四半期報告書-第80期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、米国の経済は緩やかに成長が続いているものの、米中通商問題や英国のEU離脱をめぐる混乱への懸念などにより、景気の減速感が高まりました。又、ドル円為替相場は対米ドル円レート112円台前半から105円台前半の範囲で推移しました。
航空輸送業界では、格安航空会社(LCC)の攻勢による競争の激化が続いている一方、世界的な航空需要の拡大により、大手エアラインは新規運航路線の獲得や客室サービスの向上、LCCへの参画など様々な戦略を打ち出しています。航空機メーカーでは、一時的にはボーイング737MAX型機の運航停止の影響やボーイング787型機の減産が懸念される状況にありますが、中長期的には旅客需要の高まりを背景に、ボーイング、エアバス共に依然として高水準の受注残機数を維持しており、一部機種の増産や燃費効率の向上を目指した新機種の開発が進むなど航空機市場は引き続き堅調に推移すると見込まれています。
こうしたなか当社グループでは、航空機内装品等製造関連・航空機シート等製造関連においては、2019年3月26日に公表しました不適切な品質事案に対して、原因究明・安全性の検証を行なうと共に是正・再発防止に取組み、より高いコンプライアンス・品質意識への変革を進めました。
航空機器等製造関連においては、生産性改善に取組むと共に、これまで培った金属加工技術を生かし、内装品やシート部品の内製化を進めました。
航空機整備等関連においては、飛行安全の確保と品質向上の取組みを継続すると共に、エアライン向け機体整備の拡大に努めました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高 65,337百万円(前年同四半期比 3,386百万円増)、営業利益 1,174百万円(前年同四半期比 1,587百万円減)、経常利益 786百万円(前年同四半期比 1,883百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益 339百万円(前年同四半期比 1,271百万円減)となりました。
なお、当第3四半期連結会計期間末に第4四半期連結会計期間以降の完成工事に対する工事損失引当金を 4,068百万円計上しています。この工事損失引当金による期間損益への影響は、当第3四半期連結会計期間において売上原価 354百万円の増加(第2四半期連結累計期間末の工事損失引当金は 3,713百万円)、又、当第3四半期連結累計期間においては売上原価 287百万円の増加(前連結会計年度末の工事損失引当金は 3,781百万円)となりました。
グループ全体の販売費及び一般管理費、営業外損益、特別損益の状況は次のとおりです。
販売費及び一般管理費は、保証工事費、販売手数料の減少などにより 6,162百万円(前年同四半期比 584百万円減)となりました。
営業外損益は、前連結会計年度末よりも為替相場が円高で推移し為替差損益が悪化したことなどにより 388百万円の損(前年同四半期は、91百万円の損)となりました。
特別損益は、賠償保険により品質事案に係る受取保険金 60百万円を計上していますが、品質関連損失などにより、 215百万円の損(前年同四半期は、 127百万円の損)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当事業では、不適切な品質事案への対応により、一時的に製品の出荷に遅延が発生していましたが、当第3四半期連結会計期間において製品の出荷が進んだことから前年同四半期に比べ売上高は増加しました。一方、経常利益については、出荷遅延改善に伴う人件費及び輸送費用などの増加に加え、前年同四半期における採算性の良いプログラムの出荷による反動などにより前年同四半期に比べ減少しました。
この結果、航空機内装品等製造関連は、売上高 43,735百万円(前年同四半期比 1,381百万円増)、経常利益 2,219百万円(前年同四半期比 2,181百万円減)となりました。
[航空機シート等製造関連]
当事業では、ビジネスクラス・シート「Venture」の出荷が進み、前年同四半期に比べ売上高は増加しました。一方、経常損益については、不適切な品質事案の対応として一時的に株式会社宮崎ジャムコにおける生産を停止し、生産拠点の振替を行ったことに伴う追加費用などにより経常損失となりました。
この結果、航空機シート等製造関連は、売上高 11,614百万円(前年同四半期比 2,057百万円増)、経常損失 1,748百万円(前年同四半期は、経常損失 1,796百万円)となりました。
[航空機器等製造関連]
当事業では、売上高は熱交換器等装備品の出荷が増加したものの、航空機エンジン部品の一部出荷が第4四半期連結会計期間以降に繰り延べられたことにより前年同四半期に比べ減少しました。又、経常損益については、売上高減少などにより経常損失となりました。
この結果、航空機器等製造関連は、売上高 4,125百万円(前年同四半期比 372百万円減)、経常損失 182百万円(前年同四半期は、経常損失 61百万円)となりました。
[航空機整備等関連]
当事業では、エアライン向けの機体整備及び装備品整備が堅調に増加したことにより、前年同四半期に比べ売上高は増加しました。又、経常利益については、売上高増加の影響や採算性向上の取組みなどにより前年同四半期に比べ増加しました。
この結果、航空機整備等関連は、売上高 5,861百万円(前年同四半期比 320百万円増)、経常利益 501百万円(前年同四半期比 371百万円増)となりました。
[その他]
その他の区分には、連結子会社の株式会社オレンジジャムコの事業を含んでおり、航空機内装品等製造関連の補助作業等セグメント間の内部取引が中心で、順調に進めることができました。
この結果、その他の区分では、売上高 0百万円(前年同四半期比 0百万円増)、経常損失 2百万円(前年同四半期は、経常損失 1百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は 114,420百万円となり、前連結会計年度末に比べ 11,439百万円増加しました。内、流動資産については、現金及び預金の減少(前期末比 142百万円減)等がありましたが、受取手形及び売掛金の増加(前期末比 5,277百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(前期末比 4,501百万円増)等により流動資産合計で前連結会計年度末に比べ 11,836百万円増加しました。又、固定資産については、当第3四半期連結累計期間の投資案件が比較的少なかったことから有形固定資産の減少(前期末比 243百万円減)、投資その他の資産の減少(前期末比 176百万円減)等により固定資産合計で前連結会計年度末に比べ 397百万円減少しました。
負債合計は 84,035百万円となり、前連結会計年度末に比べ 11,769百万円増加しました。主な要因は、未払法人税等の減少(前期末比 1,377百万円減)等がありましたが、短期借入金の増加(前期末比 13,587百万円増)、支払手形及び買掛金の増加(前期末比 1,566百万円増)等によるものです。
純資産合計は 30,384百万円となり、前連結会計年度末に比べ 330百万円減少しました。主な要因は、配当金の支払などによる利益剰余金の減少(前期末比 196百万円減)等によるものです。この結果、自己資本比率は26.1%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題は次のとおりです。
国土交通省航空局の認可に基づく航空機内装品の一部補用品に関する業務につきましては、不適切な業務の判明に伴い自粛しておりましたが、本事案の要因・背景の分析、再発防止の策定及び実施を進め、2019年11月12日に業務改善命令に対する措置報告書を国土交通省東京航空局へ提出し、当局による措置確認検査を受けた上で、業務を再開いたしました。
引き続き、再発防止策の実施を継続すると共に、信頼回復に努めてまいります。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は 651百万円(前年同四半期は 567百万円)となりました。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、米国の経済は緩やかに成長が続いているものの、米中通商問題や英国のEU離脱をめぐる混乱への懸念などにより、景気の減速感が高まりました。又、ドル円為替相場は対米ドル円レート112円台前半から105円台前半の範囲で推移しました。
航空輸送業界では、格安航空会社(LCC)の攻勢による競争の激化が続いている一方、世界的な航空需要の拡大により、大手エアラインは新規運航路線の獲得や客室サービスの向上、LCCへの参画など様々な戦略を打ち出しています。航空機メーカーでは、一時的にはボーイング737MAX型機の運航停止の影響やボーイング787型機の減産が懸念される状況にありますが、中長期的には旅客需要の高まりを背景に、ボーイング、エアバス共に依然として高水準の受注残機数を維持しており、一部機種の増産や燃費効率の向上を目指した新機種の開発が進むなど航空機市場は引き続き堅調に推移すると見込まれています。
こうしたなか当社グループでは、航空機内装品等製造関連・航空機シート等製造関連においては、2019年3月26日に公表しました不適切な品質事案に対して、原因究明・安全性の検証を行なうと共に是正・再発防止に取組み、より高いコンプライアンス・品質意識への変革を進めました。
航空機器等製造関連においては、生産性改善に取組むと共に、これまで培った金属加工技術を生かし、内装品やシート部品の内製化を進めました。
航空機整備等関連においては、飛行安全の確保と品質向上の取組みを継続すると共に、エアライン向け機体整備の拡大に努めました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高 65,337百万円(前年同四半期比 3,386百万円増)、営業利益 1,174百万円(前年同四半期比 1,587百万円減)、経常利益 786百万円(前年同四半期比 1,883百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益 339百万円(前年同四半期比 1,271百万円減)となりました。
なお、当第3四半期連結会計期間末に第4四半期連結会計期間以降の完成工事に対する工事損失引当金を 4,068百万円計上しています。この工事損失引当金による期間損益への影響は、当第3四半期連結会計期間において売上原価 354百万円の増加(第2四半期連結累計期間末の工事損失引当金は 3,713百万円)、又、当第3四半期連結累計期間においては売上原価 287百万円の増加(前連結会計年度末の工事損失引当金は 3,781百万円)となりました。
グループ全体の販売費及び一般管理費、営業外損益、特別損益の状況は次のとおりです。
販売費及び一般管理費は、保証工事費、販売手数料の減少などにより 6,162百万円(前年同四半期比 584百万円減)となりました。
営業外損益は、前連結会計年度末よりも為替相場が円高で推移し為替差損益が悪化したことなどにより 388百万円の損(前年同四半期は、91百万円の損)となりました。
特別損益は、賠償保険により品質事案に係る受取保険金 60百万円を計上していますが、品質関連損失などにより、 215百万円の損(前年同四半期は、 127百万円の損)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当事業では、不適切な品質事案への対応により、一時的に製品の出荷に遅延が発生していましたが、当第3四半期連結会計期間において製品の出荷が進んだことから前年同四半期に比べ売上高は増加しました。一方、経常利益については、出荷遅延改善に伴う人件費及び輸送費用などの増加に加え、前年同四半期における採算性の良いプログラムの出荷による反動などにより前年同四半期に比べ減少しました。
この結果、航空機内装品等製造関連は、売上高 43,735百万円(前年同四半期比 1,381百万円増)、経常利益 2,219百万円(前年同四半期比 2,181百万円減)となりました。
[航空機シート等製造関連]
当事業では、ビジネスクラス・シート「Venture」の出荷が進み、前年同四半期に比べ売上高は増加しました。一方、経常損益については、不適切な品質事案の対応として一時的に株式会社宮崎ジャムコにおける生産を停止し、生産拠点の振替を行ったことに伴う追加費用などにより経常損失となりました。
この結果、航空機シート等製造関連は、売上高 11,614百万円(前年同四半期比 2,057百万円増)、経常損失 1,748百万円(前年同四半期は、経常損失 1,796百万円)となりました。
[航空機器等製造関連]
当事業では、売上高は熱交換器等装備品の出荷が増加したものの、航空機エンジン部品の一部出荷が第4四半期連結会計期間以降に繰り延べられたことにより前年同四半期に比べ減少しました。又、経常損益については、売上高減少などにより経常損失となりました。
この結果、航空機器等製造関連は、売上高 4,125百万円(前年同四半期比 372百万円減)、経常損失 182百万円(前年同四半期は、経常損失 61百万円)となりました。
[航空機整備等関連]
当事業では、エアライン向けの機体整備及び装備品整備が堅調に増加したことにより、前年同四半期に比べ売上高は増加しました。又、経常利益については、売上高増加の影響や採算性向上の取組みなどにより前年同四半期に比べ増加しました。
この結果、航空機整備等関連は、売上高 5,861百万円(前年同四半期比 320百万円増)、経常利益 501百万円(前年同四半期比 371百万円増)となりました。
[その他]
その他の区分には、連結子会社の株式会社オレンジジャムコの事業を含んでおり、航空機内装品等製造関連の補助作業等セグメント間の内部取引が中心で、順調に進めることができました。
この結果、その他の区分では、売上高 0百万円(前年同四半期比 0百万円増)、経常損失 2百万円(前年同四半期は、経常損失 1百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は 114,420百万円となり、前連結会計年度末に比べ 11,439百万円増加しました。内、流動資産については、現金及び預金の減少(前期末比 142百万円減)等がありましたが、受取手形及び売掛金の増加(前期末比 5,277百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(前期末比 4,501百万円増)等により流動資産合計で前連結会計年度末に比べ 11,836百万円増加しました。又、固定資産については、当第3四半期連結累計期間の投資案件が比較的少なかったことから有形固定資産の減少(前期末比 243百万円減)、投資その他の資産の減少(前期末比 176百万円減)等により固定資産合計で前連結会計年度末に比べ 397百万円減少しました。
負債合計は 84,035百万円となり、前連結会計年度末に比べ 11,769百万円増加しました。主な要因は、未払法人税等の減少(前期末比 1,377百万円減)等がありましたが、短期借入金の増加(前期末比 13,587百万円増)、支払手形及び買掛金の増加(前期末比 1,566百万円増)等によるものです。
純資産合計は 30,384百万円となり、前連結会計年度末に比べ 330百万円減少しました。主な要因は、配当金の支払などによる利益剰余金の減少(前期末比 196百万円減)等によるものです。この結果、自己資本比率は26.1%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題は次のとおりです。
国土交通省航空局の認可に基づく航空機内装品の一部補用品に関する業務につきましては、不適切な業務の判明に伴い自粛しておりましたが、本事案の要因・背景の分析、再発防止の策定及び実施を進め、2019年11月12日に業務改善命令に対する措置報告書を国土交通省東京航空局へ提出し、当局による措置確認検査を受けた上で、業務を再開いたしました。
引き続き、再発防止策の実施を継続すると共に、信頼回復に努めてまいります。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は 651百万円(前年同四半期は 567百万円)となりました。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。