四半期報告書-第83期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/08 10:45
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)拡大の影響から正常化に向けて持ち直しの動きがみられたものの、一部の地域では新たな変異株の発生などによる感染再拡大の懸念やウクライナ問題の長期化懸念、原油価格の高騰、原材料価格の上昇などにより依然として不透明な状況が続きました。このようななかで、ドル円為替相場は対米ドル円レート122円台から136円台で推移しました。
航空輸送業界では、国内線需要の回復に加え、各国の入国制限の緩和や撤廃などにより国際線需要についても欧州・北米を中心に回復してきていることから、エアラインでは運休していた機体をサービスに戻す動きやアフターコロナを見据えた機体発注などの動きが見られました。又、航空機メーカーにおいても航空旅客需要の回復に伴い、小型機を中心に一部機種では受注が増加しました。
このように、航空旅客需要の回復が徐々にみられるなかで、当社グループでは、需要回復に対応すべく、グループ外出向していた社員を帰任させるとともに、今年度の新卒採用活動を開始しました。又、製造工程においては、今後の更なる需要回復に備え、業務効率改善活動を継続するとともに、フィリピン工場の能力・機能拡張計画や国内外のサプライチェーンの強靭化に着手しました。更に、サステナビリティへの対応にも積極的に取り組みました。
航空機内装品等製造関連においては、航空旅客需要の回復に伴い、保有機体を活用するためのメンテナンス部品や客室改修の需要増加がみられ、これらに対応すべく、生産体制強化に取り組みました。又、お客様が航空機に搭乗する際に抱く不安を少しでも解消できるように、清潔で衛生的なキャビン作りのための製品開発を行い、ギャレー、ラバトリー、シート等への展開を見据えた研究・提案を行いました。
航空機シート等製造関連においては、収益力の高いビジネスクラス・シート「Venture」の他機種展開などに加え、次期ビジネスクラス・シート「Quest for Elegance」の開発にも取り組みました。
航空機器等製造関連においては、生産性改善の取組みを行うと共に、熱可塑CFRPを活用した航空機用軽量機体部材の開発やCFRP部材の航空機分野以外への展開を進めました。 航空機整備等関連においては、飛行安全の確保と品質向上の取組みを継続すると共に、エアライン、官公庁向け整備の受注に努め、安定した収益を上げるため事業基盤の強化に取り組みました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高 7,111百万円(前年同四半期比 3,430百万円減)、営業利益 120百万円(前年同四半期は、営業損失 113百万円)、経常利益 211百万円(前年同四半期は、経常損失 223百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益 375百万円(前年同四半期は、親会社株主に帰属する四半期純損失 1百万円)となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間末に第2四半期連結会計期間以降の完成工事に対する工事損失引当金を 3,698百万円計上しております。この工事損失引当金による期間損益への影響は、当第1四半期連結累計期間において売上原価 130百万円の減少(2022年3月期末の工事損失引当金は 3,828百万円)となりました。
グループ全体の販売費及び一般管理費、営業外損益、特別損益の状況は次のとおりです。
販売費及び一般管理費は、人件費、販売手数料、保証工事費の増加などにより 1,895百万円(前年同四半期比 129百万円増)となりました。
営業外損益は、米国金利の上昇などにより支払利息が増加しましたが、為替相場が前連結会計年度末よりも円安で推移し為替差益が増加したことや支払補償費が減少したことなどにより 91百万円の益(前年同四半期は、110百万円の損)となりました。
特別損益は、一時帰休による固定費等の操業費用を新型コロナウイルス感染症関連損失として 45百万円を計上しましたが、雇用調整助成金等の助成金収入として 111百万円を計上したことなどにより、64百万円の益(前年同四半期は、12百万円の益)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。 [航空機内装品等製造関連] 当事業では、前年同四半期に計上した顧客仕様変更に伴う追加売上の反動やボーイング787型機の生産調整によりギャレー及びラバトリーの出荷が減少したことなどから、前年同四半期に比べ売上高は減少しました。一方 、経常利益については売上高は減少したものの、業務効率改善の効果、円安による為替差益の発生及び運航機数の増加によりエアライン向けスペアパーツ販売が増加したことなどから経常利益は増加しました。 この結果、航空機内装品等製造関連は、売上高 4,535百万円(前年同四半期比 3,248百万円減)、経常利益 1,098百万円(前年同四半期比 619百万円増)となりました。 [航空機シート等製造関連] 当事業では、ボーイング787型機の生産調整によりビジネスクラス・シート「Venture」の出荷が翌期以降に繰り延べられたことなどから、前年同四半期に比べ売上高は減少しました。又、経常損益については、売上高の減少などにより経常損失となりました。 この結果、航空機シート等製造関連は、売上高 141百万円(前年同四半期比 423百万円減)、経常損失 719百万円(前年同四半期は、経常損失 721百万円)となりました。 [航空機器等製造関連] 当事業では、民間航空機向け製品の炭素繊維構造部材や航空機エンジン部品の出荷が増加したことなどから前年同四半期に比べ売上高は増加しました。一方、経常損益については、売上高は増加したものの、販売費及び一般管理費の増加などで経常損失となりました。 この結果、航空機器等製造関連は、売上高 954百万円(前年同四半期比 195百万円増)、経常損失 90百万円(前年同四半期は、経常損失 106百万円)となりました。 [航空機整備等関連] 当事業では、部品整備において受注が増加したことなどから前年同四半期に比べ売上高は増加しました。一方、経常損益については、売上高は増加したものの販売費及び一般管理費の増加などにより経常損失となりました。 この結果、航空機整備等関連は、売上高 1,479百万円(前年同四半期比 45百万円増)、経常損失 77百万円(前年同四半期は、経常利益 135百万円)となりました。 [その他] その他の区分には、連結子会社の株式会社オレンジジャムコの事業を含んでおり、航空機内装品等製造関連の補助作業等セグメント間の内部取引が中心です。 この結果、その他の区分では、売上高 0百万円(前年同四半期は、0百万円)、経常利益 0百万円(前年同四半期は、経常損失 10百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は 96,555百万円となり、前連結会計年度末に比べ 2,904百万円増加しました。内、流動資産については、受取手形、売掛金及び契約資産の減少(前期末比 4,643百万円減)等がありましたが、仕掛品の増加(前期末比 3,671百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(前期末比 1,871百万円増)等により流動資産合計で前連結会計年度末に比べ 2,362百万円増加しました。又、固定資産については、有形固定資産の増加(前期末比 205百万円増)、無形固定資産の増加(前期末比 57百万円増)等により固定資産合計で前連結会計年度末に比べ 541百万円増加しました。負債合計は 84,873百万円となり、前連結会計年度末に比べ 2,317百万円増加しました。主な要因は、短期借入金の増加(前期末比 1,316百万円増)等によるものです。 純資産合計は 11,681百万円となり、前連結会計年度末に比べ 586百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益などによる利益剰余金の増加等によるものです。この結果、自己資本比率は11.7%となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響に対し、引き続き迅速な対策を講じて参ります。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は 75百万円(前年同四半期は 277百万円)となりました。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。