有価証券報告書-第33期(2024/06/01-2025/05/31)

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2025/08/25 16:03
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157項目
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは、事業セグメントを「IoT関連事業」「環境エネルギー事業」「インダストリー4.0推進事業」に分けて活動を行っており、各事業セグメントの事業環境は下記のとおりであります。
IoT関連事業では、イメージセンサの生産工程における品質検査で使用する検査用光源装置及び瞳モジュールを、主にハイエンドなイメージセンサを生産しているメーカー向けに製造・販売しております。
現在、イメージセンサ市場におけるイメージセンサメーカーは十数社程であり、その内日本と韓国のメーカーが6割以上のシェアを占めております。各イメージセンサメーカーの動向から、今後もイメージセンサ市場は引き続き拡大していくものと予測しております。
また、現状ではイメージセンサ市場(金額ベース)においてスマートフォン向けセンサのシェアが約6割~7割を占めていることから、イメージセンサの市況はスマートフォンの製造、販売状況に左右される傾向があります。現在、スマートフォンの市況については、一部地域における経済低迷や買い替えサイクルの鈍化等に伴い発生していた需要停滞の状況は復調傾向にあり、スマートフォンの出荷数量は段階的に増加していくと想定しております。
近年では、スマートフォンに搭載されるイメージセンサ(カメラ)の高付加価値化が進んでおり、大判化等のハイエンドなイメージセンサが使用される割合も増加傾向にあることから、イメージセンサメーカーによる設備投資は今後も必要になると予測しております。それに伴い、技術トレンドに合わせた新たな検査用光源装置及び瞳モジュールの需要も発生しております。
現在、イメージセンサの短期的な需要は写真や動画を撮影するために可視光を捉える従来型のイメージング向けデバイスがメインとなっております。
中期的な需要としては、イメージングからセンシングにトレンドが変わると予測しており、3Dセンシング技術による3次元情報の取得やAI(人工知能)のディープラーニングを活用した自動運転といったロボティクス向けセンサ市場の広がりにより、イメージセンサからの画像情報の収集と蓄積に関する重要性が増し、より高精度な画像情報を取得可能なイメージセンサ等の需要が高まっていくと予測しております。
具体的なデバイスとしては、物体との距離等の3次元情報を取得することを目的としたToF(Time of Flight)センサやLiDAR(Light Detection And Ranging)センサ用イメージセンサを想定しております。これらのデバイスは、スマートフォンへの採用も本格化しており、今後様々なアプリケーションが開発されることで需要が更に増加すると予測しております。
長期的には、イメージセンサの技術向上やセンシング分野の発展及び5G関連のインフラ構築等に伴い更なる用途の拡大を想定しており、産業分野(マシンビジョン、監視カメラ、ドローン等)への応用や、イメージセンサが搭載されたIoTデバイスの普及等によって、従来とは異なる新たな需要が発生すると推測しております。
環境エネルギー事業では、大量印刷を行うための輪転機(業務用印刷機)と一緒に使用する乾燥脱臭装置や、工場向けの排ガス処理装置を製造・販売しております。
印刷機業界は、ITの普及により新規の設備投資は縮小しているものの、輪転機の経年劣化による買換えが毎年一定数発生するほか、定期的なメンテナンス需要が存在しております。また、競合他社がほぼ存在しないため、当社グループではこれらの需要を安定的に取込んでおります。
なお、2025年6月11日開催の取締役会において、当セグメントに区分されていた株式会社エア・ガシズ・テクノスの全株式の譲渡を決定し、2025年7月2日に株式譲渡が完了いたしました。そのため、2026年5月期連結会計年度において同社を当社の連結子会社から除外し、当報告セグメントを廃止いたします。
インダストリー4.0推進事業では、主にディスプレイの生産工程で支障となる振動を取り除くための除振装置を、ディスプレイメーカー向けに製造・販売しているほか、歯車が設計図どおりの形状となっているかを検査する歯車試験機を、歯車メーカー向けに製造・販売しております。その他、当社グループの新規事業として、振動ソリューション関連事業、AI画像処理装置事業についても積極的に活動を行っております。
精密除振装置の市況について、現在フラットパネル・有機ELディスプレイ業界では、主に海外顧客における継続的な投資計画に伴い、昨年に引き続き設備投資需要は堅調に推移すると想定しております。
精密除振装置分野における新規事業への取り組みについては、振動を見える化できる振動モニタリングアプリを開発し、製品化しております。また、除振だけではなく顧客の振動環境を精密に再現する加振装置についても製品化しており、除振・加振による振動のトータルソリューションによって顧客へ新たな価値を提供してまいります。
また、歯車試験機の市況については基本的に工作機械市場の状況に準じており、景気変動に左右される傾向があります。米国の関税政策等による不透明感はあるものの、人手不足等を背景とした省人化・自動化需要が根強く、ロボット産業や自動車産業を中心として事業環境は堅調に推移する見込みであります。
歯車試験機分野における新規事業への取り組みについては、歯車の表面の粗さを精密に検査できる粗さ試験機を開発し、製品化しております。自動車メーカーからの引き合いもあり、引き続き販路拡大に向けた取り組みを継続してまいります。
新規事業として取り組んでいるAI画像処理装置事業については、様々な製品の製造工程において生じた細かな傷等を画像に撮り、その画像を元に自動で不良品を判別する装置を開発・製品化し、拡販活動を推進しております。目視検査の完全自動化に向けて、AI機能の強化や測定物を検査装置までピックアップするロボットの導入も実施し、システムとして提供することで顧客から高い評価をいただいております。また、開発及び製造期間の短縮、設計の効率化、品質の一貫性確保等を目的として開発を進めていた汎用性の高いプラットフォーム品も完成しており、販路拡大に向けた取り組みを継続してまいります。
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ10百万円増加し、13,656百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ718百万円減少し、1,891百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ728百万円増加し、11,765百万円となりました。
詳細につきましては、「(2) ① 2)財政状態」に記載のとおりであります。
2)経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は6,668百万円(前期の売上高7,754百万円に比し、14.0%の減少)、売上総利益は3,004百万円(前期の売上総利益3,306百万円に比し、9.2%の減少)となりました。また、営業利益は1,418百万円(前期の営業利益1,577百万円に比し、10.1%の減少)、経常利益は1,386百万円(前期の経常利益1,637百万円に比し、15.4%の減少)、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は979百万円(前期の親会社株主に帰属する当期純利益1,132百万円に比し、13.5%の減少)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(IoT関連事業)
通期における当セグメントの外部顧客に対する売上高は3,829百万円(前期の売上高4,897百万円に比し、21.8%の減少)、セグメント利益は1,946百万円(前期のセグメント利益2,401百万円に比し、18.9%の減少)となりました。これは、国内顧客向け検査用光源装置の販売が上期は好調に推移したものの、下期は低調に推移したためであります。
(環境エネルギー事業)
通期における当セグメントの外部顧客に対する売上高は777百万円(前期の売上高1,052百万円に比し、26.0%の減少)となりました。これは、前期と比較して排ガス処理装置分野における装置本体の販売が低調に推移したためであります。一方、セグメント利益は42百万円(前期のセグメント利益は39百万円に比し、8.2%の増加)となりました。これは、収益性の高い乾燥脱臭装置分野のメンテナンス案件の販売が好調に推移したためであります。
(インダストリー4.0推進事業)
通期における当セグメントの外部顧客に対する売上高は2,060百万円(前期の売上高1,804百万円に比し、14.2%の増加)、セグメント利益は265百万円(前期のセグメント利益16百万円に比し、1,459.5%の増加)となりました。これは、精密除振装置分野において上期に引き続き下期も製品の販売が好調に推移したためであります。一方で、歯車試験機分野においては第3四半期が好調に推移したものの、第4四半期に予定していた売上計上の時期がずれたため、通期では低調に推移いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末残高に比べ2,757百万円増加し、9,070百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは3,561百万円の収入(前期は8百万円の収入)となりました。これは、仕入債務の減少205百万円や法人税等の支払額570百万円があったものの、税金等調整前当期純利益1,385百万円の計上並びに売上債権の減少2,208百万円や棚卸資産の減少621百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは293百万円の支出(前期は154百万円の支出)とな
りました。これは、有形固定資産の取得による支出248百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは415百万円の支出(前期は469百万円の支出)とな
りました。これは、配当金の支払額386百万円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度において、受注高及び受注残高は、IoT関連事業を中心として前期比で大幅に減少しました。
これは、前連結会計年度において国内顧客が大規模な設備投資を実施したこと等に伴い、当連結会計年度におい
ては設備投資需要が一服したためであると認識しております。
今後、IoT関連事業においては、主要顧客の設備投資のタイミングが流動的となっており、当社の受注見通し
はその影響を大きく受けると想定しております。具体的には、国内顧客が公表した設備投資計画において、イメ
ージセンサの高密度化による先端プロセスの導入が当初想定より早まるとの見解が示されており、翌連結会計年
度の後半に設備投資規模を引き上げる可能性があります。また、海外顧客との対話においてもスマートフォンや
車載カメラ等の需要増加に伴い、設備投資需要が増加する兆候を捉えておりますが、いずれも顧客が投資判断に
慎重になっていることから確かな見通しは得られておりません。
一方、中長期的な受注動向については、イメージセンサの大判化や用途拡大等に伴う生産キャパシティの増強
及び稼働率向上に向けた受注拡大が継続していくと推測しております。
なお、受注高の減少等に伴い、IoT関連事業を中心として生産実績も大幅に減少しました。
1)生産実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2023年6月1日
至 2024年5月31日)
当連結会計年度
(自 2024年6月1日
至 2025年5月31日)
増減
金額(千円)金額(千円)金額(千円)増減率(%)
IoT関連事業5,524,7522,755,714△2,769,038△50.1
環境エネルギー事業973,855753,784△220,070△22.6
インダストリー4.0推進事業1,751,1762,145,719394,54222.5
合計8,249,7845,655,218△2,594,566△31.5

(注)1.上記の金額は、販売金額によっております。
2.生産実績には、外注仕入実績を含んでおります。
2)受注実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2023年6月1日
至 2024年5月31日)
当連結会計年度
(自 2024年6月1日
至 2025年5月31日)
増減
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
IoT関連事業5,541,2202,288,9992,478,640980,615△3,062,580△1,308,383
環境エネルギー事業746,621527,393548,848276,041△197,772△251,351
インダストリー4.0推進事業1,555,641262,0541,666,718241,801111,076△20,252
合計7,843,4843,078,4474,694,2081,498,459△3,149,276△1,579,988

(注)上記の金額には、見込み生産を行っている事業は含まれておりません。
3)販売実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2023年6月1日
至 2024年5月31日)
当連結会計年度
(自 2024年6月1日
至 2025年5月31日)
増減
金額(千円)金額(千円)金額(千円)増減率(%)
IoT関連事業4,897,7523,829,961△1,067,790△21.8
環境エネルギー事業1,052,023777,989△274,034△26.0
インダストリー4.0推進事業1,804,9562,060,700255,74414.2
合計7,754,7326,668,651△1,086,081△14.0

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
なお、販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先については「-」表記にしております。
相手先前連結会計年度
(自 2023年6月1日
至 2024年5月31日)
当連結会計年度
(自 2024年6月1日
至 2025年5月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社3,865,72049.82,213,68333.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績は、前連結会計年度比で減収減益となりました。
売上高及び営業利益が減少した理由は、インダストリー4.0推進事業が好調に推移したものの、IoT関連事業が低調に推移したためであります。
また、当社グループではROE(自己資本利益率)の向上を重要な指標の一つとしておりますが、当連結会計年度では8.6%(前期ROE10.7%)となり、前期より2.1ポイント減少いたしました。ROEが減少した主な要因として、前述のIoT関連事業の減収減益により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益が減少したためであると分析しております。結果として、ES(エクイティスプレッド:ROE-株主資本コスト)は2.6%(前期ES5.8%)となりました。
来期は、IoT関連事業において製品の販売が低調に推移する見通しであるため、減収減益を見込んでおります。当社グループは、投資家視点を重視した企業価値向上の観点から、来期より「ベース売上高」「売上総利益率」「一人当たり営業利益」「営業利益成長率(CAGR)」「ROE(連結)」を新たな重要指標に設定いたしました。2030年目標値の達成に向けて、活動してまいります。
2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ10百万円増加し、13,656百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ152百万円減少し、12,155百万円となりました。これは、現金及び預金が
2,755百万円増加したものの、売掛金が255百万円、電子記録債権が2,009百万円、仕掛品が662百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ163百万円増加し、1,500百万円となりました。これは、有形固定資産が147百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ718百万円減少し、1,891百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が204百万円、未払法人税等が199百万円、未払消費税等(流動負債「その他」)が177百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ728百万円増加し、11,765百万円となりました。これは、前事業年度の期末配当金276百万円及び当期中間配当金110百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益979百万円を計上したこと及び自己株式が180百万円減少したこと等によるものであります。
なお、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度末に係る各数値については、遡及適用後の数値との比較・分析を行っております。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、銀行借入により資金調達しております。このうち、運転資金については短期借入金で、設備又は企業買収等の長期資金については長期借入金等で調達しております。
2025年5月31日現在の有利子負債残高は、短期借入金440百万円、1年内を含む長期借入金308百万円となっております。
その他、積極的な事業展開に必要な資金需要に対して、安定的かつ機動的な資金調達体制を構築するため、複数の金融機関との間で合計5,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高5,000百万円)。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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