有価証券報告書-第80期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者
の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中において将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当社グループが判
断したものです。
(1) 経営成績
当連結会計年度は、米中通商問題や英国のEU離脱をめぐる混乱への懸念などにより、景気の減速感が高まる中、第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、世界経済は一段と厳しい状況となりました。このようななかで、ドル円為替相場は対米ドル円レート112円台前半から103円台前半で推移しました。
航空輸送業界では、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響で、各国において渡航禁止令が発出されるなど、それまで堅調であった旅客需要が急激に減少し、経営環境は大きく悪化しました。又、航空機メーカーにおいても、航空需要の急激な落ち込みにより、ボーイング、エアバス共に大幅な減産が計画される状況になりました。
こうしたなか当社グループでは、航空機内装品等製造関連・航空機シート等製造関連においては、2019年3月26日に公表しました不適切な品質事案に対して、原因究明・安全性の検証を行なうと共に是正・再発防止に取組み、より高いコンプライアンス・品質意識への変革を進めました。
航空機器等製造関連においては、生産性改善に取組むと共に、これまで培った金属加工技術を生かし、内装品やシート部品の内製化を進めました。
航空機整備等関連においては、飛行安全の確保と品質向上の取組みを継続すると共に、エアライン向け機体整備の拡大に努めました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高 91,535百万円(前期比 7,467百万円増)、営業利益 1,807百万円(前期比 2,513百万円減)、経常利益 1,178百万円(前期比 2,112百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益 605百万円(前期比 1,304百万円減)となりました。
なお、当連結会計年度末に次期以降の完成工事に対する工事損失引当金を 3,607百万円計上しています。この工事損失引当金による期間損益への影響は、当第4四半期連結会計期間において売上原価 460百万円の減少(第3四半期連結累計期間末の工事損失引当金は 4,068百万円)、又、当連結会計年度においては売上原価 173百万円の減少(前連結会計年度末の工事損失引当金は 3,781百万円)となりました。
グループ全体の販売費及び一般管理費、営業外損益、特別損益の状況は次のとおりです。
販売費及び一般管理費は、保証工事費、販売手数料の減少などにより 8,636百万円(前期比 684百万円減)となりました。
営業外損益は、支払補償費の減少はありましたが、前連結会計年度末よりも為替相場が円高で推移して為替差損益が悪化するなどにより 629百万円の損(前期は、1,030百万円の損)となりました。
特別損益は、賠償保険により品質事案に係る受取保険金 60百万円を計上しましたが、品質関連損失などにより、 279百万円の損(前期は、 263百万円の損)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、一部出荷が次期以降に繰り延べられるなどの影響がありましたが、それまでは堅調であった航空需要を背景に製品の出荷が進み、前期に比べ売上高は増加しました。一方、経常利益については、売上高増加の影響があったものの、不適切な品質事案への対応により一時的に発生した出荷遅延の改善に伴う人件費及び輸送費用などの増加に加え、前期における採算性の良いプログラムの出荷による反動や、為替差損の発生などにより前期に比べ減少しました。
この結果、航空機内装品等製造関連は、売上高 61,078百万円(前期比 4,209百万円増)、経常利益 3,107百万円(前期比 3,005百万円減)となりました。
[航空機シート等製造関連]
当事業では、当連結会計年度より出荷を開始したビジネスクラス・シート「Venture」の出荷が進み、前期に比べ売上高は増加しました。一方、経常損益については、売上高増加の影響があったものの、不適切な品質事案の対応として一時的に株式会社宮崎ジャムコにおける生産を停止し、生産拠点の振替を行ったことに伴う追加費用に加え、一部プログラムの生産性改善の遅れによるコスト増加などにより経常損失となりました。
この結果、航空機シート等製造関連は、売上高 15,994百万円(前期比 3,818百万円増)、経常損失 2,499百万円(前期は、経常損失 3,143百万円)となりました。
[航空機器等製造関連]
当事業では、熱交換器等装備品や炭素繊維構造部材の出荷は堅調であったものの、航空機エンジン部品の一部出荷が次期以降に繰り延べられたことにより前期に比べ売上高は減少しました。又、経常利益については、売上高減少などにより前期に比べ減少しました。
この結果、航空機器等製造関連は、売上高 6,333百万円(前期比 264百万円減)、経常利益 6百万円(前期比 104百万円減)となりました。
[航空機整備等関連]
当事業では、機体整備及び装備品整備において一部出荷が次期以降に繰り延べられたことなどにより前期に比べ売上高は減少しました。一方、経常利益については、エアライン向け機体整備が堅調に増加したことにより採算性が向上し、前期に比べ増加しました。
この結果、航空機整備等関連は、売上高 8,129百万円(前期比 296百万円減)、経常利益 567百万円(前期比 357百万円増)となりました。
[その他]
その他の区分には、連結子会社の株式会社オレンジジャムコの事業を含んでおり、航空機内装品等製造関連の補助作業等セグメント間の内部取引が中心で、順調に進めることができました。
この結果、その他の区分では、売上高 0百万円(前期比 0百万円増)、経常損失 4百万円(前期は、経常損失 0百万円)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で記載しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 航空機内装品等製造関連の受注高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部製品の受注高が減少しました。
4 航空機シート等製造関連の受注高は、前期において順調に増加しましたが、今期は前期の反動により減少しました。
5 航空機器等製造関連の受注高は、前期において熱交換器等装備品で複数年分の契約締結が行われ増加となりましたが、今期の受注高としては減少しました。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は 120,184百万円となり、前連結会計年度末に比べ 17,203百万円増加しました。内、流動資産については、受取手形及び売掛金の増加(前期比 9,327百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(前期比 4,296百万円増)、現金及び預金の増加(前期比 2,868百万円増)等により流動資産合計で前連結会計年度末に比べ 17,130百万円増加しました。又、固定資産については、固定資産合計で前連結会計年度末に比べ 73百万円増加しました。
負債合計は 89,811百万円となり、前連結会計年度末に比べ 17,545百万円増加しました。主な要因は、前受金の減少(前期比 2,030百万円減)等がありましたが、短期借入金の増加(前期比 18,982百万円増)、支払手形及び買掛金の増加(前期比 2,573百万円増)等によるものです。
純資産合計は 30,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ 341百万円減少しました。主な要因は、為替換算調整勘定の減少(前期比 163百万円減)、退職給付に係る調整累計額の減少(前期比 122百万円減)等によるものです。この結果、自己資本比率は24.8%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて 18,482百万円増加し、 79,648百万円となりました。当事業では、年度末にかけてA350型向け後部ギャレー等の製品出荷が進み、売掛金や棚卸資産が増加したことなどから前期比増加いたしました。
[航空機シート等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて 1,071百万円減少し、 20,453百万円となりました。当事業では、ビジネスクラス・シート「Venture」の出荷が進み売掛金が増加しましたが、棚卸資産の減少により前期比減少いたしました。
[航空機器等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて 718百万円減少し、 10,360百万円となりました。当事業では、航空機エンジン部品の一部出荷が次期以降に繰り延べられたことにより、棚卸資産が減少したことなどから前期比減少いたしました。
[航空機整備等関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて 506百万円増加し、 9,683百万円となりました。当事業では、機体整備において、次年度に出荷予定の一部プログラムにより棚卸資産が増加したことなどから前期比増加いたしました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の増減は、以下に記載のキャッシュ・フローにより、前連結会計年度末に比べ 3,121百万円増加しました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、 11,285百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 20,650百万円支出が増加しました。これは、売上債権の増加、たな卸資産の増加、前受金の減少による収入の減少等によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、 2,570百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 626百万円支出が増加しました。これは、有形固定資産の取得による支出等によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、 16,953百万円のキャッシュ・インフローとなり、前連結会計年度に比べ 22,781百万円収入が増加しました。これは、金融機関からの借入金によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業の受注工事における製品開発、部品材料調達、試験研究活動などがあります。設備投資資金については、航空機内装品及び航空機シート関連の主力製品であるギャレー、ラバトリー、シート製造に係る金型、各事業の生産工場の改修および施設設備の更新、業務効率向上のためのIT関連のシステムの導入等があります。また、試験研究活動については、航空機シート等製造関連において標準型プラットフォームを活用した次期プレミアム・シートの開発、航空機内装品等製造関連において次世代軽量材料の研究、次世代キャビンの研究、先端技術を適用するための基礎研究などを進めると共に、航空機器等製造関連では、炭素繊維構造部材の新たな成形方法の研究等があります。
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末の借入金残高は、年度末にかけて製品出荷が進み売掛金の増加などから 17,682百万円増加し、41,086百万円となりました。今後、売掛金の回収が進むことにより借入金残高は減少する見込みです。また、資金調達コストの低減に努めるため、売掛債権の早期回収を図るために流動化を活用しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
a. 固定資産の減損
固定資産は、帳簿価額が回収できないという事象や状況の変化が生じた場合に、減損に関する検討を実施しております。帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを上回っていた場合には、帳簿価額が公正価値を超過する金額について減損を認識しております。公正価値の決定は、見積り及び仮定に基づいて行っております。
b. 繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産に対して定期的に回収可能性の評価を行っております。繰延税金資産は、主に将来の課税所得の予測によるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社の事業活動が堅調に継続すること、及びその他の要因により変化します。
c. 工事損失引当金
当社の事業形態は原則として受注生産であります。
一部の取引につきましては、受注後、製作作業に着手したのち、種々の環境変化により原価が当初の受注金額を越えてしまうものもあります。あるいは、取引先との総合的な関係強化を目的に、戦略的に損失を含んで契約するケースもあります。
このような受注生産につきましては、受注時点あるいは、作業の進捗により、その原価が受注金額を超えると予想され、且つ、その金額を合理的に見積もることができるものにつきましては、当該損失見込額を計上しております。
又、将来の不確実な経済状況の変動により、当該損失見込額が影響を受ける可能性があります。
d. 損害補償損失引当金
取引先との契約において、当社が履行義務を果たせない状況がある場合に、取引先との総合的な関係維持を目的に、偶発債務を認識する可能性があります。この将来の補償損失に備えるため、当該損失の発生が予想され、且つ、その金額を合理的に見積もることができるものにつきましては、損失見込額を計上しております。
又、将来の不確実な経済状況の変動により、追加の損失が発生する可能性があります。
e. 退職給付及び年金資産
退職給付及び年金資産は数理計算によって認識しており、その計算には前提条件として基礎率を用いています。割引率、期待運用収益率といった基礎率については、市場金利などの実際の経済状況を踏まえて設定しております。その他の基礎率としては、昇給率、死亡率などがあります。これらの基礎率の変更により、将来の退職給付及び年金資産が影響を受ける可能性があります。
(5) 主な経営指標
当社グループは、技術と品質のジャムコとして顧客からの信頼を獲得し続けることを使命として、技術力の向上、品質への取り組み強化、企業文化の再構築、人財育成を始めとする経営課題に取り組み、環境の変化を上回るスピード感と積極的な行動力の発揮により、基盤整備の一環である業務プロセスの改革/合理化を強力に推し進め、新たな成長期とすべく経営課題へ取り組み、世界に誇れるジャムコとなることを中期経営方針に掲げ、経営指標を売上高経常利益率 7%以上、総資産経常利益率 7%以上と設定し、毎期継続してこの目標を達成するために種々の施策に取組んでまいります。又、自己資本比率など安全性指標についても、中期的な視野に立ち、その改善に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度は、売上高経常利益率 1.3%、総資産経常利益率 1.1%、自己資本比率 24.8%、自己資本利益率 2.0%となりました。これらの経営指標の最近の推移は次のとおりです。
※売上高経常利益率:経常利益/売上高、総資産経常利益率(ROA):経常利益/総資産、自己資本比率:自己資本/総資本、自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
(注) 1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.総資産経常利益率の算定における総資産は(期首総資産+期末総資産)/2で計算しています。
3.自己資本利益率の算定における自己資本は(期首自己資本+期末自己資本)/2で計算しています。
の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中において将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当社グループが判
断したものです。
(1) 経営成績
当連結会計年度は、米中通商問題や英国のEU離脱をめぐる混乱への懸念などにより、景気の減速感が高まる中、第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、世界経済は一段と厳しい状況となりました。このようななかで、ドル円為替相場は対米ドル円レート112円台前半から103円台前半で推移しました。
航空輸送業界では、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響で、各国において渡航禁止令が発出されるなど、それまで堅調であった旅客需要が急激に減少し、経営環境は大きく悪化しました。又、航空機メーカーにおいても、航空需要の急激な落ち込みにより、ボーイング、エアバス共に大幅な減産が計画される状況になりました。
こうしたなか当社グループでは、航空機内装品等製造関連・航空機シート等製造関連においては、2019年3月26日に公表しました不適切な品質事案に対して、原因究明・安全性の検証を行なうと共に是正・再発防止に取組み、より高いコンプライアンス・品質意識への変革を進めました。
航空機器等製造関連においては、生産性改善に取組むと共に、これまで培った金属加工技術を生かし、内装品やシート部品の内製化を進めました。
航空機整備等関連においては、飛行安全の確保と品質向上の取組みを継続すると共に、エアライン向け機体整備の拡大に努めました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高 91,535百万円(前期比 7,467百万円増)、営業利益 1,807百万円(前期比 2,513百万円減)、経常利益 1,178百万円(前期比 2,112百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益 605百万円(前期比 1,304百万円減)となりました。
なお、当連結会計年度末に次期以降の完成工事に対する工事損失引当金を 3,607百万円計上しています。この工事損失引当金による期間損益への影響は、当第4四半期連結会計期間において売上原価 460百万円の減少(第3四半期連結累計期間末の工事損失引当金は 4,068百万円)、又、当連結会計年度においては売上原価 173百万円の減少(前連結会計年度末の工事損失引当金は 3,781百万円)となりました。
グループ全体の販売費及び一般管理費、営業外損益、特別損益の状況は次のとおりです。
販売費及び一般管理費は、保証工事費、販売手数料の減少などにより 8,636百万円(前期比 684百万円減)となりました。
営業外損益は、支払補償費の減少はありましたが、前連結会計年度末よりも為替相場が円高で推移して為替差損益が悪化するなどにより 629百万円の損(前期は、1,030百万円の損)となりました。
特別損益は、賠償保険により品質事案に係る受取保険金 60百万円を計上しましたが、品質関連損失などにより、 279百万円の損(前期は、 263百万円の損)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、一部出荷が次期以降に繰り延べられるなどの影響がありましたが、それまでは堅調であった航空需要を背景に製品の出荷が進み、前期に比べ売上高は増加しました。一方、経常利益については、売上高増加の影響があったものの、不適切な品質事案への対応により一時的に発生した出荷遅延の改善に伴う人件費及び輸送費用などの増加に加え、前期における採算性の良いプログラムの出荷による反動や、為替差損の発生などにより前期に比べ減少しました。
この結果、航空機内装品等製造関連は、売上高 61,078百万円(前期比 4,209百万円増)、経常利益 3,107百万円(前期比 3,005百万円減)となりました。
[航空機シート等製造関連]
当事業では、当連結会計年度より出荷を開始したビジネスクラス・シート「Venture」の出荷が進み、前期に比べ売上高は増加しました。一方、経常損益については、売上高増加の影響があったものの、不適切な品質事案の対応として一時的に株式会社宮崎ジャムコにおける生産を停止し、生産拠点の振替を行ったことに伴う追加費用に加え、一部プログラムの生産性改善の遅れによるコスト増加などにより経常損失となりました。
この結果、航空機シート等製造関連は、売上高 15,994百万円(前期比 3,818百万円増)、経常損失 2,499百万円(前期は、経常損失 3,143百万円)となりました。
[航空機器等製造関連]
当事業では、熱交換器等装備品や炭素繊維構造部材の出荷は堅調であったものの、航空機エンジン部品の一部出荷が次期以降に繰り延べられたことにより前期に比べ売上高は減少しました。又、経常利益については、売上高減少などにより前期に比べ減少しました。
この結果、航空機器等製造関連は、売上高 6,333百万円(前期比 264百万円減)、経常利益 6百万円(前期比 104百万円減)となりました。
[航空機整備等関連]
当事業では、機体整備及び装備品整備において一部出荷が次期以降に繰り延べられたことなどにより前期に比べ売上高は減少しました。一方、経常利益については、エアライン向け機体整備が堅調に増加したことにより採算性が向上し、前期に比べ増加しました。
この結果、航空機整備等関連は、売上高 8,129百万円(前期比 296百万円減)、経常利益 567百万円(前期比 357百万円増)となりました。
[その他]
その他の区分には、連結子会社の株式会社オレンジジャムコの事業を含んでおり、航空機内装品等製造関連の補助作業等セグメント間の内部取引が中心で、順調に進めることができました。
この結果、その他の区分では、売上高 0百万円(前期比 0百万円増)、経常損失 4百万円(前期は、経常損失 0百万円)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 航空機内装品等製造関連 | 62,539,789 | 3.0 |
| 航空機シート等製造関連 | 13,607,004 | △1.1 |
| 航空機器等製造関連 | 5,653,868 | △19.4 |
| 航空機整備等関連 | 8,863,008 | 6.7 |
| その他 | 56 | 52.2 |
| 合計 | 90,663,726 | 1.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で記載しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 航空機内装品等製造関連 | 51,567,782 | △10.9 | 62,016,022 | △13.3 |
| 航空機シート等製造関連 | 7,325,913 | △34.6 | 20,207,881 | △30.0 |
| 航空機器等製造関連 | 4,846,932 | △31.5 | 4,452,005 | △25.0 |
| 航空機整備等関連 | 8,502,267 | △3.1 | 3,720,136 | 11.1 |
| その他 | 56 | 52.2 | - | - |
| 合計 | 72,242,951 | △14.9 | 90,396,045 | △17.6 |
(注) 1 金額は、販売価格で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 航空機内装品等製造関連の受注高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部製品の受注高が減少しました。
4 航空機シート等製造関連の受注高は、前期において順調に増加しましたが、今期は前期の反動により減少しました。
5 航空機器等製造関連の受注高は、前期において熱交換器等装備品で複数年分の契約締結が行われ増加となりましたが、今期の受注高としては減少しました。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 航空機内装品等製造関連 | 61,078,579 | 7.4 |
| 航空機シート等製造関連 | 15,994,367 | 31.4 |
| 航空機器等製造関連 | 6,333,087 | △4.0 |
| 航空機整備等関連 | 8,129,269 | △3.5 |
| その他 | 56 | 52.2 |
| 合計 | 91,535,360 | 8.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| MITSUBISHI INTERNATIONAL CORP. | 30,529,092 | 36.3 | 35,420,279 | 38.7 |
| ITOCHU Singapore Pte, Ltd. | 8,971,307 | 10.7 | 5,701,707 | 6.2 |
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は 120,184百万円となり、前連結会計年度末に比べ 17,203百万円増加しました。内、流動資産については、受取手形及び売掛金の増加(前期比 9,327百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(前期比 4,296百万円増)、現金及び預金の増加(前期比 2,868百万円増)等により流動資産合計で前連結会計年度末に比べ 17,130百万円増加しました。又、固定資産については、固定資産合計で前連結会計年度末に比べ 73百万円増加しました。
負債合計は 89,811百万円となり、前連結会計年度末に比べ 17,545百万円増加しました。主な要因は、前受金の減少(前期比 2,030百万円減)等がありましたが、短期借入金の増加(前期比 18,982百万円増)、支払手形及び買掛金の増加(前期比 2,573百万円増)等によるものです。
純資産合計は 30,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ 341百万円減少しました。主な要因は、為替換算調整勘定の減少(前期比 163百万円減)、退職給付に係る調整累計額の減少(前期比 122百万円減)等によるものです。この結果、自己資本比率は24.8%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて 18,482百万円増加し、 79,648百万円となりました。当事業では、年度末にかけてA350型向け後部ギャレー等の製品出荷が進み、売掛金や棚卸資産が増加したことなどから前期比増加いたしました。
[航空機シート等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて 1,071百万円減少し、 20,453百万円となりました。当事業では、ビジネスクラス・シート「Venture」の出荷が進み売掛金が増加しましたが、棚卸資産の減少により前期比減少いたしました。
[航空機器等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて 718百万円減少し、 10,360百万円となりました。当事業では、航空機エンジン部品の一部出荷が次期以降に繰り延べられたことにより、棚卸資産が減少したことなどから前期比減少いたしました。
[航空機整備等関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて 506百万円増加し、 9,683百万円となりました。当事業では、機体整備において、次年度に出荷予定の一部プログラムにより棚卸資産が増加したことなどから前期比増加いたしました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の増減は、以下に記載のキャッシュ・フローにより、前連結会計年度末に比べ 3,121百万円増加しました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、 11,285百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 20,650百万円支出が増加しました。これは、売上債権の増加、たな卸資産の増加、前受金の減少による収入の減少等によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、 2,570百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 626百万円支出が増加しました。これは、有形固定資産の取得による支出等によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、 16,953百万円のキャッシュ・インフローとなり、前連結会計年度に比べ 22,781百万円収入が増加しました。これは、金融機関からの借入金によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業の受注工事における製品開発、部品材料調達、試験研究活動などがあります。設備投資資金については、航空機内装品及び航空機シート関連の主力製品であるギャレー、ラバトリー、シート製造に係る金型、各事業の生産工場の改修および施設設備の更新、業務効率向上のためのIT関連のシステムの導入等があります。また、試験研究活動については、航空機シート等製造関連において標準型プラットフォームを活用した次期プレミアム・シートの開発、航空機内装品等製造関連において次世代軽量材料の研究、次世代キャビンの研究、先端技術を適用するための基礎研究などを進めると共に、航空機器等製造関連では、炭素繊維構造部材の新たな成形方法の研究等があります。
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末の借入金残高は、年度末にかけて製品出荷が進み売掛金の増加などから 17,682百万円増加し、41,086百万円となりました。今後、売掛金の回収が進むことにより借入金残高は減少する見込みです。また、資金調達コストの低減に努めるため、売掛債権の早期回収を図るために流動化を活用しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
a. 固定資産の減損
固定資産は、帳簿価額が回収できないという事象や状況の変化が生じた場合に、減損に関する検討を実施しております。帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを上回っていた場合には、帳簿価額が公正価値を超過する金額について減損を認識しております。公正価値の決定は、見積り及び仮定に基づいて行っております。
b. 繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産に対して定期的に回収可能性の評価を行っております。繰延税金資産は、主に将来の課税所得の予測によるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社の事業活動が堅調に継続すること、及びその他の要因により変化します。
c. 工事損失引当金
当社の事業形態は原則として受注生産であります。
一部の取引につきましては、受注後、製作作業に着手したのち、種々の環境変化により原価が当初の受注金額を越えてしまうものもあります。あるいは、取引先との総合的な関係強化を目的に、戦略的に損失を含んで契約するケースもあります。
このような受注生産につきましては、受注時点あるいは、作業の進捗により、その原価が受注金額を超えると予想され、且つ、その金額を合理的に見積もることができるものにつきましては、当該損失見込額を計上しております。
又、将来の不確実な経済状況の変動により、当該損失見込額が影響を受ける可能性があります。
d. 損害補償損失引当金
取引先との契約において、当社が履行義務を果たせない状況がある場合に、取引先との総合的な関係維持を目的に、偶発債務を認識する可能性があります。この将来の補償損失に備えるため、当該損失の発生が予想され、且つ、その金額を合理的に見積もることができるものにつきましては、損失見込額を計上しております。
又、将来の不確実な経済状況の変動により、追加の損失が発生する可能性があります。
e. 退職給付及び年金資産
退職給付及び年金資産は数理計算によって認識しており、その計算には前提条件として基礎率を用いています。割引率、期待運用収益率といった基礎率については、市場金利などの実際の経済状況を踏まえて設定しております。その他の基礎率としては、昇給率、死亡率などがあります。これらの基礎率の変更により、将来の退職給付及び年金資産が影響を受ける可能性があります。
(5) 主な経営指標
当社グループは、技術と品質のジャムコとして顧客からの信頼を獲得し続けることを使命として、技術力の向上、品質への取り組み強化、企業文化の再構築、人財育成を始めとする経営課題に取り組み、環境の変化を上回るスピード感と積極的な行動力の発揮により、基盤整備の一環である業務プロセスの改革/合理化を強力に推し進め、新たな成長期とすべく経営課題へ取り組み、世界に誇れるジャムコとなることを中期経営方針に掲げ、経営指標を売上高経常利益率 7%以上、総資産経常利益率 7%以上と設定し、毎期継続してこの目標を達成するために種々の施策に取組んでまいります。又、自己資本比率など安全性指標についても、中期的な視野に立ち、その改善に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度は、売上高経常利益率 1.3%、総資産経常利益率 1.1%、自己資本比率 24.8%、自己資本利益率 2.0%となりました。これらの経営指標の最近の推移は次のとおりです。
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 売上高経常利益率 | 4.5% | 3.9% | 1.3% |
| 総資産経常利益率(ROA) | 3.7% | 3.3% | 1.1% |
| 自己資本比率 | 30.4% | 29.3% | 24.8% |
| 自己資本利益率(ROE) | 6.0% | 6.5% | 2.0% |
※売上高経常利益率:経常利益/売上高、総資産経常利益率(ROA):経常利益/総資産、自己資本比率:自己資本/総資本、自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
(注) 1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.総資産経常利益率の算定における総資産は(期首総資産+期末総資産)/2で計算しています。
3.自己資本利益率の算定における自己資本は(期首自己資本+期末自己資本)/2で計算しています。