソリューションを提供し,また製品・サービスを高度化する,という方針のもと具体的な施策を着実に実施しています。
また,前連結会計年度に発生した当社愛知工場における生産混乱については,コーポレート主導による部門を超えた技術者・専門家の配置やモニタリング強化などの施策を継続し,生産混乱の収束と損失の最小化を図っています。
(注)数値表記について,億円表示は切捨て,その他は四捨五入表示しています。