有価証券報告書-第35期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
経営成績等の概要
(1) 経営成績に関する分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税増税の影響や新型コロナウイルス感染の影響などにより厳しい状況が継続し、また世界各国においても新型コロナウイルス拡散への対応に追われ経済的には厳しい局面が続きました。
このような状況の中、当社グループはバイオ関連業界において、血液や組織細胞などの検体から遺伝子を抽出するための自動化装置(DNA自動抽出装置)を中心として、遺伝子研究の現場に対し様々な自動化装置を事業展開してまいりました。また、遺伝子の抽出技術に増幅・測定技術を組み合わせた全自動遺伝子診断装置を開発し、これまでの研究開発分野に加えて病院や検査センターなどの臨床診断分野も対象として販売を開始しております。更に、装置の使用に伴い消費される試薬(DNA抽出用の試薬)や反応容器などのプラスチック消耗品の製造販売にも注力いたしました。
これら製品は、世界的な販売網を有するバイオ関連業界の大手企業との契約によるOEM販売(相手先ブランドによる販売)を中心に、国内及び欧米子会社を通じた自社販売も含め、ワールドワイドに事業展開しております。
当連結会計年度は、売上高は5,067百万円(前期比15.7%増)、売上総利益は1,557百万円(前期比0.4%増)となりました。特に世界的な新型コロナウイルス「COVID-19」確定迅速検査の需要に対応するために、エリテック社向けOEM製品である全自動PCR検査装置や、DNA自動抽出装置の販売とそれらに付属する消耗品(抽出試薬、プラスチック消耗品)の販売は好調に推移したことにより前年同期比で売上増となったものの、試薬量産コストダウンの積極的な設備投資により減価償却費が増加したこと、見込んでいた受注開発案件が獲得できなかったこと等による減益要因があり、売上総利益はほぼ前年同期比並みとなりました。
一方、費用面においては、研究開発費は全自動PCR検査システムの応用開発費用等もあり、研究開発費は522百万円(前期比38.4%増)と増加したこと等により、販売費及び一般管理費は、1,639百万円(前期比18.2%増)となりました。これらの結果、営業損失は△82百万円(前期は営業利益163百万円)となりました。
その他、支払利息8百万円などの計上により、経常損失は△91百万円(前期は経常利益139百万円)となり、更に、特別損失として製品補償費33百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、△114百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益130百万円)となりました。
売上構成は、次のとおりであります。
① 装置
当連結会計年度は、売上高は2,947百万円(前期比9.3%増)となりました。詳細は、以下のとおりであります。
(a) ラボ(研究室)自動化装置
従来より事業展開しているDNA自動抽出装置を中心としたラボ向けの各種自動化装置の販売に関する区分であります。当連結会計年度は、売上高は1,651百万円(前期比2.6%増)となりました。増収の要因は、ワールドワイドの取引先にOEM供給をしているDNA自動抽出装置の販売が順調に推移していることによるものです。
(b) 臨床診断装置
当社の事業領域として、遺伝子を利用した臨床診断分野が拡大しています。従来の研究開発分野に加えて、この分野の拡大に注力していきたいと考えています。
当連結会計年度は、売上高は1,295百万円(前期比19.3%増)となりました。売上高については、エリテック社向け全自動PCR検査装置の販売は好調であり、増収となりました。
② 試薬・消耗品
当区分は、当社装置の使用に伴い消費される、DNA抽出用の試薬や反応容器などの専用プラスチック消耗品の区分であります。試薬に関しては、自社ブランド装置用のほか、一部OEM先に当社のDNA抽出試薬を供給しております。その他のOEM先は、OEM先が自社で試薬を製造販売しておりますが、プラスチック消耗品は当社から購入する契約となっております。
当連結会計年度は、売上高は1,559百万円(前期比47.3%増)となりました。特に世界的な新型コロナウイルス「COVID-19」確定迅速検査の急増する需要に対応するための増産により、前年同期比で増収となりました。
③ メンテナンス関連
当区分は、装置メンテナンスやスペアパーツ(交換部品)販売などの区分であります。主要なOEM先は、OEM先が自社でメンテナンス対応しておりますが、スペアパーツは当社から購入する契約となっております。
当連結会計年度は、売上高は303百万円(前期比3.5%減)となりました。当該区分は、装置の累積販売台数に応じて売上高は伸長していく傾向にあります。
④ 受託製造
当区分は、子会社の製造工場であるエヌピーエス㈱が実施している、当社以外の外部からの受託製造事業の区分であります。
当連結会計年度は、売上高は256百万円(前期比17.8%減)となりました。当区分は、エヌピーエス株式会社の収益確保のための事業となっています。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び預金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ267百万円増加し、2,093百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>売上債権の増加額373百万円による資金の減少や買掛金の増加額225百万円による資金の増加等により、営業活動によるキャッシュ・フローとして21百万円の減少(前年同期は403百万円の減少)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>有形固定資産の取得による支出208百万円、無形固定資産の取得による支出21百万円などの資金の減少があり、投資活動によるキャッシュ・フローとしては214百万円の減少(前年同期は94百万円の減少)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>長期借入金の返済による支出267百万円などの資金の減少がありましたが、長期借入れによる収入300百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が459百万円などにより財務活動によるキャッシュ・フローとしては510百万円の増加(前年同期は308百万円の増加)となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績を売上構成ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績を売上構成ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社グループ製品は、受注生産を基本としております。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を売上構成別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.売上構成間の取引については、相殺消去しております。
3.主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年9月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度は、売上高は5,067百万円(前年同期比15.7%増)となりました。特に世界的な新型コロナウイルス「COVID-19」確定迅速検査の需要に対応するために、エリテック社向けOEM製品である全自動PCR検査装置や、DNA自動抽出装置の販売とそれらに付属する消耗品(抽出試薬、プラスチック消耗品)の販売は好調に推移したことにより前年同期比で売上増となりました。
② 売上原価・売上総利益
試薬量産コストダウンの積極的な設備投資により減価償却費が増加したこと、見込んでいた受注開発案件が獲 得できなかったこと等による減益要因があり売上総利益率は、前年同期比では4.6ポイントの減少となりました。 それらの結果として、売上原価は3,509百万円(前年同期比24.0%増)、売上総利益は1,557百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
費用面においては、全自動PCR検査システムの応用開発費用等もあり、研究開発費は522百万円(前期比38.4%増)と増加したこと等により、販売費及び一般管理費は、1,639百万円(前期比18.2%増)となりました。
④ 営業外収益・営業外費用
営業外損益では、受取利息等の営業外収益は3百万円(前年同期比212.3%増)を計上した一方、支払利息等の営業外費用は12百万円(前年同期比53.2%減)を計上いたしました。
⑤ 営業損益・経常損益
上記の結果、営業損失は△82百万円(前年同期の営業利益は163百万円)、経常損失は△91百万円(前年同期の経常利益は139百万円)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純損益
特別損益において、特別損失として製品補償費33百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、△114百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益130百万円)となりました。
なお、1株当たり当期純損失金額は△4.41円(前期は1株当たり当期純利益金額5.35円)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費用及び部品購入のほか、研究開発費を含めた販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、工具器具及び備品購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期資金調達は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としておりますが、必要に応じて株式及び新株予約権発行による資金調達を行う場合があります。
なお、当連結会計年度末における借入金による有利子負債の残高は1,013百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,093百万円となっています。
② 財政状態の分析
a 資産
当連結会計年度末の資産合計は6,436百万円となり、前連結会計年度末に比べて932百万円の増加となりました。現金及び預金が267百万円、受取手形及び売掛金が373百万円増加いたしました。
b 負債
当連結会計年度末の負債合計は2,116百万円となり、前連結会計年度末に比べて588百万円の増加となりました。主な要因としては、支払手形及び買掛金が255百万円増加、長期借入金が93百万円増加いたしました。
c 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は4,320百万円となり、前連結会計年度末に比べて343百万円の増加となりました。主な要因としては、資本金が232百万円増加、資本剰余金が232百万円増加いたしました。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「経営成績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますので、ご参照ください。
(5) 継続企業の前提に関する事項について
当社グループは、競争が激しいバイオ関連市場でオリジナル技術を核に事業拡大していくため積極的な研究開発活動を行っているほか、売上拡大を目指し自社販売網の確立にも注力しております。その結果、これら先行投資により、継続的に営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが生じた結果として、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
しかしながら当社グループは、2019年6月期決算においては、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を計上しています。また、2018年8月27日に契約締結をして、第三者割当された新株予約権の権利行使に伴う新株発行による資金調達により、当連結会計年度末の手元資金(現金及び預金)残高は2,113百万円と財務基盤は安定しています。このため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
当社グループでは、当該状況を解消ならびに事業拡大に向けた中期事業計画の方針として、①既存OEM取引の深耕及び新規OEM契約の獲得、②自社製品のラインアップの充実と販売強化、③試薬ビジネスをはじめとする製品コストダウンによる利益率の向上を掲げ、売上拡大と利益確保を目指してまいります。
(6) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
2.キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.利払いは、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。
5. 2017年6月期、2018年6月期、2019年6月期及び2020年6月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
(1) 経営成績に関する分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税増税の影響や新型コロナウイルス感染の影響などにより厳しい状況が継続し、また世界各国においても新型コロナウイルス拡散への対応に追われ経済的には厳しい局面が続きました。
このような状況の中、当社グループはバイオ関連業界において、血液や組織細胞などの検体から遺伝子を抽出するための自動化装置(DNA自動抽出装置)を中心として、遺伝子研究の現場に対し様々な自動化装置を事業展開してまいりました。また、遺伝子の抽出技術に増幅・測定技術を組み合わせた全自動遺伝子診断装置を開発し、これまでの研究開発分野に加えて病院や検査センターなどの臨床診断分野も対象として販売を開始しております。更に、装置の使用に伴い消費される試薬(DNA抽出用の試薬)や反応容器などのプラスチック消耗品の製造販売にも注力いたしました。
これら製品は、世界的な販売網を有するバイオ関連業界の大手企業との契約によるOEM販売(相手先ブランドによる販売)を中心に、国内及び欧米子会社を通じた自社販売も含め、ワールドワイドに事業展開しております。
| 2019年6月期 (前連結会計年度) | 2020年6月期 (当連結会計年度) | 対前年同期 増減率 | |||
| 金額 | 百分比 | 金額 | 百分比 | ||
| 百万円 | % | 百万円 | % | % | |
| 売上高 | 4,381 | 100.0 | 5,067 | 100.0 | 15.7 |
| 売上総利益 | 1,551 | 35.4 | 1,557 | 30.7 | 0.4 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 163 | 3.7 | △82 | △1.6 | - |
| 経常利益又は経常損失(△) | 139 | 3.2 | △91 | △1.8 | - |
| 親会社株主に帰属する当期 純利益又は親会社株主に 帰属する当期純損失(△) | 130 | 3.0 | △114 | △2.3 | - |
当連結会計年度は、売上高は5,067百万円(前期比15.7%増)、売上総利益は1,557百万円(前期比0.4%増)となりました。特に世界的な新型コロナウイルス「COVID-19」確定迅速検査の需要に対応するために、エリテック社向けOEM製品である全自動PCR検査装置や、DNA自動抽出装置の販売とそれらに付属する消耗品(抽出試薬、プラスチック消耗品)の販売は好調に推移したことにより前年同期比で売上増となったものの、試薬量産コストダウンの積極的な設備投資により減価償却費が増加したこと、見込んでいた受注開発案件が獲得できなかったこと等による減益要因があり、売上総利益はほぼ前年同期比並みとなりました。
一方、費用面においては、研究開発費は全自動PCR検査システムの応用開発費用等もあり、研究開発費は522百万円(前期比38.4%増)と増加したこと等により、販売費及び一般管理費は、1,639百万円(前期比18.2%増)となりました。これらの結果、営業損失は△82百万円(前期は営業利益163百万円)となりました。
その他、支払利息8百万円などの計上により、経常損失は△91百万円(前期は経常利益139百万円)となり、更に、特別損失として製品補償費33百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、△114百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益130百万円)となりました。
売上構成は、次のとおりであります。
① 装置
当連結会計年度は、売上高は2,947百万円(前期比9.3%増)となりました。詳細は、以下のとおりであります。
(a) ラボ(研究室)自動化装置
従来より事業展開しているDNA自動抽出装置を中心としたラボ向けの各種自動化装置の販売に関する区分であります。当連結会計年度は、売上高は1,651百万円(前期比2.6%増)となりました。増収の要因は、ワールドワイドの取引先にOEM供給をしているDNA自動抽出装置の販売が順調に推移していることによるものです。
(b) 臨床診断装置
当社の事業領域として、遺伝子を利用した臨床診断分野が拡大しています。従来の研究開発分野に加えて、この分野の拡大に注力していきたいと考えています。
当連結会計年度は、売上高は1,295百万円(前期比19.3%増)となりました。売上高については、エリテック社向け全自動PCR検査装置の販売は好調であり、増収となりました。
② 試薬・消耗品
当区分は、当社装置の使用に伴い消費される、DNA抽出用の試薬や反応容器などの専用プラスチック消耗品の区分であります。試薬に関しては、自社ブランド装置用のほか、一部OEM先に当社のDNA抽出試薬を供給しております。その他のOEM先は、OEM先が自社で試薬を製造販売しておりますが、プラスチック消耗品は当社から購入する契約となっております。
当連結会計年度は、売上高は1,559百万円(前期比47.3%増)となりました。特に世界的な新型コロナウイルス「COVID-19」確定迅速検査の急増する需要に対応するための増産により、前年同期比で増収となりました。
③ メンテナンス関連
当区分は、装置メンテナンスやスペアパーツ(交換部品)販売などの区分であります。主要なOEM先は、OEM先が自社でメンテナンス対応しておりますが、スペアパーツは当社から購入する契約となっております。
当連結会計年度は、売上高は303百万円(前期比3.5%減)となりました。当該区分は、装置の累積販売台数に応じて売上高は伸長していく傾向にあります。
④ 受託製造
当区分は、子会社の製造工場であるエヌピーエス㈱が実施している、当社以外の外部からの受託製造事業の区分であります。
当連結会計年度は、売上高は256百万円(前期比17.8%減)となりました。当区分は、エヌピーエス株式会社の収益確保のための事業となっています。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び預金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ267百万円増加し、2,093百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>売上債権の増加額373百万円による資金の減少や買掛金の増加額225百万円による資金の増加等により、営業活動によるキャッシュ・フローとして21百万円の減少(前年同期は403百万円の減少)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>有形固定資産の取得による支出208百万円、無形固定資産の取得による支出21百万円などの資金の減少があり、投資活動によるキャッシュ・フローとしては214百万円の減少(前年同期は94百万円の減少)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>長期借入金の返済による支出267百万円などの資金の減少がありましたが、長期借入れによる収入300百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が459百万円などにより財務活動によるキャッシュ・フローとしては510百万円の増加(前年同期は308百万円の増加)となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績を売上構成ごとに示すと、次のとおりであります。
| 売上構成 | 当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | 前年同期比(%) |
| 装置(千円) | 2,183,517 | 8.4 |
| 試薬・消耗品(千円) | 1,047,733 | 40.0 |
| メンテナンス関連(千円) | 147,904 | △6.8 |
| 受託製造(千円) | 90,533 | △62.4 |
| 合計(千円) | 3,469,689 | 9.7 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績を売上構成ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社グループ製品は、受注生産を基本としております。
| 売上構成 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 装置 | 3,198,276 | 56.8 | 979,310 | 34.5 |
| 試薬・消耗品 | 1,560,026 | 47.3 | - | - |
| メンテナンス関連 | 303,655 | △3.5 | - | - |
| 受託製造 | 256,559 | △17.8 | - | - |
| 合計 | 5,318,518 | 42.8 | 979,310 | 34.5 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を売上構成別に示すと、次のとおりであります。
| 売上構成 | 当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | 前年同期比(%) |
| 装置 | 2,947,070 | 9.3 |
| 試薬・消耗品 | 1,559,947 | 47.3 |
| メンテナンス関連 | 303,655 | △3.5 |
| 受託製造 | 256,557 | △17.8 |
| 合計(千円) | 5,067,231 | 15.7 |
(注) 1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.売上構成間の取引については、相殺消去しております。
3.主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ELITech Group S.p.A | 1,039,738 | 23.7 | 1,346,533 | 26.6 |
| QIAGEN Instruments AG | 692,621 | 15.8 | 690,212 | 13.6 |
| Roche Diagnostics GmbH | 497,412 | 11.4 | 501,995 | 9.9 |
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年9月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度は、売上高は5,067百万円(前年同期比15.7%増)となりました。特に世界的な新型コロナウイルス「COVID-19」確定迅速検査の需要に対応するために、エリテック社向けOEM製品である全自動PCR検査装置や、DNA自動抽出装置の販売とそれらに付属する消耗品(抽出試薬、プラスチック消耗品)の販売は好調に推移したことにより前年同期比で売上増となりました。
② 売上原価・売上総利益
試薬量産コストダウンの積極的な設備投資により減価償却費が増加したこと、見込んでいた受注開発案件が獲 得できなかったこと等による減益要因があり売上総利益率は、前年同期比では4.6ポイントの減少となりました。 それらの結果として、売上原価は3,509百万円(前年同期比24.0%増)、売上総利益は1,557百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
費用面においては、全自動PCR検査システムの応用開発費用等もあり、研究開発費は522百万円(前期比38.4%増)と増加したこと等により、販売費及び一般管理費は、1,639百万円(前期比18.2%増)となりました。
④ 営業外収益・営業外費用
営業外損益では、受取利息等の営業外収益は3百万円(前年同期比212.3%増)を計上した一方、支払利息等の営業外費用は12百万円(前年同期比53.2%減)を計上いたしました。
⑤ 営業損益・経常損益
上記の結果、営業損失は△82百万円(前年同期の営業利益は163百万円)、経常損失は△91百万円(前年同期の経常利益は139百万円)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純損益
特別損益において、特別損失として製品補償費33百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、△114百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益130百万円)となりました。
なお、1株当たり当期純損失金額は△4.41円(前期は1株当たり当期純利益金額5.35円)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費用及び部品購入のほか、研究開発費を含めた販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、工具器具及び備品購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期資金調達は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としておりますが、必要に応じて株式及び新株予約権発行による資金調達を行う場合があります。
なお、当連結会計年度末における借入金による有利子負債の残高は1,013百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,093百万円となっています。
② 財政状態の分析
a 資産
当連結会計年度末の資産合計は6,436百万円となり、前連結会計年度末に比べて932百万円の増加となりました。現金及び預金が267百万円、受取手形及び売掛金が373百万円増加いたしました。
b 負債
当連結会計年度末の負債合計は2,116百万円となり、前連結会計年度末に比べて588百万円の増加となりました。主な要因としては、支払手形及び買掛金が255百万円増加、長期借入金が93百万円増加いたしました。
c 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は4,320百万円となり、前連結会計年度末に比べて343百万円の増加となりました。主な要因としては、資本金が232百万円増加、資本剰余金が232百万円増加いたしました。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「経営成績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますので、ご参照ください。
(5) 継続企業の前提に関する事項について
当社グループは、競争が激しいバイオ関連市場でオリジナル技術を核に事業拡大していくため積極的な研究開発活動を行っているほか、売上拡大を目指し自社販売網の確立にも注力しております。その結果、これら先行投資により、継続的に営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが生じた結果として、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
しかしながら当社グループは、2019年6月期決算においては、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を計上しています。また、2018年8月27日に契約締結をして、第三者割当された新株予約権の権利行使に伴う新株発行による資金調達により、当連結会計年度末の手元資金(現金及び預金)残高は2,113百万円と財務基盤は安定しています。このため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
当社グループでは、当該状況を解消ならびに事業拡大に向けた中期事業計画の方針として、①既存OEM取引の深耕及び新規OEM契約の獲得、②自社製品のラインアップの充実と販売強化、③試薬ビジネスをはじめとする製品コストダウンによる利益率の向上を掲げ、売上拡大と利益確保を目指してまいります。
(6) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
| 2016年6月期 | 2017年6月期 | 2018年6月期 | 2019年6月期 | 2020年6月期 (当連結会計年度) | |
| 自己資本比率(%) | 58.3 | 64.6 | 64.2 | 72.2 | 67.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 120.9 | 385.1 | 219.9 | 194.4 | 1,010.5 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 19.9 | ― | ― | ― | ― |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) | 4.9 | ― | ― | ― | ― |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
2.キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.利払いは、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。
5. 2017年6月期、2018年6月期、2019年6月期及び2020年6月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。