有価証券報告書-第64期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況及び分析
① 当期の経営成績の概況
(売上高・利益の状況)
第4四半期連結会計期間 (単位:百万円)
連結会計年度 (単位:百万円)
売上高及び製品売上数量
売上高は、前年比102.1%と16期連続の増収となり、過去最高を更新いたしました。製品売上数量については、物価高を背景に、コンビニエンスストアをはじめとする小売りにおいて買い上げ点数が減少した影響等により前年比99.7%となりました。四半期単位では、第1四半期 97.8%、第2四半期 98.3%、第3四半期 101.2%、第4四半期 101.5%と、エコ製品(エコトレー、エコAPET、エコOPET)をはじめとする高付加価値製品の販売拡大が寄与し、回復基調に転じております。
経常利益増減の主な要因
経常利益は217億68百万円となり、前年比で33億16百万円の増益と過去最高を更新いたしました。主な増加要因として、原料価格影響がプラス8億30百万円、製品価格改定効果を主として販売活動は45億70百万円のプラスとなりました。一方、主な減少要因として、物流費の増加が9億50百万円、生産部門のコスト影響が7億50百万円等となりました。
(営業活動の状況)
食材価格の高騰が続く中、小売業界において内容量の変更や盛り付け点数の削減による容器サイズ最適化へのニーズが高まっております。当社は主力シリーズへ新たに金型を追加投資し、サイズ展開と製品ラインアップを拡充することで、これらの顧客ニーズへ対応しております。
また、スーパーマーケットと協働し、お店を発着点とする循環型のリサイクル「ストアtoストア」に取り組んでおります。この取り組みは、2022年11月に株式会社中国シジシー(本社:広島県広島市)と協働を開始して以来、2026年3月末時点で140社5,000店舗を超える規模へ拡大いたしました。(2026年6月1日時点:145社5,440店舗)それに伴い、2026年3月期のエコ製品の販売枚数は前年比102.1%、協働を開始した2023年3月期と比較すると113.4%と伸長しております。今後もこの取り組みを推進し、「300社10,000店舗」を目指してリサイクルの輪を広げてまいります。
さらに、人手不足や高齢化などを背景にニーズが多様化する中、当社は現場の課題解決に直結する高付加価値容器の提案を推進しております。吸水紙を敷く作業が不要となる「DPシリーズ」のほか、冷凍温度帯でも割れにくい新素材「耐寒PPiP-タルク」は、今後、特に医療介護給食分野において導入の拡大を見込んでおります。
(生産部門の状況)
当社主要工場において無人搬送車や産業用ロボットの導入を拡大するとともに、幅広い製品に対応可能な小型の箱詰めロボットの検証を行うなど、一層の自動化と生産効率の向上を進めております。また、新たに算出した「理論値サイクルタイム」を目標に生産サイクルの短縮に取り組んだ結果、稼働日の減少を上回る生産性の向上を達成いたしました。加えて、技術革新による生産スピード向上など、さらなる生産体制の整備を推進しております。
(物流部門の状況)
当社グループは、半径100km圏内で全人口の85%をカバーする物流ネットワークを整備しております。ソーターシステムによる出荷の自動化、専用パレットの活用によるパレット輸送の展開、入出荷場所の集約などを通じて配送の効率化を推進し、配送計画時間に対して85%が±15分以内に収まる高い物流品質を実現しております。
昨今のドライバー不足や拘束時間の制限等により配送車両の確保が困難な状況に対しては、配送負荷の平準化を推進しております。2025年夏以降、小ロットの納品先へは週2日の指定日納品を実施したほか、年末の繁忙期における納品日の前倒しにより出荷ピーク日の配送車両台数を前年比で3%抑制いたしました。さらに、このたび、茨城県坂東市に坂東配送センター(仮称)の建設を決定いたしました。周辺拠点と連携して首都圏における物流能力を強化することで、安定供給体制をより強固なものとしてまいります。
(海外事業の状況)
持分法適用関連会社であるLee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.(本社:マレーシア)については、成形機や押出機などの設備投資や金型をはじめとする製品開発技術の強化、在庫管理システムや生産管理システムの運用により生産性の向上に取り組んでおります。さらに、マーケティングの深化により市場ニーズを捉え、新デザイン容器の市場投入を進めており、足元の業績は売上・利益ともに改善が進んでおります。東南アジアにおける人口増加と所得水準の向上を背景とした食品容器の需要拡大を見据え、マレーシア国内外におけるシェアの拡大に注力しております。
(新素材開発の状況)
2024年4月、当社は超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシート(以下「新OPPシート」)及び積層OPPプレートの開発成功を公表いたしました。これらの新素材は、共通して優れた耐熱性、耐寒性、耐油性に加え、極低温から高温までの幅広い温度域で高い剛性と耐衝撃性を発揮する、優れた物性バランスを備えております。
新OPPシート(製品名「OPTENA(オプテナ)」)は、その高い物性により、冷凍食品等の食品容器用途のみならず産業用途への展開も可能な新素材として、関連各社と用途開発を進めております。
積層OPPプレート(製品名「FORTENA(フォルテナ)」)は、新OPPシートを熱融着により積層加工したものです。軽量でありながら高剛性、耐衝撃性、高靭性に加え、高い透明性による優れた加飾性を保持しております。これらの特性により、土木建設資材、住設、家電、太陽電池、モビリティ等、幅広い産業分野への展開が可能です。
特に二輪・四輪メーカー各社からは、リサイクル材の使用率向上や軽量化に寄与する素材として、シート・プレートともに高い評価を得ております。現在、各方面において導入に向けた評価が進んでおり、物性バランスに優れた高機能素材として注目を集めております。
本格的な量産体制確立のため、当社は茨城県坂東市における新工場の建設を決定いたしました。今後、2027年中に神辺工場(広島県福山市)において積層OPPプレートの商業生産を開始いたします。これに続き、茨城県坂東市に新設する工場へ新OPPシート製造装置を導入し、2029年に新OPPシート及びそれを積層した積層OPPプレートの量産開始を目標としております。
なお、新工場の建設にかかる詳細については、2026年4月30日公表の「固定資産の取得(新工場・新配送センター建設)に関するお知らせ」をご参照ください。
(リサイクルの状況)
当社グループは、1990年に使用済み容器の回収を始めて以来、エフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」を推進しており、その回収拠点は2026年3月末時点で11,600拠点に達しております。また、2012年からは、使用済みPETボトルのリサイクル「ボトルto透明容器」にも取り組んでおります。近年では、これらエフピコ方式のリサイクルをさらに推進・拡大していくため、スーパーマーケットとの協働によるリサイクル「ストアtoストア」を強化するとともに、小学校をはじめとする出前授業や小売店舗における環境イベントを通じて、地域や消費者との積極的なコミュニケーションを図っております。これらの活動の結果、店頭からのトレー及び透明容器の回収量は前年比107.5%、PETボトルの回収量は同111.6%と拡大を続けております。原料動向が不透明な中、当社独自のネットワークを通じて回収原料を確保できる仕組みは、原料の安定調達と価格の安定化に繋がる当社固有の優位性となっております。
また、当社グループは、発泡ポリスチレン容器の完全循環型リサイクルの実現を目指し、2020年11月よりDIC株式会社(本社:東京都中央区、以下「DIC」)と取り組みを進めております。この取り組みは、従来は品質面の制約から日用雑貨品等への再生に限定されていた色柄付きの回収発泡ポリスチレン容器について、DICの技術により着色成分を除去し、エコトレーとして生産・販売するものです。世界で唯一、自社でトレーを回収し、再びトレーをつくる会社として、今後も容器の機能性とサステナビリティの両立を追求してまいります。
(ESGの取り組み)
当社グループは、社員一人ひとりが個々の能力や特性を最大限に発揮してその役割を果たし、やりがいや充実感を持ちながらイキイキと働ける職場環境を目指しております。人的資本投資の一環として、12年連続のベースアップ等により給与水準を継続的に引き上げるとともに、生産部門における休日日数の増加やオフィスの拡充等、働く環境の整備に取り組んでおります。
また、社員の健康増進を目的に、健康のためのあらゆる取り組みや情報発信を行う「職場で健康プロジェクト」の実施や環境整備に努めた結果、当社は「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に5年連続で認定されております。今後は、当社グループ各社においても「健康経営優良法人」の認定を目指して、取り組みを強化してまいります。加えて、食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など、基幹業務に障がいのある人材が従事しており、エフピコグループの障がい者雇用率は、2026年3月時点で12.5%となりました。
(今後の見通し)
中東情勢を背景とした原油価格の急騰や安定的な原料調達への懸念など、当社グループを取り巻く事業環境は不透明な状況が続いております。当社グループの主要原料であるポリスチレンについては、現時点で2026年8月末までの調達の目処は立っておりますが、連結業績予想につきましては、合理的な算定が困難であるため、未定といたします。今後、連結業績予想の合理的な算定が可能となった段階で速やかに公表いたします。
足元では、国産ナフサ及びベンゼン価格の上昇により、原料価格が高騰しております。加えて、今後は物流費や電力料等、生産コスト全般の上昇が見込まれます。このような状況下、当社は食のインフラを支える企業として、お客様へ製品をお届けする安定供給体制の整備を最優先に進めるとともに、生産コストの上昇分を製品価格に転嫁し収益性を回復させるため、2026年4月30日、同年6月1日出荷分より20%以上の製品価格改定を行うことを発表いたしました。今後も、原料の調達状況やコスト動向に応じた適切な価格改定を実施し、収益性の維持・向上を図ってまいります。
(用語説明)
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(3) 財政状態の状況及び分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて118億36百万円増加し、3,040億62百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加64億58百万円、新OPPシート製造装置等に係る建設仮勘定の増加59億23百万円であります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて7億79百万円増加し、1,388億91百万円となりました。主な増減は、原材料価格の下落を主因とする買掛金の減少14億42百万円、設備関係等の未払金の増加9億24百万円及び未払消費税等の増加6億80百万円であります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて110億56百万円増加し、1,651億71百万円となりました。主な増減は、親会社株主に帰属する当期純利益計上による増加148億69百万円及び剰余金の配当による減少57億81百万円であります。
(4) キャッシュ・フローの状況及び分析
① キャッシュ・フローの状況及び分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より64億58百万円増加し、254億78百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、299億81百万円(前期に比べ20億61百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益214億57百万円、減価償却費145億94百万円、未払消費税等の増加10億6百万円による資金の増加、他方、仕入債務の減少14億42百万円、法人税等の支払額65億76百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、165億94百万円(前期に比べ16億65百万円の支出増加)となりました。
これは主に、生産設備等の有形固定資産の取得による支出160億12百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、69億28百万円(前期に比べ111億42百万円の支出減少)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入154億86百万円、長期借入金の返済による支出155億28百万円、リース債務の返済による支出10億70百万円及び配当金の支払額57億78百万円によるものであります。
② 資本の財源及び資金の流動性
1)経営資源の配分に関する考え方
当社グループは財務健全性と資本効率のバランスを考慮し経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
営業活動により獲得した資金の配分のうち設備投資に関しては、中長期的な成長に向けた高付加価値製品の供給体制を維持、構築するために毎期200~250億円の設備投資を継続してまいります。
株主還元については、継続的かつ安定的な配当を実施していくことが経営の最重要課題の一つと考えており、連結ベースでの配当性向は40%を目途とし原則として減配せず、累進配当を実施することを基本方針としております。
2)資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では製品原材料の購入費用及び電力料、修繕費、消耗品費など製造経費のほか、仕入販売する商品の購入費用、運搬及び保管費、人件費などの販売費及び一般管理費であります。
また、投資活動に係る資金支出は、環境に配慮した高付加価値製品の供給体制構築に必要な成長投資のほか、既存の生産設備や物流施設の維持更新及び自動化による効率改善を目的としたものであります。さらに、新OPPシート・積層OPPプレートの本格的な量産体制を確立するための投資を進めております。
3)資金調達
当社グループの主たる財源は、営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入れ及びコマーシャル・ペーパーの発行によるものであります。
子会社の資金調達については、原則として親会社からのグループファイナンスに一元化する運用を行っております。その結果、連結ベースでの資金コストを低減するとともに、効率的な資金運用を実現しております。
また、資金の流動性については、現金及び預金に加え、機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため総額100億円のコミットメントライン契約を有しております。
(5) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
製品別生産実績
(注)1 生産高は、主として生産数量に見積り製造原価(単価)を乗じて算定しておりますが、その他製品の一部については、販売価格によっております。
2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
製品・商品仕入実績
(注) 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
② 受注実績
当社グループは、主として需要見込による生産方式のため、受注状況については特記すべき事項はありません。
③ 販売実績
(注)1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
(1) 経営成績の状況及び分析
① 当期の経営成績の概況
(売上高・利益の状況)
第4四半期連結会計期間 (単位:百万円)
| 前第4四半期 連結会計期間 | 当第4四半期 連結会計期間 | 前年同期比 増減額 | 前年同期比 | |
| 売上高 | 54,022 | 54,050 | 28 | 100.1% |
| 製品売上高 | 41,923 | 41,541 | △382 | 99.1% |
| 商品売上高 | 12,098 | 12,508 | 410 | 103.4% |
| 営業利益 | 3,559 | 3,819 | 259 | 107.3% |
| 経常利益 | 3,461 | 3,840 | 379 | 111.0% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 2,387 | 2,611 | 223 | 109.4% |
連結会計年度 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前年同期比 増減額 | 前年同期比 | |
| 売上高 | 235,628 | 240,490 | 4,861 | 102.1% |
| 製品売上高 | 180,770 | 184,503 | 3,733 | 102.1% |
| 商品売上高 | 54,858 | 55,986 | 1,128 | 102.1% |
| 営業利益 | 18,471 | 21,614 | 3,143 | 117.0% |
| 経常利益 | 18,451 | 21,768 | 3,316 | 118.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12,486 | 14,869 | 2,382 | 119.1% |
売上高及び製品売上数量
売上高は、前年比102.1%と16期連続の増収となり、過去最高を更新いたしました。製品売上数量については、物価高を背景に、コンビニエンスストアをはじめとする小売りにおいて買い上げ点数が減少した影響等により前年比99.7%となりました。四半期単位では、第1四半期 97.8%、第2四半期 98.3%、第3四半期 101.2%、第4四半期 101.5%と、エコ製品(エコトレー、エコAPET、エコOPET)をはじめとする高付加価値製品の販売拡大が寄与し、回復基調に転じております。
経常利益増減の主な要因
経常利益は217億68百万円となり、前年比で33億16百万円の増益と過去最高を更新いたしました。主な増加要因として、原料価格影響がプラス8億30百万円、製品価格改定効果を主として販売活動は45億70百万円のプラスとなりました。一方、主な減少要因として、物流費の増加が9億50百万円、生産部門のコスト影響が7億50百万円等となりました。
(営業活動の状況)
食材価格の高騰が続く中、小売業界において内容量の変更や盛り付け点数の削減による容器サイズ最適化へのニーズが高まっております。当社は主力シリーズへ新たに金型を追加投資し、サイズ展開と製品ラインアップを拡充することで、これらの顧客ニーズへ対応しております。
また、スーパーマーケットと協働し、お店を発着点とする循環型のリサイクル「ストアtoストア」に取り組んでおります。この取り組みは、2022年11月に株式会社中国シジシー(本社:広島県広島市)と協働を開始して以来、2026年3月末時点で140社5,000店舗を超える規模へ拡大いたしました。(2026年6月1日時点:145社5,440店舗)それに伴い、2026年3月期のエコ製品の販売枚数は前年比102.1%、協働を開始した2023年3月期と比較すると113.4%と伸長しております。今後もこの取り組みを推進し、「300社10,000店舗」を目指してリサイクルの輪を広げてまいります。
さらに、人手不足や高齢化などを背景にニーズが多様化する中、当社は現場の課題解決に直結する高付加価値容器の提案を推進しております。吸水紙を敷く作業が不要となる「DPシリーズ」のほか、冷凍温度帯でも割れにくい新素材「耐寒PPiP-タルク」は、今後、特に医療介護給食分野において導入の拡大を見込んでおります。
(生産部門の状況)
当社主要工場において無人搬送車や産業用ロボットの導入を拡大するとともに、幅広い製品に対応可能な小型の箱詰めロボットの検証を行うなど、一層の自動化と生産効率の向上を進めております。また、新たに算出した「理論値サイクルタイム」を目標に生産サイクルの短縮に取り組んだ結果、稼働日の減少を上回る生産性の向上を達成いたしました。加えて、技術革新による生産スピード向上など、さらなる生産体制の整備を推進しております。
(物流部門の状況)
当社グループは、半径100km圏内で全人口の85%をカバーする物流ネットワークを整備しております。ソーターシステムによる出荷の自動化、専用パレットの活用によるパレット輸送の展開、入出荷場所の集約などを通じて配送の効率化を推進し、配送計画時間に対して85%が±15分以内に収まる高い物流品質を実現しております。
昨今のドライバー不足や拘束時間の制限等により配送車両の確保が困難な状況に対しては、配送負荷の平準化を推進しております。2025年夏以降、小ロットの納品先へは週2日の指定日納品を実施したほか、年末の繁忙期における納品日の前倒しにより出荷ピーク日の配送車両台数を前年比で3%抑制いたしました。さらに、このたび、茨城県坂東市に坂東配送センター(仮称)の建設を決定いたしました。周辺拠点と連携して首都圏における物流能力を強化することで、安定供給体制をより強固なものとしてまいります。
(海外事業の状況)
持分法適用関連会社であるLee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.(本社:マレーシア)については、成形機や押出機などの設備投資や金型をはじめとする製品開発技術の強化、在庫管理システムや生産管理システムの運用により生産性の向上に取り組んでおります。さらに、マーケティングの深化により市場ニーズを捉え、新デザイン容器の市場投入を進めており、足元の業績は売上・利益ともに改善が進んでおります。東南アジアにおける人口増加と所得水準の向上を背景とした食品容器の需要拡大を見据え、マレーシア国内外におけるシェアの拡大に注力しております。
(新素材開発の状況)
2024年4月、当社は超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシート(以下「新OPPシート」)及び積層OPPプレートの開発成功を公表いたしました。これらの新素材は、共通して優れた耐熱性、耐寒性、耐油性に加え、極低温から高温までの幅広い温度域で高い剛性と耐衝撃性を発揮する、優れた物性バランスを備えております。
新OPPシート(製品名「OPTENA(オプテナ)」)は、その高い物性により、冷凍食品等の食品容器用途のみならず産業用途への展開も可能な新素材として、関連各社と用途開発を進めております。
積層OPPプレート(製品名「FORTENA(フォルテナ)」)は、新OPPシートを熱融着により積層加工したものです。軽量でありながら高剛性、耐衝撃性、高靭性に加え、高い透明性による優れた加飾性を保持しております。これらの特性により、土木建設資材、住設、家電、太陽電池、モビリティ等、幅広い産業分野への展開が可能です。
特に二輪・四輪メーカー各社からは、リサイクル材の使用率向上や軽量化に寄与する素材として、シート・プレートともに高い評価を得ております。現在、各方面において導入に向けた評価が進んでおり、物性バランスに優れた高機能素材として注目を集めております。
本格的な量産体制確立のため、当社は茨城県坂東市における新工場の建設を決定いたしました。今後、2027年中に神辺工場(広島県福山市)において積層OPPプレートの商業生産を開始いたします。これに続き、茨城県坂東市に新設する工場へ新OPPシート製造装置を導入し、2029年に新OPPシート及びそれを積層した積層OPPプレートの量産開始を目標としております。
なお、新工場の建設にかかる詳細については、2026年4月30日公表の「固定資産の取得(新工場・新配送センター建設)に関するお知らせ」をご参照ください。
(リサイクルの状況)
当社グループは、1990年に使用済み容器の回収を始めて以来、エフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」を推進しており、その回収拠点は2026年3月末時点で11,600拠点に達しております。また、2012年からは、使用済みPETボトルのリサイクル「ボトルto透明容器」にも取り組んでおります。近年では、これらエフピコ方式のリサイクルをさらに推進・拡大していくため、スーパーマーケットとの協働によるリサイクル「ストアtoストア」を強化するとともに、小学校をはじめとする出前授業や小売店舗における環境イベントを通じて、地域や消費者との積極的なコミュニケーションを図っております。これらの活動の結果、店頭からのトレー及び透明容器の回収量は前年比107.5%、PETボトルの回収量は同111.6%と拡大を続けております。原料動向が不透明な中、当社独自のネットワークを通じて回収原料を確保できる仕組みは、原料の安定調達と価格の安定化に繋がる当社固有の優位性となっております。
また、当社グループは、発泡ポリスチレン容器の完全循環型リサイクルの実現を目指し、2020年11月よりDIC株式会社(本社:東京都中央区、以下「DIC」)と取り組みを進めております。この取り組みは、従来は品質面の制約から日用雑貨品等への再生に限定されていた色柄付きの回収発泡ポリスチレン容器について、DICの技術により着色成分を除去し、エコトレーとして生産・販売するものです。世界で唯一、自社でトレーを回収し、再びトレーをつくる会社として、今後も容器の機能性とサステナビリティの両立を追求してまいります。
(ESGの取り組み)
当社グループは、社員一人ひとりが個々の能力や特性を最大限に発揮してその役割を果たし、やりがいや充実感を持ちながらイキイキと働ける職場環境を目指しております。人的資本投資の一環として、12年連続のベースアップ等により給与水準を継続的に引き上げるとともに、生産部門における休日日数の増加やオフィスの拡充等、働く環境の整備に取り組んでおります。
また、社員の健康増進を目的に、健康のためのあらゆる取り組みや情報発信を行う「職場で健康プロジェクト」の実施や環境整備に努めた結果、当社は「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に5年連続で認定されております。今後は、当社グループ各社においても「健康経営優良法人」の認定を目指して、取り組みを強化してまいります。加えて、食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など、基幹業務に障がいのある人材が従事しており、エフピコグループの障がい者雇用率は、2026年3月時点で12.5%となりました。
(今後の見通し)
中東情勢を背景とした原油価格の急騰や安定的な原料調達への懸念など、当社グループを取り巻く事業環境は不透明な状況が続いております。当社グループの主要原料であるポリスチレンについては、現時点で2026年8月末までの調達の目処は立っておりますが、連結業績予想につきましては、合理的な算定が困難であるため、未定といたします。今後、連結業績予想の合理的な算定が可能となった段階で速やかに公表いたします。
足元では、国産ナフサ及びベンゼン価格の上昇により、原料価格が高騰しております。加えて、今後は物流費や電力料等、生産コスト全般の上昇が見込まれます。このような状況下、当社は食のインフラを支える企業として、お客様へ製品をお届けする安定供給体制の整備を最優先に進めるとともに、生産コストの上昇分を製品価格に転嫁し収益性を回復させるため、2026年4月30日、同年6月1日出荷分より20%以上の製品価格改定を行うことを発表いたしました。今後も、原料の調達状況やコスト動向に応じた適切な価格改定を実施し、収益性の維持・向上を図ってまいります。
(用語説明)
| エコトレー | :スーパーマーケットの店頭などから回収された発泡ポリスチレン容器と工場内端材を原料とするリサイクル発泡ポリスチレン容器(1992年販売開始) |
| エコAPET | :スーパーマーケットの店頭などから回収されたPET(ポリエチレンテレフタレート)透明容器、PETボトル及び工場内端材を原料とするリサイクルPET透明容器(2012年販売開始) 耐熱温度+60℃ |
| エコOPET | :エコAPETと同じ原料を使用する2軸延伸PETシートから成形したリサイクルOPET透明容器(2016年販売開始) 耐油性に優れ、透明度も高くOPS容器(従来からの2軸延伸ポリスチレンシートから成形した透明容器)と同等の耐熱性を実現 耐熱温度+80℃ |
| ストアtoストア | :お店で使用・販売した食品トレーやPETボトルをそのお店で資源として回収し、当社が食品トレーや透明容器に生まれ変わらせ、その食品トレーや透明容器を再びそのお店で積極的に使用する、お店を発着点としたリサイクル |
| 耐寒PPiP-タルク | :二種類の無機物を配合することで、従来品である耐寒PPと比較してプラスチック使用量を25%削減した耐寒PPフィラー容器 従来品と同等の耐寒衝撃性、天地圧縮強度、重量を保持 |
| 新OPPシート | :ポリプロピレンシートを縦方向と横方向の2軸に同時延伸した、厚さ150ミクロンから300ミクロンの超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシート 優れた透明性や耐寒性、耐熱性、高剛性を実現 2024年4月に開発成功 製品名「OPTENA(オプテナ)」 |
| 積層OPPプレート | :新OPPシートを熱融着により積層加工した、厚さ1ミリから4ミリ程度の超高剛性プレート 高い剛性と耐衝撃性、高靭性に富み、高い透明性を保持できることから加飾性に優れる 2024年4月に開発成功 製品名「FORTENA(フォルテナ)」 |
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(3) 財政状態の状況及び分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて118億36百万円増加し、3,040億62百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加64億58百万円、新OPPシート製造装置等に係る建設仮勘定の増加59億23百万円であります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて7億79百万円増加し、1,388億91百万円となりました。主な増減は、原材料価格の下落を主因とする買掛金の減少14億42百万円、設備関係等の未払金の増加9億24百万円及び未払消費税等の増加6億80百万円であります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて110億56百万円増加し、1,651億71百万円となりました。主な増減は、親会社株主に帰属する当期純利益計上による増加148億69百万円及び剰余金の配当による減少57億81百万円であります。
(4) キャッシュ・フローの状況及び分析
① キャッシュ・フローの状況及び分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より64億58百万円増加し、254億78百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、299億81百万円(前期に比べ20億61百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益214億57百万円、減価償却費145億94百万円、未払消費税等の増加10億6百万円による資金の増加、他方、仕入債務の減少14億42百万円、法人税等の支払額65億76百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、165億94百万円(前期に比べ16億65百万円の支出増加)となりました。
これは主に、生産設備等の有形固定資産の取得による支出160億12百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、69億28百万円(前期に比べ111億42百万円の支出減少)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入154億86百万円、長期借入金の返済による支出155億28百万円、リース債務の返済による支出10億70百万円及び配当金の支払額57億78百万円によるものであります。
② 資本の財源及び資金の流動性
1)経営資源の配分に関する考え方
当社グループは財務健全性と資本効率のバランスを考慮し経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
営業活動により獲得した資金の配分のうち設備投資に関しては、中長期的な成長に向けた高付加価値製品の供給体制を維持、構築するために毎期200~250億円の設備投資を継続してまいります。
株主還元については、継続的かつ安定的な配当を実施していくことが経営の最重要課題の一つと考えており、連結ベースでの配当性向は40%を目途とし原則として減配せず、累進配当を実施することを基本方針としております。
2)資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では製品原材料の購入費用及び電力料、修繕費、消耗品費など製造経費のほか、仕入販売する商品の購入費用、運搬及び保管費、人件費などの販売費及び一般管理費であります。
また、投資活動に係る資金支出は、環境に配慮した高付加価値製品の供給体制構築に必要な成長投資のほか、既存の生産設備や物流施設の維持更新及び自動化による効率改善を目的としたものであります。さらに、新OPPシート・積層OPPプレートの本格的な量産体制を確立するための投資を進めております。
3)資金調達
当社グループの主たる財源は、営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入れ及びコマーシャル・ペーパーの発行によるものであります。
子会社の資金調達については、原則として親会社からのグループファイナンスに一元化する運用を行っております。その結果、連結ベースでの資金コストを低減するとともに、効率的な資金運用を実現しております。
また、資金の流動性については、現金及び預金に加え、機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため総額100億円のコミットメントライン契約を有しております。
(5) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
製品別生産実績
| 品目 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製品 | ||
| トレー容器 | 27,957 | 100.3% |
| 弁当・惣菜容器 | 71,509 | 98.1% |
| その他製品 | 2,417 | 145.1% |
| 合計 | 101,885 | 99.5% |
(注)1 生産高は、主として生産数量に見積り製造原価(単価)を乗じて算定しておりますが、その他製品の一部については、販売価格によっております。
2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
製品・商品仕入実績
| 品目 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製品 | ||
| トレー容器 | 2,640 | 104.6% |
| 弁当・惣菜容器 | 18,067 | 94.7% |
| その他製品 | 1,732 | 97.4% |
| 小計 | 22,440 | 96.0% |
| 商品 | ||
| 包装資材 | 42,797 | 102.6% |
| その他商品 | 2,177 | 100.1% |
| 小計 | 44,975 | 102.5% |
| 合計 | 67,416 | 100.2% |
(注) 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
② 受注実績
当社グループは、主として需要見込による生産方式のため、受注状況については特記すべき事項はありません。
③ 販売実績
| 品目 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製品 | ||
| トレー容器 | 47,042 | 105.7% |
| 弁当・惣菜容器 | 134,161 | 101.0% |
| その他製品 | 3,298 | 95.5% |
| 小計 | 184,503 | 102.1% |
| 商品 | ||
| 包装資材 | 53,796 | 101.9% |
| その他商品 | 2,190 | 106.5% |
| 小計 | 55,986 | 102.1% |
| 合計 | 240,490 | 102.1% |
(注)1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。