有価証券報告書-第28期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の国内外経済につきましては、米中貿易摩擦、日韓関係の冷え込み及び新型コロナウイルス感染症の拡大により、様々な業界において先行き不透明感が続く状況となりました。当社グループでは、事業セグメントを「IoT関連事業」「環境エネルギー事業」「インダストリー4.0推進事業」に分けて活動を行っておりますが、経営者が認識及び分析している各事業セグメントの環境は下記のとおりであります。
IoT関連事業セグメントでは、イメージセンサの生産工程における品質検査で使用する検査用光源装置及び瞳モジュールを、イメージセンサメーカー向けに製造・販売しております。
現在イメージセンサ市場では、複数台のカメラを搭載したスマートフォンの普及が進んでいることから、スマートフォンカメラ向け製品の需要が高まっております。
短期的な需要としては、写真や動画を撮影するために可視光を捉える従来型のイメージセンサがメインとなっております。最近では、5G(第5世代移動通信システム)のサービス開始によるスマートフォンの買換え需要も期待されておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、スマートフォン出荷台数が世界的に減少するとの予想がされております。そのため、イメージセンサメーカーも慎重に市場状況を見極めている段階であると認識しております。
中長期的には、3Dセンシング技術に必要とされる物体との距離等の3次元情報を取得することを目的としたイメージセンサや、自動車の自動運転に不可欠な車載向けイメージセンサの需要も高まってくるとの予想もされております。そのため、イメージセンサの生産キャパシティ強化に伴い、イメージセンサメーカーの設備投資意欲が高い状況は、今後も継続すると認識しております。
環境エネルギー事業セグメントでは、大量印刷を行うための印刷機(輪転機)と一緒に使用する乾燥脱臭装置や、工場向けの排ガス処理装置を製造・販売しております。
印刷機業界は、ITの普及により新規の設備投資は縮小しているものの、輪転機の経年劣化による買換えが毎年一定数発生するほか、定期的なメンテナンス需要が存在しております。現在は競合他社がほぼ存在しないため、当社グループではこれらの需要を安定的に取込んでおります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大により広告の印刷が減少しており、設備投資意欲は低調に推移しております。
インダストリー4.0推進事業セグメントでは、主にディスプレイの生産工程で支障となる振動を取り除くための除振装置をディスプレイメーカー向けに製造・販売しているほか、歯車が設計図どおりの形状となっているかを調べる歯車試験機を、歯車メーカー向けに製造・販売しております。その他、当社グループの新規事業として、FA画像処理関連事業及びレーザー加工機関連事業についても、本格的な事業化に向けて積極的に活動を行っております。
現在フラットパネル・有機ELディスプレイ業界では、生産設備への投資が活発化する兆しが見えておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、設備投資時期の見直しや判断を先送りする傾向が見受けられます。そのため、今後については引き続き不確定要素が存在している状況となっております。
また、歯車試験機の市況は基本的に工作機械市場の状況に準じており、景気変動に左右されるものの、市場規模はほぼ横ばいの状況が続いております。歯車試験機は主に自動車産業向け製品に使用されることが多いため、自動車生産台数の増加が予想される海外での営業活動も強化しておりました。しかしながら、国内外事業共に、主要顧客である自動車関連企業の生産工場の稼働率低下等によって、顧客の設備投資意欲は低下しております。そのため、今後については引き続き不透明な状況となっております。
新規事業として取り組んでいるFA画像処理関連事業については、金属製歯車の製造工程において生じた細かな傷等を画像に撮り、その画像を元に自動で不良品を判別するシステムの構築を目指しております。
同じく新規事業であるレーザー加工機関連事業については、レーザーを用いた微細加工の分野において、短パルス光によるアブレーション加工(短時間に光を照射することにより材料への熱ダメージを減少させる加工)技術を提供し、セラミック等の素材を対象とした超微細加工機の製品化を目指しております。本事業を推進するため、当社は2020年5月にレーザー加工機の受託開発事業を行っている株式会社ラステックの全株式を取得し、子会社化いたしました。
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ383百万円減少し、10,005百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ949百万円減少し、2,132百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ566百万円増加し、7,872百万円となりました。
詳細につきましては、「(2)①2)財政状態」に記載のとおりであります。
2)経営成績
当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は7,083百万円(前期の売上高7,986百万円に比し、11.3%の減少)、売上高の減少等により売上総利益は3,471百万円(前期の売上総利益3,859百万円に比し、10.0%の減少)、営業利益は1,555百万円(前期の営業利益1,980百万円に比し、21.4%の減少)、経常利益は1,545百万円(前期の経常利益1,943百万円に比し、20.5%の減少)、最終の親会社株主に帰属する当期純利益は1,004百万円(前期の親会社株主に帰属する当期純利益1,386百万円に比し、27.5%の減少)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(IoT関連事業)
当社の主要顧客であるイメージセンサメーカーにおいて、設備投資意欲は活発な状況が続いておりますが、昨今の社会情勢を背景に投資判断は慎重になっていると認識しております。
光源装置については、上半期における受注高及び売上高が想定より低い水準で推移したことに加え、第4四半期連結会計期間に売上計上を見込んでいた一部の製品に関して、売上計上のタイミングが来期へ後ろ倒しとなりました。また、下半期においては概ね当初の予想どおりの受注高を確保することができたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって営業活動が制限され、上半期の遅れを取り戻すための積極的な施策を講じることが難しい状況となりました。
瞳モジュールについては、当初想定していた需要の高まりまで至らず、予想していた売上高を達成することができませんでした。
当連結会計年度における当セグメントの外部顧客に対する売上高は4,642百万円(前期の売上高4,971百万円に比し、6.6%の減少)、セグメント利益は2,310百万円(前期のセグメント利益2,591百万円に比し、10.9%の減少)となりました。
(環境エネルギー事業)
従来より関連業界における新規設備投資の需要が厳しい中、主力製品である乾燥脱臭装置及び排ガス処理装置の販売台数が予想よりも下回りました。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大による工事の延期や、顧客側の稼働率が低下したことによるメンテナンス関連作業の減少により、当初予算の売上高を確保することができませんでした。
今後は従来の製品に加えて、新規製品の開発も視野に入れ、施策を講じていく予定であります。
当連結会計年度における当セグメントの外部顧客に対する売上高は813百万円(前期の売上高1,131百万円に比し、28.1%の減少)、セグメント損失は6百万円(前期のセグメント利益は54百万円)となりました。
(インダストリー4.0推進事業)
精密除振装置においては、第4四半期連結会計期間に売上計上を見込んでいた一部の製品に関して売上計上のタイミングが来期へ後ろ倒しになりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により新規案件数も停滞傾向にあり、主に海外向け製品の売上高が予想よりも下回る結果となりました。
歯車試験機においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国内の主要顧客である自動車関連企業が生産工場の稼働調整を実施したため、設備投資意欲が停滞する状況となりました。また、営業活動も制限され、当初予算の売上高を確保することが難しい状況となりました。海外においても、各国のロックダウンにより主要顧客が工場の稼働調整を行ったり、商談の延期を余儀なくされたため、製品の販売や客先への導入が難しい状況となりました。一方で、新型コロナウイルス感染症が拡大する前までは売上高が好調に推移したことにより、通期では前期と同水準の売上高を確保することができました。
FA画像処理関連事業においては、金属の歯車に生じた細かな傷を捉える技術について引き続き開発を推進いたしました。開発はほぼ予定どおり進捗しており、試作機については2020年12月の展示会で発表を予定しておりましたが、展示会が中止となったため、新規製品の宣伝活動及び拡販方法を再度検討しております。
レーザー加工機関連事業においては、2020年5月に株式会社ラステックを子会社化し、事業に必要な組織体制の構築を推進いたしました。今後は積極的な営業活動や量産に向けた体制を整え事業規模の拡大に努めてまいります。
当連結会計年度における当セグメントの外部顧客に対する売上高は1,627百万円(前期の売上高1,882百万円に比し、13.6%の減少)、セグメント利益は96百万円(前期のセグメント利益65百万円に比し、47.7%の増加)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末残高に比べ107百万円増加し、4,873百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,164百万円の収入(前期は943百万円の収入)となりました。これは、法人税等の支払額807百万円があったものの、税金等調整前当期純利益1,467百万円や減価償却費138百万円の計上並びに売上債権の減少215百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは276百万円の支出(前期は143百万円の支出)となりました。これは、有形・無形固定資産の取得による支出179百万円及び関係会社株式の取得による支出100百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは758百万円の支出(前期は1,754百万円の収入)となりました。これは、短期及び長期の借入金による純支出187百万円、自己株式に係る純支出303百万円及び配当金の支払額199百万円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
(注)1.本表の金額は、販売金額によっております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績には、外注仕入実績を含んでおります。
2)受注実績
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.上記金額には、見込み生産を行っている事業は含まれておりません。
3)販売実績
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。なお、金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績は、前連結会計年度比で減収減益となりました。
この主な要因としては、IoT関連事業セグメントにおいて顧客の2社購買方針により競合他社へ売上の一部が流れたことや、各事業セグメントにおいて新型コロナウイルス感染症による売上計上時期の後ろ倒しや、営業活動の制限により積極的な営業展開が出来なかったこと等であると認識しております。
新型コロナウイルス感染症の影響について、製造ラインの停止や部品が調達できなくなるといった供給面での影響は現時点ではないものの、顧客の設備投資意欲の低下や、製品の納入が先延ばしになる等、足元での需要面については影響があると認識しております。しかしながら、当社の主力事業であるIoT関連事業セグメントにおいては、顧客の中長期的な設備投資計画の考え方に現在のところ大きな影響は出ておらず、影響はある程度一過性のものであると認識しております。
当社グループでは、ROEの向上を重要な指標の一つとしておりますが、当連結会計年度では13.2%(前期ROE25.2%)となり、前期より12.0ポイント減少いたしました。ROEが減少した主な要因として、当連結会計年度での減益及び前期に行った増資が影響していると分析しております。ROEの算出に使用する自己資本の値は2期平均となっているため、前期は増資前と増資後の自己資本の平均となっておりましたが、当連結会計年度では増資後の自己資本を平均した値を使用することとなり、ROEの減少につながったと認識しております。結果的に、ES(エクイティスプレッド)は7.0%(前期ES19.0%)となりました。
今後は、優先的に対処すべき課題としても挙げている技術開発体制の強化、クライアントニーズへの迅速な対応、原価低減と生産効率の向上等に努め、自己資本を活用しながら利益を向上させてまいります。
また、株主資本コストの低下に資する活動(適切な情報開示や積極的な対話等)を通して、ESの向上に努めてまいります。
2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ383百万円減少し、10,005百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ336百万円減少し、8,575百万円となりました。これは、現金及び預金が107百万円、受取手形及び売掛金が438百万円それぞれ増加したものの、電子記録債権が910百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ47百万円減少し、1,430百万円となりました。これは、投資有価証券が96百万円増加したものの、のれんが82百万円、繰延税金資産が17百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ949百万円減少し、2,132百万円となりました。これは、未払法人税等が390百万円、前受金(流動負債「その他」)が248百万円、1年内を含む社債及び借入金が247百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ566百万円増加し、7,872百万円となりました。これは、前事業年度の期末配当金199百万円及び自己株式の純増846百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益1,004百万円の計上や自己株式の処分差益による資本剰余金の増加633百万円等によるものであります。
3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、銀行借入又は社債発行により資金調達しております。このうち、運転資金については短期借入金で、設備又は企業買収等の長期資金については長期借入金又は社債で調達しております。
また、前連結会計年度において、第10回新株予約権を発行し2,298百万円の資金調達を行いました。
2020年5月31日現在の有利子負債残高は、短期借入金190百万円、社債150百万円及び長期借入金466百万円となっております。
その他、積極的な事業展開に必要な資金需要に対して、安定的かつ機動的な資金調達体制を構築するため、複数の金融機関との間で合計2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高2,000百万円)。
今後の設備資金の主なものとしては、当社横浜工場の製造設備等の増強がありますが、自己資金及び借入金による投資を予定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日現在における資産、負債並びに報告期間における収益、費用に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。また、その設定にあたっては、過去の実績や状況を鑑み、合理的であると考えられる種々の要因に基づいて、継続して見積り及び判断したものであります。しかしながら、これらは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当連結会計年度における、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
当社グループで重要であると考えられる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、以下のとおりであります。
1)固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額並びに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額の見積額が減少した場合、追加の減損処理が必要となる可能性があります。
2)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保でき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が変動した場合、繰延税金資産が増額又は減額され、税金費用に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の国内外経済につきましては、米中貿易摩擦、日韓関係の冷え込み及び新型コロナウイルス感染症の拡大により、様々な業界において先行き不透明感が続く状況となりました。当社グループでは、事業セグメントを「IoT関連事業」「環境エネルギー事業」「インダストリー4.0推進事業」に分けて活動を行っておりますが、経営者が認識及び分析している各事業セグメントの環境は下記のとおりであります。
IoT関連事業セグメントでは、イメージセンサの生産工程における品質検査で使用する検査用光源装置及び瞳モジュールを、イメージセンサメーカー向けに製造・販売しております。
現在イメージセンサ市場では、複数台のカメラを搭載したスマートフォンの普及が進んでいることから、スマートフォンカメラ向け製品の需要が高まっております。
短期的な需要としては、写真や動画を撮影するために可視光を捉える従来型のイメージセンサがメインとなっております。最近では、5G(第5世代移動通信システム)のサービス開始によるスマートフォンの買換え需要も期待されておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、スマートフォン出荷台数が世界的に減少するとの予想がされております。そのため、イメージセンサメーカーも慎重に市場状況を見極めている段階であると認識しております。
中長期的には、3Dセンシング技術に必要とされる物体との距離等の3次元情報を取得することを目的としたイメージセンサや、自動車の自動運転に不可欠な車載向けイメージセンサの需要も高まってくるとの予想もされております。そのため、イメージセンサの生産キャパシティ強化に伴い、イメージセンサメーカーの設備投資意欲が高い状況は、今後も継続すると認識しております。
環境エネルギー事業セグメントでは、大量印刷を行うための印刷機(輪転機)と一緒に使用する乾燥脱臭装置や、工場向けの排ガス処理装置を製造・販売しております。
印刷機業界は、ITの普及により新規の設備投資は縮小しているものの、輪転機の経年劣化による買換えが毎年一定数発生するほか、定期的なメンテナンス需要が存在しております。現在は競合他社がほぼ存在しないため、当社グループではこれらの需要を安定的に取込んでおります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大により広告の印刷が減少しており、設備投資意欲は低調に推移しております。
インダストリー4.0推進事業セグメントでは、主にディスプレイの生産工程で支障となる振動を取り除くための除振装置をディスプレイメーカー向けに製造・販売しているほか、歯車が設計図どおりの形状となっているかを調べる歯車試験機を、歯車メーカー向けに製造・販売しております。その他、当社グループの新規事業として、FA画像処理関連事業及びレーザー加工機関連事業についても、本格的な事業化に向けて積極的に活動を行っております。
現在フラットパネル・有機ELディスプレイ業界では、生産設備への投資が活発化する兆しが見えておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、設備投資時期の見直しや判断を先送りする傾向が見受けられます。そのため、今後については引き続き不確定要素が存在している状況となっております。
また、歯車試験機の市況は基本的に工作機械市場の状況に準じており、景気変動に左右されるものの、市場規模はほぼ横ばいの状況が続いております。歯車試験機は主に自動車産業向け製品に使用されることが多いため、自動車生産台数の増加が予想される海外での営業活動も強化しておりました。しかしながら、国内外事業共に、主要顧客である自動車関連企業の生産工場の稼働率低下等によって、顧客の設備投資意欲は低下しております。そのため、今後については引き続き不透明な状況となっております。
新規事業として取り組んでいるFA画像処理関連事業については、金属製歯車の製造工程において生じた細かな傷等を画像に撮り、その画像を元に自動で不良品を判別するシステムの構築を目指しております。
同じく新規事業であるレーザー加工機関連事業については、レーザーを用いた微細加工の分野において、短パルス光によるアブレーション加工(短時間に光を照射することにより材料への熱ダメージを減少させる加工)技術を提供し、セラミック等の素材を対象とした超微細加工機の製品化を目指しております。本事業を推進するため、当社は2020年5月にレーザー加工機の受託開発事業を行っている株式会社ラステックの全株式を取得し、子会社化いたしました。
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ383百万円減少し、10,005百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ949百万円減少し、2,132百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ566百万円増加し、7,872百万円となりました。
詳細につきましては、「(2)①2)財政状態」に記載のとおりであります。
2)経営成績
当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は7,083百万円(前期の売上高7,986百万円に比し、11.3%の減少)、売上高の減少等により売上総利益は3,471百万円(前期の売上総利益3,859百万円に比し、10.0%の減少)、営業利益は1,555百万円(前期の営業利益1,980百万円に比し、21.4%の減少)、経常利益は1,545百万円(前期の経常利益1,943百万円に比し、20.5%の減少)、最終の親会社株主に帰属する当期純利益は1,004百万円(前期の親会社株主に帰属する当期純利益1,386百万円に比し、27.5%の減少)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(IoT関連事業)
当社の主要顧客であるイメージセンサメーカーにおいて、設備投資意欲は活発な状況が続いておりますが、昨今の社会情勢を背景に投資判断は慎重になっていると認識しております。
光源装置については、上半期における受注高及び売上高が想定より低い水準で推移したことに加え、第4四半期連結会計期間に売上計上を見込んでいた一部の製品に関して、売上計上のタイミングが来期へ後ろ倒しとなりました。また、下半期においては概ね当初の予想どおりの受注高を確保することができたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって営業活動が制限され、上半期の遅れを取り戻すための積極的な施策を講じることが難しい状況となりました。
瞳モジュールについては、当初想定していた需要の高まりまで至らず、予想していた売上高を達成することができませんでした。
当連結会計年度における当セグメントの外部顧客に対する売上高は4,642百万円(前期の売上高4,971百万円に比し、6.6%の減少)、セグメント利益は2,310百万円(前期のセグメント利益2,591百万円に比し、10.9%の減少)となりました。
(環境エネルギー事業)
従来より関連業界における新規設備投資の需要が厳しい中、主力製品である乾燥脱臭装置及び排ガス処理装置の販売台数が予想よりも下回りました。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大による工事の延期や、顧客側の稼働率が低下したことによるメンテナンス関連作業の減少により、当初予算の売上高を確保することができませんでした。
今後は従来の製品に加えて、新規製品の開発も視野に入れ、施策を講じていく予定であります。
当連結会計年度における当セグメントの外部顧客に対する売上高は813百万円(前期の売上高1,131百万円に比し、28.1%の減少)、セグメント損失は6百万円(前期のセグメント利益は54百万円)となりました。
(インダストリー4.0推進事業)
精密除振装置においては、第4四半期連結会計期間に売上計上を見込んでいた一部の製品に関して売上計上のタイミングが来期へ後ろ倒しになりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により新規案件数も停滞傾向にあり、主に海外向け製品の売上高が予想よりも下回る結果となりました。
歯車試験機においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国内の主要顧客である自動車関連企業が生産工場の稼働調整を実施したため、設備投資意欲が停滞する状況となりました。また、営業活動も制限され、当初予算の売上高を確保することが難しい状況となりました。海外においても、各国のロックダウンにより主要顧客が工場の稼働調整を行ったり、商談の延期を余儀なくされたため、製品の販売や客先への導入が難しい状況となりました。一方で、新型コロナウイルス感染症が拡大する前までは売上高が好調に推移したことにより、通期では前期と同水準の売上高を確保することができました。
FA画像処理関連事業においては、金属の歯車に生じた細かな傷を捉える技術について引き続き開発を推進いたしました。開発はほぼ予定どおり進捗しており、試作機については2020年12月の展示会で発表を予定しておりましたが、展示会が中止となったため、新規製品の宣伝活動及び拡販方法を再度検討しております。
レーザー加工機関連事業においては、2020年5月に株式会社ラステックを子会社化し、事業に必要な組織体制の構築を推進いたしました。今後は積極的な営業活動や量産に向けた体制を整え事業規模の拡大に努めてまいります。
当連結会計年度における当セグメントの外部顧客に対する売上高は1,627百万円(前期の売上高1,882百万円に比し、13.6%の減少)、セグメント利益は96百万円(前期のセグメント利益65百万円に比し、47.7%の増加)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末残高に比べ107百万円増加し、4,873百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,164百万円の収入(前期は943百万円の収入)となりました。これは、法人税等の支払額807百万円があったものの、税金等調整前当期純利益1,467百万円や減価償却費138百万円の計上並びに売上債権の減少215百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは276百万円の支出(前期は143百万円の支出)となりました。これは、有形・無形固定資産の取得による支出179百万円及び関係会社株式の取得による支出100百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは758百万円の支出(前期は1,754百万円の収入)となりました。これは、短期及び長期の借入金による純支出187百万円、自己株式に係る純支出303百万円及び配当金の支払額199百万円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 増減 | ||
| 金額(千円) | 金額(千円) | 金額(千円) | 増減率(%) | ||
| IoT関連事業 | 4,976,497 | 4,528,594 | △447,902 | △9.0 | |
| 環境エネルギー事業 | 965,258 | 814,933 | △150,324 | △15.6 | |
| インダストリー4.0推進事業 | 1,876,825 | 1,635,163 | △241,661 | △12.9 | |
| 合計 | 7,818,581 | 6,978,692 | △839,889 | △10.7 | |
(注)1.本表の金額は、販売金額によっております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績には、外注仕入実績を含んでおります。
2)受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 増減 | ||||
| 受注高 (千円) | 受注残高 (千円) | 受注高 (千円) | 受注残高 (千円) | 受注高 (千円) | 受注残高 (千円) | ||
| IoT関連事業 | 5,559,336 | 1,199,776 | 4,812,978 | 1,362,547 | △746,358 | 162,771 | |
| 環境エネルギー事業 | 1,053,194 | 340,802 | 820,269 | 388,040 | △232,925 | 47,237 | |
| インダストリー4.0推進事業 | 1,577,623 | 165,882 | 1,175,207 | 116,936 | △402,415 | △48,946 | |
| 合計 | 8,190,154 | 1,706,461 | 6,808,454 | 1,867,523 | △1,381,700 | 161,062 | |
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.上記金額には、見込み生産を行っている事業は含まれておりません。
3)販売実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 増減 | ||
| 金額(千円) | 金額(千円) | 金額(千円) | 増減率(%) | ||
| IoT関連事業 | 4,971,758 | 4,642,544 | △329,213 | △6.6 | |
| 環境エネルギー事業 | 1,131,985 | 813,333 | △318,652 | △28.1 | |
| インダストリー4.0推進事業 | 1,882,677 | 1,627,548 | △255,128 | △13.6 | |
| 合計 | 7,986,421 | 7,083,426 | △902,994 | △11.3 | |
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。なお、金額には、消費税等は含まれておりません。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社 | 2,910,754 | 36.4 | 2,133,240 | 30.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績は、前連結会計年度比で減収減益となりました。
この主な要因としては、IoT関連事業セグメントにおいて顧客の2社購買方針により競合他社へ売上の一部が流れたことや、各事業セグメントにおいて新型コロナウイルス感染症による売上計上時期の後ろ倒しや、営業活動の制限により積極的な営業展開が出来なかったこと等であると認識しております。
新型コロナウイルス感染症の影響について、製造ラインの停止や部品が調達できなくなるといった供給面での影響は現時点ではないものの、顧客の設備投資意欲の低下や、製品の納入が先延ばしになる等、足元での需要面については影響があると認識しております。しかしながら、当社の主力事業であるIoT関連事業セグメントにおいては、顧客の中長期的な設備投資計画の考え方に現在のところ大きな影響は出ておらず、影響はある程度一過性のものであると認識しております。
当社グループでは、ROEの向上を重要な指標の一つとしておりますが、当連結会計年度では13.2%(前期ROE25.2%)となり、前期より12.0ポイント減少いたしました。ROEが減少した主な要因として、当連結会計年度での減益及び前期に行った増資が影響していると分析しております。ROEの算出に使用する自己資本の値は2期平均となっているため、前期は増資前と増資後の自己資本の平均となっておりましたが、当連結会計年度では増資後の自己資本を平均した値を使用することとなり、ROEの減少につながったと認識しております。結果的に、ES(エクイティスプレッド)は7.0%(前期ES19.0%)となりました。
今後は、優先的に対処すべき課題としても挙げている技術開発体制の強化、クライアントニーズへの迅速な対応、原価低減と生産効率の向上等に努め、自己資本を活用しながら利益を向上させてまいります。
また、株主資本コストの低下に資する活動(適切な情報開示や積極的な対話等)を通して、ESの向上に努めてまいります。
2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ383百万円減少し、10,005百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ336百万円減少し、8,575百万円となりました。これは、現金及び預金が107百万円、受取手形及び売掛金が438百万円それぞれ増加したものの、電子記録債権が910百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ47百万円減少し、1,430百万円となりました。これは、投資有価証券が96百万円増加したものの、のれんが82百万円、繰延税金資産が17百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ949百万円減少し、2,132百万円となりました。これは、未払法人税等が390百万円、前受金(流動負債「その他」)が248百万円、1年内を含む社債及び借入金が247百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ566百万円増加し、7,872百万円となりました。これは、前事業年度の期末配当金199百万円及び自己株式の純増846百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益1,004百万円の計上や自己株式の処分差益による資本剰余金の増加633百万円等によるものであります。
3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、銀行借入又は社債発行により資金調達しております。このうち、運転資金については短期借入金で、設備又は企業買収等の長期資金については長期借入金又は社債で調達しております。
また、前連結会計年度において、第10回新株予約権を発行し2,298百万円の資金調達を行いました。
2020年5月31日現在の有利子負債残高は、短期借入金190百万円、社債150百万円及び長期借入金466百万円となっております。
その他、積極的な事業展開に必要な資金需要に対して、安定的かつ機動的な資金調達体制を構築するため、複数の金融機関との間で合計2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高2,000百万円)。
今後の設備資金の主なものとしては、当社横浜工場の製造設備等の増強がありますが、自己資金及び借入金による投資を予定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日現在における資産、負債並びに報告期間における収益、費用に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。また、その設定にあたっては、過去の実績や状況を鑑み、合理的であると考えられる種々の要因に基づいて、継続して見積り及び判断したものであります。しかしながら、これらは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当連結会計年度における、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
当社グループで重要であると考えられる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、以下のとおりであります。
1)固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額並びに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額の見積額が減少した場合、追加の減損処理が必要となる可能性があります。
2)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保でき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が変動した場合、繰延税金資産が増額又は減額され、税金費用に影響を及ぼす可能性があります。