訂正有価証券報告書-第98期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。4「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の業績、財政状況またはキャッシュ・フローが、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
(1)前中期経営計画の総括
2014年5月に公表した前中期経営計画「Challenge & Innovation for 2020 ~三井物産プレミアムの実現~」の総括は次のとおりです。
①定量目標の達成状況
2014年後半からの商品市況の悪化は想定を遥かに上回り、2016年3月期には多額の減損損失を主因に当社創業以来初めての連結業績赤字を計上しました。2016年の前半に商品価格は底を打ち、資源エネルギー分野の業績は回復してきましたが、当初想定した水準には届きませんでした。一方、これまで収益基盤を強化してきた安定収益型事業の業績も一定水準には達してきているものの、資源エネルギー分野での業績下押しを補完するまでには至らず、結果として2017年3月期のEBITDA目標(1兆円水準)及び親会社所有者帰属持分利益率(ROE)目標(10~12%)はいずれも未達となりました。このことを踏まえて、新中期経営計画では、大きな経営環境の変化にも十分に耐えうる収益基盤の確立を図ります。
(*1)EBITDA=売上総利益-販売費及び一般管理費+受取配当金+持分法による投資損益+減価償却
(*2)基礎営業キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー-営業活動に係る資産・負債の増減
②強靭なキャッシュ創出力に裏打ちされた「新規事業」への投資と「株主還元」の両立
前中期経営計画3年間累計でのキャッシュ・フローの実績は以下のとおりです。
基礎営業キャッシュ・フローは、商品市況の大幅な悪化に伴い、計画(1.8~2.0兆円)を下回り、1.6兆円の資金獲得となりました。一方で、資産リサイクルは0.8兆円の資金獲得となり、計画(0.7~0.9兆円)を達成し、資金獲得の合計は2.4兆円となりました。既存事業及びパイプライン案件(*3)への投資は、投資規律を徹底し、投資額圧縮・出資時期変更・案件絞り込みを継続した結果、計画(1.5兆円)を下回り、1.1兆円の資金支出となりました。基礎営業キャッシュ・フローの減少に対し投資支出を圧縮した結果として、Recurring Free Cash Flow(*4)は計画(1.0~1.4兆円)どおり1.3兆円の資金獲得となり、このうち0.8兆円を新規投資へ充当した結果、フリーキャッシュ・フローは計画どおり0.5兆円の黒字を達成しました。株主還元は、配当3,275億円に加え475億円の自己株式取得を実施し、総還元額は3,750億円と、新規投資と株主還元をバランス良く両立させました。
(*3)2014年5月時点で推進方針が決定・開示されていた案件
(*4)経常的なフリーキャッシュ・フロー
③当社の強みを活かした「攻め筋」の確立、「既存事業」の収益基盤強化と「パイプライン案件」の完遂
戦略的取組分野である7つの「攻め筋」において、各オペレーティング・セグメントにおける専門性を横断的に繋ぐ、「総合力」を発揮した取組が定着してきました。また、既存事業が強化され、パイプライン案件も着実に進捗し、これらが、当社の企業価値を支える良質かつ競争力のある資産として、新中期経営計画中に当社の収益力を押し上げる見込みです。
前中期経営計画中の主な成果
(2)経営環境
①全般
注:本項目は、2017年5月の決算公表時点の経営環境認識を掲載したものであり、当社の現在の経済環境認識と異なる記載が含まれている場合があります。
当連結会計年度の世界経済は、国際商品市況の底打ちにより景況感が改善し、生産や貿易にも回復がみられたことから、米国を中心に総じて底堅い成長となりました。
米国は、雇用増や賃金上昇を背景に個人消費が持ち直しており、当面は景気回復が続くと見込まれるものの、一部に景気の成熟感がみられ、FRBの利上げによる自動車販売などへの影響も懸念されます。欧州では、個人消費が増加し緩やかな景気回復が続いていますが、英国のEU離脱交渉など不確実性の高まりから今後は景気回復のペースが落ちていくと見込まれます。日本は、海外経済の持ち直しを受けて輸出が伸びており、オリンピック・パラリンピック関連投資の本格化も期待されることから、今後も持ち直しが続くとみられます。中国では、過剰な設備や債務の調整などに伴う成長鈍化が続いていますが、当面はインフラ投資の拡大や世界的なIT需要の増加により、減速は緩やかなものに留まると予想されます。また、ロシアやブラジルでも、商品価格の底打ちにより緩やかな景気回復が見込まれます。
世界経済は、今後も緩やかな回復基調を辿るとみられますが、米国新政権が掲げる政策の進捗状況や、中東や東アジアを巡る地政学リスクの高まりには、注意が必要です。
②鉄鋼製品セグメント
2016年暦年の世界の粗鋼生産は約16億トンと前年と同水準になり、世界粗鋼生産のほぼ半分を占める中国の供給過剰を背景に、厳しい事業環境が継続しています。このような環境を受け、製鉄業統合に伴う鋼材流通分野の競争が激化し、更なる業界再編が生じる可能性があります。
中長期的には、国内の鉄鋼市場が人口減少などにより緩やかに縮小する一方で、米州・アジアを牽引役とした世界経済の回復に伴い、鉄鋼需要は増加していく見通しで、今後もさまざまなビジネスチャンスが期待できます。
③金属資源セグメント
短期的には中国や新興国の成長鈍化などにより市況低迷が当面継続するリスクがありますが、鉄鋼や非鉄金属は産業の基幹素材であり、その原料に対する需要は長期的な伸びが見込まれます。一方、開発・生産コストの上昇や既存鉱山の枯渇や品位悪化に加え、優良未開発案件には限りがあるため、供給が追いつかず、長期的には需給は逼迫していく見込みです。当セグメントが携わる金属資源分野は、引続き重要性が高いビジネスです。
④機械・インフラセグメント
人口増加・経済発展の著しい新興諸国では、電力・水・物流などの基幹インフラ整備の需要、先進国ではインフラ老朽化による改修需要や、環境負荷の低い再生可能エネルギーの急速な広がりなど低炭素社会へのインフラ投資需要が拡大しています。また、エネルギー分野では、資源開発にかかる設備の高度化・大型化・複雑化により、総合的な開発需要の増加が期待されます。例えば、米国においては、シェールガス・オイルの開発により、開発インフラのみならず、パイプライン輸送や下流の化学品製造、ガス火力発電、LNG出荷設備などのニーズが生じています。他方、先進国を中心とした各国中央銀行による量的緩和を背景に、政策金利は歴史的な低水準となっており、運用先を求める資金の増加から、安定収益を見込めるインフラ案件への関心は高まっており、引続き重要性が高いビジネスです。
新興国経済の成長に伴い、中長期的には資源・エネルギー需要も増加、それに伴い鉱山機械需要は回復、また陸海ともに物流増加による市況回復が期待されます。製造業回帰の進む米国の景気回復基調は、当社の自動車・トラック・工作機械・建設機械事業では追い風となります。新興国における経済成長に伴う環境問題への関心の高まりや、渋滞緩和に向けた公共交通機関へのモーダルシフトによる旅客・貨物鉄道整備の需要も高まると見込まれます。世界的に経済成長が緩やかながら続くことから、中長期的には航空旅客は増加し、機体・エンジン需要も伸びると期待されます。一方、地球温暖化、人口増、都市化、高齢化が進むと共に、素材、エンジン、AIを駆使した自動運転など、多様な技術革新が生まれ、また実用化されようとしています。人々の意識はそれらに応じて変化が生じており、安全・環境意識の高まりに加えて、移動手段について、所有から利用へのシフトが進んでいます。これらを背景に、業界慣習を超えた多様かつ革新的なビジネスモデルが、業種を超えて出現しつつあり、今後もさまざまなビジネスチャンスが期待できます。
⑤化学品セグメント
シェール革命により、北米の石化事業の競争力が回復し、中東と並ぶ供給拠点になっています。また、プラント大型化と生産能力増加により、石化中間体のコモディティ化が加速し、コスト競争力の高い原料確保の重要性がますます高まっています。一方、中国や東南アジアでの地産地消化の進展に加え、日本や欧州での石化プラント統廃合の動きなど構造変化の進捗により、石油化学品のトレードフローにも変化が起こっています。
機能・先端材料およびスペシャリティケミカルの領域では、環境意識の高まりやQuality Of Lifeの向上、技術革新の進展といった世界的なマクロ環境を背景に、軽量化と電装化が進む「自動車」、食品・洗剤・パーソナルケアなどの「コンシューマープロダクツ」、スマートフォンの液晶ディスプレイ・ロボティクス・ヘルスケアなどの「ICT・新産業」の3つの成長領域に特に着目しております。
農業化学や食品・栄養科学の領域では、世界的な人口増加・世界経済の成長に伴い食糧増産ニーズが、また中間所得者層の増加や健康意識の向上に伴い食の高付加価値ニーズが増大し、市場は引続き拡大すると見込まれます。
⑥エネルギーセグメント
世界的な人口増加・世界経済の成長に伴い、エネルギー需要は今後も増加する見込みであり、中長期的に石油・天然ガス・石炭・原子燃料が主要一次エネルギーとして継続する見通しです。
原油市況は、中長期的には需要が増加する一方で、供給面では新規上流投資抑制による開発鈍化の影響、より高コストの油田開発必要性等により、緩やかな上昇基調を見込んでいます。
LNG市況は、短期的には豪州・米国などにおける新規大型LNGプロジェクトの立ち上がりに比し需要の伸長ペースが合わず、供給過剰の状態が当面継続する見込みですが、中長期的には新興輸入国の市場拡大や燃料転換等による堅調な需要伸長を背景に、2023年頃には需給ギャップが解消する見込みです。
当社は、E&P及びLNGプロジェクトを含む上流事業では主体的な取組みを強化し、市況下落による開発費用などの低下局面を活かして収益性を向上させ、未開発埋蔵量の開発促進や優良資産の取得を通じ、より強固な収益基盤の構築をさらに進めています。又、グローバルな事業推進・物流体制の強化によりプレゼンスを一層高めるとともに、新興国を中心とした新たな需要の取り込みや当社機能を通じた発電所・ターミナル等のインフラ事業への取組みなど、上流から中~下流までバリューチェーンで事業を展開し収益基盤を強化、事業ポートフォリオの持続的な価値創造力を高めていきます。
気候変動対応として、よりクリーンなエネルギーへのシフトや低炭素社会への対応が期待されています。急激な技術革新によるコスト低減を背景に、太陽光・風力等を中心とする再生可能エネルギーの増加率は高く、増加ペース次第では一次エネルギー供給構成に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社は長期的な視点からエネルギービジネスのトレンドを捉えて、次世代を睨んだポートフォリオの構築を進めると共に、総合的なエネルギーの安定供給を通じて社会の持続的な成長に貢献していきます。
⑦生活産業セグメント
世界的な人口増加・世界経済の成長を背景に、食糧需要は今後も持続的に増加する見込みですが、先進国を中心とした農業人口の減少や気候変動による生産適地の変化などを背景に、食糧供給地の偏在化が進んでおり、食糧資源の確保と安定供給へのニーズが一層高まると予想されます。また、世界的な中間所得者層の増加に伴い、食糧需要は美味しさや動物性たんぱく質嗜好など高度化が進み、更に高齢化も相俟って健康向上・疾病予防・安全・安心など多様化が進んでおり、これら食の高付加価値ニーズへの対応も求められるようになります。
成熟した日本の消費市場では、人口減少や少子高齢化などにより、消費量は緩やかに減少していく見通しです。量だけでなく、高齢化や女性の社会進出による共働き世帯・少人数世帯の増加などに伴うライフスタイルの変化を背景に、例えば医療・健康の重視や利便性・安全性の追求など、求められるサービスの質も大きく変化しています。
アジアを中心とした新興国では、人口増加と高齢化、中間所得者層の拡大、経済発展に伴う慢性疾患の増加など疾病構造の変化に伴い、医療費支出の伸びが加速しています。一方、医療サービスの供給が追い付いておらず、医療の需給ギャップは更に拡大していくことが見込まれます。今後、質の高い医療サービスの供給を増やすことと、医療費支出を抑制していくという難しい課題への対応が求められるようになります。
⑧次世代・機能推進セグメント
ICT事業分野においては、デバイスの進化やSNS、IoTの普及に伴い、文書・写真・音声・動画・センサー情報などのデジタルデータが急激に増加しています。従来社会や自然の中で埋没していた多種多量の構造化されていないデータを収集・解析する技術革新が進み、可視化、更にはより精度の高い予測を行なうことで付加価値が生み出されています。高度なICTサービスと実体経済が密接にかかわる次世代社会に向けて、技術革新とともに、今後も新たなサービスやビジネスモデルが創造される変化の激しい環境にあり、タイミングを逃さぬスピード感が必要とされています。
また、新興国においても、PCからモバイルへのシフト、通信インフラにおける投資の拡大、さらにはサービス分野への投資のシフトなど、目覚ましい成長が見られます。また、近年、先進国で展開されている高速ネットインフラ事業やテレビショッピング事業など、先進国で利用されているビジネスが新興国においても立ち上がってきています。中間所得者層の増加、消費の多様化、物流の充実にともない、市場規模は今後も拡大が見込まれます。
コーポレートディベロップメント分野においては、各国での規制緩和、法整備の進展などの恩恵を受け、不動産事業と金融事業の知見を融合させた不動産アセットマネジメント事業は、先進国・新興国を問わずグローバルに拡大しています。また企業が事業拡大を行う上で、経営ノウハウおよび資金の提供者であるバイアウトファンドといったPEファンドが果たすべき役割はますます重要となっています。また、機関投資家の投資リスク分散と投資先の多様化から、PEファンドは引続き魅力的なアセットクラスであると期待されています。
(3)新中期経営計画「Driving Value Creation」
(注)本項目は2017年5月に公表した新中期経営計画「Driving Value Creation」の一部の内容を掲載したものです。
①当社の目指す在り姿
当社は、今般、新中期経営計画「Driving Value Creation」」を策定しました。当社は、「自らが新たなビジネスを創り、育て、発展させる集団」であり、グループ全体に溢れるさまざまな資質や能力を持った「多様なプロ人材」が、当社グループの総合力と優れたパートナーや顧客とのネットワークを駆使し、主体的な事業創出に取り組むことで、新たな価値を生み出していきます。この価値創造を持続的に行うことで当社の成長を加速することが「Driving Value Creation」に込められた意味です。

②2020年3月期定量計画
新中期経営計画の最終年度である2020年3月期の当期利益は4,400億円、基礎営業キャッシュ・フローは6,300億円を目指し、親会社所有者帰属持分利益率(ROE)は10%まで引き上げます。
③4つの重点施策
前中期経営計画の結果を踏まえ、環境変化とリスクに耐えうる収益基盤を確立するためには、当社が強みを有する成長領域を見極め、選別し、有限な経営資源をダイナミックに配分する必要があると考えます。また、激しい変化の中で着実に事業活動を行うために、それを支える経営基盤を更に強化していくことが求められます。これらの課題に対応するため、次のとおり4つの重点施策を定めました。
(a)「強固な収益基盤作りと既存事業の徹底強化」
新中期経営計画の中核分野は、金属資源・エネルギー、機械・インフラ、化学品の3つです。これらは当社の圧倒的な主力であり、生み出す基礎営業キャッシュ・フローは3年間で全体の約90%を見込みます。金属資源・エネルギーは、埋蔵量・生産量・コスト削減の三位一体の強化により、低商品価格下においても強靭なキャッシュ創出力を有する事業群です。機械・インフラと化学品も、前中期経営計画までのさまざまな取組が実を結び、収益の柱に成長しています。今後も強みの上に資産を積み増すボルトオン投資を継続し、強い事業を更に強固なものとしていきます。
中核分野:
また、潜在価値を有しながらも、その実力を発揮できていない事業群の価値実現を徹底的に進めます。更には、外部環境の変化も踏まえた事業サイクルを的確に把握することで、事業の入れ替えも加速します。引き続き、トレーディングの強化も行います。「売る力」は依然として当社の重要な機能の1つであり、付加価値の高いトレーディング機能を通じてパートナーや顧客とのネットワークを更に強化し、価値創造の機会を拡大していきます。
以下の図に記載した各案件は前中期経営計画中に積み上げた良質な事業群ですが、これらを着実に立ち上げていくことで定量目標の達成につなげます。
(b)「新たな成長分野の確立」
今後の中期的な外部環境の変化も見据えながら、当社が強みを発揮できる4つの成長分野を定め、経営資源をダイナミックに配分します。モビリティ分野では、社会ニーズの変化と環境社会への対応を見据えた、素材及び移動・輸送サービスなどの複合的な取組を行います。ヘルスケア分野では、特にアジアでの社会ニーズが増加している糖尿病などの生活習慣病への対応に焦点をあてたヘルスケア・エコシステムの構築を目指します。ニュートリション・アグリカルチャー分野では、人口動態や生活様式の変化を受けた食と農への関心の高まりに対し、農業・畜水産の生産性向上と安定供給、食の高付加価値化に取り組みます。リテール・サービス分野では、世界的に多様な消費者の力が強まり、その嗜好もさまざまに個別化していく中で、消費者ニーズに対応するためにも、最新のデジタル・ロジスティクス・金融機能を駆使した、次世代型事業の育成に取り組みます。これらの成長分野において、当社が既に有する強みを活かした新たな価値を創造することで、次の収益の柱を確立していきます。
成長分野:

(c)「キャッシュ・フロー経営の深化と財務基盤強化」
前中期経営計画より当社はキャッシュ・フロー経営を重要施策としてきていますが、新中期経営計画ではこれを更に深化させます。まずは、安定的に創出可能な基礎営業キャッシュ・フローをベースに算出した配当総額を下限として設定します。また、3年間累計での株主還元後のフリーキャッシュ・フローを黒字化することで、有利子負債の水準を管理し、財務基盤の強化を図ります。下限配当控除後のフリーキャッシュ・フローは、その時々の経営状況により、追加株主還元、有利子負債の返済または追加投資に配分します。このようなキャッシュ・フロー経営の実行により、格付けについて現状のA格を維持するとともに、持続的な向上に努めます。
上述の方針に基づく、キャッシュ・フロー・アロケーション見通しは以下のとおりです。

投資にあたっては、引き続き投資規律を徹底した上で、重点施策(a)・(b)に沿って案件を厳選しつつ実行します。投資配分については、中核分野に約65%とし、強い基礎営業キャッシュ・フロー創出能力の維持と強化に充て、成長分野に約35%とし、次の収益の柱の構築に充てます。
(d)「ガバナンス・人材・イノベーション機能の強化」
当社が健全な事業活動を行い、経営の重点施策を着実に遂行するためには、それを支える経営基盤の確立が必須であり、ガバナンス・人材・イノベーション機能の強化に取り組みます。ガバナンスにおいては、引き続き取締役会の多様性拡大と実効性強化に努めます。人材面では、当社グループの多種多様なプロ人材から最適と思われる人材を適所に登用していく取組を進めます。イノベーション機能に関しては、急速に進む技術革新を大きな機会と捉え、デジタル・トランスフォーメーションを積極的に推進することにより、競争力強化と生産性向上、ビジネスモデルの革新を加速させます。
④利益配分に関する考え方
株主還元策については第4 提出会社の状況 3「配当政策」を参照願います。
(4)2018年3月期連結業績予想
①2018年3月期連結業績予想
為替レートは2017年3月期の108.89円/米ドル、81.75円/豪ドル及び33.27円/伯レアルに対し、2018年3月期はそれぞれ110円/米ドル、85円/豪ドル及び35円/伯レアルを想定します。また、2018年3月期の原油価格(JCC)を54米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の連結決算に適用される原油価格の平均を53米ドル/バレル(2017年3月期比9米ドル/バレル上昇)と想定します。
オペレーティング・セグメント別の当期利益(親会社の所有者に帰属)予想は以下のとおりです。
なお、2017年4月1日より、従来の地域別セグメントを商品別セグメントに集約するとともに、各報告セグメントに帰属する経費及び法人所得税の配賦方法を変更したことに伴い、2017年3月期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しています。
オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下の通りです。
当期利益(親会社の所有者に帰属)と同様、2017年3月期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しています。
②2018年3月期連結業績予想における前提条件
2018年3月期連結業績予想における商品価格及び為替の前提と、商品価格及び為替の変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。
(*1)原油価格は0~6ヶ月遅れで当社連結業績に反映されるため、この期ずれを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2018年3月期には30%が4~6ヵ月遅れで、37%が1~3ヵ月遅れで、33%が遅れ無しで反映されると想定されます。
(*2)米国シェールガスはHenry Hub(HH)に連動しない価格でも販売しているため、上記感応度はHH価格に対する直接的な感応度ではなく、加重平均ガス販売価格に対する感応度です。
(*3)HH連動の販売価格は、HH価格US$3.00/mmBtuを前提として使用しています。
(*4)NYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの2016年1月~12月の直近限月終値のdaily平均値を記載しています。
(*5)鉄鉱石の前提価格は非開示です。
(*6)複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaの2016年4月~2017年3月のdaily平均値(参考値)を記載しています。
(*7)LME cash settlement priceの2016年1月~12月のmonthly averageの平均値を記載しています。
(*8)各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る感応度であり、金属資源・エネルギー生産事業における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドル・伯レアルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含みません。
注) 経営成績に対する外国為替相場の影響について
2016年3月期及び2017年3月期の海外の連結子会社及び関連会社の当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の合計はそれぞれ1,563億円の損失と3,143億円の利益です。これらの海外所在の連結子会社及び関連会社の機能通貨は、主として米ドル、豪ドル、伯レアルです。2018年3月期連結業績予想の当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)に対する為替変動の影響について、当社は簡便的な推定を行っています。
(a)具体的には、業績予想策定の過程で、海外関係会社の予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)を各社の機能通貨別に集計し、まず豪ドル、伯レアル建ての予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の合計額を算出するほか、両通貨以外の機能通貨を使用する関係会社の予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)を全て米ドル相当額に換算しました。これら3つの通貨別に表示された予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)に対して為替変動の影響を評価しました。これによれば米ドルに対する円高は、1円当たり20億円程度の当期利益(親会社の所有者に帰属)の減少をもたらすと試算されます。また、豪ドル及び伯レアルを機能通貨とする連結子会社及び関連会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)に係る円高の影響は、1豪ドル及び1伯レアル当たりでそれぞれ1円の円高で17億円及び4億円の減益となります。
(b)なお、豪ドル及び伯レアルを機能通貨とする資源・エネルギー関連生産会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)は、両通貨と契約上の建値通貨である米ドルとの間での為替変動の影響を大きく受けます。この影響額は、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。
(c)但し、資源・エネルギー関連生産会社などでは、一部において、販売契約の契約通貨である米ドルと機能通貨の為替ヘッジを行っているほか、外貨建の当期利益(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る為替ヘッジを行っている場合があります。これらの影響額についても、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。
(1)前中期経営計画の総括
2014年5月に公表した前中期経営計画「Challenge & Innovation for 2020 ~三井物産プレミアムの実現~」の総括は次のとおりです。
①定量目標の達成状況
2014年後半からの商品市況の悪化は想定を遥かに上回り、2016年3月期には多額の減損損失を主因に当社創業以来初めての連結業績赤字を計上しました。2016年の前半に商品価格は底を打ち、資源エネルギー分野の業績は回復してきましたが、当初想定した水準には届きませんでした。一方、これまで収益基盤を強化してきた安定収益型事業の業績も一定水準には達してきているものの、資源エネルギー分野での業績下押しを補完するまでには至らず、結果として2017年3月期のEBITDA目標(1兆円水準)及び親会社所有者帰属持分利益率(ROE)目標(10~12%)はいずれも未達となりました。このことを踏まえて、新中期経営計画では、大きな経営環境の変化にも十分に耐えうる収益基盤の確立を図ります。
| 2014年3月期 (IFRS) | 2017年3月期 (IFRS) | |
| EBITDA(*1) | 8,196億円 | 5,961億円 |
| 当期利益(親会社の所有者に帰属) | 3,501億円 | 3,061億円 |
| 基礎営業キャッシュ・フロー(*2) | 6,089億円 | 3年間累計 1.6兆円 |
| ネット有利子負債 | 3兆1,788億円 | 3兆2,821億円 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 3兆8,158億円 | 3兆7,322億円 |
| 親会社所有者帰属持分利益率 | 9.7% | 8.6% |
| ネットDER | 0.83倍 | 0.88倍 |
(*1)EBITDA=売上総利益-販売費及び一般管理費+受取配当金+持分法による投資損益+減価償却
(*2)基礎営業キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー-営業活動に係る資産・負債の増減
②強靭なキャッシュ創出力に裏打ちされた「新規事業」への投資と「株主還元」の両立
前中期経営計画3年間累計でのキャッシュ・フローの実績は以下のとおりです。
基礎営業キャッシュ・フローは、商品市況の大幅な悪化に伴い、計画(1.8~2.0兆円)を下回り、1.6兆円の資金獲得となりました。一方で、資産リサイクルは0.8兆円の資金獲得となり、計画(0.7~0.9兆円)を達成し、資金獲得の合計は2.4兆円となりました。既存事業及びパイプライン案件(*3)への投資は、投資規律を徹底し、投資額圧縮・出資時期変更・案件絞り込みを継続した結果、計画(1.5兆円)を下回り、1.1兆円の資金支出となりました。基礎営業キャッシュ・フローの減少に対し投資支出を圧縮した結果として、Recurring Free Cash Flow(*4)は計画(1.0~1.4兆円)どおり1.3兆円の資金獲得となり、このうち0.8兆円を新規投資へ充当した結果、フリーキャッシュ・フローは計画どおり0.5兆円の黒字を達成しました。株主還元は、配当3,275億円に加え475億円の自己株式取得を実施し、総還元額は3,750億円と、新規投資と株主還元をバランス良く両立させました。
(*3)2014年5月時点で推進方針が決定・開示されていた案件
(*4)経常的なフリーキャッシュ・フロー
| 前中期経営計画 目標 | 前中期経営計画 3年間累計実績 | |
| 基礎営業キャッシュ・フロー…(a) | +1.8~2.0兆円 | +1.6兆円 |
| 資産リサイクル…(b) | +0.7~0.9兆円 | +0.8兆円 |
| 既存事業+パイプライン案件への投資…(c) | △1.5兆円 | △1.1兆円 |
| Recurring Free Cash Flow…(d)=(a)+(b)+(c) | +1.0~1.4兆円 | +1.3兆円 |
| 新規投資…(e) | 株主還元と両立 | △0.8兆円 |
| フリーキャッシュ・フロー…(f)=(d)+(e) | 黒字化 | +0.5兆円 |
| 株主還元 | 新規投資と両立 | △0.4兆円 |
③当社の強みを活かした「攻め筋」の確立、「既存事業」の収益基盤強化と「パイプライン案件」の完遂
戦略的取組分野である7つの「攻め筋」において、各オペレーティング・セグメントにおける専門性を横断的に繋ぐ、「総合力」を発揮した取組が定着してきました。また、既存事業が強化され、パイプライン案件も着実に進捗し、これらが、当社の企業価値を支える良質かつ競争力のある資産として、新中期経営計画中に当社の収益力を押し上げる見込みです。
前中期経営計画中の主な成果
| 攻め筋 | 成果 |
| ハイドロカーボン チェーン | ・米国 Cameron LNGプロジェクト(最終投資決定・工事進捗) |
| ・米国 メタノール製造事業(生産開始) | |
| ・米国 化学品タンクターミナル事業(Phase1稼働開始、Phase2拡張進捗) | |
| ・豪州 Kipperガス田(権益取得) | |
| ・豪州 Greater Enfield油田開発(最終投資決定) | |
| 資源(地下+地上) ・素材 | ・豪州 West Angelas鉄鉱山、Cape Lambert港(拡張完了) |
| ・モザンビーク 炭鉱・インフラ開発(権益取得) | |
| ・ノルウェー 炭素繊維製品製造事業(出資) | |
| ・韓国 炭素繊維中間基材加工事業(出資) | |
| 食糧と農業 | ・米国 Novusメチオニン製造・販売事業(増資引受・増設方針決定) |
| ・米国 麦用種子処理殺菌剤Latitude®(買収) | |
| インフラ | ・ブラジル ガス配給事業の拡充(出資) |
| ・インドネシア Tanjung Priok港コンテナターミナルの建設・運営(操業開始) | |
| ・FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)(出資・完工) | |
| ・IPP事業(出資・完工) | |
| モビリティ | ・ブラジル VLI一般貨物輸送事業(出資) |
| ・英国 旅客鉄道事業(出資) | |
| ・米国 トラックリース事業(出資) | |
| ・スペイン Gestamp自動車部品事業(出資) | |
| メディカル・ヘルスケア | ・米国 NovaQuest新薬開発ファンド(事業拡大) |
| ・アジア・大洋州 医療情報サービス事業(共同買収) | |
| ・アジア DaVita透析事業(出資) | |
| ・アジア Columbia Asia病院運営(出資) | |
| ・パナソニックヘルスケア医療機器(出資) | |
| 衣食住と 高付加価値サービス | ・米国 IoT・データ解析(出資) |
| ・バミューダ NOCM再保険アセットマネジメント事業(出資) | |
| ・米国 CIM不動産アセットマネジメント事業(出資) |
(2)経営環境
①全般
注:本項目は、2017年5月の決算公表時点の経営環境認識を掲載したものであり、当社の現在の経済環境認識と異なる記載が含まれている場合があります。
当連結会計年度の世界経済は、国際商品市況の底打ちにより景況感が改善し、生産や貿易にも回復がみられたことから、米国を中心に総じて底堅い成長となりました。
米国は、雇用増や賃金上昇を背景に個人消費が持ち直しており、当面は景気回復が続くと見込まれるものの、一部に景気の成熟感がみられ、FRBの利上げによる自動車販売などへの影響も懸念されます。欧州では、個人消費が増加し緩やかな景気回復が続いていますが、英国のEU離脱交渉など不確実性の高まりから今後は景気回復のペースが落ちていくと見込まれます。日本は、海外経済の持ち直しを受けて輸出が伸びており、オリンピック・パラリンピック関連投資の本格化も期待されることから、今後も持ち直しが続くとみられます。中国では、過剰な設備や債務の調整などに伴う成長鈍化が続いていますが、当面はインフラ投資の拡大や世界的なIT需要の増加により、減速は緩やかなものに留まると予想されます。また、ロシアやブラジルでも、商品価格の底打ちにより緩やかな景気回復が見込まれます。
世界経済は、今後も緩やかな回復基調を辿るとみられますが、米国新政権が掲げる政策の進捗状況や、中東や東アジアを巡る地政学リスクの高まりには、注意が必要です。
②鉄鋼製品セグメント
2016年暦年の世界の粗鋼生産は約16億トンと前年と同水準になり、世界粗鋼生産のほぼ半分を占める中国の供給過剰を背景に、厳しい事業環境が継続しています。このような環境を受け、製鉄業統合に伴う鋼材流通分野の競争が激化し、更なる業界再編が生じる可能性があります。
中長期的には、国内の鉄鋼市場が人口減少などにより緩やかに縮小する一方で、米州・アジアを牽引役とした世界経済の回復に伴い、鉄鋼需要は増加していく見通しで、今後もさまざまなビジネスチャンスが期待できます。
③金属資源セグメント
短期的には中国や新興国の成長鈍化などにより市況低迷が当面継続するリスクがありますが、鉄鋼や非鉄金属は産業の基幹素材であり、その原料に対する需要は長期的な伸びが見込まれます。一方、開発・生産コストの上昇や既存鉱山の枯渇や品位悪化に加え、優良未開発案件には限りがあるため、供給が追いつかず、長期的には需給は逼迫していく見込みです。当セグメントが携わる金属資源分野は、引続き重要性が高いビジネスです。
④機械・インフラセグメント
人口増加・経済発展の著しい新興諸国では、電力・水・物流などの基幹インフラ整備の需要、先進国ではインフラ老朽化による改修需要や、環境負荷の低い再生可能エネルギーの急速な広がりなど低炭素社会へのインフラ投資需要が拡大しています。また、エネルギー分野では、資源開発にかかる設備の高度化・大型化・複雑化により、総合的な開発需要の増加が期待されます。例えば、米国においては、シェールガス・オイルの開発により、開発インフラのみならず、パイプライン輸送や下流の化学品製造、ガス火力発電、LNG出荷設備などのニーズが生じています。他方、先進国を中心とした各国中央銀行による量的緩和を背景に、政策金利は歴史的な低水準となっており、運用先を求める資金の増加から、安定収益を見込めるインフラ案件への関心は高まっており、引続き重要性が高いビジネスです。
新興国経済の成長に伴い、中長期的には資源・エネルギー需要も増加、それに伴い鉱山機械需要は回復、また陸海ともに物流増加による市況回復が期待されます。製造業回帰の進む米国の景気回復基調は、当社の自動車・トラック・工作機械・建設機械事業では追い風となります。新興国における経済成長に伴う環境問題への関心の高まりや、渋滞緩和に向けた公共交通機関へのモーダルシフトによる旅客・貨物鉄道整備の需要も高まると見込まれます。世界的に経済成長が緩やかながら続くことから、中長期的には航空旅客は増加し、機体・エンジン需要も伸びると期待されます。一方、地球温暖化、人口増、都市化、高齢化が進むと共に、素材、エンジン、AIを駆使した自動運転など、多様な技術革新が生まれ、また実用化されようとしています。人々の意識はそれらに応じて変化が生じており、安全・環境意識の高まりに加えて、移動手段について、所有から利用へのシフトが進んでいます。これらを背景に、業界慣習を超えた多様かつ革新的なビジネスモデルが、業種を超えて出現しつつあり、今後もさまざまなビジネスチャンスが期待できます。
⑤化学品セグメント
シェール革命により、北米の石化事業の競争力が回復し、中東と並ぶ供給拠点になっています。また、プラント大型化と生産能力増加により、石化中間体のコモディティ化が加速し、コスト競争力の高い原料確保の重要性がますます高まっています。一方、中国や東南アジアでの地産地消化の進展に加え、日本や欧州での石化プラント統廃合の動きなど構造変化の進捗により、石油化学品のトレードフローにも変化が起こっています。
機能・先端材料およびスペシャリティケミカルの領域では、環境意識の高まりやQuality Of Lifeの向上、技術革新の進展といった世界的なマクロ環境を背景に、軽量化と電装化が進む「自動車」、食品・洗剤・パーソナルケアなどの「コンシューマープロダクツ」、スマートフォンの液晶ディスプレイ・ロボティクス・ヘルスケアなどの「ICT・新産業」の3つの成長領域に特に着目しております。
農業化学や食品・栄養科学の領域では、世界的な人口増加・世界経済の成長に伴い食糧増産ニーズが、また中間所得者層の増加や健康意識の向上に伴い食の高付加価値ニーズが増大し、市場は引続き拡大すると見込まれます。
⑥エネルギーセグメント
世界的な人口増加・世界経済の成長に伴い、エネルギー需要は今後も増加する見込みであり、中長期的に石油・天然ガス・石炭・原子燃料が主要一次エネルギーとして継続する見通しです。
原油市況は、中長期的には需要が増加する一方で、供給面では新規上流投資抑制による開発鈍化の影響、より高コストの油田開発必要性等により、緩やかな上昇基調を見込んでいます。
LNG市況は、短期的には豪州・米国などにおける新規大型LNGプロジェクトの立ち上がりに比し需要の伸長ペースが合わず、供給過剰の状態が当面継続する見込みですが、中長期的には新興輸入国の市場拡大や燃料転換等による堅調な需要伸長を背景に、2023年頃には需給ギャップが解消する見込みです。
当社は、E&P及びLNGプロジェクトを含む上流事業では主体的な取組みを強化し、市況下落による開発費用などの低下局面を活かして収益性を向上させ、未開発埋蔵量の開発促進や優良資産の取得を通じ、より強固な収益基盤の構築をさらに進めています。又、グローバルな事業推進・物流体制の強化によりプレゼンスを一層高めるとともに、新興国を中心とした新たな需要の取り込みや当社機能を通じた発電所・ターミナル等のインフラ事業への取組みなど、上流から中~下流までバリューチェーンで事業を展開し収益基盤を強化、事業ポートフォリオの持続的な価値創造力を高めていきます。
気候変動対応として、よりクリーンなエネルギーへのシフトや低炭素社会への対応が期待されています。急激な技術革新によるコスト低減を背景に、太陽光・風力等を中心とする再生可能エネルギーの増加率は高く、増加ペース次第では一次エネルギー供給構成に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社は長期的な視点からエネルギービジネスのトレンドを捉えて、次世代を睨んだポートフォリオの構築を進めると共に、総合的なエネルギーの安定供給を通じて社会の持続的な成長に貢献していきます。
⑦生活産業セグメント
世界的な人口増加・世界経済の成長を背景に、食糧需要は今後も持続的に増加する見込みですが、先進国を中心とした農業人口の減少や気候変動による生産適地の変化などを背景に、食糧供給地の偏在化が進んでおり、食糧資源の確保と安定供給へのニーズが一層高まると予想されます。また、世界的な中間所得者層の増加に伴い、食糧需要は美味しさや動物性たんぱく質嗜好など高度化が進み、更に高齢化も相俟って健康向上・疾病予防・安全・安心など多様化が進んでおり、これら食の高付加価値ニーズへの対応も求められるようになります。
成熟した日本の消費市場では、人口減少や少子高齢化などにより、消費量は緩やかに減少していく見通しです。量だけでなく、高齢化や女性の社会進出による共働き世帯・少人数世帯の増加などに伴うライフスタイルの変化を背景に、例えば医療・健康の重視や利便性・安全性の追求など、求められるサービスの質も大きく変化しています。
アジアを中心とした新興国では、人口増加と高齢化、中間所得者層の拡大、経済発展に伴う慢性疾患の増加など疾病構造の変化に伴い、医療費支出の伸びが加速しています。一方、医療サービスの供給が追い付いておらず、医療の需給ギャップは更に拡大していくことが見込まれます。今後、質の高い医療サービスの供給を増やすことと、医療費支出を抑制していくという難しい課題への対応が求められるようになります。
⑧次世代・機能推進セグメント
ICT事業分野においては、デバイスの進化やSNS、IoTの普及に伴い、文書・写真・音声・動画・センサー情報などのデジタルデータが急激に増加しています。従来社会や自然の中で埋没していた多種多量の構造化されていないデータを収集・解析する技術革新が進み、可視化、更にはより精度の高い予測を行なうことで付加価値が生み出されています。高度なICTサービスと実体経済が密接にかかわる次世代社会に向けて、技術革新とともに、今後も新たなサービスやビジネスモデルが創造される変化の激しい環境にあり、タイミングを逃さぬスピード感が必要とされています。
また、新興国においても、PCからモバイルへのシフト、通信インフラにおける投資の拡大、さらにはサービス分野への投資のシフトなど、目覚ましい成長が見られます。また、近年、先進国で展開されている高速ネットインフラ事業やテレビショッピング事業など、先進国で利用されているビジネスが新興国においても立ち上がってきています。中間所得者層の増加、消費の多様化、物流の充実にともない、市場規模は今後も拡大が見込まれます。
コーポレートディベロップメント分野においては、各国での規制緩和、法整備の進展などの恩恵を受け、不動産事業と金融事業の知見を融合させた不動産アセットマネジメント事業は、先進国・新興国を問わずグローバルに拡大しています。また企業が事業拡大を行う上で、経営ノウハウおよび資金の提供者であるバイアウトファンドといったPEファンドが果たすべき役割はますます重要となっています。また、機関投資家の投資リスク分散と投資先の多様化から、PEファンドは引続き魅力的なアセットクラスであると期待されています。
(3)新中期経営計画「Driving Value Creation」
(注)本項目は2017年5月に公表した新中期経営計画「Driving Value Creation」の一部の内容を掲載したものです。
①当社の目指す在り姿
当社は、今般、新中期経営計画「Driving Value Creation」」を策定しました。当社は、「自らが新たなビジネスを創り、育て、発展させる集団」であり、グループ全体に溢れるさまざまな資質や能力を持った「多様なプロ人材」が、当社グループの総合力と優れたパートナーや顧客とのネットワークを駆使し、主体的な事業創出に取り組むことで、新たな価値を生み出していきます。この価値創造を持続的に行うことで当社の成長を加速することが「Driving Value Creation」に込められた意味です。

②2020年3月期定量計画
新中期経営計画の最終年度である2020年3月期の当期利益は4,400億円、基礎営業キャッシュ・フローは6,300億円を目指し、親会社所有者帰属持分利益率(ROE)は10%まで引き上げます。
③4つの重点施策
前中期経営計画の結果を踏まえ、環境変化とリスクに耐えうる収益基盤を確立するためには、当社が強みを有する成長領域を見極め、選別し、有限な経営資源をダイナミックに配分する必要があると考えます。また、激しい変化の中で着実に事業活動を行うために、それを支える経営基盤を更に強化していくことが求められます。これらの課題に対応するため、次のとおり4つの重点施策を定めました。
(a)「強固な収益基盤作りと既存事業の徹底強化」
新中期経営計画の中核分野は、金属資源・エネルギー、機械・インフラ、化学品の3つです。これらは当社の圧倒的な主力であり、生み出す基礎営業キャッシュ・フローは3年間で全体の約90%を見込みます。金属資源・エネルギーは、埋蔵量・生産量・コスト削減の三位一体の強化により、低商品価格下においても強靭なキャッシュ創出力を有する事業群です。機械・インフラと化学品も、前中期経営計画までのさまざまな取組が実を結び、収益の柱に成長しています。今後も強みの上に資産を積み増すボルトオン投資を継続し、強い事業を更に強固なものとしていきます。
中核分野:
また、潜在価値を有しながらも、その実力を発揮できていない事業群の価値実現を徹底的に進めます。更には、外部環境の変化も踏まえた事業サイクルを的確に把握することで、事業の入れ替えも加速します。引き続き、トレーディングの強化も行います。「売る力」は依然として当社の重要な機能の1つであり、付加価値の高いトレーディング機能を通じてパートナーや顧客とのネットワークを更に強化し、価値創造の機会を拡大していきます。以下の図に記載した各案件は前中期経営計画中に積み上げた良質な事業群ですが、これらを着実に立ち上げていくことで定量目標の達成につなげます。
(b)「新たな成長分野の確立」今後の中期的な外部環境の変化も見据えながら、当社が強みを発揮できる4つの成長分野を定め、経営資源をダイナミックに配分します。モビリティ分野では、社会ニーズの変化と環境社会への対応を見据えた、素材及び移動・輸送サービスなどの複合的な取組を行います。ヘルスケア分野では、特にアジアでの社会ニーズが増加している糖尿病などの生活習慣病への対応に焦点をあてたヘルスケア・エコシステムの構築を目指します。ニュートリション・アグリカルチャー分野では、人口動態や生活様式の変化を受けた食と農への関心の高まりに対し、農業・畜水産の生産性向上と安定供給、食の高付加価値化に取り組みます。リテール・サービス分野では、世界的に多様な消費者の力が強まり、その嗜好もさまざまに個別化していく中で、消費者ニーズに対応するためにも、最新のデジタル・ロジスティクス・金融機能を駆使した、次世代型事業の育成に取り組みます。これらの成長分野において、当社が既に有する強みを活かした新たな価値を創造することで、次の収益の柱を確立していきます。
成長分野:

(c)「キャッシュ・フロー経営の深化と財務基盤強化」
前中期経営計画より当社はキャッシュ・フロー経営を重要施策としてきていますが、新中期経営計画ではこれを更に深化させます。まずは、安定的に創出可能な基礎営業キャッシュ・フローをベースに算出した配当総額を下限として設定します。また、3年間累計での株主還元後のフリーキャッシュ・フローを黒字化することで、有利子負債の水準を管理し、財務基盤の強化を図ります。下限配当控除後のフリーキャッシュ・フローは、その時々の経営状況により、追加株主還元、有利子負債の返済または追加投資に配分します。このようなキャッシュ・フロー経営の実行により、格付けについて現状のA格を維持するとともに、持続的な向上に努めます。
上述の方針に基づく、キャッシュ・フロー・アロケーション見通しは以下のとおりです。

投資にあたっては、引き続き投資規律を徹底した上で、重点施策(a)・(b)に沿って案件を厳選しつつ実行します。投資配分については、中核分野に約65%とし、強い基礎営業キャッシュ・フロー創出能力の維持と強化に充て、成長分野に約35%とし、次の収益の柱の構築に充てます。
(d)「ガバナンス・人材・イノベーション機能の強化」
当社が健全な事業活動を行い、経営の重点施策を着実に遂行するためには、それを支える経営基盤の確立が必須であり、ガバナンス・人材・イノベーション機能の強化に取り組みます。ガバナンスにおいては、引き続き取締役会の多様性拡大と実効性強化に努めます。人材面では、当社グループの多種多様なプロ人材から最適と思われる人材を適所に登用していく取組を進めます。イノベーション機能に関しては、急速に進む技術革新を大きな機会と捉え、デジタル・トランスフォーメーションを積極的に推進することにより、競争力強化と生産性向上、ビジネスモデルの革新を加速させます。
④利益配分に関する考え方株主還元策については第4 提出会社の状況 3「配当政策」を参照願います。
(4)2018年3月期連結業績予想
①2018年3月期連結業績予想
| [業績予想の前提条件] | ||
| 期中平均米ドル為替レート | 110.00 | 108.89 |
| 原油価格(JCC) | 54ドル | 47ドル |
| 時間差を考慮した当期連結決算に反映される原油価格 | 53ドル | 44ドル |
| (単位:億円) | 2018年3月期(業績予想) | 2017年3月期 (実績) | 増減 | 増減要因 |
| 売上総利益 | 7,700 | 7,193 | +507 | 原油・ガス価格上昇 鉄鉱石価格上昇 |
| 販売費及び一般管理費 | △5,700 | △5,390 | △310 | 人件費・諸雑費増加 |
| 有価証券・固定資産 関係損益等 | 300 | 801 | △501 | SIMS連外化利益反動 IHH一部売却益反動 |
| 利息収支 | △300 | △221 | △79 | |
| 受取配当金 | 600 | 519 | +81 | |
| 持分法による投資損益 | 2,200 | 1,706 | +494 | 資産リサイクル、IPP事業損失反動 原油・ガス価格上昇 |
| 法人所得税前利益 | 4,800 | 4,608 | +192 | |
| 法人所得税 | △1,400 | △1,347 | △53 | |
| 非支配持分 | △200 | △200 | 0 | |
| 当期利益 (親会社の所有者に帰属) | 3,200 | 3,061 | +139 | |
| 減価償却費・無形資産等償却費 | 2,000 | 1,933 | +67 | |
| 基礎営業キャッシュ・フロー | 5,000 | 4,948 | +52 |
為替レートは2017年3月期の108.89円/米ドル、81.75円/豪ドル及び33.27円/伯レアルに対し、2018年3月期はそれぞれ110円/米ドル、85円/豪ドル及び35円/伯レアルを想定します。また、2018年3月期の原油価格(JCC)を54米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の連結決算に適用される原油価格の平均を53米ドル/バレル(2017年3月期比9米ドル/バレル上昇)と想定します。
オペレーティング・セグメント別の当期利益(親会社の所有者に帰属)予想は以下のとおりです。
なお、2017年4月1日より、従来の地域別セグメントを商品別セグメントに集約するとともに、各報告セグメントに帰属する経費及び法人所得税の配賦方法を変更したことに伴い、2017年3月期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しています。
| (単位:億円) | 2018年3月期 (業績予想) | 2017年3月期 (実績) | 増減 | 増減要因 |
| 鉄鋼製品 | 100 | 108 | △8 | |
| 金属資源 | 1,500 | 1,443 | +57 | 鉄鉱石価格上昇、為替、SIMS連外化反動 |
| 機械・インフラ | 700 | 668 | +32 | |
| 化学品 | 300 | 327 | △27 | |
| エネルギー | 500 | 317 | +183 | 原油・ガス価格上昇 |
| 生活産業 | 200 | 253 | △53 | IHH一部売却益反動 |
| 次世代・機能推進 | 100 | 110 | △10 | |
| その他/調整・消去 | △200 | △165 | △35 | |
| 連結合計 | 3,200 | 3,061 | +139 |
オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下の通りです。
当期利益(親会社の所有者に帰属)と同様、2017年3月期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しています。
| (単位:億円) | 2018年3月期 (業績予想) | 2017年3月期 (実績) | 増減 | 増減要因 |
| 鉄鋼製品 | 50 | 86 | △36 | |
| 金属資源 | 2,100 | 2,022 | +78 | 鉄鉱石価格上昇、為替、法人税増加 |
| 機械・インフラ | 800 | 745 | +55 | |
| 化学品 | 500 | 538 | △38 | |
| エネルギー | 1,400 | 1,342 | +58 | 原油・ガス価格上昇、法人税増加 |
| 生活産業 | 100 | 83 | +17 | |
| 次世代・機能推進 | 50 | 61 | △11 | |
| その他/調整・消去 | 0 | 71 | △71 | |
| 連結合計 | 5,000 | 4,948 | +52 |
②2018年3月期連結業績予想における前提条件
2018年3月期連結業績予想における商品価格及び為替の前提と、商品価格及び為替の変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。
| 価格変動による2018年3月期 当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額 | 2018年3月期 前提 | 2017年3月期 実績 | ||||
| 市況商品 | 原油/JCC | 28 | 億円(US$1/バレル) | 54 | 47 | |
| 連結油価(*1) | 53 | 44 | ||||
| 米国ガス(*2) | 4 | 億円(US$0.1/mmBtu) | 3.00(*3) | 2.55(*4) | ||
| 鉄鉱石 | 25 | 億円(US$1/トン) | (*5) | 67(*6) | ||
| 銅 | 10 | 億円(US$100/トン) | 5,600 | 4,863(*7) | ||
| 為替(*8) | 米ドル | 20 | 億円(\1/米ドル) | 110 | 108.89 | |
| 豪ドル | 17 | 億円(\1/豪ドル) | 85 | 81.75 | ||
| 伯レアル | 4 | 億円(\1/伯レアル) | 35 | 33.27 | ||
(*1)原油価格は0~6ヶ月遅れで当社連結業績に反映されるため、この期ずれを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2018年3月期には30%が4~6ヵ月遅れで、37%が1~3ヵ月遅れで、33%が遅れ無しで反映されると想定されます。
(*2)米国シェールガスはHenry Hub(HH)に連動しない価格でも販売しているため、上記感応度はHH価格に対する直接的な感応度ではなく、加重平均ガス販売価格に対する感応度です。
(*3)HH連動の販売価格は、HH価格US$3.00/mmBtuを前提として使用しています。
(*4)NYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの2016年1月~12月の直近限月終値のdaily平均値を記載しています。
(*5)鉄鉱石の前提価格は非開示です。
(*6)複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaの2016年4月~2017年3月のdaily平均値(参考値)を記載しています。
(*7)LME cash settlement priceの2016年1月~12月のmonthly averageの平均値を記載しています。
(*8)各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る感応度であり、金属資源・エネルギー生産事業における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドル・伯レアルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含みません。
注) 経営成績に対する外国為替相場の影響について
2016年3月期及び2017年3月期の海外の連結子会社及び関連会社の当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の合計はそれぞれ1,563億円の損失と3,143億円の利益です。これらの海外所在の連結子会社及び関連会社の機能通貨は、主として米ドル、豪ドル、伯レアルです。2018年3月期連結業績予想の当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)に対する為替変動の影響について、当社は簡便的な推定を行っています。
(a)具体的には、業績予想策定の過程で、海外関係会社の予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)を各社の機能通貨別に集計し、まず豪ドル、伯レアル建ての予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)の合計額を算出するほか、両通貨以外の機能通貨を使用する関係会社の予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)を全て米ドル相当額に換算しました。これら3つの通貨別に表示された予想当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)に対して為替変動の影響を評価しました。これによれば米ドルに対する円高は、1円当たり20億円程度の当期利益(親会社の所有者に帰属)の減少をもたらすと試算されます。また、豪ドル及び伯レアルを機能通貨とする連結子会社及び関連会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)に係る円高の影響は、1豪ドル及び1伯レアル当たりでそれぞれ1円の円高で17億円及び4億円の減益となります。
(b)なお、豪ドル及び伯レアルを機能通貨とする資源・エネルギー関連生産会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)は、両通貨と契約上の建値通貨である米ドルとの間での為替変動の影響を大きく受けます。この影響額は、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。
(c)但し、資源・エネルギー関連生産会社などでは、一部において、販売契約の契約通貨である米ドルと機能通貨の為替ヘッジを行っているほか、外貨建の当期利益(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る為替ヘッジを行っている場合があります。これらの影響額についても、(a)に述べた3つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。