有価証券報告書-第119期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 13:14
【資料】
PDFをみる
【項目】
164項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(当事業年度末)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念及び経営方針を策定しております。
・企業理念
「世界のあらゆる物流シーンで、お客様にソリューションを提供し続け、未来創りに貢献する」
・経営方針
①「安全」……………安全がすべての基本であるという理念の下、常に「安全第一」を心がけます。
②「従業員」…………個性、創造性、挑戦する姿勢を尊重し、働き甲斐のある職場づくりを目指します。
③「お客様」…………物流に携わるすべての人々に心からご満足いただける商品・サービスを提供します。
④「技術」……………最先端の技術により、物流の未来に新しい価値を創造します。
⑤「品質」……………日々の研鑽に努め、世界に選ばれる品質を追求し続けます。
⑥「環境」……………グローバルな視点で地球環境の保全に努め、地域社会の継続的な発展に貢献します。
⑦「コンプライアンス」……法令その他の社会規範を遵守し、誠実かつ公正に事業活動を遂行します。
(2) 経営戦略等
当社は2016年12月に、新たに中期経営計画「Perfect Integration 2020」を策定いたしました。
中期経営計画「Perfect Integration 2020」では、当社の前身でありますニチユ三菱フォークリフト㈱並びにユニキャリア㈱両社がこれまで培ってきた販売、技術、生産のノウハウを結集し強固な事業体質を構築、全グループ一丸となって成長と収益力の向上に取り組んでまいります。
中期経営計画「Perfect Integration 2020」の骨子
1. 基本方針
「マルチブランド/グローカル戦略による成長」、「成長を支える経営基盤の強化」を基本方針に定め、世界トップクラスの総合物流メーカーを目指します。
2. マルチブランド/グローカル戦略による成長
「成熟国市場への対応」、「新興国市場での事業拡大」、「新規事業の創出」の3つの視点から持続的成長を図ります。
3. 成長戦略を支える経営基盤の強化
「サプライチェーンの最適化」、「コーポレート機能の効率化と強化」を柱に成長戦略を支え、収益力の向上を図ります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度を含む直近3事業年度の主要な経営指標は以下のとおりです。
当社は前述の中期経営計画「Perfect Integration 2020」において2020年度に売上高4,600億円、のれん等償却前営業利益率7%の達成を目指してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による経営環境の悪化から、その達成は困難と判断しております。
(単位:百万円)
117期118期119期
売上高433,092448,381448,918
のれん等償却前営業利益19,13221,98118,331
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)2,9417,077△5,243
純資産額62,39068,50357,326
総資産額374,940367,662373,640
のれん等償却前営業利益率4.4%4.9%4.1%
自己資本利益率5.0%11.2%△8.7%
総資本利益率0.8%1.9%△1.4%

(4) 経営環境
米中経済摩擦の影響が色濃く残る中で発生した、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による経済活動の停滞は、世界経済に大打撃を与え、世界恐慌以来の大幅な景気後退が眼前の危機として迫ってきております。リーマンショック以来、右肩上がりで伸長してきた世界のフォークリフト販売も昨年は減少に転じ、新型コロナウイルス感染症の影響により今年は更なる落込みが懸念されております。一方で、生活必需品などの物資不足は、情報共有の促進と物流現場との連携による全体最適の早期実現へのニーズの高まりとなり、物流業界の動向が改めて注目を集めてきております。​
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
このような経営環境の下、当社においては新型コロナウイルス感染症による事業への影響を慎重に注視しつつ、環境変化に柔軟に対応できる体制を整えるとともに、以下の重要課題に対処することで、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります​。
1.PMI(Post Merger Integration)の深化による収益力の強化​
(国内)2020年10月予定の直系販社再編による効率化、顧客対応の向上​
2019年11月販売開始の統合モデル「アレシス」の拡販強化​
(海外)欧州、アジア(共に2020年4月)他での子会社統合、需要変動を見越した機種統合​・生産再編の加速​
2.直販網を活かした顧客ニーズの早期取込みとアフターサービス事業強化による収益源の多角化​
(国内)営業網・サービス網の再編による人員配置最適化、サービス業務へのIT活用推進​
(海外)2019年年7月に買収完了した北米販売会社を起点とする直販網の再編・強化​
3.成長分野である省人化・自律化ニーズの取込み​
標準化が難しい荷役作業にあって、喫緊の対応策として、人との協業を前提とした省人化・自律化のニーズの高まりがあり、国内及び欧州で培った自動化技術の進化と、他社との協業を推進し、​今後成長が見込まれる米国を始め、グローバルな事業展開を加速してまいります。