四半期報告書-第99期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/10 13:03
【資料】
PDFをみる
【項目】
19項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日~2020年12月31日)における世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により厳しい状況が続きましたが、米国や中国をはじめとして、一部で経済活動に回復の兆しが見られました。また、わが国経済においても、輸出や生産が持ち直し、経済活動に動きが見られましたが、新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高につきましては、依然として続く新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な景気の低迷により、2,298億円と前第3四半期連結累計期間に比べ598億円の減収となりました。
一方で、営業利益につきましては58億44百万円(前年同期営業損失36億80百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益につきましては、31億36百万円(前年同期親会社の所有者に帰属する四半期損失72億40百万円)となりました。
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)
2019年3月期において、当社及び当社の子会社であるカヤバシステムマシナリー株式会社にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
当第3四半期連結累計期間において、状況が進捗したことから免震・制振用オイルダンパーの製作費用、交換工事に要する費用、構造再計算費用、及び補償等の製品保証引当金について繰入及び取崩を行った影響額、並びに対応本部の人件費等の諸費用をその他の費用に計上しております。
なお、当第3四半期連結会計期間においては、2020年12月31日時点で交換が未完了の不適合品及び不明の対象製品全数(免震用オイルダンパー757本、制振用オイルダンパー2,181本の合計2,938本)、並びに台湾輸出品のうち交換が未完了の不適合品及び不明の対象製品全数を製品保証引当金の対象としております。
本件に係る製品保証引当金の当第3四半期連結会計期間の残高は、318億91百万円であります。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。
なお、以下の説明におけるセグメント別の売上高は、外部顧客に対するものであり、セグメント別のセグメント損益はセグメント間取引消去前のものであります。
① AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業セグメント
当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。
当セグメントの売上高は1,376億円と前第3四半期連結累計期間に比べ21.8%の減収となり、セグメント利益は21億67百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ70億28百万円の減益となりました。
② HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業セグメント
当セグメントは、産業用油圧機器とその他製品から構成されております。
当セグメントの売上高は792億円と前第3四半期連結累計期間に比べ17.2%の減収となり、セグメント利益は27億88百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ22億18百万円の減益となりました。
③ システム製品
当セグメントは、舞台機構、艦艇機器、免制振装置等から構成されております。
当セグメントの売上高は36億円と前第3四半期連結累計期間に比べ36.5%の減収となり、セグメント利益は4億24百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ8億83百万円の減益となりました。
④ 航空機器事業
当セグメントは、航空機器用離着陸装置、同操舵装置等から構成されております。
当セグメントの売上高は29億円と前第3四半期連結累計期間に比べ33.9%の減収となり、セグメント損失は11億97百万円となりました。
⑤ 特装車両事業及び電子機器等
当セグメントは、特装車両及び電子機器等から構成されております。
当セグメントの売上高は65億円と前第3四半期連結累計期間に比べ17.5%の減収となり、セグメント利益は5億46百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ1億66百万円の減益となりました。
財政状態につきましては、総資産が4,216億円と前連結会計年度末に比べ112億円の増加となりました。流動資産は、現金及び現金同等物の増加等により、161億円増加の2,328億円となりました。非流動資産は、有形固定資産の減少等により、50億円減少の1,889億円となりました。
負債は、借入金の増加等により、33億円増加の3,340億円となりました。
資本は、親会社の所有者に帰属する四半期利益による利益剰余金の増加等により、79億円増加の877億円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は757億円となり、前連結会計年度末に比べ253億円の増加となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は137億円(前第3四半期連結累計期間比131億円の収入増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は75億円(前第3四半期連結累計期間比92億円の支出減少)となりました。主な流出は、有形固定資産の取得による支出89億円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は183億円(前第3四半期連結累計期間は67億円の収入)となりました。主な流出は、長期借入金の返済による支出85億円であり、主な流入は長期借入金による収入224億円です。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、重要な変更及び新たに定めた基本方針はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4,027百万円であります。報告セグメントごとの内訳は、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業で2,742百万円、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業で1,127百万円、システム製品で32百万円、航空機器事業で45百万円となります。
なお、当第3四半期連結累計期間において記載すべき重要な事項はありません。