有価証券報告書-第103期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(百万円未満四捨五入)
当連結会計年度における世界経済は、インフレ圧力の緩和により各国の個人消費が持ち直し、小売などの景況感が改善している一方、米国政府によるすべての国・地域を対象とする追加関税、相互関税の上乗せなどによる、先行きの不透明感から、消費の手控えや設備投資の減少を招き、景気減速のリスクが高まっております。
こうした中、わが国経済は、堅調なインバウンド需要や、個人需要の持ち直しによる消費下支えがあるものの、構造的な人手不足問題や、米関税の引き上げによる輸出の減少も予想され、先行きの見通しづらい経営環境が続いています。
当社グループの事業に関しましては、自動車関連では需要に底堅さが見られたものの、中米・欧州製造拠点での生産性の悪化等もあり、また建設機械関連では、中国市場を中心に北米、アジアでの需要も減少したことにより、当連結会計年度は厳しい経営環境となりました。
このような環境のもと、当社グループの売上高は4,383億円と、前連結会計年度に比べ45億円の減収となりましたが、営業利益につきましては227億円(前連結会計年度営業利益224億円)、税引前利益は220億円(前連結会計年度税引前利益214億円)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は149億円(前連結会計年度親会社の所有者に帰属する当期利益158億円)となりました。
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)
2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。
(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
当連結会計年度においては、2025年3月31日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー52本、制振用オイルダンパー17本の合計69本)を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当連結会計年度末の残高は20億円であります。
セグメント別の業績は次のとおりです。
また、各セグメントにおける製品別売上高については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 22.売上高」をご参照ください。
(a) AC事業
当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。四輪車用油圧緩衝器は、国内自動車生産台数が減少したものの、欧州でのOEM製品の販売や東欧・中東市販市場での需要増加、円安による為替影響等により、売上高は2,279億円と前連結会計年度に比べ6.0%の増収となりました。二輪車用油圧緩衝器は、国内や欧州での販売減少があったものの、中国での販売やインド市場での需要の増加により、売上高は438億円と前連結会計年度に比べ5.9%の増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は3,076億円と前連結会計年度に比べ5.0%の増収となり、セグメント利益は172億円と前連結会計年度に比べ7億円の増益となりました。
(b) HC事業
当セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成されております。建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、建設機械の中国市場での需要減少の継続に加え、北米やアジアでの需要低迷により、売上高は1,064億円と前連結会計年度に比べ14.6%の減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,162億円と前連結会計年度に比べ13.6%の減収となり、セグメント利益は17億円と前連結会計年度に比べ37億円の減益となりました。
(c) 航空機器事業
当セグメントは、航空機器用油圧機器から構成されております。生産調整による出荷減少等により、売上高は37億円と前連結会計年度に比べ5.9%の減収となり、セグメント損失は4億円(前連結会計年度セグメント損失20億円)となりました。
(d) 特装車両事業及びその他
当セグメントは、特装車両等から構成されております。コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、2025年1月にKYB-Conmat Pvt. Ltd.を連結範囲から除外した影響により、当セグメントの売上高は108億円と前連結会計年度に比べ5.0%の減収となったものの、セグメント利益は13億円と前連結会計年度に比べ2億円の増益となりました。
(百万円未満四捨五入)
流動資産は、営業債権及びその他の債権が減少したものの、子会社株式取得のための預託金等のその他の流動資産の増加等により24億円増加しました。また、非流動資産につきましては、退職給付信託の一部返還によるその他の非流動資産の減少等により158億円減少しました。この結果、総資産は134億円減少し、4,631億円となりました。
負債につきましては、社債及び借入金が増加したものの、営業債務及びその他の債務の減少等により、負債総額は220億円減少し、2,281億円となりました。
資本は、自己株式の取得があった一方、当期利益に伴う利益剰余金の増加等により、86億円増加し、2,350億円となりました。
親会社所有者帰属持分比率は、資本が増加したことから48.7%と前連結会計年度末に比べ3.1ポイント好転しました。
② キャッシュ・フローの状況
(百万円未満四捨五入)
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせて97億円の資金流入、また財務活動によるキャッシュ・フローは91億円の資金流出となり、為替換算により2億円増加した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比8億円増加し、474億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により当連結会計年度は438億円の資金流入(前連結会計年度比40億円の増加)となりました。これは主に税引前利益220億円、減価償却費及び償却費187億円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は341億円(前連結会計年度比106億円の支出増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出170億円、子会社株式取得のための預託金の差入による支出162億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により流出した資金は91億円(前連結会計年度は150億円の支出)となりました。主な流出は、自己株式の取得による支出63億円や配当金の支払額59億円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(b) 受注実績
四輪車用・二輪車用油圧緩衝器およびパワーステアリング製品を主とするAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、建設機械向け産業用油圧機器およびシステム製品を主とするHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業は、見込み生産を行っております。航空機器用離着陸装置、同操舵装置等を主とする航空機器事業についても、一部製品においても正式受注が納期間際であることから、その殆どが内示に基づく見込み生産となっております。
特装車両事業及びその他についても、同様にその殆どが内示に基づく見込み生産となっております。従って、受注高および受注残高を算出することは困難であることから、記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注)上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前連結会計年度比1.0%減少の4,383億円、セグメント利益は前連結会計年度比5.4%減少の198億円、営業利益は前連結会計年度比1.1%増加の227億円となりました。建設機械関連需要の落ち込み等による減収影響はあるも、米国の生産性改善によるコスト低減や自動車向け市販製品販売増、持分法投資利益の増加等により営業利益は前連結会計年度比でほぼ横ばいとなりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは幅広い製品群の事業を展開しており、各事業及びその製品群のポートフォリオ評価や計画に対する進捗や見通しを把握するため、売上高、セグメント利益及びセグメント利益率、また後述の通りROEの分析を重視しております。
2023中期経営計画では、「品質経営を極める」をスローガンに掲げ、顧客価値創造を目指した人財・情報・仕事の質を高めることで製品・サービスの質の向上を図りながら品質経営を極め、企業価値向上を図ります。最終年度となる2025年度目標として、売上高4,700億円、セグメント利益率8.1%とあわせ、品質経営を進める中で資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を進めるべく、ROE12.0%、配当性向30%以上を定めています。東証からの要請である「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」も踏まえて、収益力向上については、不採算事業の撤退による事業ポートフォリオの見直しとしてKYB-Conmat Pvt. Ltd.との合弁事業解消、電動パワーステアリングの中国販売伸張に加えグローバル市場拡販本格化、高価格帯ショックアブソーバであるプレミアム市販製品の市場投入、自動車向け電動ポンプの受注、重要な取引先であった知多鋼業株式会社の公開買付けを通じた完全子会社化等の諸施策を着実に推進し、改善を進めてまいりました。資本効率向上・財務体質強化については、政策保有株式の縮減、全社棚卸資産の圧縮推進や、自己株式取得による株主還元強化を実行し企業価値向上への取り組みを進めてまいりました。また、PER向上に関し、ブランド価値向上として「OFF WE GO!」をコンセプトに”OFFROADのカヤバ”の新しいイメージ構築に加え、2018年度比CO2排出量の30%削減を達成するなど、サステナビリティへの取り組みも進めてまいりました。10年後の2035年に迎える創立100周年、そしてその先の未来まで、持続可能な企業として社会に貢献し続けるために、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。
また、当社グループの資金需要、資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、鋼材等の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債の発行および金融機関からの長期借入を基本としております。本連結会計年度におきましては、設備投資等のため総額約80億円の借入を実行いたしました。当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,082億円となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は474億円となっております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(百万円未満四捨五入)
| 売上高 (百万円) | セグメント利益 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 税引前利益 (百万円) | 親会社の所有者に 帰属する当期利益(百万円) | |
| 2025年3月期 | 438,316 | 19,825 | 22,671 | 21,989 | 14,899 |
| 2024年3月期 | 442,781 | 20,959 | 22,417 | 21,361 | 15,818 |
| 増減 | △4,465 | △1,133 | 254 | 628 | △919 |
| 増減率(%) | △1.0 | △5.4 | 1.1 | 2.9 | △5.8 |
当連結会計年度における世界経済は、インフレ圧力の緩和により各国の個人消費が持ち直し、小売などの景況感が改善している一方、米国政府によるすべての国・地域を対象とする追加関税、相互関税の上乗せなどによる、先行きの不透明感から、消費の手控えや設備投資の減少を招き、景気減速のリスクが高まっております。
こうした中、わが国経済は、堅調なインバウンド需要や、個人需要の持ち直しによる消費下支えがあるものの、構造的な人手不足問題や、米関税の引き上げによる輸出の減少も予想され、先行きの見通しづらい経営環境が続いています。
当社グループの事業に関しましては、自動車関連では需要に底堅さが見られたものの、中米・欧州製造拠点での生産性の悪化等もあり、また建設機械関連では、中国市場を中心に北米、アジアでの需要も減少したことにより、当連結会計年度は厳しい経営環境となりました。
このような環境のもと、当社グループの売上高は4,383億円と、前連結会計年度に比べ45億円の減収となりましたが、営業利益につきましては227億円(前連結会計年度営業利益224億円)、税引前利益は220億円(前連結会計年度税引前利益214億円)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は149億円(前連結会計年度親会社の所有者に帰属する当期利益158億円)となりました。
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)
2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。
(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
当連結会計年度においては、2025年3月31日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー52本、制振用オイルダンパー17本の合計69本)を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当連結会計年度末の残高は20億円であります。
セグメント別の業績は次のとおりです。
また、各セグメントにおける製品別売上高については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 22.売上高」をご参照ください。
(a) AC事業
当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。四輪車用油圧緩衝器は、国内自動車生産台数が減少したものの、欧州でのOEM製品の販売や東欧・中東市販市場での需要増加、円安による為替影響等により、売上高は2,279億円と前連結会計年度に比べ6.0%の増収となりました。二輪車用油圧緩衝器は、国内や欧州での販売減少があったものの、中国での販売やインド市場での需要の増加により、売上高は438億円と前連結会計年度に比べ5.9%の増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は3,076億円と前連結会計年度に比べ5.0%の増収となり、セグメント利益は172億円と前連結会計年度に比べ7億円の増益となりました。
(b) HC事業
当セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成されております。建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、建設機械の中国市場での需要減少の継続に加え、北米やアジアでの需要低迷により、売上高は1,064億円と前連結会計年度に比べ14.6%の減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,162億円と前連結会計年度に比べ13.6%の減収となり、セグメント利益は17億円と前連結会計年度に比べ37億円の減益となりました。
(c) 航空機器事業
当セグメントは、航空機器用油圧機器から構成されております。生産調整による出荷減少等により、売上高は37億円と前連結会計年度に比べ5.9%の減収となり、セグメント損失は4億円(前連結会計年度セグメント損失20億円)となりました。
(d) 特装車両事業及びその他
当セグメントは、特装車両等から構成されております。コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、2025年1月にKYB-Conmat Pvt. Ltd.を連結範囲から除外した影響により、当セグメントの売上高は108億円と前連結会計年度に比べ5.0%の減収となったものの、セグメント利益は13億円と前連結会計年度に比べ2億円の増益となりました。
(百万円未満四捨五入)
| 資産合計 (百万円) | 負債合計 (百万円) | 資本合計 (百万円) | 親会社の所有者 に帰属する持分 (百万円) | 親会社所有者 帰属持分比率 (%) | |
| 2025年3月期 | 463,112 | 228,089 | 235,023 | 225,537 | 48.7 |
| 2024年3月期 | 476,530 | 250,122 | 226,408 | 217,191 | 45.6 |
| 増減 | △13,418 | △22,033 | 8,615 | 8,346 | 3.1 |
| 増減率(%) | △2.8 | △8.8 | 3.8 | 3.8 | ― |
流動資産は、営業債権及びその他の債権が減少したものの、子会社株式取得のための預託金等のその他の流動資産の増加等により24億円増加しました。また、非流動資産につきましては、退職給付信託の一部返還によるその他の非流動資産の減少等により158億円減少しました。この結果、総資産は134億円減少し、4,631億円となりました。
負債につきましては、社債及び借入金が増加したものの、営業債務及びその他の債務の減少等により、負債総額は220億円減少し、2,281億円となりました。
資本は、自己株式の取得があった一方、当期利益に伴う利益剰余金の増加等により、86億円増加し、2,350億円となりました。
親会社所有者帰属持分比率は、資本が増加したことから48.7%と前連結会計年度末に比べ3.1ポイント好転しました。
② キャッシュ・フローの状況
(百万円未満四捨五入)
| 営業活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 投資活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 財務活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 現金及び現金同等物 期末残高 (百万円) | |
| 2025年3月期 | 43,847 | △34,133 | △9,099 | 47,428 |
| 2024年3月期 | 39,861 | △23,503 | △15,033 | 46,637 |
| 増減 | 3,986 | △10,630 | 5,934 | 791 |
| 増減率(%) | 10.0 | 45.2 | △39.5 | 1.7 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせて97億円の資金流入、また財務活動によるキャッシュ・フローは91億円の資金流出となり、為替換算により2億円増加した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比8億円増加し、474億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により当連結会計年度は438億円の資金流入(前連結会計年度比40億円の増加)となりました。これは主に税引前利益220億円、減価償却費及び償却費187億円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は341億円(前連結会計年度比106億円の支出増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出170億円、子会社株式取得のための預託金の差入による支出162億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により流出した資金は91億円(前連結会計年度は150億円の支出)となりました。主な流出は、自己株式の取得による支出63億円や配当金の支払額59億円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業 | 305,428 | 3.4 |
| HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業 | 115,138 | △13.1 |
| 航空機器事業 | 5,340 | 47.6 |
| 報告セグメント計 | 425,906 | △1.3 |
| 特装車両事業及びその他 | 9,624 | △14.8 |
| 合計 | 435,530 | △1.7 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(b) 受注実績
四輪車用・二輪車用油圧緩衝器およびパワーステアリング製品を主とするAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、建設機械向け産業用油圧機器およびシステム製品を主とするHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業は、見込み生産を行っております。航空機器用離着陸装置、同操舵装置等を主とする航空機器事業についても、一部製品においても正式受注が納期間際であることから、その殆どが内示に基づく見込み生産となっております。
特装車両事業及びその他についても、同様にその殆どが内示に基づく見込み生産となっております。従って、受注高および受注残高を算出することは困難であることから、記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業 | 307,632 | 5.0 |
| HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業 | 116,173 | △13.6 |
| 航空機器事業 | 3,678 | △5.9 |
| 報告セグメント計 | 427,484 | △0.9 |
| 特装車両事業及びその他 | 10,832 | △5.0 |
| 合計 | 438,316 | △1.0 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| トヨタ自動車株式会社 | 50,000 | 11.3 | 48,589 | 11.1 |
(注)上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前連結会計年度比1.0%減少の4,383億円、セグメント利益は前連結会計年度比5.4%減少の198億円、営業利益は前連結会計年度比1.1%増加の227億円となりました。建設機械関連需要の落ち込み等による減収影響はあるも、米国の生産性改善によるコスト低減や自動車向け市販製品販売増、持分法投資利益の増加等により営業利益は前連結会計年度比でほぼ横ばいとなりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは幅広い製品群の事業を展開しており、各事業及びその製品群のポートフォリオ評価や計画に対する進捗や見通しを把握するため、売上高、セグメント利益及びセグメント利益率、また後述の通りROEの分析を重視しております。
2023中期経営計画では、「品質経営を極める」をスローガンに掲げ、顧客価値創造を目指した人財・情報・仕事の質を高めることで製品・サービスの質の向上を図りながら品質経営を極め、企業価値向上を図ります。最終年度となる2025年度目標として、売上高4,700億円、セグメント利益率8.1%とあわせ、品質経営を進める中で資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を進めるべく、ROE12.0%、配当性向30%以上を定めています。東証からの要請である「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」も踏まえて、収益力向上については、不採算事業の撤退による事業ポートフォリオの見直しとしてKYB-Conmat Pvt. Ltd.との合弁事業解消、電動パワーステアリングの中国販売伸張に加えグローバル市場拡販本格化、高価格帯ショックアブソーバであるプレミアム市販製品の市場投入、自動車向け電動ポンプの受注、重要な取引先であった知多鋼業株式会社の公開買付けを通じた完全子会社化等の諸施策を着実に推進し、改善を進めてまいりました。資本効率向上・財務体質強化については、政策保有株式の縮減、全社棚卸資産の圧縮推進や、自己株式取得による株主還元強化を実行し企業価値向上への取り組みを進めてまいりました。また、PER向上に関し、ブランド価値向上として「OFF WE GO!」をコンセプトに”OFFROADのカヤバ”の新しいイメージ構築に加え、2018年度比CO2排出量の30%削減を達成するなど、サステナビリティへの取り組みも進めてまいりました。10年後の2035年に迎える創立100周年、そしてその先の未来まで、持続可能な企業として社会に貢献し続けるために、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。
また、当社グループの資金需要、資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、鋼材等の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債の発行および金融機関からの長期借入を基本としております。本連結会計年度におきましては、設備投資等のため総額約80億円の借入を実行いたしました。当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,082億円となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は474億円となっております。