有価証券報告書-第118期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
19.財務リスク
(1)財務上のリスク管理
トヨタは、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク、市場価格変動リスク)などの様々なリスクにさらされています。また、トヨタは市場リスクをヘッジするために、先物為替予約取引、通貨オプション取引、金利スワップ取引、金利通貨スワップ取引および金利オプション取引を含むデリバティブ金融商品を利用しています。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程に従っており、デリバティブ金融商品を利用した投機的な取引は行わない方針です。
また、トヨタは設備投資計画に照らして、必要な資金調達(主に銀行借入や社債発行)をしています。一時的な余剰資金は安全性の高い金融資産で運用し、短期的な運転資金を銀行借入、コマーシャル・ペーパーにより調達しています。資金調達に係る流動性リスクについては、各社が月次で資金繰り計画を作成する等の方法により管理しています。
(2)信用リスク
トヨタは、主に金融事業に係る債権について信用リスクにさらされています。金融事業に係る債権は、顧客やディーラーの返済が契約条件どおりに行われずに損失が発生する可能性があります。
トヨタでは、当該リスクに対応するために、リスク管理に関する諸規程において、具体的な各種リスクの管理方法や管理体制等を定め信用リスク管理実務を行っています。信用リスクは、上記規程に基づき、定期的に取引先の信用状況の把握、期日管理および残高管理を行うとともに、財務状況悪化等による回収懸念の早期把握や低減を図っています。
金融事業に係る債権に対する予想信用損失の測定方法については、注記3.(6)を参照ください。
連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額および注記されている保証債務および貸出コミットメントは、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、トヨタの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。貸出コミットメントおよび保証契約の信用エクスポージャーに対する引当は、小売債権の引当金の算定方法と同様に算定しています。
トヨタの小売債権、ファイナンス・リース債権は、車両を担保とすることにより保全を図っています。卸売債権およびその他ディーラー貸付金は、適切な物件を担保とすることにより保全を図っています。また、報告期間中、担保に関する方針に変更はありません。
小売債権に係る金融損失引当金の増減は次のとおりです。
「その他」には、主として回収による金融損失引当金の戻入が含まれています。
小売債権に係る回収期限からの経過日数別の残高は次のとおりです。
ファイナンス・リース債権に係る金融損失引当金の増減は次のとおりです。
「その他」には、主として回収による金融損失引当金の戻入が含まれています。
ファイナンス・リース債権に係る回収期限からの経過日数別の残高は次のとおりです。
卸売債権およびその他のディーラー貸付金に係る金融損失引当金の増減の内訳は次のとおりです。
「その他」には、主として回収による金融損失引当金の戻入が含まれています。
トヨタは、信用減損資産について、その全体または一部が回収不能であると判断した場合、直接償却を行っています。2021年3月31日および2022年3月31日に終了した1年間において、直接償却した金融事業に係る債権のうち、回収活動を継続している未回収残高に重要性はありません。
2021年3月31日および2022年3月31日現在の卸売債権およびその他のディーラー貸付金ポートフォリオの信用状況別の残高、貸出コミットメントならびに金融保証契約の状況は、それぞれ次のとおりです。
卸売債権およびその他のディーラー貸付金ポートフォリオについては、内部におけるディーラー別のリスク評価を基礎として、以下の信用状況別に区分しています。
正常 : 要注意、破綻懸念、債務不履行のいずれにも該当しない債権
要注意 : 潜在的損失に、より注意を必要とする債権
破綻懸念 : 質的および量的見地から債務不履行に陥る懸念がある債権
債務不履行: 契約上の返済義務が履行されていない、または一時的に免除されている債権
2021年3月31日および2022年3月31日に終了した1年間において、信用状態の悪化を理由に条件変更された債権は、小売債権、ファイナンス・リース債権、卸売債権およびその他のディーラー貸付金ともに金額的重要性はありません。また、条件変更された債権の支払不履行も金額的重要性はありません。
(3)流動性リスク
トヨタは、事業を遂行するにあたって必要最小限の手元資金を確保するために、適宜金融機関からの借入、社債またはコマーシャル・ペーパーの発行を行っており、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払いを実行できなくなるリスクを有しています。
トヨタは、グループ各社の資金需要を適宜把握した上で、月次ベースの資金計画を作成し、日々のキャッシュ・フローと比較するという方法でモニタリングを行い、流動性リスクを管理しています。資金の流動性・安定性の確保のために、十分な規模の現金及び現金同等物を保有しているほか、突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下した時などの緊急的な事態に備えてコミットメントラインを設定しています。
トヨタの非デリバティブ金融負債およびデリバティブ金融負債の残存契約満期期間ごとの金額は次のとおりです。
2021年3月31日現在
2022年3月31日現在
2021年3月31日および2022年3月31日現在、トヨタにはそれぞれ1,836,532百万円および2,534,291百万円の未使用の短期借入枠があり、うち550,408百万円および1,056,931百万円はコマーシャル・ペーパーのプログラムに関するものです。これらのプログラムによって、トヨタは、360日以内の借入に適用される一般的な利率で短期の資金調達を行うことができます。2021年3月31日および2022年3月31日現在、トヨタには6,446,277百万円および9,030,322百万円の未使用の長期借入枠があります。
(4)為替リスク
トヨタは、グローバルに事業展開しており、外貨建ての購買・販売および財務に係る取引に関連する為替エクスポージャーを有しています。トヨタは外貨建ての営業活動によるキャッシュ・フローおよび様々な外貨建金融商品について、将来の損益または資産・負債が変動するリスクにさらされています。トヨタの最も重要な為替エクスポージャーは米ドルおよびユーロに関連して発生します。
トヨタは、為替の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約取引、通貨オプション取引、金利通貨スワップ等のデリバティブを利用しています。
トヨタは、為替レートの変動リスクの評価について、Value-at-risk analysis計測(以下「VaR」という。)を用いています。2021年3月31日および2022年3月31日に終了した1年間における、VaRにより統合された為替ポジション(デリバティブを含む)の税引前キャッシュ・フローへの潜在的影響額は次のとおりです。
トヨタのVaR計測にあたっては、モンテ・カルロ・シミュレーション法を用いており、95%の信頼区間、および10日間の保有期間に基づいて計測しています。
(5)金利リスク
トヨタは、事業活動を進める上で、運転資金および設備投資等に必要となる資金を調達し、投資運用することに伴い、市場金利の変動による金利リスクにさらされています。
トヨタは、金利変動リスクに係るエクスポージャーの望ましい水準を維持し、支払利息を最小化するために、様々な金融商品取引を行っています。
金利が1%上昇した場合におけるトヨタが保有する金融商品の金利リスクに対する感応度分析は以下のとおりです。なお、本分析においては、その他すべての変数を一定のものとして仮定しています。
(6)市場価格変動リスク
トヨタは、自動車の製造に使用する鉄鋼、貴金属および非鉄金属など、コモディティの価格が変動することによるコストの上昇から生じるリスクにさらされています。トヨタは、それらコモディティの購入に伴う価格リスクについて、在庫を最小レベルに維持することによって価格リスクをコントロールしています。
トヨタは、事業活動の円滑な推進を目的として、主に業務上の関係を有する会社の株式を保有していることから、株価変動リスクにさらされています。トヨタは、定期的に公正価値や取引先企業の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。活発な市場における資本性金融資産(株式)の公表価格が10%変動した場合に、その他の包括利益(税効果考慮前)に与える影響は、2021年3月31日および2022年3月31日に終了した1年間において、それぞれ262,396百万円および316,281百万円です。
(1)財務上のリスク管理
トヨタは、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク、市場価格変動リスク)などの様々なリスクにさらされています。また、トヨタは市場リスクをヘッジするために、先物為替予約取引、通貨オプション取引、金利スワップ取引、金利通貨スワップ取引および金利オプション取引を含むデリバティブ金融商品を利用しています。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程に従っており、デリバティブ金融商品を利用した投機的な取引は行わない方針です。
また、トヨタは設備投資計画に照らして、必要な資金調達(主に銀行借入や社債発行)をしています。一時的な余剰資金は安全性の高い金融資産で運用し、短期的な運転資金を銀行借入、コマーシャル・ペーパーにより調達しています。資金調達に係る流動性リスクについては、各社が月次で資金繰り計画を作成する等の方法により管理しています。
(2)信用リスク
トヨタは、主に金融事業に係る債権について信用リスクにさらされています。金融事業に係る債権は、顧客やディーラーの返済が契約条件どおりに行われずに損失が発生する可能性があります。
トヨタでは、当該リスクに対応するために、リスク管理に関する諸規程において、具体的な各種リスクの管理方法や管理体制等を定め信用リスク管理実務を行っています。信用リスクは、上記規程に基づき、定期的に取引先の信用状況の把握、期日管理および残高管理を行うとともに、財務状況悪化等による回収懸念の早期把握や低減を図っています。
金融事業に係る債権に対する予想信用損失の測定方法については、注記3.(6)を参照ください。
連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額および注記されている保証債務および貸出コミットメントは、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、トヨタの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。貸出コミットメントおよび保証契約の信用エクスポージャーに対する引当は、小売債権の引当金の算定方法と同様に算定しています。
トヨタの小売債権、ファイナンス・リース債権は、車両を担保とすることにより保全を図っています。卸売債権およびその他ディーラー貸付金は、適切な物件を担保とすることにより保全を図っています。また、報告期間中、担保に関する方針に変更はありません。
小売債権に係る金融損失引当金の増減は次のとおりです。
金額:百万円 | ||||||||
2021年3月31日に終了した1年間 | ||||||||
12ヶ月の 予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||||||
信用減損していない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||||||
金融損失引当金期首残高 | 60,078 | 66,813 | 32,879 | 159,770 | ||||
繰入・戻入(△)額 | 28,378 | 34,992 | 46,232 | 109,602 | ||||
直接償却 | - | - | △50,485 | △50,485 | ||||
その他 | △9,053 | △23,380 | 11,750 | △20,683 | ||||
金融損失引当金期末残高 | 79,402 | 78,426 | 40,376 | 198,204 |
金額:百万円 | ||||||||
2022年3月31日に終了した1年間 | ||||||||
12ヶ月の 予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||||||
信用減損していない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||||||
金融損失引当金期首残高 | 79,402 | 78,426 | 40,376 | 198,204 | ||||
繰入・戻入(△)額 | 22,685 | 39,420 | 38,687 | 100,792 | ||||
直接償却 | - | - | △41,331 | △41,331 | ||||
その他 | △13,961 | △18,381 | 4,781 | △27,561 | ||||
金融損失引当金期末残高 | 88,125 | 99,465 | 42,514 | 230,104 |
「その他」には、主として回収による金融損失引当金の戻入が含まれています。
小売債権に係る回収期限からの経過日数別の残高は次のとおりです。
金額:百万円 | ||||||||
2021年3月31日 | ||||||||
12ヶ月の 予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||||||
信用減損していない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||||||
延滞なし | 13,638,143 | 824,508 | - | 14,462,651 | ||||
90日未満 | 213,860 | 273,282 | 17,527 | 504,670 | ||||
90日以上 | - | 1,381 | 79,731 | 81,112 | ||||
合計 | 13,852,004 | 1,099,171 | 97,258 | 15,048,433 |
金額:百万円 | ||||||||
2022年3月31日 | ||||||||
12ヶ月の 予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||||||
信用減損していない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||||||
延滞なし | 15,753,211 | 1,083,642 | - | 16,836,854 | ||||
90日未満 | 283,753 | 405,941 | 17,655 | 707,350 | ||||
90日以上 | - | 779 | 102,457 | 103,236 | ||||
合計 | 16,036,965 | 1,490,363 | 120,112 | 17,647,440 |
ファイナンス・リース債権に係る金融損失引当金の増減は次のとおりです。
金額:百万円 | |||
3月31日に終了した1年間 | |||
2021年 | 2022年 | ||
金融損失引当金期首残高 | 30,899 | 33,455 | |
繰入・戻入(△)額 | 8,663 | 11,107 | |
直接償却 | △3,310 | △3,712 | |
その他 | △2,798 | △3,865 | |
金融損失引当金期末残高 | 33,455 | 36,985 |
「その他」には、主として回収による金融損失引当金の戻入が含まれています。
ファイナンス・リース債権に係る回収期限からの経過日数別の残高は次のとおりです。
金額:百万円 | |||
3月31日 | |||
2021年 | 2022年 | ||
延滞なし | 1,945,198 | 2,279,978 | |
90日未満 | 50,992 | 47,034 | |
90日以上 | 35,089 | 20,928 | |
合計 | 2,031,280 | 2,347,941 |
卸売債権およびその他のディーラー貸付金に係る金融損失引当金の増減の内訳は次のとおりです。
金額:百万円 | ||||||||
2021年3月31日に終了した1年間 | ||||||||
12ヶ月の 予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||||||
信用減損していない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||||||
金融損失引当金期首残高 | 27,556 | 13,634 | 3,989 | 45,179 | ||||
繰入・戻入(△)額 | 2,293 | 1,975 | 1,593 | 5,861 | ||||
直接償却 | - | - | △209 | △209 | ||||
その他 | △12,382 | △8,368 | △437 | △21,188 | ||||
金融損失引当金期末残高 | 17,467 | 7,241 | 4,935 | 29,642 |
金額:百万円 | ||||||||
2022年3月31日に終了した1年間 | ||||||||
12ヶ月の 予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||||||
信用減損していない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||||||
金融損失引当金期首残高 | 17,467 | 7,241 | 4,935 | 29,642 | ||||
繰入・戻入(△)額 | 5,198 | 1,566 | 1,177 | 7,941 | ||||
直接償却 | - | - | △11 | △11 | ||||
その他 | △8,317 | △3,715 | △705 | △12,736 | ||||
金融損失引当金期末残高 | 14,349 | 5,092 | 5,396 | 24,836 |
「その他」には、主として回収による金融損失引当金の戻入が含まれています。
トヨタは、信用減損資産について、その全体または一部が回収不能であると判断した場合、直接償却を行っています。2021年3月31日および2022年3月31日に終了した1年間において、直接償却した金融事業に係る債権のうち、回収活動を継続している未回収残高に重要性はありません。
2021年3月31日および2022年3月31日現在の卸売債権およびその他のディーラー貸付金ポートフォリオの信用状況別の残高、貸出コミットメントならびに金融保証契約の状況は、それぞれ次のとおりです。
卸売債権およびその他のディーラー貸付金ポートフォリオについては、内部におけるディーラー別のリスク評価を基礎として、以下の信用状況別に区分しています。
正常 : 要注意、破綻懸念、債務不履行のいずれにも該当しない債権
要注意 : 潜在的損失に、より注意を必要とする債権
破綻懸念 : 質的および量的見地から債務不履行に陥る懸念がある債権
債務不履行: 契約上の返済義務が履行されていない、または一時的に免除されている債権
金額:百万円 | ||||||||
2021年3月31日 | ||||||||
12ヶ月の 予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||||||
信用減損していない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||||||
卸売債権およびその他の ディーラー貸付金 | ||||||||
正常 | 2,956,452 | - | - | 2,956,452 | ||||
要注意 | 82,046 | 78,509 | - | 160,554 | ||||
破綻懸念 | - | 48,354 | 2,388 | 50,742 | ||||
債務不履行 | - | - | 17,736 | 17,736 | ||||
貸出コミットメント | 9,917,155 | 96,266 | 412 | 10,013,832 | ||||
金融保証契約 | 3,574,943 | 31,465 | - | 3,606,408 | ||||
合計 | 16,530,596 | 254,594 | 20,535 | 16,805,725 |
金額:百万円 | ||||||||
2022年3月31日 | ||||||||
12ヶ月の 予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | ||||||
信用減損していない金融資産 | 信用減損 金融資産 | |||||||
卸売債権およびその他の ディーラー貸付金 | ||||||||
正常 | 2,730,860 | - | - | 2,730,860 | ||||
要注意 | 20,842 | 97,353 | - | 118,196 | ||||
破綻懸念 | - | 32,299 | 699 | 32,998 | ||||
債務不履行 | - | - | 22,162 | 22,162 | ||||
貸出コミットメント | 10,050,817 | 69,393 | 90 | 10,120,300 | ||||
金融保証契約 | 3,574,257 | 39,205 | - | 3,613,461 | ||||
合計 | 16,376,776 | 238,251 | 22,952 | 16,637,978 |
2021年3月31日および2022年3月31日に終了した1年間において、信用状態の悪化を理由に条件変更された債権は、小売債権、ファイナンス・リース債権、卸売債権およびその他のディーラー貸付金ともに金額的重要性はありません。また、条件変更された債権の支払不履行も金額的重要性はありません。
(3)流動性リスク
トヨタは、事業を遂行するにあたって必要最小限の手元資金を確保するために、適宜金融機関からの借入、社債またはコマーシャル・ペーパーの発行を行っており、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払いを実行できなくなるリスクを有しています。
トヨタは、グループ各社の資金需要を適宜把握した上で、月次ベースの資金計画を作成し、日々のキャッシュ・フローと比較するという方法でモニタリングを行い、流動性リスクを管理しています。資金の流動性・安定性の確保のために、十分な規模の現金及び現金同等物を保有しているほか、突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下した時などの緊急的な事態に備えてコミットメントラインを設定しています。
トヨタの非デリバティブ金融負債およびデリバティブ金融負債の残存契約満期期間ごとの金額は次のとおりです。
2021年3月31日現在
金額:百万円 | ||||||
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ ・フロー | 満期 | ||||
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 | |||
非デリバティブ金融負債 | ||||||
短期借入金 | 1,109,904 | △1,119,748 | △1,119,748 | - | - | - |
コマーシャル・ペーパー | 3,229,986 | △3,233,528 | △3,233,528 | - | - | - |
1年以内返済予定 長期借入債務 | 7,584,337 | △7,781,816 | △7,781,816 | - | - | - |
長期借入債務 | 13,133,804 | △13,615,831 | - | △8,135,588 | △3,871,044 | △1,609,200 |
リース負債 | 360,891 | △403,757 | △52,983 | △78,623 | △52,294 | △219,857 |
種類株式 | 240,712 | △243,650 | △243,650 | - | - | - |
計 | 25,659,635 | △26,398,330 | △12,431,725 | △8,214,211 | △3,923,338 | △1,829,057 |
デリバティブ金融負債 | ||||||
金利デリバティブ | 288,853 | △291,818 | △75,477 | △147,811 | △45,699 | △22,832 |
通貨デリバティブ | ||||||
収入 | - | 453,701 | 228,651 | 151,430 | 49,701 | 23,919 |
支出 | 137,127 | △593,702 | △353,986 | △163,366 | △51,643 | △24,707 |
計 | 425,980 | △431,820 | △200,812 | △159,747 | △47,640 | △23,620 |
合計 | 26,085,615 | △26,830,150 | △12,632,537 | △8,373,958 | △3,970,978 | △1,852,677 |
2022年3月31日現在
金額:百万円 | ||||||
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ ・フロー | 満期 | ||||
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 | |||
非デリバティブ金融負債 | ||||||
短期借入金 | 852,301 | △865,873 | △865,873 | - | - | - |
コマーシャル・ペーパー | 3,252,556 | △3,260,578 | △3,260,578 | - | - | - |
1年以内返済予定 長期借入債務 | 7,026,845 | △7,238,356 | △7,238,356 | - | - | - |
長期借入債務 | 14,943,727 | △15,458,478 | - | △9,194,302 | △4,501,420 | △1,762,756 |
リース負債 | 420,928 | △466,661 | △61,735 | △85,791 | △60,661 | △258,474 |
種類株式 | - | - | - | - | - | - |
計 | 26,496,358 | △27,289,948 | △11,426,543 | △9,280,094 | △4,562,081 | △2,021,230 |
デリバティブ金融負債 | ||||||
金利デリバティブ | 325,912 | △346,482 | △56,824 | △112,352 | △110,592 | △66,715 |
通貨デリバティブ | ||||||
収入 | - | 958,208 | 358,275 | 83,552 | 379,916 | 136,465 |
支出 | 171,286 | △1,164,801 | △475,869 | △94,949 | △420,302 | △173,682 |
計 | 497,198 | △553,075 | △174,417 | △123,748 | △150,978 | △103,932 |
合計 | 26,993,557 | △27,843,023 | △11,600,961 | △9,403,841 | △4,713,059 | △2,125,162 |
2021年3月31日および2022年3月31日現在、トヨタにはそれぞれ1,836,532百万円および2,534,291百万円の未使用の短期借入枠があり、うち550,408百万円および1,056,931百万円はコマーシャル・ペーパーのプログラムに関するものです。これらのプログラムによって、トヨタは、360日以内の借入に適用される一般的な利率で短期の資金調達を行うことができます。2021年3月31日および2022年3月31日現在、トヨタには6,446,277百万円および9,030,322百万円の未使用の長期借入枠があります。
(4)為替リスク
トヨタは、グローバルに事業展開しており、外貨建ての購買・販売および財務に係る取引に関連する為替エクスポージャーを有しています。トヨタは外貨建ての営業活動によるキャッシュ・フローおよび様々な外貨建金融商品について、将来の損益または資産・負債が変動するリスクにさらされています。トヨタの最も重要な為替エクスポージャーは米ドルおよびユーロに関連して発生します。
トヨタは、為替の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約取引、通貨オプション取引、金利通貨スワップ等のデリバティブを利用しています。
トヨタは、為替レートの変動リスクの評価について、Value-at-risk analysis計測(以下「VaR」という。)を用いています。2021年3月31日および2022年3月31日に終了した1年間における、VaRにより統合された為替ポジション(デリバティブを含む)の税引前キャッシュ・フローへの潜在的影響額は次のとおりです。
金額:百万円 | |||||||
VaR | |||||||
期末 | 平均 | 最大 | 最小 | ||||
2021年3月31日に終了した1年間 | 196,900 | 187,725 | 196,900 | 178,400 | |||
2022年3月31日に終了した1年間 | 257,600 | 241,825 | 263,600 | 214,800 |
トヨタのVaR計測にあたっては、モンテ・カルロ・シミュレーション法を用いており、95%の信頼区間、および10日間の保有期間に基づいて計測しています。
(5)金利リスク
トヨタは、事業活動を進める上で、運転資金および設備投資等に必要となる資金を調達し、投資運用することに伴い、市場金利の変動による金利リスクにさらされています。
トヨタは、金利変動リスクに係るエクスポージャーの望ましい水準を維持し、支払利息を最小化するために、様々な金融商品取引を行っています。
金利が1%上昇した場合におけるトヨタが保有する金融商品の金利リスクに対する感応度分析は以下のとおりです。なお、本分析においては、その他すべての変数を一定のものとして仮定しています。
金額:百万円 | |||
3月31日に終了した1年間 | |||
2021年 | 2022年 | ||
税引前利益への影響 | △40,536 | △64,533 | |
その他の包括利益(税効果考慮前)への影響 | △238,986 | △243,630 |
(6)市場価格変動リスク
トヨタは、自動車の製造に使用する鉄鋼、貴金属および非鉄金属など、コモディティの価格が変動することによるコストの上昇から生じるリスクにさらされています。トヨタは、それらコモディティの購入に伴う価格リスクについて、在庫を最小レベルに維持することによって価格リスクをコントロールしています。
トヨタは、事業活動の円滑な推進を目的として、主に業務上の関係を有する会社の株式を保有していることから、株価変動リスクにさらされています。トヨタは、定期的に公正価値や取引先企業の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。活発な市場における資本性金融資産(株式)の公表価格が10%変動した場合に、その他の包括利益(税効果考慮前)に与える影響は、2021年3月31日および2022年3月31日に終了した1年間において、それぞれ262,396百万円および316,281百万円です。