四半期報告書-第59期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループは、創業以来の原点である「現場主義」「顧客第一主義」を徹底し、製造業としての基本3本柱
である「もっとも高品質で環境に配慮した製品を、どこよりも競争力のある価格で、必要なときに確実にお届け
する」を実践しております。2021年は「共振」をテーマにあらゆる部門がお互いを理解し、協力し合うことで
大きなシナジー効果を生み出し、さらなる成長を目指してまいります。
(当社中部第一工場における火災事故について)
2020年11月30日、当社中部第一工場(岐阜県輪之内町)において火災事故が発生いたしました。近隣住民の皆様をはじめ、お取引先様並びに関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
この火災による人的被害および近隣への被害はございませんでした。物的被害として、建物が電気室・原反置き場を中心に火災による損傷を受け、成形場の成形機8ラインも火災による熱風及び放水により損傷を受けました。一方、金型については被害を免れました。当該工場で生産しておりました製品につきましては、関東地区・福山
地区での代替生産を実施しており、お取引先様へ問題なく製品供給を継続できております。
再発防止策として、中部第一工場において出火場所となった受電設備について、全国の工場で各機器の交換期限を見直し、順次交換を進めるとともに、点検方法の見直しを進めてまいります。
なお、当該工場は築28年の古い工場でもあることから、今後の中部地区での需要増に対応するため、新たに拡張のうえ建て替えることとし、2022年5月までの新工場完成を目指してまいります。
(新型コロナウイルスの影響について)
当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日から2020年12月31日まで)は、2020年4月から5月にかけての緊急事態宣言下において外出自粛により生まれる「巣ごもり消費」が活発となり、緊急事態宣言解除後は、新型コロナウイルスとの共存を前提とした「新しい生活様式」への対応が浸透するなど、消費者の購買行動に変化が見られました。
スーパーマーケット向け容器については、家庭での食事をする機会が増加したことに伴い、精肉・鮮魚など生鮮向け容器等の出荷が大幅に増加しました。加えて、お客様による当社の環境配慮製品(エコ製品)への切り替えが進んでいることもあり、出荷増の傾向が続いております。
コンビニエンスストア向け容器については、オフィス街・繁華街・観光地における店舗の売上が低迷したことにより出荷減の傾向が続いております。
飲食店向けのテイクアウト・デリバリー容器については、緊急事態宣言下の5月に出荷が急増いたしました。
緊急事態宣言解除後は一時的な需要増加が落ち着きを見せた一方、大手外食チェーンが戦略的な取り組みを開始したことにより、テイクアウト・デリバリーが新たなマーケットとして拡大しつつあります。
駅弁・行楽・イベント向け容器については、都道府県をまたぐ出張、観光及びイベントの自粛等の影響が続いたことにより出荷が大幅に減少しており、需要回復には至っておりません。
このような新型コロナ下における消費者の購買行動の変化により製品販売構成が大きく変化する中、当社
グループは、全国の需要予測・生産・物流をタイムリーに一元管理するサプライチェーンマネジメントシステムにより、適正な在庫水準を維持しつつ製品を安定的に供給できた点をお取引先様より評価いただいております。
安全・安心な食生活を支えるため、必要な感染防止対策を徹底し、引き続き安定供給に努めてまいります。
(積水ヒノマル株式会社からの事業譲受について)
当社グループは、2020年10月1日をもって積水ヒノマル株式会社からプラスチック製食品容器の製造・販売を
行う成形品事業の譲受を完了し、139名の従業員を新たに迎えました。本事業譲受により、練物・塩干・明太子など水産物向け製品ラインナップの拡充や、新規顧客との取引による販売ネットワークが拡大いたしました。さらに、サプライチェーンマネジメントシステムの統合による安定供給の実現、スケールメリットを活かした原材料の調達コスト削減、製品軽量化による省資源化、工場スペースの有効利用による生産能力向上、路線便から自社便へ
の移行による物流コスト削減など多くのシナジー効果を見込んでおります。なお、10月1日の事業譲受がトラブルなく完了できたことから、事業を譲り受けた初月より想定以上の利益を生み出しております。
(売上高の状況)
当第3四半期連結累計期間の売上高は1,516億58百万円となり、前年同期に比べ72億79百万円の増収(前年同期比105.0%)、過去最高となりました。当社グループにおいて生産する製品の売上高は1,172億33百万円(前年同期比106.2%)、当社グループが仕入販売する商品の売上高は344億24百万円(前年同期比101.4%)となりました。
製品売上数量につきましては、第1四半期連結会計期間(2020年4月1日から2020年6月30日まで)は前年同期比106.8%、第2四半期連結会計期間(2020年7月1日から2020年9月30日まで)は前年同期比104.9%、当第3
四半期連結会計期間(2020年10月1日から2020年12月31日まで)は前年同期比109.4%となり、当第3四半期連結累計期間では107.1%となりました。なお、当第3四半期連結会計期間については、積水ヒノマル株式会社からの事業譲受に伴い3.6%の増加影響がありました。
(利益の状況)
当第3四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期に比べ26億56百万円の増益となる154億67百万円(前年同期比120.7%)、経常利益は前年同期に比べ25億93百万円の増益(※1)となる159億4百万円(前年同期比119.5%)、償却前経常利益は261億38百万円(前年同期比111.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は106億8百万円(前年同期比120.7%)となり、いずれも過去最高益を更新いたしました。利益増加要因として、原材料価格の影響や「巣ごもり消費」に伴う製品販売量の増加等があった一方、減少要因として、人件費・減価償却費等の増加がありました。なお、中部第一工場の火災事故に伴い、火災損失19億88百万円を特別損失として計上した
一方、受取保険金20億円を特別利益として計上しております。
当第3四半期連結累計期間において、2020年10月30日修正計画公表時点の社内見通しを上回りました。主な要因は、内食需要の拡大に伴うスーパーマーケット向け容器の出荷増加、飲食店におけるテイクアウト・デリバリーの市場拡大、積水ヒノマル株式会社からの事業譲受に伴う利益貢献及び販売数量増加に伴う各部門における改善効果によるものです。なお、このような状況を踏まえ、通期連結業績予想を修正しております。
(※1)経常利益 利益増減要因
(営業活動の状況)
当社グループは、消費者のライフスタイルに合わせた付加価値の高い新製品の開発と品揃えのスピードを加速
させ、売上高の増加と利益率の向上を図っております。
テイクアウト・デリバリーの市場が拡大する中、2019年10月に上市した専用の麺容器に加え、2020年7月より、漏れにくく、かつ積み重ねても輸送時に荷崩れしにくい「連結かん合」(※2)を採用した容器や、蓋と本体を
切り離せる仕様とすることで食べやすさを向上させた折り蓋式のランチBOXを上市いたしました。新たな需要の
取り込みに向け、当社グループは包装資材のECサイト「パックマーケット」の充実、テイクアウト・デリバリーに取り組むお客様への製品カタログや専用容器のサンプル提供、SNSを活用した情報発信等の取り組みを進めております。
(※2)連結かん合:蓋付き状態の容器を積み重ねた際、本体底面と蓋天面がかん合し、連結する仕様
テイクアウト・デリバリーの輸送時に荷崩れしにくいという利点があります。

(生産部門の状況)
当社グループの生産部門において、オペレーターの技術向上、段取り時間の短縮、生産設備の性能アップ、金型抜型の改善などを行った結果、時間当たりショット数の推移が2008年3月期と比較して15%改善しております。
全国の成形工場では、2020年12月末時点で生産工程48ラインに自動化設備78台が稼働し184人の省人化を達成しており、2021年3月末には202人まで省人化を達成する見込みです。
また生産工場では、食品安全管理の認証であるFSSC22000認証を、2020年12月末時点で22工場において取得しております。さらに、サプライチェーンマネジメントシステムにおいて、約10,000品目の製品のうち、約5,000品目を対象としてAIを活用した販売予測を行っており、今後更なる精度向上と効率化を図ってまいります。
当社グループは2020年5月、兵庫県小野市に工場用地(敷地面積約48,000㎡)を取得いたしました。近年需要が高まるエコ製品を中心とした生産能力増強及び生産拠点の最適化を図るため、新たな生産工場の建設を計画しております。また、大都市圏である近畿エリアにおける新たな物流拠点とすることで、配送時間短縮及び物流コスト
抑制を見込むとともに、自然災害時の事業継続と安定供給の強化が可能になるものと考えております。総投資額は244億円を予定しており、2022年9月の完成を目指してまいります。加えて、近隣に独身寮(ピコハウス)を建設し、人材確保に努めてまいります。
(物流部門の状況)
当社グループは、物流コスト抑制のため、自社便比率を高め、かつトラック1台あたりの積載効率の向上に努めております。
物流倉庫内作業においては、省人化を目的に、2020年12月末時点で無人搬送車(Automated Guided Vehicle)を全国7拠点29台、無人搬送フォークリフト(Automated Guided Forklift)2台を導入しており、省人化に向けた取り組みを一層強化してまいります。加えて、音声ピッキングシステムによるピッキング作業の生産性を高めるなど、繁忙期の安定供給に向けた取り組みを進めてまいります。
当社製品の拠点間輸送においては、従来、トラックへの製品の積込みや荷下ろし等の荷役作業をすべて手作業で行っておりましたが、製品をパレットに載せたままトラックへ積込む「パレット輸送」を組み込むことで、荷役
時間の大幅な短縮が可能になりました。2020年12月末時点で5路線において実施しており、今後、実施路線の拡大を図ってまいります。
その他、当社グループは、BCP(事業継続計画)の一環として、災害などにより停電が発生した際にも入出荷
業務を継続するため、全国の主要物流拠点すべてに非常用自家発電設備の設置と、72時間(3日間)の電力を確保するための燃料の備蓄をしております。
なお、今後の需要増加への対応及び製品の安定供給を目的として、九州配送センター(2020年9月完成、延床
面積3,554㎡)、福山配送センター(2020年11月完成、延床面積23,722㎡)に加え、中部配送センター(2021年
9月完成予定、延床面積27,575㎡)をそれぞれ既存の物流施設に隣接する形で増築いたします。加えて、中部配送センターには製品の納品エリアに応じて自動仕分を行うソーターシステムを導入予定であり、物流ネットワークのさらなる増強を図ってまいります。
(働き方改革への取り組み)
当社グループは、ダイバーシティ(多様性)の推進に向け、障がいのある従業員が活躍できる仕事内容を考え、働きやすい職場環境を創出して障がいのある従業員の雇用を促進しております。2020年3月時点で、エフピコ
グループの障がい者雇用率は13.3%となりました。また、女性の職域拡大、継続就業支援、管理職の増加を目指す取り組みに関して「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」を厚生労働省の女性の活躍推進企業データ
ベースに掲載し、2019年以降の女性総合職の採用比率を30%以上、2022年までに女性管理職50名の登用を目標として定め、様々な取り組みを推進しております。
当社は始終業時刻をスライドする時差出勤を導入しており、勤務時間帯の選択肢を広げ、担当業務ごとの繁忙
時間帯に集中して働き、作業生産性を向上させることで長時間残業を削減する働き方改革を推進しております。
加えて、活力のある職場づくりを推進するため、2019年3月期より5日間の連続有給休暇(スマイル休暇)の取得を義務化し、2021年3月期より時間単位の年次有給休暇制度を導入いたしました。さらに、従業員が災害復旧活動及びエフピコ環境基金助成対象活動へ参加する場合に付与する特別休暇制度を導入し、従業員のボランティア活動をサポートしております。
従業員の働く環境の整備として、給与水準向上の他、設備投資を積極的に行っております。家具家電付のワン
ルームマンションタイプ独身寮であるピコハウス1号館(茨城県筑西市、150戸、2017年1月完成)、ピコハウス2号館(岐阜県安八郡輪之内町、102戸、2017年3月完成)、ピコハウス3号館(茨城県古河市、63戸、2020年
3月完成)及びピコハウス4号館(広島県福山市、18戸、2020年10月完成)に加え、障がいのある従業員の働く
環境の充実を図るため、障がい者向けグループホーム(20戸、2020年4月完成)を建設いたしました。
今後も、積極的な人材への投資を継続することで、企業価値向上を図ってまいります。
(循環型社会実現に向けた取り組み)
当社グループは、海洋プラスチックごみ問題及び気候変動問題を対処すべき重要な課題と考えており、課題解決に向けて以下の取り組みを推進しております。
①リサイクルの推進
当社グループ一丸となって、リサイクルに本気で取り組んでおります。1990年に6ヶ所のスーパーマーケットの使用済み容器回収ボックスからスタートしたエフピコ方式のリサイクルは、消費者の皆様のご理解・ご協力をいただき、2020年12月末時点で回収拠点が9,800ヶ所を超えました。この当社グループの自主的な取り組みは、1997年に施行された容器包装リサイクル法に基づく分別・収集の仕組みと合わせて、使用済み容器を資源として有効利用する社会インフラとして定着しております。
使用済み容器の回収量増加を図るため、タレントのLiLiCoさんを起用した「使ったらリサイクル。トレーは
トレーにできるのよ!」「コレ、資源にできるの。使い捨てはもうヤメよ!」などのメッセージを記載した
リサイクル推進ポスターを作成し、2020年12月末時点でスーパーマーケット216企業7,292店舗にて掲示いただいております。また、全国各地のリサイクル拠点において、工場見学を積極的に実施しており、消費者の皆様を
はじめ、お取引先様、教育機関、行政機関など、毎年約2万人の方々をお迎えしております。引き続き、食品容器は使い捨てではなく貴重な資源として再利用できることをより多くの消費者の皆様にお伝えしてまいります。
当第3四半期連結累計期間において、使用済みトレー及び使用済みPETボトルを原料としたエコ製品(エコ
トレー、エコAPET容器、エコOPET容器)が製品売上枚数に占める割合は45%となりました。なお、APET容器(OPET容器含む)についてはすべてエコ製品への切り替えが完了いたしました。
エコAPET容器及びエコOPET容器の販売拡大に向け、再生PET原料の生産能力増強の取り組みを実施した結果、2021年3月期の再生PET原料の生産能力は年間約6万トン(2019年3月期:5万トン、2020年3月期:5.7万
トン)まで増強する見込みです。
②エフピコ環境基金(※3)を通じた環境問題の解決
海洋プラスチックごみ問題及び気候変動問題等の環境問題については、様々な要因が複雑に絡み合い、大きな
問題となっています。当社は、近年の地球規模の環境問題に対してさまざまな角度から活動をされている団体を
助成すべく、2020年3月にエフピコ環境基金を創設いたしました。2020年度については、2020年10月1日から2021年3月31日までの半年間の活動を対象に募集を行い、72件のご応募を頂いた中から、審査の結果、10団体への助成を決定いたしました。また2021年度については、2021年4月1日から2022年3月31日までの活動を対象に1案件
あたりの助成金を年間最大200万円として募集し、53件のご応募を頂いた中から現在助成先団体の選定を進めております。
また、助成対象活動に当社グループ従業員がボランティアとして参加し、助成先団体と共に海岸の清掃活動等を行うなど、引き続き環境問題の解決に向けて取り組んでまいります。
(※3)エフピコ環境基金ロゴマーク
③各種リサイクル手法及び代替素材の研究開発
当社グループは、リサイクルの拡大推進が海洋プラスチックごみ問題及び気候変動問題の有効な対策の一つと
考え、単一素材におけるリサイクルの技術と仕組みが確立しているエフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」「ボトルtoトレー」を着実に実行してまいります。さらに、発泡PS容器の完全循環型リサイクルを目指し、原料
メーカーと協業しケミカルリサイクルの検討を開始いたしました。従来、日用品雑貨等にリサイクルされていた
色柄付き発泡PS容器を、ポリスチレンの原料であるスチレンモノマーへ再生し、最終的に当社製品へのリサイクルを目指してまいります。
環境配慮製品ラインナップ拡大の一環として、2020年6月に植物由来原料を25%配合したバイオHIPS容器
4アイテム及びバイオPPF容器3アイテムを上市しております。これらは日本バイオプラスチック協会が定める
識別表示基準に適合しており、バイオマスプラスチック製品として認証されております。また、2021年4月には
紙トレー及び折り蓋式の紙容器の上市を予定しており、当社関東つくば工場へ生産ラインを導入しております。
引き続き、技術は進歩するという前提のもと、石油由来のプラスチックに代わる選択肢として、各種リサイクル手法の調査研究や紙・バイオマス等新素材の情報収集を進めるとともに、業界トップクラスの環境負荷低減容器の開発を通して、循環型社会の実現と持続可能な社会の構築を目指してまいります。
(ESG・SDGsへの取り組み)
当社グループは、エフピコ方式のリサイクル、障がい者雇用に加え、人権やガバナンスに関する取り組みの強化並びに情報開示の充実化等を図っております。
これらの取り組みの結果、当社は、FTSE Russell社が開発した「FTSE4Good Index Series」及び「FTSE Blossom Japan Index」の2020年6月時点の構成銘柄に2年連続で選定されております。なお、当社は、MSCI社が開発した「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」についても、2020年6月時点の構成銘柄に継続選定されております。
また、お取引先様である株式会社神戸物産(本社:兵庫県加古郡)、はごろもフーズ株式会社(本社:静岡市
駿河区)及びネスレ日本株式会社(本社:神戸市中央区)とともに、「NPO法人全国こども食堂支援センター・
むすびえ」がサポートする全国のこども食堂を支援するため、弁当容器・汁物容器を、2020年5月以降、計304,000セット提供いたしました。また、2020年12月以降、当社グループより全国の子ども食堂(200団体)へ
三層マスクを計40万枚寄贈いたしました。
引き続き、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた取り組みを実施してまいります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の
分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて164億18百万円増加し、2,589億15百万円となりました。主な増減は、売上高の増加及び当四半期連結会計期間末日が金融機関の休日であったことなどにより、受取手形及び売掛金が146億69百万円増加しております。また、福山配送センターの倉庫増築工事が
完成したことなどにより、有形固定資産が14億30百万円増加しております。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて86億10百万円増加し、1,318億6百万円となりました。主な増減は、仕入高の増加及び当四半期連結会計期間末日が金融機関の休日であったことなどにより、買掛金が54億9百万円
増加しております。また、設備関係未払金及び未払費用の増加などにより、流動負債のその他が44億83百万円増加しております。
また、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて78億7百万円増加し、1,271億8百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益106億8百万円及び剰余金の配当33億90百万円によるものであります。なお、自己株式の消却により、資本剰余金が4億40百万円、利益剰余金が30億19百万円、自己株式が34億60百万円それぞれ減少しております。
(5)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より15億34百万円減少し、187億53百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、158億80百万円(前年同期は164億63百万円の資金獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前四半期純利益156億19百万円、減価償却費102億34百万円、たな卸資産の減少15億49百万円及び仕入債務の増加54億9百万円などによる資金の増加、他方、売上債権の増加147億1百万円及び法人税等の支払額51億43百万円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、116億73百万円(前年同期は74億91百万円の支出)となりました。
これは主に、福山配送センターの倉庫増築及び生産設備等に関する有形固定資産の取得による支出99億94百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、57億41百万円(前年同期は109億30百万円の資金支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入175億67百万円と、長期借入金の返済による支出182億2百万円、リース債務の返済による支出17億8百万円及び配当金の支払額33億63百万円などによるものであります。
(6)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(7)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、9億10百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等の状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1 上記設備は連結子会社であるエフピコ物流株式会社に賃貸する予定です。
2 上記金額には、消費税等は含んでおりません。
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等のうち、当第3四半期連結累計期間において完了したものは次のとおりであります。
(注) 上記設備は連結子会社であるエフピコ物流株式会社に賃貸しております。
(9)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2021年1月7日より1都3県において緊急事態宣言が発出され、その後対象地域が拡大されるなど依然予断を許さない状況が続く中、当社グループは内食・中食需要動向の変化を引き
続き注視してまいります。中食分野では宅配専門店(ゴーストレストラン)を展開する動きが急速に広がっており、テイクアウト・デリバリーのマーケットは今後さらに拡大・定着していくものと見込まれます。
新たなマーケットとして、給食大手との協業により病院・介護食市場への事業展開を図っております。また、冷凍食品市場においては、-40℃~+110℃の耐寒・耐熱性及び断熱性を備えたマルチFP容器を使用することで、従来容器と比較し軽量化が可能である点を冷凍食品メーカー様よりご評価いただき採用が始まっております。事例として、2021年1月26日公表のプレスリリース「エフピコオリジナル製品のマルチFP容器 ニッスイの家庭用冷凍食品に採用」をご参照ください。
2021年3月に予定しております展示会「エフピコフェア2021」につきましては、「やっぱりこのお店だね
グルッと“いいね”に変えていく」をテーマにしております。開催方式は新型コロナウイルスの影響により現時点で未定ですが、最大限のご提案ができるよう準備を進めてまいります。
原料面については、2021年3月期第2四半期において、当社製品の主原料であるポリスチレン価格の値下がりがありましたが、第3四半期以降はポリスチレン価格が反転するなど、引き続き動向を注視してまいります。なお
第3四半期以降、ナフサ連動の販売先への売価影響を見込んでおります。
2021年1月よりバーゼル条約の改正附属書が発効され、一部の廃プラスチックを輸出する場合には相手国からの同意が必要となりました。また環境省及び経済産業省は、家庭から排出されるプラスチックのうち、プラスチック製容器包装だけでなくプラスチック製品も資源として分別・回収していくことや、事業者の自主回収に協力した
消費者に対するインセンティブ、事業者が実施する回収量向上策への支援等を検討しています。当社グループは、こうした国内外の法規制の変化をプラスチックの国内循環が加速する契機と位置付け、引き続き循環型社会の実現に向けて取り組んでまいります。
なお当社グループは、当第3四半期連結累計期間の業績及び現時点での見通しを踏まえ、2020年10月30日の
「業績予想の修正ならびに剰余金の配当(中間配当)及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」で公表いたしました通期の業績予想を修正いたしました。(※4)通期修正計画として、売上高1,960億円(前期比105.2%)、営業利益185億円(前期比119.3%)、経常利益192億円(前期比118.0%)、親会社株主に帰属する
当期純利益121億円(前期比112.3%)を見込んでおります。詳細につきましては、2021年1月29日公表の「業績
予想の修正及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」をご覧ください。今後、新型コロナウイルスの感染
拡大等の様々な要因によって業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。
(※4)経常利益 利益増減要因 修正後の通期見通し

(用語説明)
(1)経営成績の状況
当社グループは、創業以来の原点である「現場主義」「顧客第一主義」を徹底し、製造業としての基本3本柱
である「もっとも高品質で環境に配慮した製品を、どこよりも競争力のある価格で、必要なときに確実にお届け
する」を実践しております。2021年は「共振」をテーマにあらゆる部門がお互いを理解し、協力し合うことで
大きなシナジー効果を生み出し、さらなる成長を目指してまいります。
(当社中部第一工場における火災事故について)
2020年11月30日、当社中部第一工場(岐阜県輪之内町)において火災事故が発生いたしました。近隣住民の皆様をはじめ、お取引先様並びに関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
この火災による人的被害および近隣への被害はございませんでした。物的被害として、建物が電気室・原反置き場を中心に火災による損傷を受け、成形場の成形機8ラインも火災による熱風及び放水により損傷を受けました。一方、金型については被害を免れました。当該工場で生産しておりました製品につきましては、関東地区・福山
地区での代替生産を実施しており、お取引先様へ問題なく製品供給を継続できております。
再発防止策として、中部第一工場において出火場所となった受電設備について、全国の工場で各機器の交換期限を見直し、順次交換を進めるとともに、点検方法の見直しを進めてまいります。
なお、当該工場は築28年の古い工場でもあることから、今後の中部地区での需要増に対応するため、新たに拡張のうえ建て替えることとし、2022年5月までの新工場完成を目指してまいります。
(新型コロナウイルスの影響について)
当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日から2020年12月31日まで)は、2020年4月から5月にかけての緊急事態宣言下において外出自粛により生まれる「巣ごもり消費」が活発となり、緊急事態宣言解除後は、新型コロナウイルスとの共存を前提とした「新しい生活様式」への対応が浸透するなど、消費者の購買行動に変化が見られました。
スーパーマーケット向け容器については、家庭での食事をする機会が増加したことに伴い、精肉・鮮魚など生鮮向け容器等の出荷が大幅に増加しました。加えて、お客様による当社の環境配慮製品(エコ製品)への切り替えが進んでいることもあり、出荷増の傾向が続いております。
コンビニエンスストア向け容器については、オフィス街・繁華街・観光地における店舗の売上が低迷したことにより出荷減の傾向が続いております。
飲食店向けのテイクアウト・デリバリー容器については、緊急事態宣言下の5月に出荷が急増いたしました。
緊急事態宣言解除後は一時的な需要増加が落ち着きを見せた一方、大手外食チェーンが戦略的な取り組みを開始したことにより、テイクアウト・デリバリーが新たなマーケットとして拡大しつつあります。
駅弁・行楽・イベント向け容器については、都道府県をまたぐ出張、観光及びイベントの自粛等の影響が続いたことにより出荷が大幅に減少しており、需要回復には至っておりません。
このような新型コロナ下における消費者の購買行動の変化により製品販売構成が大きく変化する中、当社
グループは、全国の需要予測・生産・物流をタイムリーに一元管理するサプライチェーンマネジメントシステムにより、適正な在庫水準を維持しつつ製品を安定的に供給できた点をお取引先様より評価いただいております。
安全・安心な食生活を支えるため、必要な感染防止対策を徹底し、引き続き安定供給に努めてまいります。
(積水ヒノマル株式会社からの事業譲受について)
当社グループは、2020年10月1日をもって積水ヒノマル株式会社からプラスチック製食品容器の製造・販売を
行う成形品事業の譲受を完了し、139名の従業員を新たに迎えました。本事業譲受により、練物・塩干・明太子など水産物向け製品ラインナップの拡充や、新規顧客との取引による販売ネットワークが拡大いたしました。さらに、サプライチェーンマネジメントシステムの統合による安定供給の実現、スケールメリットを活かした原材料の調達コスト削減、製品軽量化による省資源化、工場スペースの有効利用による生産能力向上、路線便から自社便へ
の移行による物流コスト削減など多くのシナジー効果を見込んでおります。なお、10月1日の事業譲受がトラブルなく完了できたことから、事業を譲り受けた初月より想定以上の利益を生み出しております。
(売上高の状況)
当第3四半期連結累計期間の売上高は1,516億58百万円となり、前年同期に比べ72億79百万円の増収(前年同期比105.0%)、過去最高となりました。当社グループにおいて生産する製品の売上高は1,172億33百万円(前年同期比106.2%)、当社グループが仕入販売する商品の売上高は344億24百万円(前年同期比101.4%)となりました。
製品売上数量につきましては、第1四半期連結会計期間(2020年4月1日から2020年6月30日まで)は前年同期比106.8%、第2四半期連結会計期間(2020年7月1日から2020年9月30日まで)は前年同期比104.9%、当第3
四半期連結会計期間(2020年10月1日から2020年12月31日まで)は前年同期比109.4%となり、当第3四半期連結累計期間では107.1%となりました。なお、当第3四半期連結会計期間については、積水ヒノマル株式会社からの事業譲受に伴い3.6%の増加影響がありました。
(利益の状況)
当第3四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期に比べ26億56百万円の増益となる154億67百万円(前年同期比120.7%)、経常利益は前年同期に比べ25億93百万円の増益(※1)となる159億4百万円(前年同期比119.5%)、償却前経常利益は261億38百万円(前年同期比111.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は106億8百万円(前年同期比120.7%)となり、いずれも過去最高益を更新いたしました。利益増加要因として、原材料価格の影響や「巣ごもり消費」に伴う製品販売量の増加等があった一方、減少要因として、人件費・減価償却費等の増加がありました。なお、中部第一工場の火災事故に伴い、火災損失19億88百万円を特別損失として計上した
一方、受取保険金20億円を特別利益として計上しております。
当第3四半期連結累計期間において、2020年10月30日修正計画公表時点の社内見通しを上回りました。主な要因は、内食需要の拡大に伴うスーパーマーケット向け容器の出荷増加、飲食店におけるテイクアウト・デリバリーの市場拡大、積水ヒノマル株式会社からの事業譲受に伴う利益貢献及び販売数量増加に伴う各部門における改善効果によるものです。なお、このような状況を踏まえ、通期連結業績予想を修正しております。
(※1)経常利益 利益増減要因
(営業活動の状況)当社グループは、消費者のライフスタイルに合わせた付加価値の高い新製品の開発と品揃えのスピードを加速
させ、売上高の増加と利益率の向上を図っております。
テイクアウト・デリバリーの市場が拡大する中、2019年10月に上市した専用の麺容器に加え、2020年7月より、漏れにくく、かつ積み重ねても輸送時に荷崩れしにくい「連結かん合」(※2)を採用した容器や、蓋と本体を
切り離せる仕様とすることで食べやすさを向上させた折り蓋式のランチBOXを上市いたしました。新たな需要の
取り込みに向け、当社グループは包装資材のECサイト「パックマーケット」の充実、テイクアウト・デリバリーに取り組むお客様への製品カタログや専用容器のサンプル提供、SNSを活用した情報発信等の取り組みを進めております。
(※2)連結かん合:蓋付き状態の容器を積み重ねた際、本体底面と蓋天面がかん合し、連結する仕様
テイクアウト・デリバリーの輸送時に荷崩れしにくいという利点があります。

(生産部門の状況)
当社グループの生産部門において、オペレーターの技術向上、段取り時間の短縮、生産設備の性能アップ、金型抜型の改善などを行った結果、時間当たりショット数の推移が2008年3月期と比較して15%改善しております。
全国の成形工場では、2020年12月末時点で生産工程48ラインに自動化設備78台が稼働し184人の省人化を達成しており、2021年3月末には202人まで省人化を達成する見込みです。
また生産工場では、食品安全管理の認証であるFSSC22000認証を、2020年12月末時点で22工場において取得しております。さらに、サプライチェーンマネジメントシステムにおいて、約10,000品目の製品のうち、約5,000品目を対象としてAIを活用した販売予測を行っており、今後更なる精度向上と効率化を図ってまいります。
当社グループは2020年5月、兵庫県小野市に工場用地(敷地面積約48,000㎡)を取得いたしました。近年需要が高まるエコ製品を中心とした生産能力増強及び生産拠点の最適化を図るため、新たな生産工場の建設を計画しております。また、大都市圏である近畿エリアにおける新たな物流拠点とすることで、配送時間短縮及び物流コスト
抑制を見込むとともに、自然災害時の事業継続と安定供給の強化が可能になるものと考えております。総投資額は244億円を予定しており、2022年9月の完成を目指してまいります。加えて、近隣に独身寮(ピコハウス)を建設し、人材確保に努めてまいります。
(物流部門の状況)
当社グループは、物流コスト抑制のため、自社便比率を高め、かつトラック1台あたりの積載効率の向上に努めております。
物流倉庫内作業においては、省人化を目的に、2020年12月末時点で無人搬送車(Automated Guided Vehicle)を全国7拠点29台、無人搬送フォークリフト(Automated Guided Forklift)2台を導入しており、省人化に向けた取り組みを一層強化してまいります。加えて、音声ピッキングシステムによるピッキング作業の生産性を高めるなど、繁忙期の安定供給に向けた取り組みを進めてまいります。
当社製品の拠点間輸送においては、従来、トラックへの製品の積込みや荷下ろし等の荷役作業をすべて手作業で行っておりましたが、製品をパレットに載せたままトラックへ積込む「パレット輸送」を組み込むことで、荷役
時間の大幅な短縮が可能になりました。2020年12月末時点で5路線において実施しており、今後、実施路線の拡大を図ってまいります。
その他、当社グループは、BCP(事業継続計画)の一環として、災害などにより停電が発生した際にも入出荷
業務を継続するため、全国の主要物流拠点すべてに非常用自家発電設備の設置と、72時間(3日間)の電力を確保するための燃料の備蓄をしております。
なお、今後の需要増加への対応及び製品の安定供給を目的として、九州配送センター(2020年9月完成、延床
面積3,554㎡)、福山配送センター(2020年11月完成、延床面積23,722㎡)に加え、中部配送センター(2021年
9月完成予定、延床面積27,575㎡)をそれぞれ既存の物流施設に隣接する形で増築いたします。加えて、中部配送センターには製品の納品エリアに応じて自動仕分を行うソーターシステムを導入予定であり、物流ネットワークのさらなる増強を図ってまいります。
(働き方改革への取り組み)
当社グループは、ダイバーシティ(多様性)の推進に向け、障がいのある従業員が活躍できる仕事内容を考え、働きやすい職場環境を創出して障がいのある従業員の雇用を促進しております。2020年3月時点で、エフピコ
グループの障がい者雇用率は13.3%となりました。また、女性の職域拡大、継続就業支援、管理職の増加を目指す取り組みに関して「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」を厚生労働省の女性の活躍推進企業データ
ベースに掲載し、2019年以降の女性総合職の採用比率を30%以上、2022年までに女性管理職50名の登用を目標として定め、様々な取り組みを推進しております。
当社は始終業時刻をスライドする時差出勤を導入しており、勤務時間帯の選択肢を広げ、担当業務ごとの繁忙
時間帯に集中して働き、作業生産性を向上させることで長時間残業を削減する働き方改革を推進しております。
加えて、活力のある職場づくりを推進するため、2019年3月期より5日間の連続有給休暇(スマイル休暇)の取得を義務化し、2021年3月期より時間単位の年次有給休暇制度を導入いたしました。さらに、従業員が災害復旧活動及びエフピコ環境基金助成対象活動へ参加する場合に付与する特別休暇制度を導入し、従業員のボランティア活動をサポートしております。
従業員の働く環境の整備として、給与水準向上の他、設備投資を積極的に行っております。家具家電付のワン
ルームマンションタイプ独身寮であるピコハウス1号館(茨城県筑西市、150戸、2017年1月完成)、ピコハウス2号館(岐阜県安八郡輪之内町、102戸、2017年3月完成)、ピコハウス3号館(茨城県古河市、63戸、2020年
3月完成)及びピコハウス4号館(広島県福山市、18戸、2020年10月完成)に加え、障がいのある従業員の働く
環境の充実を図るため、障がい者向けグループホーム(20戸、2020年4月完成)を建設いたしました。
今後も、積極的な人材への投資を継続することで、企業価値向上を図ってまいります。
(循環型社会実現に向けた取り組み)
当社グループは、海洋プラスチックごみ問題及び気候変動問題を対処すべき重要な課題と考えており、課題解決に向けて以下の取り組みを推進しております。
①リサイクルの推進
当社グループ一丸となって、リサイクルに本気で取り組んでおります。1990年に6ヶ所のスーパーマーケットの使用済み容器回収ボックスからスタートしたエフピコ方式のリサイクルは、消費者の皆様のご理解・ご協力をいただき、2020年12月末時点で回収拠点が9,800ヶ所を超えました。この当社グループの自主的な取り組みは、1997年に施行された容器包装リサイクル法に基づく分別・収集の仕組みと合わせて、使用済み容器を資源として有効利用する社会インフラとして定着しております。
使用済み容器の回収量増加を図るため、タレントのLiLiCoさんを起用した「使ったらリサイクル。トレーは
トレーにできるのよ!」「コレ、資源にできるの。使い捨てはもうヤメよ!」などのメッセージを記載した
リサイクル推進ポスターを作成し、2020年12月末時点でスーパーマーケット216企業7,292店舗にて掲示いただいております。また、全国各地のリサイクル拠点において、工場見学を積極的に実施しており、消費者の皆様を
はじめ、お取引先様、教育機関、行政機関など、毎年約2万人の方々をお迎えしております。引き続き、食品容器は使い捨てではなく貴重な資源として再利用できることをより多くの消費者の皆様にお伝えしてまいります。
当第3四半期連結累計期間において、使用済みトレー及び使用済みPETボトルを原料としたエコ製品(エコ
トレー、エコAPET容器、エコOPET容器)が製品売上枚数に占める割合は45%となりました。なお、APET容器(OPET容器含む)についてはすべてエコ製品への切り替えが完了いたしました。
エコAPET容器及びエコOPET容器の販売拡大に向け、再生PET原料の生産能力増強の取り組みを実施した結果、2021年3月期の再生PET原料の生産能力は年間約6万トン(2019年3月期:5万トン、2020年3月期:5.7万
トン)まで増強する見込みです。
②エフピコ環境基金(※3)を通じた環境問題の解決
海洋プラスチックごみ問題及び気候変動問題等の環境問題については、様々な要因が複雑に絡み合い、大きな
問題となっています。当社は、近年の地球規模の環境問題に対してさまざまな角度から活動をされている団体を
助成すべく、2020年3月にエフピコ環境基金を創設いたしました。2020年度については、2020年10月1日から2021年3月31日までの半年間の活動を対象に募集を行い、72件のご応募を頂いた中から、審査の結果、10団体への助成を決定いたしました。また2021年度については、2021年4月1日から2022年3月31日までの活動を対象に1案件
あたりの助成金を年間最大200万円として募集し、53件のご応募を頂いた中から現在助成先団体の選定を進めております。
また、助成対象活動に当社グループ従業員がボランティアとして参加し、助成先団体と共に海岸の清掃活動等を行うなど、引き続き環境問題の解決に向けて取り組んでまいります。
(※3)エフピコ環境基金ロゴマーク
③各種リサイクル手法及び代替素材の研究開発当社グループは、リサイクルの拡大推進が海洋プラスチックごみ問題及び気候変動問題の有効な対策の一つと
考え、単一素材におけるリサイクルの技術と仕組みが確立しているエフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」「ボトルtoトレー」を着実に実行してまいります。さらに、発泡PS容器の完全循環型リサイクルを目指し、原料
メーカーと協業しケミカルリサイクルの検討を開始いたしました。従来、日用品雑貨等にリサイクルされていた
色柄付き発泡PS容器を、ポリスチレンの原料であるスチレンモノマーへ再生し、最終的に当社製品へのリサイクルを目指してまいります。
環境配慮製品ラインナップ拡大の一環として、2020年6月に植物由来原料を25%配合したバイオHIPS容器
4アイテム及びバイオPPF容器3アイテムを上市しております。これらは日本バイオプラスチック協会が定める
識別表示基準に適合しており、バイオマスプラスチック製品として認証されております。また、2021年4月には
紙トレー及び折り蓋式の紙容器の上市を予定しており、当社関東つくば工場へ生産ラインを導入しております。
引き続き、技術は進歩するという前提のもと、石油由来のプラスチックに代わる選択肢として、各種リサイクル手法の調査研究や紙・バイオマス等新素材の情報収集を進めるとともに、業界トップクラスの環境負荷低減容器の開発を通して、循環型社会の実現と持続可能な社会の構築を目指してまいります。
(ESG・SDGsへの取り組み)
当社グループは、エフピコ方式のリサイクル、障がい者雇用に加え、人権やガバナンスに関する取り組みの強化並びに情報開示の充実化等を図っております。
これらの取り組みの結果、当社は、FTSE Russell社が開発した「FTSE4Good Index Series」及び「FTSE Blossom Japan Index」の2020年6月時点の構成銘柄に2年連続で選定されております。なお、当社は、MSCI社が開発した「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」についても、2020年6月時点の構成銘柄に継続選定されております。
また、お取引先様である株式会社神戸物産(本社:兵庫県加古郡)、はごろもフーズ株式会社(本社:静岡市
駿河区)及びネスレ日本株式会社(本社:神戸市中央区)とともに、「NPO法人全国こども食堂支援センター・
むすびえ」がサポートする全国のこども食堂を支援するため、弁当容器・汁物容器を、2020年5月以降、計304,000セット提供いたしました。また、2020年12月以降、当社グループより全国の子ども食堂(200団体)へ
三層マスクを計40万枚寄贈いたしました。
引き続き、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた取り組みを実施してまいります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の
分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて164億18百万円増加し、2,589億15百万円となりました。主な増減は、売上高の増加及び当四半期連結会計期間末日が金融機関の休日であったことなどにより、受取手形及び売掛金が146億69百万円増加しております。また、福山配送センターの倉庫増築工事が
完成したことなどにより、有形固定資産が14億30百万円増加しております。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて86億10百万円増加し、1,318億6百万円となりました。主な増減は、仕入高の増加及び当四半期連結会計期間末日が金融機関の休日であったことなどにより、買掛金が54億9百万円
増加しております。また、設備関係未払金及び未払費用の増加などにより、流動負債のその他が44億83百万円増加しております。
また、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて78億7百万円増加し、1,271億8百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益106億8百万円及び剰余金の配当33億90百万円によるものであります。なお、自己株式の消却により、資本剰余金が4億40百万円、利益剰余金が30億19百万円、自己株式が34億60百万円それぞれ減少しております。
(5)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より15億34百万円減少し、187億53百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、158億80百万円(前年同期は164億63百万円の資金獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前四半期純利益156億19百万円、減価償却費102億34百万円、たな卸資産の減少15億49百万円及び仕入債務の増加54億9百万円などによる資金の増加、他方、売上債権の増加147億1百万円及び法人税等の支払額51億43百万円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、116億73百万円(前年同期は74億91百万円の支出)となりました。
これは主に、福山配送センターの倉庫増築及び生産設備等に関する有形固定資産の取得による支出99億94百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、57億41百万円(前年同期は109億30百万円の資金支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入175億67百万円と、長期借入金の返済による支出182億2百万円、リース債務の返済による支出17億8百万円及び配当金の支払額33億63百万円などによるものであります。
(6)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(7)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、9億10百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等の状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 会社名 | 事業所名 (所在地) | 設備の内容 | 投資予定金額 | 資金調達方法 | 着手及び完了予定年月 | 完成後の 増加能力 | ||
| 総額 | 既支払額 | 着手 | 完了 | |||||
| 提出会社 | 中部配送センター (岐阜県安八郡輪之内町) | 倉庫の増築 | 5,285 | 751 | 自己資金 及び借入金 | 2019年12月 | 2021年9月 | 中部地区の保管能力が約25%増加 |
| 合計 | - | 5,285 | 751 | - | - | - | - | |
(注)1 上記設備は連結子会社であるエフピコ物流株式会社に賃貸する予定です。
2 上記金額には、消費税等は含んでおりません。
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等のうち、当第3四半期連結累計期間において完了したものは次のとおりであります。
| 会社名 | 事業所名 (所在地) | 設備の内容 | 完了年月 | 完成後の増加能力 |
| 提出会社 | 福山配送センター (広島県福山市) | 倉庫の増築 | 2020年11月 | 福山地区の保管能力が約16%増加 |
(注) 上記設備は連結子会社であるエフピコ物流株式会社に賃貸しております。
(9)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2021年1月7日より1都3県において緊急事態宣言が発出され、その後対象地域が拡大されるなど依然予断を許さない状況が続く中、当社グループは内食・中食需要動向の変化を引き
続き注視してまいります。中食分野では宅配専門店(ゴーストレストラン)を展開する動きが急速に広がっており、テイクアウト・デリバリーのマーケットは今後さらに拡大・定着していくものと見込まれます。
新たなマーケットとして、給食大手との協業により病院・介護食市場への事業展開を図っております。また、冷凍食品市場においては、-40℃~+110℃の耐寒・耐熱性及び断熱性を備えたマルチFP容器を使用することで、従来容器と比較し軽量化が可能である点を冷凍食品メーカー様よりご評価いただき採用が始まっております。事例として、2021年1月26日公表のプレスリリース「エフピコオリジナル製品のマルチFP容器 ニッスイの家庭用冷凍食品に採用」をご参照ください。
2021年3月に予定しております展示会「エフピコフェア2021」につきましては、「やっぱりこのお店だね
グルッと“いいね”に変えていく」をテーマにしております。開催方式は新型コロナウイルスの影響により現時点で未定ですが、最大限のご提案ができるよう準備を進めてまいります。
原料面については、2021年3月期第2四半期において、当社製品の主原料であるポリスチレン価格の値下がりがありましたが、第3四半期以降はポリスチレン価格が反転するなど、引き続き動向を注視してまいります。なお
第3四半期以降、ナフサ連動の販売先への売価影響を見込んでおります。
2021年1月よりバーゼル条約の改正附属書が発効され、一部の廃プラスチックを輸出する場合には相手国からの同意が必要となりました。また環境省及び経済産業省は、家庭から排出されるプラスチックのうち、プラスチック製容器包装だけでなくプラスチック製品も資源として分別・回収していくことや、事業者の自主回収に協力した
消費者に対するインセンティブ、事業者が実施する回収量向上策への支援等を検討しています。当社グループは、こうした国内外の法規制の変化をプラスチックの国内循環が加速する契機と位置付け、引き続き循環型社会の実現に向けて取り組んでまいります。
なお当社グループは、当第3四半期連結累計期間の業績及び現時点での見通しを踏まえ、2020年10月30日の
「業績予想の修正ならびに剰余金の配当(中間配当)及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」で公表いたしました通期の業績予想を修正いたしました。(※4)通期修正計画として、売上高1,960億円(前期比105.2%)、営業利益185億円(前期比119.3%)、経常利益192億円(前期比118.0%)、親会社株主に帰属する
当期純利益121億円(前期比112.3%)を見込んでおります。詳細につきましては、2021年1月29日公表の「業績
予想の修正及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」をご覧ください。今後、新型コロナウイルスの感染
拡大等の様々な要因によって業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。
(※4)経常利益 利益増減要因 修正後の通期見通し

(用語説明)
| マルチFP容器 | : | -40℃~+110℃の耐寒・耐熱性及び断熱性に優れた発泡PS(ポリスチレン)容器 (2010年販売開始) |
| エコトレー | : | スーパーマーケットの店頭などから回収されたPS容器と工場内端材を原料とするリサイクル発泡PS容器(1992年販売開始) |
| エコAPET容器 | : | スーパーマーケットの店頭などから回収されたPET透明容器、PETボトル及び工場内端材を原料とするリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)透明容器 耐熱温度+60℃(2012年販売開始) |
| エコOPET容器 | : | エコAPET容器と同じ原料を使用する二軸延伸PETシートから成形したリサイクルOPET透明容器 耐油性に優れ、透明度も高くOPS容器(従来からの二軸延伸PSシートから成形した透明容器)と同等の耐熱性を実現 耐熱温度+80℃(2016年販売開始) |
| バイオHIPS容器 | : | 植物由来原料を25%含んだHIPS(非発泡ポリスチレン)容器 (2020年販売開始) |
| バイオPPF容器 | : | 植物由来原料を25%含んだPPF(フィラー入りポリプロピレン)容器 (2020年販売開始) |