有価証券報告書-第48期(令和1年9月21日-令和2年9月20日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、期初からの堅調な企業業績を背景に、雇用・所得環境の改善や設備投資の増加が見られ、緩やかな回復基調が続いておりましたが、一転して、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済活動が著しく停滞し、世界経済が深刻な景気後退の局面を迎えました。また、コロナ禍がもたらす社会変化は、米中の貿易摩擦をはじめとする反グローバル化の機運や中国生産からの国内回帰などの地政学的な構造にも影響をもたらしております。
このような状況のなか、当社グループでは、2018年の創業100周年を機に、企業メッセージ「前田工繊は混ぜる会社です」を掲げております。このメッセージには、当社グループが持続的成長を遂げるための強い思いを込めており、グループの持つあらゆる経営資源を「混ぜる」ことで、成長戦略である「M&A」、「海外事業」、「人材育成」を積極的に推進するための原動力になると考えております。
M&A戦略においては、当社グループがこれまで培ってきた繊維・樹脂の加工技術に捉われず、異分野がもつ様々な技術やノウハウを「混ぜる」ことで、新製品や新技術を創出してまいります。
海外事業においては、海外の生産拠点を拡充するとともに、外国籍企業との業務提携等を通じて国内外の技術や販売ネットワークを活用することで、当社グループ製品の市場拡大を目指してまいります。
人材育成においては、当社グループ社員全員を戦力化するほか、多様な人材を採用・育成し、それらの能力・経験から生まれる人的資源を「混ぜる」ことで、イノベーティブな組織風土を築いてまいります。また、当社グループでは、「従業員の健康が会社の未来を決める」との考え方のもと、すべての従業員の健康に深く関わっていくことを決意し、「健康宣言」を行っております。今後も健康で働きがいのある職場づくりに向けた様々な施策に取り組んでまいります。
このように、当社グループは、モノづくりを通じて、「私たちは 独自の知恵と技術で 持続可能な地球 そして 安心・安全で豊かな社会を創るために 貢献してまいります。」という経営理念を実践し、さらに世の中から必要とされる企業となるよう努力してまいります。
当連結会計年度の売上高は39,365百万円(前年同期比4.0%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は4,517百万円(同15.5%減)、経常利益は4,635百万円(同14.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,089百万円(同23.8%減)となりました。
なお、財政状態につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(ソーシャルインフラ事業)
当社の公共工事事業においては、盛土補強材や排水材、斜面防災製品、森林保全製品等の売上が順調に推移いたしました。また、営業利益は、売上高に伴う利益増加に加えて、原価低減や運賃等上昇分の販売価格への転嫁により、前年同期を大きく上回る結果となりました。不織布関連の製品においては、期初から売上が伸び悩んだスパンボンド(連続長繊維不織布)について、新型コロナウイルス感染症対策関連製品の需要拡大により受注が回復した結果、売上は前年同期と同水準となりました。また、営業利益は、原価低減や一部粗利率の高い製品の取り扱い増加により、前年同期を上回る結果となりました。なお、当社と国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所が共同開発した(共同特許取得)「ネットバッファ工法(ケーソン目地透過波低減法)」が、第22回「国土技術開発賞」(主催:(一財)国土技術研究センター、(一財)沿岸技術研究センター)を受賞いたしました。ネットバッファ工法とは、防波堤等の基礎として設置される箱型コンクリート等の隙間(ケーソン目地)に編地の緩衝材を入れることで、透過波の進入を約80%減衰させ、構造物の長寿命化や砕石や土砂の吸出しによる陥没リスクを抑制することが可能となる工法です。今後も社会資本のメンテナンスに貢献すべく、現場から必要とされる工法、製品を提供してまいります。
獣害対策製品、園芸用ハウス、農業資材を取り扱う子会社の未来のアグリ株式会社においては、新型コロナウイルス感染症等の影響により園芸用ハウスの受注が伸び悩んだため、売上は前年同期を下回る結果となりました。営業利益は、獣害対策製品においてCSF(豚熱)対策の防護柵や大口案件の受注が増加したほか、低粗利率製品の取り扱い減少により、前年同期を上回る結果となりました。また、天幕や帆布生地製品を取り扱う子会社の未来テクノ株式会社では、防衛省向け製品の売上が回復したほか、海洋土木製品の生産量が堅調に推移しましたが、期末にかけて予定した大型案件が受注に至らなかったことが影響し、売上・利益とも前年同期を下回りました。なお、フィッシュミール及び魚油の製造・販売を行う株式会社釧路ハイミールは、売上・利益とも計画に対して好調に推移いたしました。同社につきましては、2018年10月29日付で子会社化しており、前第2四半期連結累計期間より業績に含めております。
当事業の売上高は26,379百万円(前年同期比14.4%増)、営業利益5,125百万円(同33.3%増)となりました。
(インダストリーインフラ事業)
インダストリーインフラ事業では、精密機器製造用ワイピングクロス、衣料・各種産業資材用の丸編製品を製造・加工・販売する子会社の未来コーセン株式会社において、半導体向け製品の需要が回復傾向にあるものの上期で販売が伸びず、また、新型コロナウイルス感染症の影響により衣料向け受託製品や医薬品関連用途の製品が低迷した結果、売上・利益とも前年同期を下回りました。
当事業の売上高は1,984百万円(前年同期比9.3%減)、営業利益は303百万円(同13.6%減)となりました。
(ヒューマンインフラ事業)
ヒューマンインフラ事業では、アルミ鍛造ホイールを製造・販売する子会社のBBSジャパン株式会社において、欧州・北米の海外自動車メーカー向けOEM供給が好調に推移したものの、期末にかけては、新型コロナウイルス感染症の影響により世界の自動車生産台数が大幅に減少したほか、同社のドイツ子会社BBS Motorsport GmbHにおいて、OEM採用車種の入替え調整時期により業績が伸び悩んだ結果、売上は前年同期を下回る結果となりました。また、営業利益は、新規設備や新工場の本格稼働に向けた人件費や減価償却費の増加により、前年同期を大幅に下回る結果となりました。
当事業の売上高は11,000百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は470百万円(同78.7%減)となりました。
(その他の事業)
2019年6月に、新たな事業の柱として、ヘルスケア事業に進出するため、MDKメディカル株式会社を設立いたしました。医療機器規制により、販売前に治験が求められるなど市場化に向けた先行投資が必要となりますが、2023年9月期より業績に寄与することを見込んでおります。
その他の事業の営業損失は327百万円となりました。なお、前連結会計年度の連結損益計算書に含まれる業績は3か月(2019年6月21日~9月20日)であるため、前年同期比較は行っておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ640百万円増加(前期比6.2%増)し、11,002百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られたキャッシュ・フローは、5,181百万円(前期は3,857百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,599百万円、減価償却費2,452百万円等の収入と、法人税等の支払額1,459百万円等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは、5,669百万円(前期は9,330百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得5,616百万円等の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られたキャッシュ・フローは、1,196百万円(前期は8,903百万円の収入)となりました。これは主に、セール・アンド・リースバック3,189百万円等の収入と、長期借入金の返済1,121百万円等の支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは、大部分の品目が見込生産であり、受注残高も僅少であることから記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,447百万円増加し58,468百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,212百万円増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が399百万円減少したものの、現金及び預金が640百万円、流動資産のその他が677百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,234百万円増加いたしました。これは主に、無形固定資産が328百万円減少したものの、有形固定資産が3,546百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,038百万円増加し24,906百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,070百万円減少いたしました。これは主に、リース債務が369百万円、流動負債のその他が426百万円それぞれ増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が979百万円、未払金が546百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて3,108百万円増加いたしました。これは主に、リース債務が3,297百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,408百万円増加し33,561百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2,414百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、39,365百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
当社グループの主事業であるソーシャルインフラ事業では、斜面防災製品、森林保全製品、構造物補修・補強材をはじめとした当社グループの製品が一定の評価を受けた結果、売上高は26,379百万円(前年同期比14.4%増)となりました。
インダストリーインフラ事業では、自社製品の販売が好調であったものの、受託生産の一部に期ずれが生じたほか、衣料向け受託製品が伸び悩んだ結果、売上高は1,984百万円(前年同期比9.3%減)となりました。
ヒューマンインフラ事業では、欧州・北米の海外自動車メーカー向けOEM供給が好調に推移したものの、期末にかけては、新型コロナウイルス感染症の影響により世界の自動車生産台数が大幅に減少したほか、BBS Motorsport GmbHにおいて、OEM採用車種の入替え調整時期により業績が伸び悩んだ結果、売上高は11,000百万円(前年同期比12.7%減)となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の売上原価は25,616百万円(前年同期比7.4%増)、販売費及び一般管理費は9,231百万円(同6.5%増)となりました。売上原価が増加した主な要因は、売上高の増加に伴う原価の増加によるものであります。また、販売費及び一般管理費が増加した主な要因は、売上高の増加に伴う販売費の増加によるものであります。
この結果、営業利益は4,517百万円(前年同期比15.5%減)となり、売上高営業利益率は11.5%(同2.6ポイント減)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度において営業外収益は250百万円、営業外費用は131百万円となりました。
この結果、経常利益は4,635百万円(前年同期比14.0%減)となり、売上高経常利益率11.8%(同2.5ポイント減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度において特別損失は36百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,089百万円(前年同期比23.8%減)となり、売上高当期純利益率は7.8%(同2.9ポイント減)となりました。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における営業利益は4,517百万円、営業利益率は11.5%、ROE(自己資本利益率)は9.6%でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
各種指標の推移は以下のとおりです。
(注)各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて算出しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの主な資金需要は、営業活動のための原材料・商品の仕入費用及び人件費、生産設備の能力増強・合理化、品質向上及び業務効率化のための設備投資、事業領域の拡大と業績の向上につながるM&Aのための資金等です。これらの資金については、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入又は社債の発行等による資金調達を実施することを基本方針としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,086百万円、現金及び現金同等物の残高は11,002百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りを行う必要がありますが、その見積りや当該見積りに用いた仮定は予測不能な事象の発生等により実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりでありますが、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は次のとおりです。
a.有価証券の減損
当社グループは、金融機関や取引先等の株式を保有しております。時価のある有価証券については、期末における時価が取得価額に比べ50%以上下落したものには全て、30%~50%程度下落したものには、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、時価のない有価証券については、実質価額が取得価額に比べ50%以上下落したものには、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の時価の下落、投資先の業績不振や財政状態の悪化により評価損の計上が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の利益計画やタックス・プランニングに基づき課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ見積額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用の計上が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、期初からの堅調な企業業績を背景に、雇用・所得環境の改善や設備投資の増加が見られ、緩やかな回復基調が続いておりましたが、一転して、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済活動が著しく停滞し、世界経済が深刻な景気後退の局面を迎えました。また、コロナ禍がもたらす社会変化は、米中の貿易摩擦をはじめとする反グローバル化の機運や中国生産からの国内回帰などの地政学的な構造にも影響をもたらしております。
このような状況のなか、当社グループでは、2018年の創業100周年を機に、企業メッセージ「前田工繊は混ぜる会社です」を掲げております。このメッセージには、当社グループが持続的成長を遂げるための強い思いを込めており、グループの持つあらゆる経営資源を「混ぜる」ことで、成長戦略である「M&A」、「海外事業」、「人材育成」を積極的に推進するための原動力になると考えております。
M&A戦略においては、当社グループがこれまで培ってきた繊維・樹脂の加工技術に捉われず、異分野がもつ様々な技術やノウハウを「混ぜる」ことで、新製品や新技術を創出してまいります。
海外事業においては、海外の生産拠点を拡充するとともに、外国籍企業との業務提携等を通じて国内外の技術や販売ネットワークを活用することで、当社グループ製品の市場拡大を目指してまいります。
人材育成においては、当社グループ社員全員を戦力化するほか、多様な人材を採用・育成し、それらの能力・経験から生まれる人的資源を「混ぜる」ことで、イノベーティブな組織風土を築いてまいります。また、当社グループでは、「従業員の健康が会社の未来を決める」との考え方のもと、すべての従業員の健康に深く関わっていくことを決意し、「健康宣言」を行っております。今後も健康で働きがいのある職場づくりに向けた様々な施策に取り組んでまいります。
このように、当社グループは、モノづくりを通じて、「私たちは 独自の知恵と技術で 持続可能な地球 そして 安心・安全で豊かな社会を創るために 貢献してまいります。」という経営理念を実践し、さらに世の中から必要とされる企業となるよう努力してまいります。
当連結会計年度の売上高は39,365百万円(前年同期比4.0%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は4,517百万円(同15.5%減)、経常利益は4,635百万円(同14.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,089百万円(同23.8%減)となりました。
なお、財政状態につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(ソーシャルインフラ事業)
当社の公共工事事業においては、盛土補強材や排水材、斜面防災製品、森林保全製品等の売上が順調に推移いたしました。また、営業利益は、売上高に伴う利益増加に加えて、原価低減や運賃等上昇分の販売価格への転嫁により、前年同期を大きく上回る結果となりました。不織布関連の製品においては、期初から売上が伸び悩んだスパンボンド(連続長繊維不織布)について、新型コロナウイルス感染症対策関連製品の需要拡大により受注が回復した結果、売上は前年同期と同水準となりました。また、営業利益は、原価低減や一部粗利率の高い製品の取り扱い増加により、前年同期を上回る結果となりました。なお、当社と国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所が共同開発した(共同特許取得)「ネットバッファ工法(ケーソン目地透過波低減法)」が、第22回「国土技術開発賞」(主催:(一財)国土技術研究センター、(一財)沿岸技術研究センター)を受賞いたしました。ネットバッファ工法とは、防波堤等の基礎として設置される箱型コンクリート等の隙間(ケーソン目地)に編地の緩衝材を入れることで、透過波の進入を約80%減衰させ、構造物の長寿命化や砕石や土砂の吸出しによる陥没リスクを抑制することが可能となる工法です。今後も社会資本のメンテナンスに貢献すべく、現場から必要とされる工法、製品を提供してまいります。
獣害対策製品、園芸用ハウス、農業資材を取り扱う子会社の未来のアグリ株式会社においては、新型コロナウイルス感染症等の影響により園芸用ハウスの受注が伸び悩んだため、売上は前年同期を下回る結果となりました。営業利益は、獣害対策製品においてCSF(豚熱)対策の防護柵や大口案件の受注が増加したほか、低粗利率製品の取り扱い減少により、前年同期を上回る結果となりました。また、天幕や帆布生地製品を取り扱う子会社の未来テクノ株式会社では、防衛省向け製品の売上が回復したほか、海洋土木製品の生産量が堅調に推移しましたが、期末にかけて予定した大型案件が受注に至らなかったことが影響し、売上・利益とも前年同期を下回りました。なお、フィッシュミール及び魚油の製造・販売を行う株式会社釧路ハイミールは、売上・利益とも計画に対して好調に推移いたしました。同社につきましては、2018年10月29日付で子会社化しており、前第2四半期連結累計期間より業績に含めております。
当事業の売上高は26,379百万円(前年同期比14.4%増)、営業利益5,125百万円(同33.3%増)となりました。
(インダストリーインフラ事業)
インダストリーインフラ事業では、精密機器製造用ワイピングクロス、衣料・各種産業資材用の丸編製品を製造・加工・販売する子会社の未来コーセン株式会社において、半導体向け製品の需要が回復傾向にあるものの上期で販売が伸びず、また、新型コロナウイルス感染症の影響により衣料向け受託製品や医薬品関連用途の製品が低迷した結果、売上・利益とも前年同期を下回りました。
当事業の売上高は1,984百万円(前年同期比9.3%減)、営業利益は303百万円(同13.6%減)となりました。
(ヒューマンインフラ事業)
ヒューマンインフラ事業では、アルミ鍛造ホイールを製造・販売する子会社のBBSジャパン株式会社において、欧州・北米の海外自動車メーカー向けOEM供給が好調に推移したものの、期末にかけては、新型コロナウイルス感染症の影響により世界の自動車生産台数が大幅に減少したほか、同社のドイツ子会社BBS Motorsport GmbHにおいて、OEM採用車種の入替え調整時期により業績が伸び悩んだ結果、売上は前年同期を下回る結果となりました。また、営業利益は、新規設備や新工場の本格稼働に向けた人件費や減価償却費の増加により、前年同期を大幅に下回る結果となりました。
当事業の売上高は11,000百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は470百万円(同78.7%減)となりました。
(その他の事業)
2019年6月に、新たな事業の柱として、ヘルスケア事業に進出するため、MDKメディカル株式会社を設立いたしました。医療機器規制により、販売前に治験が求められるなど市場化に向けた先行投資が必要となりますが、2023年9月期より業績に寄与することを見込んでおります。
その他の事業の営業損失は327百万円となりました。なお、前連結会計年度の連結損益計算書に含まれる業績は3か月(2019年6月21日~9月20日)であるため、前年同期比較は行っておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ640百万円増加(前期比6.2%増)し、11,002百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られたキャッシュ・フローは、5,181百万円(前期は3,857百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,599百万円、減価償却費2,452百万円等の収入と、法人税等の支払額1,459百万円等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは、5,669百万円(前期は9,330百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得5,616百万円等の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られたキャッシュ・フローは、1,196百万円(前期は8,903百万円の収入)となりました。これは主に、セール・アンド・リースバック3,189百万円等の収入と、長期借入金の返済1,121百万円等の支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年9月21日 至 2020年9月20日) | 前年同期比(%) |
| ソーシャルインフラ事業(百万円) | 12,642 | 109.2 |
| インダストリーインフラ事業(百万円) | 1,232 | 87.1 |
| ヒューマンインフラ事業(百万円) | 9,459 | 103.9 |
| 合計(百万円) | 23,333 | 105.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年9月21日 至 2020年9月20日) | 前年同期比(%) |
| ソーシャルインフラ事業(百万円) | 4,813 | 102.9 |
| インダストリーインフラ事業(百万円) | 96 | 76.9 |
| ヒューマンインフラ事業(百万円) | 41 | 96.1 |
| 合計(百万円) | 4,951 | 102.2 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは、大部分の品目が見込生産であり、受注残高も僅少であることから記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年9月21日 至 2020年9月20日) | 前年同期比(%) |
| ソーシャルインフラ事業(百万円) | 26,379 | 114.4 |
| インダストリーインフラ事業(百万円) | 1,984 | 90.7 |
| ヒューマンインフラ事業(百万円) | 11,000 | 87.3 |
| 合計(百万円) | 39,365 | 104.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,447百万円増加し58,468百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,212百万円増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が399百万円減少したものの、現金及び預金が640百万円、流動資産のその他が677百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,234百万円増加いたしました。これは主に、無形固定資産が328百万円減少したものの、有形固定資産が3,546百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,038百万円増加し24,906百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,070百万円減少いたしました。これは主に、リース債務が369百万円、流動負債のその他が426百万円それぞれ増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が979百万円、未払金が546百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて3,108百万円増加いたしました。これは主に、リース債務が3,297百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,408百万円増加し33,561百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2,414百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、39,365百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
当社グループの主事業であるソーシャルインフラ事業では、斜面防災製品、森林保全製品、構造物補修・補強材をはじめとした当社グループの製品が一定の評価を受けた結果、売上高は26,379百万円(前年同期比14.4%増)となりました。
インダストリーインフラ事業では、自社製品の販売が好調であったものの、受託生産の一部に期ずれが生じたほか、衣料向け受託製品が伸び悩んだ結果、売上高は1,984百万円(前年同期比9.3%減)となりました。
ヒューマンインフラ事業では、欧州・北米の海外自動車メーカー向けOEM供給が好調に推移したものの、期末にかけては、新型コロナウイルス感染症の影響により世界の自動車生産台数が大幅に減少したほか、BBS Motorsport GmbHにおいて、OEM採用車種の入替え調整時期により業績が伸び悩んだ結果、売上高は11,000百万円(前年同期比12.7%減)となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の売上原価は25,616百万円(前年同期比7.4%増)、販売費及び一般管理費は9,231百万円(同6.5%増)となりました。売上原価が増加した主な要因は、売上高の増加に伴う原価の増加によるものであります。また、販売費及び一般管理費が増加した主な要因は、売上高の増加に伴う販売費の増加によるものであります。
この結果、営業利益は4,517百万円(前年同期比15.5%減)となり、売上高営業利益率は11.5%(同2.6ポイント減)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度において営業外収益は250百万円、営業外費用は131百万円となりました。
この結果、経常利益は4,635百万円(前年同期比14.0%減)となり、売上高経常利益率11.8%(同2.5ポイント減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度において特別損失は36百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,089百万円(前年同期比23.8%減)となり、売上高当期純利益率は7.8%(同2.9ポイント減)となりました。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における営業利益は4,517百万円、営業利益率は11.5%、ROE(自己資本利益率)は9.6%でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
各種指標の推移は以下のとおりです。
| 第44期 | 第45期 | 第46期 | 第47期 | 第48期 | |
| 営業利益(百万円) | 3,848 | 4,066 | 5,092 | 5,344 | 4,517 |
| 営業利益率(%) | 12.9 | 13.0 | 14.7 | 14.1 | 11.5 |
| ROE(自己資本利益率)(%) | 12.6 | 12.3 | 13.2 | 13.4 | 9.6 |
(注)各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて算出しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの主な資金需要は、営業活動のための原材料・商品の仕入費用及び人件費、生産設備の能力増強・合理化、品質向上及び業務効率化のための設備投資、事業領域の拡大と業績の向上につながるM&Aのための資金等です。これらの資金については、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入又は社債の発行等による資金調達を実施することを基本方針としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,086百万円、現金及び現金同等物の残高は11,002百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りを行う必要がありますが、その見積りや当該見積りに用いた仮定は予測不能な事象の発生等により実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりでありますが、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は次のとおりです。
a.有価証券の減損
当社グループは、金融機関や取引先等の株式を保有しております。時価のある有価証券については、期末における時価が取得価額に比べ50%以上下落したものには全て、30%~50%程度下落したものには、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、時価のない有価証券については、実質価額が取得価額に比べ50%以上下落したものには、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の時価の下落、投資先の業績不振や財政状態の悪化により評価損の計上が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の利益計画やタックス・プランニングに基づき課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ見積額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用の計上が必要となる可能性があります。