訂正有価証券報告書-第146期(2019/04/01-2020/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、好調に推移してきたインバウンド需要は年度後半にかけて減速し、大型台風による自然災害と消費税増税後の消費の落ち込みの影響により、景気は後退しました。世界経済は、米国では、堅調な雇用・所得環境を背景に個人消費と住宅投資が寄与しプラス成長となりました。中国では、債務圧縮(デレバレッジ)と米中対立により経済成長率は鈍化しましたが、依然として6%台と高い成長率を維持しました。欧州では、英国のEU離脱が正式に決まり今後の世界経済に与える影響が懸念されています。更に、世界経済及び我が国経済において、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、3月より急速に景気が悪化してまいりましたが、当連結会計年度において当社グループに与える影響は軽微でした。
当社の主要事業である、紙パルプ等卸売事業における市場環境について、国内市場においては、市場の成熟化で紙パルプ市場は減速し、電子媒体シフトによるグラフィック用紙の需要が縮小しているものの、EC市場の伸長に伴うパッケージング用紙の需要は増加しております。海外市場においては、新興国中心に家庭紙、衛生紙市場の拡大でパルプ需要が増大し、先進諸国ではグラフィック用途の用紙需要は減速する一方でパッケージ用途、ビジュアル・コミュニケーション用途の用紙需要は拡大しております。
このような状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は古紙・パルプの市況下落による減収が響き、前連結会計年度に比べ微減となりました。営業損益においては、売上総利益は当連結会計年度に取得したSpicers Limitedの買収効果により、前年比で増益となったものの、一般管理費の増加により、営業利益・経常利益は減益となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、社内基幹システムの開発中止に伴い、固定資産の減損損失を計上した結果、前年比でマイナスとなっております。
当連結会計年度の業績については、以下の通りです。
事業別セグメントの業績は次の通りです。
<国内拠点紙パルプ等卸売事業>紙分野では、雑誌の電子化やチラシ・カタログ等の紙媒体離れの加速により、数量、売上高共に前年割れとなりました。さらに板紙分野においても、国内は飲料用包装資材向けの段ボール原紙などは好調に推移しましたが、米国-中国間の通商問題によるアジア各国への輸出の減少と、主に土産用菓子箱などに使用される白板紙の販売不振により、数量、売上高共に前年割れとなりました。製紙原料分野では、古紙は中国の需要減もあり輸出も不調であったことに加え、市況の低迷と中国の在庫調整が加わり、数量、売上高共に前年割れとなりました。パルプは、高値圏で推移していた市況の下落により、数量、売上高は共に前年割れとなりました。
<海外拠点紙パルプ等卸売事業>米国では、段原紙の輸出は振るいませんでしたが、輸入塗工紙の販売が好調に推移し、さらに古紙の輸出も開始した結果、全体としては、売上高は前年比で増加となりました。東南アジアでは、市況の低迷、需要の減少に加え、販売先の絞り込みに伴う販売数量減などにより、売上高は前年割れとなりました。東アジアでは、香港は塗工紙、板紙の販売増加に加え、段ボール原紙の輸入販売が増加したことにより売上高は前年比で増加となりました。中国は前年後半からの米中貿易摩擦の影響による市況の軟化傾向が続く中、上質紙、塗工紙で数量を大きく増加させたことにより売上高は前年比で若干増加となりました。豪州では、Spicers Limitedの買収に伴い、数量、売上高ともに前年比で大幅に増加となりました。
<不動産賃貸事業>全国主要都市のオフィスビル市場は、既存ビルにおいては拡張移転や館内増床などでオフィス需要が継続し、新築ビルにおいても多くが高稼働となった事から、平均空室率は低い水準で推移し、賃料相場の上昇基調が強まりました。こうした状況下、当社グループは主力の「KPP八重洲ビル」を中心に高稼働率を維持すると共に、賃料改定などにより、賃料収入は増収となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益、売上債権の減少及び長期借入による収入等で獲得した資金を、子会社株式の取得、自己株式の取得及び新型コロナウイルスによる不足の事態への備え等に充当した結果、前連結会計年度末比49億36百万円増加し、77億75百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は49億5百万円(前年同期は42億17百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の獲得、売上減による売上債権の減少及びたな卸資産の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金はは54億円(前年同期は11億30百万円の獲得)となりました。主な要因としては、2020年7月の豪州Spicers Limited社の株式取得によるもの及び資金を有効に活用するための不動産の売却収入であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは55億4百万円で、前期に比べ121億27百万円の増加(前年同期は66億23百万円の使用)となりました。主な要因としては、短期借入金、コマーシャル・ペーパー及び豪州Spicers Limited社取得のための長期借入金等の有利子負債の増加によるものであります。また、株主還元の強化および資本効率向上を図るため自己株式の取得も行っております。
③ 仕入及び販売の実績
(1) 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考情報)
当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。
(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.賃貸収入は「その他」に含まれております。
提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。
(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。
(注) 1.用途の分類は当社独自の基準によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による業績への影響について、日本国内での取引においては2月より取引に影響が出始め、海外取引では4月以降、本格的なマイナスの影響が発生しております。よって、当連結会計年度における業績への影響は軽微でしたが、今後の事業に対しては感染が終息するまでの間大きな影響が出ると想定されております。新型コロナウイルス感染症の世界的拡大と終息時期の見通しが不透明な中、当社主力事業である紙パルプ等卸売事業に対するマイナス要因は避けられない見通しです。その一方で、パッケージ事業・化成品事業は、一時的に堅調な動きを見せております。このような状況下、当社グループは長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載の通り、対処すべき課題に対応してまいります。
(a) 事業別セグメントの実績
(b) 国内紙パルプ等卸売事業について
当連結会計年度における、国内紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。
長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づき、対処すべき課題として包装事業の拡大に取り組んでまいりましたが、インバウンド需要の縮小等の要因により、提出会社の板紙販売実績は前年を下回る結果となりました。また、海洋プラスチック汚染問題から発した脱プラスチックの流れに伴う紙化への動きを始めとした、脱プラ関連需要の取り込みにおいては、社内横断的に立ち上げした「KPP Green Biz Project」を中心に環境対応製品の販売に取り組み、一定の販売実績を上げておりますが、まだ当事業セグメントの業績を大きく伸ばす要因には成り得ておりません。しかしながら、EC市場の伸長に伴うパッケージング用紙の需要は、引き続き堅調に推移している他、脱プラ関連需要も確実に拡大していることから、今後も包装資材事業の拡大に取り組んでまいります。
また、新規事業の立ち上げと育成に関する課題につきましては、バイオマス発電所運転支援システムBMecomoが、2019年10月に実証運転を開始し、2020年4月より本格稼働する運びとなりました。当連結会計年度の業績には影響がありませんでしたが、今後、事業ポートフォリオ改革の一環として、事業を推進してまいります。
国内市場における新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響は、2月より各取引に影響が出始め、緊急事態宣言の発令後は休校、外出自粛、リモートワーク拡大などを受け、チラシ用途を中心とした印刷用紙の需要が減少する一方、板紙やフィルム等一部の包装資材は、食品向け等の巣ごもり需要によって一時的に販売が増加するなどの動きがありましたが、依然として景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
また、国内の紙パルプ市場においては、グラフィック用途の用紙需要は前年に引き続き減退し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は更なる市場縮小を招き、来年度以降にも影響を与えるものとなることと認識しております。段ボール原紙等のパッケージ用途の用紙需要については、前年より需要は横ばいの状況が継続しておりますが、輸出急減による包装資材等の需要減など、新型コロナウイルス感染症の影響は一時的に発生するものの、EC市場の伸長に伴うパッケージング用紙の需要増加などで、横ばいの状況が継続すると認識しております。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、国内紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。
[国内基本戦略]
1.オーガニック・グロース
内部経営資源(オーガニック)による成長
紙・板紙卸売事業、古紙・パルプ販売事業の収益体質強化
2.循環型ビジネスの強化
製紙原料事業の拡大(パルプ製品の多様化と古紙のリサイクル事業推進)
3.環境対応商品の拡販
環境配慮型素材や製品の開発・販売
4.ソリューション事業の拡大
バイオマス発電所運転支援システムの展開
(c) 海外紙パルプ等卸売事業について
当連結会計年度における、海外紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。
長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく経営方針である海外事業の拡大を推進をしております。当連結会計年度につきましては、2019年7月にSpicers Limitedの完全子会社化が完了し、売上高で179億72百万円、営業利益では1億74百万円と当社グループの業績拡大に大きく貢献いたしました。なお、当該営業利益には、Spicers Limitedを取得した際に発生したのれんの償却費を含んでおります。
また、2021年3月期には、Antalis S.A.の子会社化を予定しており、更なる拡大を目指しております。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、海外市場においても大きく影響を及ぼしておりますが、当社グループにつきまして、海外は影響前に成約していた取引も多く、1~3月の業績は堅調となっております。足元では取引契約の見送り・先送りや、各国における感染拡大防止対策による需要の減退が表面化し、4~6月にかけて本格的にマイナスの影響が出てくる見込みです。世界的には感染拡大の終息時期が見えておらず、国内市場と同様、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
海外の紙パルプ市場におきましては、下図の通り、紙・板紙の一人当たり年間使用量が増加する予想をしていることから、成長市場との認識をしております。

また、特に新興国では家庭紙、衛生紙市場の拡大でパルプ需要が増大すると見込んでおり、先進諸国ではグラフィック用途の減速の一方でパッケージ用途、ビジュアル・コミュニケーション(サイン&ディスプレイ等)用途が拡大するなど、地域によって異なるニーズがあると分析しております。
この見通しにつきましては、短期的には新型コロナウィルスの感染拡大で減速・混乱することが予想されますが、中長期的には継続するものと認識しております。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、海外紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。
[海外基本戦略]
1.インオーガニック・グロース
外部経営資源の獲得(インオーガニック)による事業領域の拡大
海外紙卸商の買収(豪Spicers Limited・仏Antalis S.A.(予定))など
2.グローバルネットワークを活かした展開
ハイブリッド型ビジネスモデル(※)の展開
※ハイブリッド型ビジネスモデル

(d) 不動産賃貸事業について
当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。
当該事業セグメントにつきましては、当連結会計年度は前連結会計年度と比較して増収減益となりましたが、その金額は僅少でありほぼ横ばいの結果となりました。賃貸物件の安定稼働を重視しており、資産価値を維持するための修繕等を計画的に実施しております。
今後も引き続き、現有物件の安定稼働とローコストでの運用を心掛け、安定した収益を確保する事業として推進してまいります。
② 財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末の総資産は、1,893億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億92百万円減少しました。これは主に、Spicers Limitedの買収による資産の増加を、売上債権の減少、売却または時価評価による投資有価証券の減少、減損によるソフトウェアの減少が上回ったことによるものです。
なお、当連結会計年度末現在の手許現預金残高は、新型コロナウイルス感染症の拡大による不測の事態への備えとして、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。
当連結会計年度末の負債は、1,420億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億55百万円増加しました。これは主に、仕入債務の減少を、Spicers Limitedの買収による負債の増加と買収資金の調達による借入金の増加が上回ったことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、472億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億48百万円減少しました。これは主に、当連結会計年度に獲得した利益による利益剰余金の増加を、投資有価証券の時価評価に伴うその他有価証券評価差額金の減少、自己株式の取得に伴う株主資本の減少が上回ったことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく第二次中期経営計画(2019年度~2021年度)を推進中ですが、事業で創出される営業キャッシュ・フローにつきましては、成長投資と株主還元に、適正に配分していく所存です。
成長投資への支出につきましては、海外事業の拡大と事業ポートフォリオの多角化を目的とし、仏Antalis S.A.を2020年7月に取得予定です。今後も海外投資を中心に、投資先の事業内容、投資時点の当社グループの財政状態及び資金需要を勘案し、適切に判断してまいります。
株主還元への支出につきましては、株主への還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部資金の確保をした上で、今後の事業展開等を総合的に勘案し、配当を実施することを基本としております。原則として、配当性向30%以上を目処に、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内外で当社グループの業績への影響が出ておりますが、重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で43億18百万円、海外で34億56百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保致しました。また、重大な売上債権の回収遅延等も発生しておらず、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、キャッシュ・フローの配分に関する方針に変更はございません。
④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及び追加情報」に記載しているとおりです。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、好調に推移してきたインバウンド需要は年度後半にかけて減速し、大型台風による自然災害と消費税増税後の消費の落ち込みの影響により、景気は後退しました。世界経済は、米国では、堅調な雇用・所得環境を背景に個人消費と住宅投資が寄与しプラス成長となりました。中国では、債務圧縮(デレバレッジ)と米中対立により経済成長率は鈍化しましたが、依然として6%台と高い成長率を維持しました。欧州では、英国のEU離脱が正式に決まり今後の世界経済に与える影響が懸念されています。更に、世界経済及び我が国経済において、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、3月より急速に景気が悪化してまいりましたが、当連結会計年度において当社グループに与える影響は軽微でした。
当社の主要事業である、紙パルプ等卸売事業における市場環境について、国内市場においては、市場の成熟化で紙パルプ市場は減速し、電子媒体シフトによるグラフィック用紙の需要が縮小しているものの、EC市場の伸長に伴うパッケージング用紙の需要は増加しております。海外市場においては、新興国中心に家庭紙、衛生紙市場の拡大でパルプ需要が増大し、先進諸国ではグラフィック用途の用紙需要は減速する一方でパッケージ用途、ビジュアル・コミュニケーション用途の用紙需要は拡大しております。
このような状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は古紙・パルプの市況下落による減収が響き、前連結会計年度に比べ微減となりました。営業損益においては、売上総利益は当連結会計年度に取得したSpicers Limitedの買収効果により、前年比で増益となったものの、一般管理費の増加により、営業利益・経常利益は減益となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、社内基幹システムの開発中止に伴い、固定資産の減損損失を計上した結果、前年比でマイナスとなっております。
当連結会計年度の業績については、以下の通りです。
| (単位:百万円) | 2019年3月期 | 2020年3月期 | ||||
| 売上比 (%) | 売上比 (%) | 前年同期比 | 増減率 (%) | |||
| 売 上 高 | 384,973 | 100.0 | 381,397 | 100.0 | △3,576 | △0.9 |
| 売 上 総 利 益 | 22,064 | 5.7 | 23,708 | 6.2 | 1,643 | 7.4 |
| 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 | ※5 19,783 | 5.1 | 21,857 | 5.7 | 2,073 | 10.5 |
| 営 業 利 益 | 2,280 | 0.6 | 1,850 | 0.5 | △429 | △18.9 |
| 経 常 利 益 | 2,518 | 0.7 | 2,194 | 0.6 | △323 | △12.9 |
| 親会社株主帰属 当 期 純 利 益 | 2,497 | 0.6 | 1,232 | 0.3 | △1,265 | △50.7 |
| 売上高の主な増減要因 | 営業利益の主な増減要因 | ||
| △21,563百万円 | △478百万円 | ||
| 紙:グラフィック洋紙の需要減 | 売上高減収要因 | ||
| 板紙:輸出減、白板紙の販売不調 | +149百万円 | ||
| 古紙:市況下落及び国内外における需要減 | 海外拠点紙パルプ等卸売事業の営業利益増 | ||
| パルプ:市況下落 | (主にSpicers Limitedの買収効果) | ||
| +17,972百万円 | |||
| 海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上増 | |||
| (主にSpicers Limitedの買収効果) | |||
事業別セグメントの業績は次の通りです。
<国内拠点紙パルプ等卸売事業>紙分野では、雑誌の電子化やチラシ・カタログ等の紙媒体離れの加速により、数量、売上高共に前年割れとなりました。さらに板紙分野においても、国内は飲料用包装資材向けの段ボール原紙などは好調に推移しましたが、米国-中国間の通商問題によるアジア各国への輸出の減少と、主に土産用菓子箱などに使用される白板紙の販売不振により、数量、売上高共に前年割れとなりました。製紙原料分野では、古紙は中国の需要減もあり輸出も不調であったことに加え、市況の低迷と中国の在庫調整が加わり、数量、売上高共に前年割れとなりました。パルプは、高値圏で推移していた市況の下落により、数量、売上高は共に前年割れとなりました。
<海外拠点紙パルプ等卸売事業>米国では、段原紙の輸出は振るいませんでしたが、輸入塗工紙の販売が好調に推移し、さらに古紙の輸出も開始した結果、全体としては、売上高は前年比で増加となりました。東南アジアでは、市況の低迷、需要の減少に加え、販売先の絞り込みに伴う販売数量減などにより、売上高は前年割れとなりました。東アジアでは、香港は塗工紙、板紙の販売増加に加え、段ボール原紙の輸入販売が増加したことにより売上高は前年比で増加となりました。中国は前年後半からの米中貿易摩擦の影響による市況の軟化傾向が続く中、上質紙、塗工紙で数量を大きく増加させたことにより売上高は前年比で若干増加となりました。豪州では、Spicers Limitedの買収に伴い、数量、売上高ともに前年比で大幅に増加となりました。
<不動産賃貸事業>全国主要都市のオフィスビル市場は、既存ビルにおいては拡張移転や館内増床などでオフィス需要が継続し、新築ビルにおいても多くが高稼働となった事から、平均空室率は低い水準で推移し、賃料相場の上昇基調が強まりました。こうした状況下、当社グループは主力の「KPP八重洲ビル」を中心に高稼働率を維持すると共に、賃料改定などにより、賃料収入は増収となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益、売上債権の減少及び長期借入による収入等で獲得した資金を、子会社株式の取得、自己株式の取得及び新型コロナウイルスによる不足の事態への備え等に充当した結果、前連結会計年度末比49億36百万円増加し、77億75百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は49億5百万円(前年同期は42億17百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の獲得、売上減による売上債権の減少及びたな卸資産の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金はは54億円(前年同期は11億30百万円の獲得)となりました。主な要因としては、2020年7月の豪州Spicers Limited社の株式取得によるもの及び資金を有効に活用するための不動産の売却収入であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは55億4百万円で、前期に比べ121億27百万円の増加(前年同期は66億23百万円の使用)となりました。主な要因としては、短期借入金、コマーシャル・ペーパー及び豪州Spicers Limited社取得のための長期借入金等の有利子負債の増加によるものであります。また、株主還元の強化および資本効率向上を図るため自己株式の取得も行っております。
③ 仕入及び販売の実績
(1) 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) | 275,336 | 93.4 |
| 海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) | 85,950 | 131.2 |
| 合計(百万円) | 361,287 | 100.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) | 290,738 | 93.1 |
| 海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) | 89,446 | 125.1 |
| 不動産賃貸事業(百万円) | 1,212 | 101.2 |
| 合計(百万円) | 381,397 | 99.1 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| サムソンペーパーホールディングスグループ | 45,200 | 11.7 | 55,742 | 14.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考情報)
当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。
| 品種別 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 紙 | 数量(トン) | 1,858,146 | 1,930,400 |
| 金額(百万円) | 199,069 | 211,246 | |
| 板紙 | 数量(トン) | 884,093 | 894,775 |
| 金額(百万円) | 72,623 | 73,603 | |
| 紙二次加工品 | 数量(トン) | 35,044 | 30,286 |
| 金額(百万円) | 30,266 | 28,368 | |
| パルプ・古紙 | 数量(トン) | 1,414,001 | 1,221,006 |
| 金額(百万円) | 45,217 | 32,492 | |
| その他 | 金額(百万円) | 37,796 | 35,686 |
| 合計 | 数量(トン) | 4,191,284 | 4,076,467 |
| 金額(百万円) | 384,973 | 381,397 | |
(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.賃貸収入は「その他」に含まれております。
提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。
| 品種別 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 紙 | 数量(トン) | 1,411,238 | 1,277,550 |
| 金額(百万円) | 150,052 | 147,106 | |
| 板紙 | 数量(トン) | 724,703 | 713,451 |
| 金額(百万円) | 59,784 | 59,250 | |
| 紙二次加工品 | 数量(トン) | 18,297 | 18,453 |
| 金額(百万円) | 25,000 | 24,807 | |
| パルプ・古紙 | 数量(トン) | 1,370,066 | 1,231,458 |
| 金額(百万円) | 44,116 | 30,723 | |
| その他 | 金額(百万円) | 33,298 | 28,180 |
| 合計 | 数量(トン) | 3,524,304 | 3,240,912 |
| 金額(百万円) | 312,253 | 290,067 | |
(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。
| 用途 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 前年比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 前年比 (%) | |
| 新聞用 | 2,501 | 0.8 | 101.9 | 2,342 | 0.8 | 93.6 |
| 印刷用 | 124,058 | 39.7 | 101.5 | 120,800 | 41.6 | 97.4 |
| 包装・容器用 | 75,082 | 24.0 | 103.1 | 70,115 | 24.2 | 93.4 |
| 情報用紙 | 43,861 | 14.0 | 101.0 | 43,760 | 15.1 | 99.8 |
| 製紙原料用 | 44,119 | 14.1 | 102.5 | 30,726 | 10.6 | 69.6 |
| その他 | 22,632 | 7.2 | 88.2 | 22,324 | 7.7 | 98.6 |
| 合計 | 312,253 | 100.0 | 100.8 | 290,067 | 100.0 | 92.9 |
(注) 1.用途の分類は当社独自の基準によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による業績への影響について、日本国内での取引においては2月より取引に影響が出始め、海外取引では4月以降、本格的なマイナスの影響が発生しております。よって、当連結会計年度における業績への影響は軽微でしたが、今後の事業に対しては感染が終息するまでの間大きな影響が出ると想定されております。新型コロナウイルス感染症の世界的拡大と終息時期の見通しが不透明な中、当社主力事業である紙パルプ等卸売事業に対するマイナス要因は避けられない見通しです。その一方で、パッケージ事業・化成品事業は、一時的に堅調な動きを見せております。このような状況下、当社グループは長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載の通り、対処すべき課題に対応してまいります。
(a) 事業別セグメントの実績
| (単位:百万円) | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |||
| 前年同期比 | 増減率(%) | ||||
| 国 内 拠 点 紙パルプ等卸売事業 | 売 上 高 | 312,301 | 290,738 | △21,563 | △6.9 |
| セグメント利益 | 4,567 | 4,088 | △478 | △10.5 | |
| 利 益 率 (%) | 1.5 | 1.4 | △0.1 | - | |
| 海 外 拠 点 紙パルプ等卸売事業 | 売 上 高 | 71,474 | 89,446 | 17,972 | 25.1 |
| セグメント利益 | 30 | 179 | 149 | 495.0 | |
| 利 益 率 (%) | 0.04 | 0.2 | 0.2 | - | |
| 不 動 産 賃 貸 事 業 | 売 上 高 | 1,197 | 1,212 | 14 | 1.2 |
| セグメント利益 | 599 | 590 | △9 | △1.5 | |
| 利 益 率 (%) | 50.1 | 48.7 | △1.4 | - | |
| 合 計 | 売 上 高 | 384,973 | 381,397 | △3,576 | △0.9 |
| セグメント利益 | 5,197 | 4,858 | △338 | △6.5 | |
| 調 整 額 | △2,916 | △3,007 | △91 | - | |
| 営 業 利 益 | 2,280 | 1,850 | △429 | △18.9 | |
| 利 益 率 (%) | 0.6 | 0.5 | △0.1 | - | |
(b) 国内紙パルプ等卸売事業について
当連結会計年度における、国内紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。
長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づき、対処すべき課題として包装事業の拡大に取り組んでまいりましたが、インバウンド需要の縮小等の要因により、提出会社の板紙販売実績は前年を下回る結果となりました。また、海洋プラスチック汚染問題から発した脱プラスチックの流れに伴う紙化への動きを始めとした、脱プラ関連需要の取り込みにおいては、社内横断的に立ち上げした「KPP Green Biz Project」を中心に環境対応製品の販売に取り組み、一定の販売実績を上げておりますが、まだ当事業セグメントの業績を大きく伸ばす要因には成り得ておりません。しかしながら、EC市場の伸長に伴うパッケージング用紙の需要は、引き続き堅調に推移している他、脱プラ関連需要も確実に拡大していることから、今後も包装資材事業の拡大に取り組んでまいります。
また、新規事業の立ち上げと育成に関する課題につきましては、バイオマス発電所運転支援システムBMecomoが、2019年10月に実証運転を開始し、2020年4月より本格稼働する運びとなりました。当連結会計年度の業績には影響がありませんでしたが、今後、事業ポートフォリオ改革の一環として、事業を推進してまいります。
国内市場における新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響は、2月より各取引に影響が出始め、緊急事態宣言の発令後は休校、外出自粛、リモートワーク拡大などを受け、チラシ用途を中心とした印刷用紙の需要が減少する一方、板紙やフィルム等一部の包装資材は、食品向け等の巣ごもり需要によって一時的に販売が増加するなどの動きがありましたが、依然として景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
また、国内の紙パルプ市場においては、グラフィック用途の用紙需要は前年に引き続き減退し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は更なる市場縮小を招き、来年度以降にも影響を与えるものとなることと認識しております。段ボール原紙等のパッケージ用途の用紙需要については、前年より需要は横ばいの状況が継続しておりますが、輸出急減による包装資材等の需要減など、新型コロナウイルス感染症の影響は一時的に発生するものの、EC市場の伸長に伴うパッケージング用紙の需要増加などで、横ばいの状況が継続すると認識しております。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、国内紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。
[国内基本戦略]
1.オーガニック・グロース
内部経営資源(オーガニック)による成長
紙・板紙卸売事業、古紙・パルプ販売事業の収益体質強化
2.循環型ビジネスの強化
製紙原料事業の拡大(パルプ製品の多様化と古紙のリサイクル事業推進)
3.環境対応商品の拡販
環境配慮型素材や製品の開発・販売
4.ソリューション事業の拡大
バイオマス発電所運転支援システムの展開
(c) 海外紙パルプ等卸売事業について
当連結会計年度における、海外紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。
長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく経営方針である海外事業の拡大を推進をしております。当連結会計年度につきましては、2019年7月にSpicers Limitedの完全子会社化が完了し、売上高で179億72百万円、営業利益では1億74百万円と当社グループの業績拡大に大きく貢献いたしました。なお、当該営業利益には、Spicers Limitedを取得した際に発生したのれんの償却費を含んでおります。
また、2021年3月期には、Antalis S.A.の子会社化を予定しており、更なる拡大を目指しております。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、海外市場においても大きく影響を及ぼしておりますが、当社グループにつきまして、海外は影響前に成約していた取引も多く、1~3月の業績は堅調となっております。足元では取引契約の見送り・先送りや、各国における感染拡大防止対策による需要の減退が表面化し、4~6月にかけて本格的にマイナスの影響が出てくる見込みです。世界的には感染拡大の終息時期が見えておらず、国内市場と同様、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
海外の紙パルプ市場におきましては、下図の通り、紙・板紙の一人当たり年間使用量が増加する予想をしていることから、成長市場との認識をしております。

また、特に新興国では家庭紙、衛生紙市場の拡大でパルプ需要が増大すると見込んでおり、先進諸国ではグラフィック用途の減速の一方でパッケージ用途、ビジュアル・コミュニケーション(サイン&ディスプレイ等)用途が拡大するなど、地域によって異なるニーズがあると分析しております。
この見通しにつきましては、短期的には新型コロナウィルスの感染拡大で減速・混乱することが予想されますが、中長期的には継続するものと認識しております。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、海外紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。
[海外基本戦略]
1.インオーガニック・グロース
外部経営資源の獲得(インオーガニック)による事業領域の拡大
海外紙卸商の買収(豪Spicers Limited・仏Antalis S.A.(予定))など
2.グローバルネットワークを活かした展開
ハイブリッド型ビジネスモデル(※)の展開
※ハイブリッド型ビジネスモデル

(d) 不動産賃貸事業について
当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。
当該事業セグメントにつきましては、当連結会計年度は前連結会計年度と比較して増収減益となりましたが、その金額は僅少でありほぼ横ばいの結果となりました。賃貸物件の安定稼働を重視しており、資産価値を維持するための修繕等を計画的に実施しております。
今後も引き続き、現有物件の安定稼働とローコストでの運用を心掛け、安定した収益を確保する事業として推進してまいります。
② 財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末の総資産は、1,893億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億92百万円減少しました。これは主に、Spicers Limitedの買収による資産の増加を、売上債権の減少、売却または時価評価による投資有価証券の減少、減損によるソフトウェアの減少が上回ったことによるものです。
なお、当連結会計年度末現在の手許現預金残高は、新型コロナウイルス感染症の拡大による不測の事態への備えとして、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。
当連結会計年度末の負債は、1,420億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億55百万円増加しました。これは主に、仕入債務の減少を、Spicers Limitedの買収による負債の増加と買収資金の調達による借入金の増加が上回ったことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、472億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億48百万円減少しました。これは主に、当連結会計年度に獲得した利益による利益剰余金の増加を、投資有価証券の時価評価に伴うその他有価証券評価差額金の減少、自己株式の取得に伴う株主資本の減少が上回ったことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく第二次中期経営計画(2019年度~2021年度)を推進中ですが、事業で創出される営業キャッシュ・フローにつきましては、成長投資と株主還元に、適正に配分していく所存です。
成長投資への支出につきましては、海外事業の拡大と事業ポートフォリオの多角化を目的とし、仏Antalis S.A.を2020年7月に取得予定です。今後も海外投資を中心に、投資先の事業内容、投資時点の当社グループの財政状態及び資金需要を勘案し、適切に判断してまいります。
株主還元への支出につきましては、株主への還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部資金の確保をした上で、今後の事業展開等を総合的に勘案し、配当を実施することを基本としております。原則として、配当性向30%以上を目処に、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内外で当社グループの業績への影響が出ておりますが、重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で43億18百万円、海外で34億56百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保致しました。また、重大な売上債権の回収遅延等も発生しておらず、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、キャッシュ・フローの配分に関する方針に変更はございません。
④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及び追加情報」に記載しているとおりです。