有価証券報告書-第111期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 13:39
【資料】
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【項目】
117項目

対処すべき課題

(1)経営の基本方針
企業は株主・従業員・社会の三者の共有物である、というのがNOKグループの基本的考え方であります。これに顧客・仕入先・金融機関等を加えた利害関係者、いわゆるステイクホルダーの方々が誇りを持てる企業、それがNOKグループの目指すべき姿と考えております。そのためには、「技術に裏打ちされた独自性のある、かつ社会に有用な商品を世界中で安くつくり適正価格で売る」ことにより高い収益力を持つ強い企業集団をつくりあげることが重要と考え、この考えに基づき事業経営を展開しております。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、国内においては、個人消費は緩やかな回復基調となり、公共投資等の経済政策や設備投資は底堅く推移し、景気は緩やかに回復していくことが期待されます。海外においては、中国経済の景気減速は一服しているものの先行きの懸念があり、米国経済は引き続き堅調に推移すると見込まれますが、英国EU離脱、米国保護主義的外交政策により、先行き不透明感が高まっております。
シール事業では、自動車の需要は、国内、米国では微減、中国では小型車減税の駆け込み需要の反動による成長の鈍化等の懸念があります。その中で、国内および海外の競合他社との競争激化が見込まれるため、営業・生産・技術一体となり、拡販の推進、最適地生産による生産体制の効率化に取り組むとともに、品質のさらなる向上についても引き続き取り組んでまいります。
電子機器部品事業では、スマートフォン市場の成長鈍化やハードディスクドライブ等の台数減少による需要の伸び悩み、競争激化による販売価格の下落、季節的な需要変動の拡大等が課題となっております。これらに対応するべく、自動車向け、および新たな用途への拡販を推進していくと同時に、生産工程の自動化による生産体制の効率化に取り組んでまいります。
ロール事業では、事務機市場の成長鈍化、および競争激化による製品価格の下落により、販売の減少が想定されます。これらに対応するべく、営業・技術一体による競争力の向上により拡販を図るとともに、経営効率をより一層高めて収益力の向上を図ってまいります。
このような課題に対処するとともに、昨年の熊本地震での被災を教訓にBCM(事業継続マネジメント)の構築、ますます拡大する海外事業の適切な管理、品質力のさらなる向上や新商品開発、ならびにこれらを担う人材の育成に力を入れ、将来を見据えて当社グループが持続的に成長発展していけるよう、新たな3カ年計画(平成29年度から平成31年度まで)を策定し、取り組むことといたしました。
下記方針に基づき、全社一丸となって邁進、努力していく所存であります。
スローガン(基本方針)
「持続性ある企業体質の構築」
方針
(1)バランスのとれた顧客構成の構築
-拡販と新商品の開発による拡大均衡を目指して
(2)ダントツ品質の定着
(3)実効性あるBCMの構築
(4)人間尊重経営の実践
-活力に溢れた人づくり、職場づくり