有価証券報告書-第104期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(百万円未満四捨五入)
当連結会計年度における世界経済は、インフレ圧力の緩和や主要国での金融政策の効果もあり底堅さが見られたものの、中東情勢の緊迫化などの地政学的リスクの高まりにより、先行き不透明な状況が継続しました。
こうした中、わが国経済は、堅調な設備投資に加え、輸出も総じて増勢を維持したことから、緩やかな回復傾向で推移しました。一方で、米国の政策動向や中東情勢を巡る不透明感などにより、先行きを見通しづらい状況が続きました。
当社グループの事業につきましては、自動車向け製品において需要が底堅く、生産は堅調に推移しました。また建設機械向け製品においては、米国関税政策の影響を受けたものの、当初想定を上回る出荷となり、各事業の業績は堅調に推移しました。
このような環境のもと、当社グループの売上高は4,815億円と、前連結会計年度に比べ432億円の増収となりました。営業利益につきましては売上高が堅調に推移したことに加え、知多鋼業株式会社の完全子会社化に伴う負ののれん発生益を認識したこと等により349億円(前連結会計年度営業利益227億円)、税引前利益は349億円(前連結会計年度税引前利益220億円)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は290億円(前連結会計年度親会社の所有者に帰属する当期利益149億円)となりました。
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)
2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。
(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
当連結会計年度においては、2026年3月31日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー50本、制振用オイルダンパー11本の合計61本)並びに関連する物件を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当連結会計年度末の残高は15億円であります。
セグメント別の業績は次のとおりです。
また、各セグメントにおける製品別売上高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 22.売上高」をご参照ください。
(a) AC事業
当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。四輪車用油圧緩衝器は、国内及び欧米でのOEM製品の販売増加等により、売上高は2,546億円と前連結会計年度に比べ11.7%の増収となりました。二輪車用油圧緩衝器は、国内及び欧州向け製品の受注が好調だったことにより、売上高は510億円と前連結会計年度に比べ16.6%の増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は3,441億円と前連結会計年度に比べ11.8%の増収となり、セグメント利益は234億円と前連結会計年度に比べ62億円の増益となりました。
(b) HC事業
当セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成されております。建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、建設機械の輸出が欧米向けを主として比較的堅調に推移したことから、売上高は1,126億円と前連結会計年度に比べ5.8%の増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,239億円と前連結会計年度に比べ6.6%の増収となり、セグメント利益は45億円と前連結会計年度に比べ27億円の増益となりました。
(c) 航空機器事業
当セグメントは、航空機器用油圧機器から構成されております。当セグメントは、販売製品の構成が変動したことに伴い、売上高は67億円と前連結会計年度に比べ82.7%の増収となり、セグメント利益は4億円と前連結会計年度に比べ8億円の増益となりました。
(d) 特装車両事業及びその他
当セグメントは、特装車両等から構成されております。コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、前連結会計年度にインドから事業撤退したことに伴い、当セグメントの売上高は69億円と前連結会計年度に比べ36.6%の減収となり、セグメント利益は11億円と前連結会計年度に比べ2億円の減益となりました。
(百万円未満四捨五入)
流動資産は、子会社株式取得のための預託金等のその他の流動資産が減少したものの、営業債権及びその他の債権や棚卸資産の増加等により179億円増加しました。また、非流動資産につきましては、企業結合により有形固定資産が増加したことや、持分法で会計処理されている投資が増加したこと等により127億円増加しました。この結果、総資産は306億円増加し、4,937億円となりました。
負債につきましては、営業債務及びその他の債務等が減少したものの、社債及び借入金が増加したことにより、負債総額は57億円増加し、2,338億円となりました。
資本は、自己株式の取得があった一方、当期利益に伴う利益剰余金の増加や為替影響等によるその他の資本の構成要素の増加により、249億円増加し、2,599億円となりました。
親会社所有者帰属持分比率は、資本が増加したことから50.6%と前連結会計年度末に比べ1.9ポイント好転しました。
② キャッシュ・フローの状況
(百万円未満四捨五入)
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせて129億円の資金流入、また財務活動によるキャッシュ・フローは123億円の資金流出となり、為替換算により22億円増加した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比27億円増加し、502億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により当連結会計年度は195億円の資金流入(前連結会計年度比243億円の減少)となりました。これは主に税引前利益349億円、減価償却費及び償却費194億円、営業債権及びその他の債権の増加額106億円、営業債務及びその他の債務の減少額169億円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は66億円(前連結会計年度比275億円の支出減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出223億円、その他の金融資産の売却による収入91億円、連結範囲の変更を伴う子会社株式取得による収入89億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により流出した資金は123億円(前連結会計年度は91億円の支出)となりました。主な流出は、自己株式の取得による支出125億円や配当金の支払額71億円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(b) 受注実績
四輪車用・二輪車用油圧緩衝器およびベーンポンプ・パワーステアリング製品を主とするAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、建設機械向け産業用油圧機器およびシステム製品を主とするHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業は、見込み生産を行っております。航空機用離着陸装置、操舵装置等を主とする航空機器事業についても、一部製品においても正式受注が納期間際であることから、その殆どが内示に基づく見込み生産となっております。
特装車両事業及びその他についても、同様にその殆どが内示に基づく見込み生産となっております。従って、受注高および受注残高を算出することは困難であることから、記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注)上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前連結会計年度比9.9%増加の4,815億円、セグメント利益は前連結会計年度比48.2%増加の294億円、営業利益は前連結会計年度比54.1%増加の349億円となりました。前連結会計年度比、自動車向けOEM製品および建設機械向け製品の販売増や知多鋼業株式会社の連結子会社化により増収、販売増や米国の生産性改善によるコスト低減、知多鋼業株式会社取得による負ののれん発生益計上により増益となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは幅広い製品群の事業を展開しており、各事業及びその製品群のポートフォリオ評価や計画に対する進捗や見通しを把握するため、売上高、セグメント利益及びセグメント利益率、また後述の通りROEの分析を重視しております。
2023中期経営計画における、経営上の目標とした指標とその実績は以下の通りになります。
当期は2023中期経営計画最終年度にあたります。2025年度目標として、売上高4,700億円、セグメント利益率8.1%とあわせ、品質経営を進める中で資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を進めるべく、ROE12.0%を定めています。
東京証券取引所からの要請である「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」も踏まえ、収益力向上については、電子制御ショックアブソーバの量産拡大、塗装・部品溶接・組立・検査工程を集約・自動化した革新ラインの導入、高価格帯ショックアブソーバであるプレミアム市販製品の販売開始、HC事業における構造改革としての油圧ショベル向け製品群別戦略の推進、重要な取引先であった知多鋼業株式会社の公開買付けを通じた完全子会社化等、改善を進めてまいりました。資本効率の向上および財務体質の強化については、政策保有株式の縮減、全社的な棚卸資産や固定資産の圧縮、ならびに自己株式の取得による株主還元の強化を実施してまいりました。配当については、連結配当性向30%以上を目安に安定的かつ継続的な株主還元を行うことを基本方針としております。当期において1株当たり配当金の増額を実施いたしましたが、負ののれん発生益の計上により連結配当性向は24.7%となりました。なお負ののれん発生益を除いた場合の連結配当性向は31.6%となり、方針に沿った水準を確保しております。今後も安定的かつ継続的な配当の実施に努めてまいります。さらに、株式会社格付投資情報センター(R&I)による、債務履行能力を示す格付けがBBB+からA-に格上げされ、当社の収益力および財務の健全性については一定の評価をいただいております。これにより、財務の安定性は着実に向上しているものと認識しております。2035年に迎える創立100周年、そしてその先の未来においても、持続可能な企業として社会に貢献し続けるために、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。
また、当社グループの資金需要、資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、鋼材等の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債の発行および金融機関からの長期借入を基本としております。本連結会計年度におきましては、運転資金及び設備投資等のため借入及び社債の発行を行いました。当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,215億円となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は502億円となっております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(百万円未満四捨五入)
| 売上高 (百万円) | セグメント利益 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 税引前利益 (百万円) | 親会社の所有者に 帰属する当期利益(百万円) | |
| 2026年3月期 | 481,529 | 29,385 | 34,932 | 34,928 | 29,036 |
| 2025年3月期 | 438,316 | 19,825 | 22,671 | 21,989 | 14,899 |
| 増減 | 43,213 | 9,560 | 12,261 | 12,939 | 14,137 |
| 増減率(%) | 9.9 | 48.2 | 54.1 | 58.8 | 94.9 |
当連結会計年度における世界経済は、インフレ圧力の緩和や主要国での金融政策の効果もあり底堅さが見られたものの、中東情勢の緊迫化などの地政学的リスクの高まりにより、先行き不透明な状況が継続しました。
こうした中、わが国経済は、堅調な設備投資に加え、輸出も総じて増勢を維持したことから、緩やかな回復傾向で推移しました。一方で、米国の政策動向や中東情勢を巡る不透明感などにより、先行きを見通しづらい状況が続きました。
当社グループの事業につきましては、自動車向け製品において需要が底堅く、生産は堅調に推移しました。また建設機械向け製品においては、米国関税政策の影響を受けたものの、当初想定を上回る出荷となり、各事業の業績は堅調に推移しました。
このような環境のもと、当社グループの売上高は4,815億円と、前連結会計年度に比べ432億円の増収となりました。営業利益につきましては売上高が堅調に推移したことに加え、知多鋼業株式会社の完全子会社化に伴う負ののれん発生益を認識したこと等により349億円(前連結会計年度営業利益227億円)、税引前利益は349億円(前連結会計年度税引前利益220億円)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は290億円(前連結会計年度親会社の所有者に帰属する当期利益149億円)となりました。
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)
2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。
(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
当連結会計年度においては、2026年3月31日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー50本、制振用オイルダンパー11本の合計61本)並びに関連する物件を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当連結会計年度末の残高は15億円であります。
セグメント別の業績は次のとおりです。
また、各セグメントにおける製品別売上高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 22.売上高」をご参照ください。
(a) AC事業
当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。四輪車用油圧緩衝器は、国内及び欧米でのOEM製品の販売増加等により、売上高は2,546億円と前連結会計年度に比べ11.7%の増収となりました。二輪車用油圧緩衝器は、国内及び欧州向け製品の受注が好調だったことにより、売上高は510億円と前連結会計年度に比べ16.6%の増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は3,441億円と前連結会計年度に比べ11.8%の増収となり、セグメント利益は234億円と前連結会計年度に比べ62億円の増益となりました。
(b) HC事業
当セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成されております。建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、建設機械の輸出が欧米向けを主として比較的堅調に推移したことから、売上高は1,126億円と前連結会計年度に比べ5.8%の増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,239億円と前連結会計年度に比べ6.6%の増収となり、セグメント利益は45億円と前連結会計年度に比べ27億円の増益となりました。
(c) 航空機器事業
当セグメントは、航空機器用油圧機器から構成されております。当セグメントは、販売製品の構成が変動したことに伴い、売上高は67億円と前連結会計年度に比べ82.7%の増収となり、セグメント利益は4億円と前連結会計年度に比べ8億円の増益となりました。
(d) 特装車両事業及びその他
当セグメントは、特装車両等から構成されております。コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、前連結会計年度にインドから事業撤退したことに伴い、当セグメントの売上高は69億円と前連結会計年度に比べ36.6%の減収となり、セグメント利益は11億円と前連結会計年度に比べ2億円の減益となりました。
(百万円未満四捨五入)
| 資産合計 (百万円) | 負債合計 (百万円) | 資本合計 (百万円) | 親会社の所有者 に帰属する持分 (百万円) | 親会社所有者 帰属持分比率 (%) | |
| 2026年3月期 | 493,726 | 233,822 | 259,904 | 249,785 | 50.6 |
| 2025年3月期 | 463,112 | 228,089 | 235,023 | 225,537 | 48.7 |
| 増減 | 30,614 | 5,733 | 24,881 | 24,248 | 1.9 |
| 増減率(%) | 6.6 | 2.5 | 10.6 | 10.8 | ― |
流動資産は、子会社株式取得のための預託金等のその他の流動資産が減少したものの、営業債権及びその他の債権や棚卸資産の増加等により179億円増加しました。また、非流動資産につきましては、企業結合により有形固定資産が増加したことや、持分法で会計処理されている投資が増加したこと等により127億円増加しました。この結果、総資産は306億円増加し、4,937億円となりました。
負債につきましては、営業債務及びその他の債務等が減少したものの、社債及び借入金が増加したことにより、負債総額は57億円増加し、2,338億円となりました。
資本は、自己株式の取得があった一方、当期利益に伴う利益剰余金の増加や為替影響等によるその他の資本の構成要素の増加により、249億円増加し、2,599億円となりました。
親会社所有者帰属持分比率は、資本が増加したことから50.6%と前連結会計年度末に比べ1.9ポイント好転しました。
② キャッシュ・フローの状況
(百万円未満四捨五入)
| 営業活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 投資活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 財務活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 現金及び現金同等物 期末残高 (百万円) | |
| 2026年3月期 | 19,506 | △6,616 | △12,320 | 50,176 |
| 2025年3月期 | 43,847 | △34,133 | △9,099 | 47,428 |
| 増減 | △24,341 | 27,517 | △3,221 | 2,747 |
| 増減率(%) | △55.5 | △80.6 | 35.4 | 5.8 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせて129億円の資金流入、また財務活動によるキャッシュ・フローは123億円の資金流出となり、為替換算により22億円増加した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比27億円増加し、502億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により当連結会計年度は195億円の資金流入(前連結会計年度比243億円の減少)となりました。これは主に税引前利益349億円、減価償却費及び償却費194億円、営業債権及びその他の債権の増加額106億円、営業債務及びその他の債務の減少額169億円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は66億円(前連結会計年度比275億円の支出減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出223億円、その他の金融資産の売却による収入91億円、連結範囲の変更を伴う子会社株式取得による収入89億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により流出した資金は123億円(前連結会計年度は91億円の支出)となりました。主な流出は、自己株式の取得による支出125億円や配当金の支払額71億円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業 | 353,124 | 15.6 |
| HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業 | 124,674 | 8.3 |
| 航空機器事業 | 1,217 | △77.2 |
| 報告セグメント計 | 479,014 | 12.5 |
| 特装車両事業及びその他 | 6,933 | △28.0 |
| 合計 | 485,947 | 11.6 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(b) 受注実績
四輪車用・二輪車用油圧緩衝器およびベーンポンプ・パワーステアリング製品を主とするAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、建設機械向け産業用油圧機器およびシステム製品を主とするHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業は、見込み生産を行っております。航空機用離着陸装置、操舵装置等を主とする航空機器事業についても、一部製品においても正式受注が納期間際であることから、その殆どが内示に基づく見込み生産となっております。
特装車両事業及びその他についても、同様にその殆どが内示に基づく見込み生産となっております。従って、受注高および受注残高を算出することは困難であることから、記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業 | 344,066 | 11.8 |
| HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業 | 123,869 | 6.6 |
| 航空機器事業 | 6,721 | 82.7 |
| 報告セグメント計 | 474,657 | 11.0 |
| 特装車両事業及びその他 | 6,873 | △36.6 |
| 合計 | 481,529 | 9.9 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| トヨタ自動車株式会社 | 48,589 | 11.1 | 50,427 | 10.5 |
(注)上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前連結会計年度比9.9%増加の4,815億円、セグメント利益は前連結会計年度比48.2%増加の294億円、営業利益は前連結会計年度比54.1%増加の349億円となりました。前連結会計年度比、自動車向けOEM製品および建設機械向け製品の販売増や知多鋼業株式会社の連結子会社化により増収、販売増や米国の生産性改善によるコスト低減、知多鋼業株式会社取得による負ののれん発生益計上により増益となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは幅広い製品群の事業を展開しており、各事業及びその製品群のポートフォリオ評価や計画に対する進捗や見通しを把握するため、売上高、セグメント利益及びセグメント利益率、また後述の通りROEの分析を重視しております。
2023中期経営計画における、経営上の目標とした指標とその実績は以下の通りになります。
| 2026年3月期目標 | 2026年3月期実績 | |
| 売上高 | 4,700億円 | 4,815億円 |
| セグメント利益 | 380億円 | 294億円 |
| セグメント利益率 | 8.1% | 6.1% |
| 自己資本比率 | 45.0% | 50.6% |
| ROE | 12.0% | 12.2% |
当期は2023中期経営計画最終年度にあたります。2025年度目標として、売上高4,700億円、セグメント利益率8.1%とあわせ、品質経営を進める中で資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を進めるべく、ROE12.0%を定めています。
東京証券取引所からの要請である「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」も踏まえ、収益力向上については、電子制御ショックアブソーバの量産拡大、塗装・部品溶接・組立・検査工程を集約・自動化した革新ラインの導入、高価格帯ショックアブソーバであるプレミアム市販製品の販売開始、HC事業における構造改革としての油圧ショベル向け製品群別戦略の推進、重要な取引先であった知多鋼業株式会社の公開買付けを通じた完全子会社化等、改善を進めてまいりました。資本効率の向上および財務体質の強化については、政策保有株式の縮減、全社的な棚卸資産や固定資産の圧縮、ならびに自己株式の取得による株主還元の強化を実施してまいりました。配当については、連結配当性向30%以上を目安に安定的かつ継続的な株主還元を行うことを基本方針としております。当期において1株当たり配当金の増額を実施いたしましたが、負ののれん発生益の計上により連結配当性向は24.7%となりました。なお負ののれん発生益を除いた場合の連結配当性向は31.6%となり、方針に沿った水準を確保しております。今後も安定的かつ継続的な配当の実施に努めてまいります。さらに、株式会社格付投資情報センター(R&I)による、債務履行能力を示す格付けがBBB+からA-に格上げされ、当社の収益力および財務の健全性については一定の評価をいただいております。これにより、財務の安定性は着実に向上しているものと認識しております。2035年に迎える創立100周年、そしてその先の未来においても、持続可能な企業として社会に貢献し続けるために、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。
また、当社グループの資金需要、資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、鋼材等の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債の発行および金融機関からの長期借入を基本としております。本連結会計年度におきましては、運転資金及び設備投資等のため借入及び社債の発行を行いました。当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,215億円となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は502億円となっております。