有価証券報告書-第123期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループは、当連結会計年度よりIFRS会計基準を適用しており、前連結会計年度の数値もIFRS会計基準に組み替えて比較分析を行っています。
①経営成績の状況
当連結会計年度における国内と海外を合わせた総販売台数は、前連結会計年度に比べ142,658台(21.4%)減少し、523,233台となりました。
国内車両販売台数につきましては、フルモデルチェンジした商品の販売拡大により、前連結会計年度に比べ14,535台(23.1%)増加の77,467台となりました。海外車両販売台数につきましては、CV(商用車(トラック及びバス))は、バックオーダーが正常化した北米・欧州を中心に26,611台(10.9%)減少し216,816台、LCV(ピックアップトラック及び派生車)はタイ向け・輸出向け共に厳しい市況に加えて、タイ国内では販売サイドの在庫調整を実施したため、130,582台(36.3%)減少し228,950台となりました。
また、産業用エンジンの売上収益は、前連結会計年度に比べ75億円(6.6%)減少の1,054億円となり、その他の売上収益につきましては、保有事業等の伸長により前連結会計年度に比べ224億円(2.9%)増加の7,850億円となりました。
これらの結果、売上収益につきましては、前連結会計年度に比べ1,690億円(5.0%)減少の3兆2,356億円となりました。内訳は、国内が1兆2,754億円(前連結会計年度比12.8%増)、海外が1兆9,603億円(前連結会計年度比13.8%減)です。
当連結会計年度の業績は次のとおりです。
(為替レート)
注:( )内は前連結会計年度の為替レート
損益につきましては、価格対応及び円安影響によるプラス影響はあるものの、海外市場の台数減及び資材費等の上昇によるマイナス影響が上回った結果、営業利益は2,295億円(前連結会計年度比18.5%減)となりました。また、税引前利益は2,450億円(前連結会計年度比17.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,401億円(前連結会計年度比17.1%減)となりました。
当社グループは、自動車及び部品並びに産業用エンジンの製造、販売(自動車事業)を主な事業とする単一セグメントであるため、セグメントの業績の記載を省略しています。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて418億円増加し、3兆3,033億円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて398億円増加し、1兆7,657億円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べて19億円増加し、1兆5,377億円となりました。
自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は41.6%(前連結会計年度末42.4%)となりました。
有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)につきましては、前連結会計年度末に比べて1,317億円増加の7,588億円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、営業活動により2,541億円獲得した資金を、投資活動で2,023億円、財務活動で906億円使用したこと等により、前連結会計年度末に比べて305億円減少し、3,587億円となりました。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除して計算した、フリーキャッシュ・フローは、517億円の資金流入(前連結会計年度は1,687億円の資金流入)となっています。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動により獲得した資金は、2,541億円(前連結会計年度比17.7%減)となりました。
これは、税引前利益を2,450億円、減価償却費及び償却費を1,512億円計上したこと等による資金流入があった一方で、営業債務及びその他の債務の減少により342億円、棚卸資産の増加により153億円、法人所得税の支払により813億円の資金流出があったことが主な要因です。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動により使用した資金は、2,024億円(前連結会計年度比44.5%増)となりました。
これは、固定資産の取得で2,135億円の資金流出があったことが主な要因です。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動により使用した資金は、906億円(前連結会計年度比44.9%減)となりました。
これは、長期借入の実行で1,936億円、コマーシャル・ペーパーの増加で500億円及び社債の発行で299億円の資金流入があった一方で、長期借入金の返済で1,381億円、自己株式の取得で756億円、配当金の支払で707億円及び非支配株主への配当金の支払で385億円の資金流出があったことが主な要因です。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。
(注)1.産業用エンジン、その他の金額は、販売価格によります。
2.上記の表には、関連会社等の生産実績は含まれていません。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、過去の販売実績と将来の予想に基づいて、見込み生産を行っています。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.概観
[CV販売]
当連結会計年度におけるCV車両の販売台数は、前連結会計年度から12,076台(3.9%)減少の294,283台となりました。
国内では、フルモデルチェンジした商品の販売拡大により、前連結会計年度から14,535台(23.1%)増加の77,467台となりました。海外では、北米・欧州を中心にバックオーダーが正常化し、前連結会計年度から26,611台(10.9%)減少の216,816台となりました。
なお、当社の国内の普通トラックのシェアは、前連結会計年度比0.4%増加の41.0%となりました(UDトラックスを含む当社グループの国内の普通トラックのシェアは56.1%)。また、小型トラックのシェアは、前連結会計年度比2.7%増加の45.1%となり、いすゞシェアは過去最高を記録しました。
・CV車両販売台数
[LCV販売]
当連結会計年度におけるLCV車両の販売台数は、前連結会計年度から130,582台(36.3%)減少の228,950台となりました。
アジアでは、タイ国内向けにおいて販売サイドの在庫調整を実施したため、前連結会計年度から大幅に減少しました。その結果、販売台数は前連結会計年度から92,984台(58.9%)減少の64,845台となりました。その他地域は、厳しい市況により、全体では前連結会計年度から37,598台(18.6%)減少の164,105台となりました。
・LCV車両販売台数
[パワートレイン出荷]
当連結会計年度における産業用エンジンの出荷基数は、厳しい市況が継続しており前連結会計年度から1,730台(1.5%)減少の113,465台となりました。
・産業用エンジン出荷基数
b.当連結会計年度の経営成績についての分析
[売上収益]
売上収益につきましては、円安の進行及び価格の改定により増収となったことに加え、国内車両販売台数が増加しましたが、海外では主にバックオーダーの解消及び在庫調整、タイの厳しい市況等を受け、前連結会計年度に比べ1,690億円減少の3兆2,356億円となりました。内訳は、国内が1兆2,754億円(前連結会計年度比12.8%増)、海外が1兆9,603億円(前連結会計年度比13.8%減)です。
[営業利益]
当連結会計年度の営業利益は2,295億円(前連結会計年度比18.5%減)となりました。
当連結会計年度における販売台数減少に伴う売上変動/構成差の影響は前連結会計年度に対して770億円の減益、資材費等の変動は380億円の減益となり、大幅な減益要因となりました。一方で、価格対応の影響は前連結会計年度に対して400億円の増益、原価低減活動の影響は170億円の増益、為替変動の影響は円安の影響により245億円の増益となりました。
この結果、当連結会計年度における売上収益営業利益率は7.1%(前連結会計年度は8.3%)となりました。
なお、前連結会計年度からの営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
・営業利益の増減分析(前連結会計年度比)
(億円)
[金融収支]
金融収支につきましては、63億円の利益となり、前連結会計年度に比べて70億円の減益となりました。
為替差損益が前連結会計年度に比べて80億円悪化したことにより減益となりました。
[法人所得税費用]
法人所得税費用は、前連結会計年度では823億円の損失でしたが、当連結会計年度では640億円の損失となりました。
[非支配持分に帰属する当期利益]
非支配持分に帰属する当期利益は、主にアセアン現地法人、北米現地法人、国内のリース会社の非支配持分に帰属する当期利益からなり、前連結会計年度の460億円に対し、当連結会計年度は409億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は1,401億円となり、前連結会計年度に比べて289億円の減益となりました。基本的1株当たり当期利益は190.78円となりました。
c.当連結会計年度の財政状態についての分析
[資産]
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて418億円増加し、3兆3,033億円となりました。
主な要因としましては、売却目的で保有する資産が896億円減少した一方で、有形固定資産が534億円、営業債権及びその他の債権が240億円、無形資産が214億円増加したことによります。
[負債]
負債は、前連結会計年度末に比べて398億円増加し、1兆7,657億円となりました。
主な要因としましては、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が817億円減少した一方で、有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)が1,317億円増加したことによります。
[資本]
資本は、前連結会計年度末に比べて19億円増加し、1兆5,377億円となりました。
主な要因としましては、剰余金の配当を708億円行ったことに加え、自己株式の取得によって756億円減少した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益を1,401億円及び非支配持分に帰属する当期利益を409億円計上したことによります。
d.経営上の目標の達成状況についての分析
「IX」(2025年3月期から2031年3月期まで)の達成に向けた当社グループが掲げた定量値目標とそれに対する当期の達成状況は次のとおりです。
「IX」の達成に向けて掲げた定量値目標のうち、売上収益につきましては海外市場の厳しい市況等を受け、3兆2,356億円となりました。タイ、インドネシア、中国以外の各国市況が堅調に推移していること、CV及び輸出LCVの商品ラインアップの充実・販売力強化が進んでいることから、2027年3月期に向けて販売台数増加の可能性を検討します。増益の大きなポイントとなるタイLCV 及び北米CV につきましても、市況の回復及び成長を精査します。
営業利益につきましては、海外市場における販売台数の減少、資材費等の上昇によるマイナス影響を受け、2,295億円となりました。販売台数増加に加えて価格対応及び原価低減活動の推進により、営業利益3,600億円達成を目指します。
また、ROEにつきましても、親会社の所有者に帰属する当期利益が減少したことで、当連結会計年度は10.2%となりました。達成に向けては、「IX」に沿った収益成長に加え、配当による株主還元及び機動的な自社株取得を継続することで、適正な自己資本水準を意識しつつ、定量値目標の15%の達成を目指します。
配当性向につきましては、株主への利益還元、経営基盤の強化及び将来への事業展開に備えるための内部留保の充実等のバランスを総合的に勘案し、剰余金の配当を実施した結果、48.2%と目標値を上回りました。
e.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
[キャッシュ・フローの状況]
第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
[資金需要]
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金及び設備投資資金です。
設備投資の状況については、第3「設備の状況」1「設備投資等の概要」に記載のとおりです。
[資金調達の状況]
運転資金については返済期限が1年以内の短期借入金で、基本は各々の会社が運転資金として使用する現地の通貨で調達しています。設備投資資金については原則として資本金、内部留保といった自己資金でまかなうこととしています。今後、投融資の実行に伴い借入金・社債等による資金調達を検討する可能性があります。
なお、当連結会計年度末における資金調達の状況については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 20.社債、借入金及びリース負債」及び「同注記 35.金融商品 (4) 流動性リスク管理」に記載のとおりです。
[資金の流動性]
当社グループは2030年に目指す姿として、お客様・社会の課題を「安心×斬新」な「運ぶ」で解決する、グローバルな商用車市場をリードする「商用モビリティソリューションカンパニー」へと進化することを、2024年4月に公表した中期経営計画「IX」の中で掲げています。この中期経営計画の財務目標としては、2030年度の売上高6兆円、営業利益10%以上を掲げ、そのために自動運転ソリューション、コネクテッドサービス、カーボンニュートラルソリューションの新技術3領域を柱に据えた「イノベーション投資」に1兆円、グループ全体の既存事業の強化のための「既存事業投資」に1.6兆円の投資を実行していきます。また、財務健全性は確保しながら、株主還元として配当性向(期間平均)40%を維持、適正な自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)を意識した機動的な自己株式取得を継続していきます。
それら成長投資や株主還元、借入金返済の資金としては、事業で創出される営業キャッシュ・フローを原資に充当し、M&A等に係る資金は主として借入金、社債等で対応することによって、新たな中期経営計画の達成実現に向けて取り組みます。
なお、手元資金の流動性には絶えず注視が必要ですが、当社グループは現金及び現金同等物に加え、主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、金融市場の急激な環境変化にも対応できる流動性を保持していると考えています。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行う必要があります。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。
(3)並行開示情報
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
①要約連結貸借対照表(日本基準)
②要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(連結の範囲の変更)
いすゞグローバルサービスシステムズ エルエルシーは、新規設立のため連結の範囲に含めています。いすゞルスは、当社が保有する全株式の譲渡契約の締結により、連結の範囲から除外しています。また、いすゞ特装開発株式会社は清算結了により、連結の範囲から除外しています。
(持分法適用の範囲の変更)
いすゞビルメンテナンス株式会社は、ガバナンス強化のため、連結の範囲を再検討したことにより、持分法適用の範囲に含めています。連結子会社であったいすゞルスの株式譲渡契約の締結に伴い、同社が持分法適用の関連会社としていた、いすゞソラーズエルエルシーを持分法適用の範囲から除外しています。また、岩手自動車塗装株式会社は全株式を譲渡したため、持分法適用の範囲から除外しています。
(連結子会社の事業年度等に関する事項の変更)
連結子会社のうち決算日が12月31日であった、いすゞベトナムカンパニーリミテッド、いすゞモーターズヨーロッパNV及びいすゞイーストアフリカリミテッドは同日現在の財務諸表を利用し、連結決算日との間に生じた重要な取引について必要な調整を行っていましたが、当連結会計年度より決算日を3月31日に変更しています。
これに伴い、当連結会計年度は2023年4月1日から2024年3月31日までの12か月間を連結しています。
なお、当該連結子会社の2023年1月1日から2023年3月31日までの損益については、利益剰余金の増減として調整しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(連結の範囲の変更)
株式会社IJTT(以下「旧IJTT」という。)の自己株式取得による当社が保有するすべての旧IJTTの普通株式の譲渡、及び旧IJTTの株主である、スパークス・グループ株式会社が無限責任組合員をつとめる日本モノづくり未来投資事業有限責任組合が発行済株式のすべてを所有するARTS-1株式会社(以下「ARTS-1」という。)への再出資の実施を行ったことで、旧IJTT、PTエイジアンいすゞキャスティングセンターは連結子会社から持分法適用関連会社へ変更し、トーカイ株式会社、IJTT(タイランド)カンパニーリミテッド、自動車部品インドネシアは連結の範囲から除外しています。
アイ・シー・エンジニアリング株式会社は、株式の追加取得により、持分法適用関連会社から連結子会社としています。
いすゞディーゼルサービスオブアメリカインクは清算結了により、連結の範囲から除外しています。また、UDフィナンシャルサービス株式会社はいすゞリーシングサービス株式会社に吸収合併されたため連結の範囲から除外しています。
(持分法適用の範囲の変更)
旧IJTTの自己株式取得による当社が保有するすべての旧IJTTの普通株式の譲渡、及び旧IJTTの株主である、スパークス・グループ株式会社が無限責任組合員をつとめる日本モノづくり未来投資事業有限責任組合が発行済株式のすべてを所有するARTS-1への再出資の実施を行ったことで、ARTS-1は持分法適用関連会社とし、旧IJTT、PTエイジアンいすゞキャスティングセンターは連結子会社から持分法適用関連会社へ変更となりました。その後ARTS-1を存続会社、旧IJTTを消滅会社とする吸収合併により、旧IJTTを持分法適用の範囲から除外しています。なお、当社の持分法適用関連会社であるARTS-1は株式会社IJTTに社名変更しています。
アイ・シー・エンジニアリング株式会社は、株式の追加取得により、持分法適用関連会社から連結子会社としています。
(連結子会社の事業年度等に関する事項の変更)
連結子会社のうち決算日が12月31日であった、五十鈴汽車工程柴油机(上海)有限公司、いすゞモーターズサウジアラビアカンパニーリミテッドは同日現在の財務諸表を利用し、連結決算日との間に生じた重要な取引について必要な調整を行っていましたが、当連結会計年度より連結決算日である3月31日に本決算に準じた仮決算を行い連結する方法に変更しています。
これに伴い、五十鈴汽車工程柴油机(上海)有限公司については、当連結会計年度は2024年4月1日から2025年3月31日までの12か月間を連結しています。なお、当該連結子会社の2024年1月1日から2024年3月31日までの損益については、利益剰余金の増減として調整しています。
また、いすゞモーターズサウジアラビアカンパニーリミテッドについては、2024年1月1日から2025年3月31日までの15か月決算となっています。この変更による連結財務諸表に与える影響は軽微です。
(会計方針の変更)
(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しています。
法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号2022年10月28日。以下「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っています。なお、当該会計方針の変更による連結財務諸表への影響はありません。
また、連結会社間における子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べる場合の連結財務諸表における取扱いの見直しに関連する改正については、2022年改正適用指針を当連結会計年度の期首から適用しています。当該会計方針の変更は、遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっています。なお、当該会計方針の変更による前連結会計年度の連結財務諸表への影響はありません。
(「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」の適用)
「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第46号 2024年3月22日)等を当連結会計年度の期首から適用しています。なお、当該会計方針の変更による連結財務諸表への影響は軽微です。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRS会計基準により作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用」に記載のとおりです。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(有形固定資産の計上額の調整)
日本基準で行った土地再評価を取崩し取得原価で評価しています。また、一部の有形固定資産については、IFRS会計基準の初度適用の免除規定を適用し、みなし原価により評価を行っています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「有形固定資産」が130,226百万円減少しています。
(リース資産及びリース負債)
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っていました。IFRS会計基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分がないため、原則としてすべてのリース取引について、「使用権資産」及び「リース負債」を計上しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「使用権資産」が80,804百万円、「リース負債(流動)」が17,216百万円、「リース負債(非流動)」が65,024百万円増加しています。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、すべての研究開発費を費用処理していましたが、IFRS会計基準では、これらのうち一定の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「無形資産」が35,186百万円増加しています。
(未消化の有給休暇及びその他の長期従業員給付)
日本基準では会計処理が求められていなかった未消化の有給休暇及びその他の長期従業員給付について、IFRS会計基準では「その他の流動負債」又は「その他の非流動負債」として計上しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」がそれぞれ12,261百万円及び942百万円増加しています。
(売上高及び売上原価に対する調整)
製造業者又は販売業者としての貸手となる場合、ファイナンス・リースに係るリース収益について、日本基準ではリース料受取時に「売上高」と「売上原価」を認識していましたが、IFRS会計基準ではリース開始日に「売上収益」と「売上原価」を認識しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて連結損益計算書における「売上収益」及び「売上原価」がそれぞれ32,807百万円及び32,807百万円増加しています。
(その他の費用に関する調整)
旧IJTT及びその子会社が保有する資産及び負債について、日本基準では、当社が保有する旧IJTTの全株式を譲渡した当連結会計年度に子会社株式売却損6,389百万円を計上しています。IFRS会計基準では、当該譲渡する契約を締結した前連結会計年度において、当該資産及び負債を公正価値で測定し、損失6,244百万円を計上しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて連結損益計算書における税引前利益が6,389百万円増加しています。
当社グループは、当連結会計年度よりIFRS会計基準を適用しており、前連結会計年度の数値もIFRS会計基準に組み替えて比較分析を行っています。
①経営成績の状況
当連結会計年度における国内と海外を合わせた総販売台数は、前連結会計年度に比べ142,658台(21.4%)減少し、523,233台となりました。
国内車両販売台数につきましては、フルモデルチェンジした商品の販売拡大により、前連結会計年度に比べ14,535台(23.1%)増加の77,467台となりました。海外車両販売台数につきましては、CV(商用車(トラック及びバス))は、バックオーダーが正常化した北米・欧州を中心に26,611台(10.9%)減少し216,816台、LCV(ピックアップトラック及び派生車)はタイ向け・輸出向け共に厳しい市況に加えて、タイ国内では販売サイドの在庫調整を実施したため、130,582台(36.3%)減少し228,950台となりました。
また、産業用エンジンの売上収益は、前連結会計年度に比べ75億円(6.6%)減少の1,054億円となり、その他の売上収益につきましては、保有事業等の伸長により前連結会計年度に比べ224億円(2.9%)増加の7,850億円となりました。
これらの結果、売上収益につきましては、前連結会計年度に比べ1,690億円(5.0%)減少の3兆2,356億円となりました。内訳は、国内が1兆2,754億円(前連結会計年度比12.8%増)、海外が1兆9,603億円(前連結会計年度比13.8%減)です。
当連結会計年度の業績は次のとおりです。
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度比 | |||||
| 売上収益 | 32,356 | 億円 | △1,690 | 億円 | △5.0% | |
| 営業利益 | 2,295 | 億円 | △522 | 億円 | △18.5% | |
| 税引前利益 | 2,450 | 億円 | △523 | 億円 | △17.6% | |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,401 | 億円 | △289 | 億円 | △17.1% | |
(為替レート)
| USD/JPY | 152.5円 (144.6円) |
| AUD/JPY | 99.5円 ( 95.1円) |
| EUR/JPY | 163.7円 (156.8円) |
| THB/JPY | 4.38円 ( 4.10円) |
注:( )内は前連結会計年度の為替レート
損益につきましては、価格対応及び円安影響によるプラス影響はあるものの、海外市場の台数減及び資材費等の上昇によるマイナス影響が上回った結果、営業利益は2,295億円(前連結会計年度比18.5%減)となりました。また、税引前利益は2,450億円(前連結会計年度比17.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,401億円(前連結会計年度比17.1%減)となりました。
当社グループは、自動車及び部品並びに産業用エンジンの製造、販売(自動車事業)を主な事業とする単一セグメントであるため、セグメントの業績の記載を省略しています。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて418億円増加し、3兆3,033億円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて398億円増加し、1兆7,657億円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べて19億円増加し、1兆5,377億円となりました。
自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は41.6%(前連結会計年度末42.4%)となりました。
有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)につきましては、前連結会計年度末に比べて1,317億円増加の7,588億円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、営業活動により2,541億円獲得した資金を、投資活動で2,023億円、財務活動で906億円使用したこと等により、前連結会計年度末に比べて305億円減少し、3,587億円となりました。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除して計算した、フリーキャッシュ・フローは、517億円の資金流入(前連結会計年度は1,687億円の資金流入)となっています。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動により獲得した資金は、2,541億円(前連結会計年度比17.7%減)となりました。
これは、税引前利益を2,450億円、減価償却費及び償却費を1,512億円計上したこと等による資金流入があった一方で、営業債務及びその他の債務の減少により342億円、棚卸資産の増加により153億円、法人所得税の支払により813億円の資金流出があったことが主な要因です。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動により使用した資金は、2,024億円(前連結会計年度比44.5%増)となりました。
これは、固定資産の取得で2,135億円の資金流出があったことが主な要因です。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動により使用した資金は、906億円(前連結会計年度比44.9%減)となりました。
これは、長期借入の実行で1,936億円、コマーシャル・ペーパーの増加で500億円及び社債の発行で299億円の資金流入があった一方で、長期借入金の返済で1,381億円、自己株式の取得で756億円、配当金の支払で707億円及び非支配株主への配当金の支払で385億円の資金流出があったことが主な要因です。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。
| 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前連結会計年度比 | |||
| 台数 (台) | 金額 (百万円) | 台数 (%) | 金額 (%) | |
| 大型・中型CV | 95,932 | - | 4.5 | - |
| 小型CV | 197,682 | - | 0.6 | - |
| LCV | 271,458 | - | △34.0 | - |
| 計 | 565,072 | - | △19.3 | - |
| 産業用エンジン | - | 93,226 | - | △4.4 |
| その他 | - | 225,541 | - | 10.8 |
(注)1.産業用エンジン、その他の金額は、販売価格によります。
2.上記の表には、関連会社等の生産実績は含まれていません。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、過去の販売実績と将来の予想に基づいて、見込み生産を行っています。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
| 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前連結会計年度比 | ||
| 金額(百万円) | 増減率(%) | ||
| 国 内 | 475,890 | 22.1 | |
| 海 外 | 386,640 | △7.6 | |
| 大型・中型CV計 | 862,530 | 6.7 | |
| 国 内 | 184,561 | 37.9 | |
| 海 外 | 558,016 | △5.7 | |
| 小型CV計 | 742,577 | 2.4 | |
| 海 外 | 740,098 | △25.6 | |
| LCV計 | 740,098 | △25.6 | |
| 国 内 | 660,451 | 26.1 | |
| 海 外 | 1,684,754 | △16.0 | |
| 車両計 | 2,345,206 | △7.3 | |
| 国 内 | 52,944 | △18.3 | |
| 海 外 | 52,464 | 9.1 | |
| 産業用エンジン | 105,408 | △6.6 | |
| 国 内 | 561,987 | 3.7 | |
| 海 外 | 223,046 | 1.1 | |
| その他 | 785,033 | 2.9 | |
| 国 内 | 1,275,383 | 12.8 | |
| 海 外 | 1,960,265 | △13.8 | |
| 売上収益合計 | 3,235,648 | △5.0 | |
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| トリペッチ いすゞ セールス㈱ | 433,384 | 12.7 | 196,863 | 6.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.概観
[CV販売]
当連結会計年度におけるCV車両の販売台数は、前連結会計年度から12,076台(3.9%)減少の294,283台となりました。
国内では、フルモデルチェンジした商品の販売拡大により、前連結会計年度から14,535台(23.1%)増加の77,467台となりました。海外では、北米・欧州を中心にバックオーダーが正常化し、前連結会計年度から26,611台(10.9%)減少の216,816台となりました。
なお、当社の国内の普通トラックのシェアは、前連結会計年度比0.4%増加の41.0%となりました(UDトラックスを含む当社グループの国内の普通トラックのシェアは56.1%)。また、小型トラックのシェアは、前連結会計年度比2.7%増加の45.1%となり、いすゞシェアは過去最高を記録しました。
・CV車両販売台数
| 前連結会計年度 (台) | 当連結会計年度 (台) | 増減台数 (台) | 増減率 (%) | |||
| 国内 | 大型・中型 | 33,931 | 39,301 | 5,370 | 15.8 | |
| 小型 | 29,001 | 38,166 | 9,165 | 31.6 | ||
| 計 | 62,932 | 77,467 | 14,535 | 23.1 | ||
| 北米 | 大型・中型 | 5,289 | 2,965 | △2,324 | △ 43.9 | |
| 小型 | 38,299 | 24,013 | △14,286 | △ 37.3 | ||
| 計 | 43,588 | 26,978 | △16,610 | △ 38.1 | ||
| アジア | 大型・中型 | 25,694 | 19,958 | △5,736 | △ 22.3 | |
| 小型 | 70,089 | 54,160 | △15,929 | △ 22.7 | ||
| 計 | 95,783 | 74,118 | △21,665 | △ 22.6 | ||
| その他地域 | 大型・中型 | 27,998 | 30,343 | 2,345 | 8.4 | |
| 小型 | 76,058 | 85,377 | 9,319 | 12.3 | ||
| 計 | 104,056 | 115,720 | 11,664 | 11.2 | ||
| 合計 | 大型・中型 | 92,912 | 92,567 | △345 | △ 0.4 | |
| 小型 | 213,447 | 201,716 | △11,731 | △ 5.5 | ||
| 計 | 306,359 | 294,283 | △12,076 | △ 3.9 |
[LCV販売]
当連結会計年度におけるLCV車両の販売台数は、前連結会計年度から130,582台(36.3%)減少の228,950台となりました。
アジアでは、タイ国内向けにおいて販売サイドの在庫調整を実施したため、前連結会計年度から大幅に減少しました。その結果、販売台数は前連結会計年度から92,984台(58.9%)減少の64,845台となりました。その他地域は、厳しい市況により、全体では前連結会計年度から37,598台(18.6%)減少の164,105台となりました。
・LCV車両販売台数
| 前連結会計年度 (台) | 当連結会計年度 (台) | 増減台数 (台) | 増減率 (%) | ||
| アジア | 157,829 | 64,845 | △92,984 | △58.9 | |
| その他地域 | 201,703 | 164,105 | △37,598 | △18.6 | |
| 計 | 359,532 | 228,950 | △130,582 | △36.3 |
[パワートレイン出荷]
当連結会計年度における産業用エンジンの出荷基数は、厳しい市況が継続しており前連結会計年度から1,730台(1.5%)減少の113,465台となりました。
・産業用エンジン出荷基数
| 前連結会計年度 (台) | 当連結会計年度 (台) | 増減台数 (台) | 増減率 (%) | ||
| 計 | 115,195 | 113,465 | △1,730 | △1.5 |
b.当連結会計年度の経営成績についての分析
[売上収益]
売上収益につきましては、円安の進行及び価格の改定により増収となったことに加え、国内車両販売台数が増加しましたが、海外では主にバックオーダーの解消及び在庫調整、タイの厳しい市況等を受け、前連結会計年度に比べ1,690億円減少の3兆2,356億円となりました。内訳は、国内が1兆2,754億円(前連結会計年度比12.8%増)、海外が1兆9,603億円(前連結会計年度比13.8%減)です。
[営業利益]
当連結会計年度の営業利益は2,295億円(前連結会計年度比18.5%減)となりました。
当連結会計年度における販売台数減少に伴う売上変動/構成差の影響は前連結会計年度に対して770億円の減益、資材費等の変動は380億円の減益となり、大幅な減益要因となりました。一方で、価格対応の影響は前連結会計年度に対して400億円の増益、原価低減活動の影響は170億円の増益、為替変動の影響は円安の影響により245億円の増益となりました。
この結果、当連結会計年度における売上収益営業利益率は7.1%(前連結会計年度は8.3%)となりました。
なお、前連結会計年度からの営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
・営業利益の増減分析(前連結会計年度比)
(億円)
| 価格対応 | +400 |
| 原価低減活動 | +170 |
| 為替変動 | +245 |
| 売上変動/構成差 | △770 |
| 費用増減他 | △187 |
| 資材費等の変動 | △380 |
| 合計 | △522 |
[金融収支]
金融収支につきましては、63億円の利益となり、前連結会計年度に比べて70億円の減益となりました。
為替差損益が前連結会計年度に比べて80億円悪化したことにより減益となりました。
[法人所得税費用]
法人所得税費用は、前連結会計年度では823億円の損失でしたが、当連結会計年度では640億円の損失となりました。
[非支配持分に帰属する当期利益]
非支配持分に帰属する当期利益は、主にアセアン現地法人、北米現地法人、国内のリース会社の非支配持分に帰属する当期利益からなり、前連結会計年度の460億円に対し、当連結会計年度は409億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は1,401億円となり、前連結会計年度に比べて289億円の減益となりました。基本的1株当たり当期利益は190.78円となりました。
c.当連結会計年度の財政状態についての分析
[資産]
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて418億円増加し、3兆3,033億円となりました。
主な要因としましては、売却目的で保有する資産が896億円減少した一方で、有形固定資産が534億円、営業債権及びその他の債権が240億円、無形資産が214億円増加したことによります。
[負債]
負債は、前連結会計年度末に比べて398億円増加し、1兆7,657億円となりました。
主な要因としましては、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が817億円減少した一方で、有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)が1,317億円増加したことによります。
[資本]
資本は、前連結会計年度末に比べて19億円増加し、1兆5,377億円となりました。
主な要因としましては、剰余金の配当を708億円行ったことに加え、自己株式の取得によって756億円減少した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益を1,401億円及び非支配持分に帰属する当期利益を409億円計上したことによります。
d.経営上の目標の達成状況についての分析
「IX」(2025年3月期から2031年3月期まで)の達成に向けた当社グループが掲げた定量値目標とそれに対する当期の達成状況は次のとおりです。
| 当連結会計年度 (2025年3月期) | 定量値目標 (2027年3月期) | ||||
| 売上収益 | 32,356 | 億円 | 40,000 | 億円 | |
| 営業利益 | 2,295 | 億円 | 3,600 | 億円 | |
| ROE | 10.2 | % | 15 | % | |
| 配当性向 | 48.2 | % | 40.0 | % | |
「IX」の達成に向けて掲げた定量値目標のうち、売上収益につきましては海外市場の厳しい市況等を受け、3兆2,356億円となりました。タイ、インドネシア、中国以外の各国市況が堅調に推移していること、CV及び輸出LCVの商品ラインアップの充実・販売力強化が進んでいることから、2027年3月期に向けて販売台数増加の可能性を検討します。増益の大きなポイントとなるタイLCV 及び北米CV につきましても、市況の回復及び成長を精査します。
営業利益につきましては、海外市場における販売台数の減少、資材費等の上昇によるマイナス影響を受け、2,295億円となりました。販売台数増加に加えて価格対応及び原価低減活動の推進により、営業利益3,600億円達成を目指します。
また、ROEにつきましても、親会社の所有者に帰属する当期利益が減少したことで、当連結会計年度は10.2%となりました。達成に向けては、「IX」に沿った収益成長に加え、配当による株主還元及び機動的な自社株取得を継続することで、適正な自己資本水準を意識しつつ、定量値目標の15%の達成を目指します。
配当性向につきましては、株主への利益還元、経営基盤の強化及び将来への事業展開に備えるための内部留保の充実等のバランスを総合的に勘案し、剰余金の配当を実施した結果、48.2%と目標値を上回りました。
e.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
[キャッシュ・フローの状況]
第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
[資金需要]
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金及び設備投資資金です。
設備投資の状況については、第3「設備の状況」1「設備投資等の概要」に記載のとおりです。
[資金調達の状況]
運転資金については返済期限が1年以内の短期借入金で、基本は各々の会社が運転資金として使用する現地の通貨で調達しています。設備投資資金については原則として資本金、内部留保といった自己資金でまかなうこととしています。今後、投融資の実行に伴い借入金・社債等による資金調達を検討する可能性があります。
なお、当連結会計年度末における資金調達の状況については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 20.社債、借入金及びリース負債」及び「同注記 35.金融商品 (4) 流動性リスク管理」に記載のとおりです。
[資金の流動性]
当社グループは2030年に目指す姿として、お客様・社会の課題を「安心×斬新」な「運ぶ」で解決する、グローバルな商用車市場をリードする「商用モビリティソリューションカンパニー」へと進化することを、2024年4月に公表した中期経営計画「IX」の中で掲げています。この中期経営計画の財務目標としては、2030年度の売上高6兆円、営業利益10%以上を掲げ、そのために自動運転ソリューション、コネクテッドサービス、カーボンニュートラルソリューションの新技術3領域を柱に据えた「イノベーション投資」に1兆円、グループ全体の既存事業の強化のための「既存事業投資」に1.6兆円の投資を実行していきます。また、財務健全性は確保しながら、株主還元として配当性向(期間平均)40%を維持、適正な自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)を意識した機動的な自己株式取得を継続していきます。
それら成長投資や株主還元、借入金返済の資金としては、事業で創出される営業キャッシュ・フローを原資に充当し、M&A等に係る資金は主として借入金、社債等で対応することによって、新たな中期経営計画の達成実現に向けて取り組みます。
なお、手元資金の流動性には絶えず注視が必要ですが、当社グループは現金及び現金同等物に加え、主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、金融市場の急激な環境変化にも対応できる流動性を保持していると考えています。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行う必要があります。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。
(3)並行開示情報
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
①要約連結貸借対照表(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2024年3月31日) | 当連結会計年度 (2025年3月31日) | |
| 資産の部 | ||
| 流動資産 | 1,817,568 | 1,840,370 |
| 固定資産 | ||
| 有形固定資産 | 975,694 | 955,256 |
| 無形固定資産 | 89,584 | 105,077 |
| 投資その他の資産 | 380,153 | 388,239 |
| 固定資産合計 | 1,445,432 | 1,448,573 |
| 資産合計 | 3,263,001 | 3,288,944 |
| 負債の部 | ||
| 流動負債 | 1,083,144 | 1,109,889 |
| 固定負債 | 520,827 | 572,641 |
| 負債合計 | 1,603,972 | 1,682,530 |
| 純資産の部 | ||
| 株主資本 | 1,163,027 | 1,146,498 |
| その他の包括利益累計額 | 297,668 | 296,325 |
| 非支配株主持分 | 198,333 | 163,589 |
| 純資産合計 | 1,659,029 | 1,606,413 |
| 負債純資産合計 | 3,263,001 | 3,288,944 |
②要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |
| 売上高 | 3,386,676 | 3,208,084 |
| 売上原価 | 2,706,443 | 2,567,437 |
| 売上総利益 | 680,233 | 640,646 |
| 販売費及び一般管理費 | 387,147 | 411,536 |
| 営業利益 | 293,085 | 229,109 |
| 営業外収益 | 31,789 | 34,535 |
| 営業外費用 | 11,835 | 15,413 |
| 経常利益 | 313,039 | 248,231 |
| 特別利益 | 5,526 | 2,357 |
| 特別損失 | 12,974 | 10,462 |
| 税金等調整前当期純利益 | 305,591 | 240,126 |
| 法人税等 | 84,235 | 65,488 |
| 当期純利益 | 221,356 | 174,638 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | 44,913 | 40,274 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 176,442 | 134,363 |
要約連結包括利益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |
| 当期純利益 | 221,356 | 174,638 |
| その他の包括利益 | 101,737 | 5,069 |
| 包括利益 | 323,093 | 179,707 |
| (内訳) | ||
| 親会社株主に係る包括利益 | 266,834 | 133,020 |
| 非支配株主に係る包括利益 | 56,259 | 46,687 |
③要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 1,101,230 | 207,276 | 201,725 | 1,510,232 |
| 当期変動額 | 61,797 | 90,391 | △3,392 | 148,796 |
| 当期末残高 | 1,163,027 | 297,668 | 198,333 | 1,659,029 |
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 1,163,027 | 297,668 | 198,333 | 1,659,029 |
| 当期変動額 | △16,529 | △1,343 | △34,744 | △52,615 |
| 当期末残高 | 1,146,498 | 296,325 | 163,589 | 1,606,413 |
④要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 298,568 | 217,658 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △155,080 | △177,891 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △144,977 | △64,591 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 25,434 | 10,690 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 23,944 | △14,133 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 364,396 | 384,878 |
| 連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △3,462 | 1,018 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 384,878 | 371,763 |
⑤要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(連結の範囲の変更)
いすゞグローバルサービスシステムズ エルエルシーは、新規設立のため連結の範囲に含めています。いすゞルスは、当社が保有する全株式の譲渡契約の締結により、連結の範囲から除外しています。また、いすゞ特装開発株式会社は清算結了により、連結の範囲から除外しています。
(持分法適用の範囲の変更)
いすゞビルメンテナンス株式会社は、ガバナンス強化のため、連結の範囲を再検討したことにより、持分法適用の範囲に含めています。連結子会社であったいすゞルスの株式譲渡契約の締結に伴い、同社が持分法適用の関連会社としていた、いすゞソラーズエルエルシーを持分法適用の範囲から除外しています。また、岩手自動車塗装株式会社は全株式を譲渡したため、持分法適用の範囲から除外しています。
(連結子会社の事業年度等に関する事項の変更)
連結子会社のうち決算日が12月31日であった、いすゞベトナムカンパニーリミテッド、いすゞモーターズヨーロッパNV及びいすゞイーストアフリカリミテッドは同日現在の財務諸表を利用し、連結決算日との間に生じた重要な取引について必要な調整を行っていましたが、当連結会計年度より決算日を3月31日に変更しています。
これに伴い、当連結会計年度は2023年4月1日から2024年3月31日までの12か月間を連結しています。
なお、当該連結子会社の2023年1月1日から2023年3月31日までの損益については、利益剰余金の増減として調整しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(連結の範囲の変更)
株式会社IJTT(以下「旧IJTT」という。)の自己株式取得による当社が保有するすべての旧IJTTの普通株式の譲渡、及び旧IJTTの株主である、スパークス・グループ株式会社が無限責任組合員をつとめる日本モノづくり未来投資事業有限責任組合が発行済株式のすべてを所有するARTS-1株式会社(以下「ARTS-1」という。)への再出資の実施を行ったことで、旧IJTT、PTエイジアンいすゞキャスティングセンターは連結子会社から持分法適用関連会社へ変更し、トーカイ株式会社、IJTT(タイランド)カンパニーリミテッド、自動車部品インドネシアは連結の範囲から除外しています。
アイ・シー・エンジニアリング株式会社は、株式の追加取得により、持分法適用関連会社から連結子会社としています。
いすゞディーゼルサービスオブアメリカインクは清算結了により、連結の範囲から除外しています。また、UDフィナンシャルサービス株式会社はいすゞリーシングサービス株式会社に吸収合併されたため連結の範囲から除外しています。
(持分法適用の範囲の変更)
旧IJTTの自己株式取得による当社が保有するすべての旧IJTTの普通株式の譲渡、及び旧IJTTの株主である、スパークス・グループ株式会社が無限責任組合員をつとめる日本モノづくり未来投資事業有限責任組合が発行済株式のすべてを所有するARTS-1への再出資の実施を行ったことで、ARTS-1は持分法適用関連会社とし、旧IJTT、PTエイジアンいすゞキャスティングセンターは連結子会社から持分法適用関連会社へ変更となりました。その後ARTS-1を存続会社、旧IJTTを消滅会社とする吸収合併により、旧IJTTを持分法適用の範囲から除外しています。なお、当社の持分法適用関連会社であるARTS-1は株式会社IJTTに社名変更しています。
アイ・シー・エンジニアリング株式会社は、株式の追加取得により、持分法適用関連会社から連結子会社としています。
(連結子会社の事業年度等に関する事項の変更)
連結子会社のうち決算日が12月31日であった、五十鈴汽車工程柴油机(上海)有限公司、いすゞモーターズサウジアラビアカンパニーリミテッドは同日現在の財務諸表を利用し、連結決算日との間に生じた重要な取引について必要な調整を行っていましたが、当連結会計年度より連結決算日である3月31日に本決算に準じた仮決算を行い連結する方法に変更しています。
これに伴い、五十鈴汽車工程柴油机(上海)有限公司については、当連結会計年度は2024年4月1日から2025年3月31日までの12か月間を連結しています。なお、当該連結子会社の2024年1月1日から2024年3月31日までの損益については、利益剰余金の増減として調整しています。
また、いすゞモーターズサウジアラビアカンパニーリミテッドについては、2024年1月1日から2025年3月31日までの15か月決算となっています。この変更による連結財務諸表に与える影響は軽微です。
(会計方針の変更)
(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しています。
法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号2022年10月28日。以下「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っています。なお、当該会計方針の変更による連結財務諸表への影響はありません。
また、連結会社間における子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べる場合の連結財務諸表における取扱いの見直しに関連する改正については、2022年改正適用指針を当連結会計年度の期首から適用しています。当該会計方針の変更は、遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっています。なお、当該会計方針の変更による前連結会計年度の連結財務諸表への影響はありません。
(「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」の適用)
「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第46号 2024年3月22日)等を当連結会計年度の期首から適用しています。なお、当該会計方針の変更による連結財務諸表への影響は軽微です。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRS会計基準により作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用」に記載のとおりです。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(有形固定資産の計上額の調整)
日本基準で行った土地再評価を取崩し取得原価で評価しています。また、一部の有形固定資産については、IFRS会計基準の初度適用の免除規定を適用し、みなし原価により評価を行っています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「有形固定資産」が130,226百万円減少しています。
(リース資産及びリース負債)
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っていました。IFRS会計基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分がないため、原則としてすべてのリース取引について、「使用権資産」及び「リース負債」を計上しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「使用権資産」が80,804百万円、「リース負債(流動)」が17,216百万円、「リース負債(非流動)」が65,024百万円増加しています。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、すべての研究開発費を費用処理していましたが、IFRS会計基準では、これらのうち一定の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「無形資産」が35,186百万円増加しています。
(未消化の有給休暇及びその他の長期従業員給付)
日本基準では会計処理が求められていなかった未消化の有給休暇及びその他の長期従業員給付について、IFRS会計基準では「その他の流動負債」又は「その他の非流動負債」として計上しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」がそれぞれ12,261百万円及び942百万円増加しています。
(売上高及び売上原価に対する調整)
製造業者又は販売業者としての貸手となる場合、ファイナンス・リースに係るリース収益について、日本基準ではリース料受取時に「売上高」と「売上原価」を認識していましたが、IFRS会計基準ではリース開始日に「売上収益」と「売上原価」を認識しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて連結損益計算書における「売上収益」及び「売上原価」がそれぞれ32,807百万円及び32,807百万円増加しています。
(その他の費用に関する調整)
旧IJTT及びその子会社が保有する資産及び負債について、日本基準では、当社が保有する旧IJTTの全株式を譲渡した当連結会計年度に子会社株式売却損6,389百万円を計上しています。IFRS会計基準では、当該譲渡する契約を締結した前連結会計年度において、当該資産及び負債を公正価値で測定し、損失6,244百万円を計上しています。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて連結損益計算書における税引前利益が6,389百万円増加しています。