有価証券報告書-第144期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界的な好景気と円安基調を背景に輸出主導の景気拡大が続き、実質GDPが2017年12月までの8四半期連続でプラス成長となるなど、デフレ脱却に向けて確かな足取りで前進を続けました。また、今年1月には失業率が24年9か月ぶりに2.4%にまで低下し、雇用情勢は継続的に改善しましたが、宿泊・飲食サービス、及び運輸・郵便等の業界では、労働力不足が深刻な状況にあります。昨年11月に発足した第4次安倍内閣は、「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪として税や予算などの政策を総動員すると発表しました。このうち、生産性革命は、IoT、ビッグデータ、人工知能による産業構造の変革などを「鍵となる施策」に掲げており、新たなビジネスチャンスの創出が期待されます。
一方、世界経済は、北朝鮮問題やシリア問題などの地政学的リスクを抱えていますが、リーマンショック以降初めての全面的な景気回復局面をたどりました。米国では、保護主義的な貿易政策の影響が懸念されますが、実質GDP成長率が2.6%(2017年10~12月期)と高い水準で推移しました。また、昨年末にトランプ政権が1.5兆ドルに及ぶ過去最大の減税を決定したことから、国内投資や雇用情勢がさらに改善に向かいました。欧州や中国、新興国などにおいても、世界的に景気が回復していることを背景に、輸出部門中心に景気が堅調に推移しました。
国内紙パルプ業界におきましては、人口の減少や少子高齢化による構造的な変化に加え、出版物や広告の電子媒体へのシフトにより、洋紙の消費は前年割れが続いています。一方、板紙は、Eコマース市場の拡大が段ボール需要をけん引し、前年に比べ増加しました。また衛生用紙は、生活必需品としての底堅い需要に加え、インバウンド需要等も取込み、比較的堅調に推移しました。当業界においても労働力不足は運賃値上げを通して企業業績に影響を与えることが懸念されます。
この様な状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高3,777億14百万円(前期比3.0%増)、営業利益は23億62百万円(同129.2%増)、経常利益は30億86百万円(同177.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億33百万円(同9.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<国内拠点紙パルプ等卸売事業>紙分野では、需要構造の変化による出版印刷市場の縮小や、広告の電子媒体への移行などが要因となり、販売数量・金額ともに前年割れとなりました。また、板紙分野では、食料品用途の堅調な伸びや、販路の拡大により、販売金額は増加となりました。製紙原料分野では、古紙は国内販売が堅調に推移し、販売金額が前年に比べ増加しました。パルプは輸入品を中心に需要が伸長したことに加え、価格の上昇も寄与し、販売数量・金額ともに前年増となりました。
この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は3,096億70百万円(同0.1%減収)、セグメント利益は45億21百万円(同14.1%増)となりました。
<海外拠点紙パルプ等卸売事業>海外紙パルプ等卸売事業に関しては、米国では、段ボール原紙の輸出は伸長したものの、価格問題・供給メーカーの数量確保困難等の理由により塗工紙及びコピー用紙、ならびにブラジル向けの特殊紙等が振るわず、売上高は低調に推移しました。東南アジアにおいては、一部日本メーカーの取扱商品については好調であったものの、成長鈍化に加えパルプの入札が価格面で折り合わず不振となり、売上は伸び悩みました。東アジアにおいては主要得意先への販売が好調で、香港で塗工紙、板紙等全般的に販売が増加すると共に、中国でも上質紙・塗工紙・板紙の販売が拡大しました。豪州においては、上質紙やコピー用紙の取扱増により売上を伸ばしました。
この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は668億10百万円(同21.0%増収)、セグメント損失は91百万円(前年同期は10億8百万円のセグメント損失)となりました。
<不動産賃貸事業>全国主要都市のオフィスビル市場は、館内増床や拡張移転など底堅いオフィス需要を背景に、平均空室率は低下傾向にあります。また、平均賃料につきましても緩やかな上昇傾向で推移しております。
このような状況下、当社グループでは主力物件の「KPP八重洲ビル」をはじめ、テナントビルは高稼働を維持しておりますが、一部所有不動産の売却により、賃料収入は減収となりました。
この結果、不動産賃貸事業の売上高は12億33百万円(同19.8%減収)、セグメント利益は5億61百万円(同17.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に有形及び無形固定資産の取得による支出を、税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加及びコマーシャル・ペーパーの純増等により賄うことで、前連結会計年度末比18億43百万円増加し、41億35百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は40億19百万円(前年同期は11億14百万円の獲得)となりました。これは主に国内拠点における在庫増等による資金支出と、仕入債務の増加及び税金等調整前当期純利益の獲得等による資金獲得によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は79億20百万円(前年同期は55億96百万円の獲得)となりました。これは主に、経費削減のための本社の取得、物流戦略に基づく戸田物流センターの取得及び社内基幹システムへの投資への資金支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は57億60百万円(前年同期は67億91百万円の使用)となりました。これは投資活動による支出を賄うため、翌連結会計年度の増資による資金調達を勘案したうえで短期借入金及びコマーシャル・ペーパー等による資金調達を行ったためであります。
③仕入及び販売の実績
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のおとりであります。
(注)前連結会計年度については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考情報)
当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。
(注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.賃貸収入は「その他」に含まれております。
提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。
(注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。
(注)1.用途の分類は当社独自の基準によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
(2)経営者の視点による認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(a)貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。
(b)投資有価証券の減損
当社グループは、取引先との良好な取引関係の維持・強化を図るため、取引先の株式を保有しております。時価のある有価証券については、投資価値の下落が30%を超え一時的ではないと判断した場合に減損を行っております。また、時価評価されていない有価証券については、当該会社の1株当たりの純資産額が帳簿価額を50%以上下回り、業績回復の可能性がない場合に減損を行っております。
(c)のれんの減損
当社グループは、のれんについて減損の兆候があると判定された場合、減損の認識の判定を行っております。のれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(d)繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しにより利益が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(売上髙)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ109億36百万円増収の3,777億14百万円(前年同期比3.0%増)となりました。セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ8億93百万円増益の220億8百万円(前年同期比4.2%増)となりました。また、売上総利益率は、主にパルプ・古紙の利益率の増加が寄与し、前連結会計年度に比べ0.07ポイント増加し5.8%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、販売諸掛、従業員給与手当が増加したものの、海外拠点紙パルプ等卸売事業において貸倒引当金繰入額が減少したことにより、前連結会計年度に比べ4億38百万円減少し、196億45百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ13億31百万円増益の23億62百万円(同129.2%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、円高による為替差益及び貸倒引当金戻入額の計上等により、前連結会計年度に比べ3億18百万円増加し13億63百万円(前年同期比30.4%増)となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に計上した為替差損が為替差益に転じたこと及び持分法投資損失の減少等により前連結会計年度に比べ3億22百万円減少し6億40百万円(同33.5%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ19億72百万円増益の30億86百万円(同177.0%増)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、物流戦略に基づく春日井倉庫の売却等があったものの、前連結会計年度に固定資産売却益27億73百万円及び投資有価証券売却益4億83百万円を計上した事等から、前連結会計年度に比べ26億34百万円減少し6億23百万円(前年同期比80.9%減)となりました。
特別損失は、前連結会計年度に固定資産売却損5億88百万円を計上したことから、前連結会計年度に比べ8億3百万円減少し71百万円(同91.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ1億41百万円増益の36億39百万円(同4.0%増)となりました。
(b)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、1,986億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ143億86百万円増加しました。これは主に、経費削減のための本社の取得及び物流戦略に基づく戸田物流センターの取得等による有形固定資産の増加、社内基幹システム投資による無形固定資産の増加等によるものです。
(負債)
負債は、1,509億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億36百万円増加しました。これは主に借入金及びコマーシャル・ペーパーによる有利子負債の増加、仕入債務の増加によるものです。
(純資産)
純資産は、476億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億50百万円増加し、自己資本比率は23.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント増加しました。これは主に利益剰余金の増加、株価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加、年金資産の時価上昇等による退職給付に係る調整累計額の増加によるものであります。
(c)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(d)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(e)当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは経常運転資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資等を目的とした資金需要は、固定資産の購入及びソフトウエア投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入、コマーシャル・ペーパーを基本としており、投資を目的とした資金調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
2018年6月26日付で、当社株式は東京証券取引所市場第一部に上場しており、新株発行による手取額22億12百万円については、社内基幹システム関連の設備投資に8億51百万円、残額を金融機関からの借入金の返済に充当する予定であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びコマーシャル・ペーパーの残高は496億93百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は41億35百万円となっております。
(f)経営方針/経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、次のとおりです。
当社グループでは、ROA及びROEを経営指標として重視し、効率的な経営の実現に取り組んでおります。当連結会計年度の実績は、ROA1.3%、ROE5.3%となりました。
(g)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析は・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界的な好景気と円安基調を背景に輸出主導の景気拡大が続き、実質GDPが2017年12月までの8四半期連続でプラス成長となるなど、デフレ脱却に向けて確かな足取りで前進を続けました。また、今年1月には失業率が24年9か月ぶりに2.4%にまで低下し、雇用情勢は継続的に改善しましたが、宿泊・飲食サービス、及び運輸・郵便等の業界では、労働力不足が深刻な状況にあります。昨年11月に発足した第4次安倍内閣は、「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪として税や予算などの政策を総動員すると発表しました。このうち、生産性革命は、IoT、ビッグデータ、人工知能による産業構造の変革などを「鍵となる施策」に掲げており、新たなビジネスチャンスの創出が期待されます。
一方、世界経済は、北朝鮮問題やシリア問題などの地政学的リスクを抱えていますが、リーマンショック以降初めての全面的な景気回復局面をたどりました。米国では、保護主義的な貿易政策の影響が懸念されますが、実質GDP成長率が2.6%(2017年10~12月期)と高い水準で推移しました。また、昨年末にトランプ政権が1.5兆ドルに及ぶ過去最大の減税を決定したことから、国内投資や雇用情勢がさらに改善に向かいました。欧州や中国、新興国などにおいても、世界的に景気が回復していることを背景に、輸出部門中心に景気が堅調に推移しました。
国内紙パルプ業界におきましては、人口の減少や少子高齢化による構造的な変化に加え、出版物や広告の電子媒体へのシフトにより、洋紙の消費は前年割れが続いています。一方、板紙は、Eコマース市場の拡大が段ボール需要をけん引し、前年に比べ増加しました。また衛生用紙は、生活必需品としての底堅い需要に加え、インバウンド需要等も取込み、比較的堅調に推移しました。当業界においても労働力不足は運賃値上げを通して企業業績に影響を与えることが懸念されます。
この様な状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高3,777億14百万円(前期比3.0%増)、営業利益は23億62百万円(同129.2%増)、経常利益は30億86百万円(同177.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億33百万円(同9.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<国内拠点紙パルプ等卸売事業>紙分野では、需要構造の変化による出版印刷市場の縮小や、広告の電子媒体への移行などが要因となり、販売数量・金額ともに前年割れとなりました。また、板紙分野では、食料品用途の堅調な伸びや、販路の拡大により、販売金額は増加となりました。製紙原料分野では、古紙は国内販売が堅調に推移し、販売金額が前年に比べ増加しました。パルプは輸入品を中心に需要が伸長したことに加え、価格の上昇も寄与し、販売数量・金額ともに前年増となりました。
この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は3,096億70百万円(同0.1%減収)、セグメント利益は45億21百万円(同14.1%増)となりました。
<海外拠点紙パルプ等卸売事業>海外紙パルプ等卸売事業に関しては、米国では、段ボール原紙の輸出は伸長したものの、価格問題・供給メーカーの数量確保困難等の理由により塗工紙及びコピー用紙、ならびにブラジル向けの特殊紙等が振るわず、売上高は低調に推移しました。東南アジアにおいては、一部日本メーカーの取扱商品については好調であったものの、成長鈍化に加えパルプの入札が価格面で折り合わず不振となり、売上は伸び悩みました。東アジアにおいては主要得意先への販売が好調で、香港で塗工紙、板紙等全般的に販売が増加すると共に、中国でも上質紙・塗工紙・板紙の販売が拡大しました。豪州においては、上質紙やコピー用紙の取扱増により売上を伸ばしました。
この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は668億10百万円(同21.0%増収)、セグメント損失は91百万円(前年同期は10億8百万円のセグメント損失)となりました。
<不動産賃貸事業>全国主要都市のオフィスビル市場は、館内増床や拡張移転など底堅いオフィス需要を背景に、平均空室率は低下傾向にあります。また、平均賃料につきましても緩やかな上昇傾向で推移しております。
このような状況下、当社グループでは主力物件の「KPP八重洲ビル」をはじめ、テナントビルは高稼働を維持しておりますが、一部所有不動産の売却により、賃料収入は減収となりました。
この結果、不動産賃貸事業の売上高は12億33百万円(同19.8%減収)、セグメント利益は5億61百万円(同17.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に有形及び無形固定資産の取得による支出を、税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加及びコマーシャル・ペーパーの純増等により賄うことで、前連結会計年度末比18億43百万円増加し、41億35百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は40億19百万円(前年同期は11億14百万円の獲得)となりました。これは主に国内拠点における在庫増等による資金支出と、仕入債務の増加及び税金等調整前当期純利益の獲得等による資金獲得によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は79億20百万円(前年同期は55億96百万円の獲得)となりました。これは主に、経費削減のための本社の取得、物流戦略に基づく戸田物流センターの取得及び社内基幹システムへの投資への資金支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は57億60百万円(前年同期は67億91百万円の使用)となりました。これは投資活動による支出を賄うため、翌連結会計年度の増資による資金調達を勘案したうえで短期借入金及びコマーシャル・ペーパー等による資金調達を行ったためであります。
③仕入及び販売の実績
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) | 295,883 | 99.8 |
| 海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) | 60,931 | 126.3 |
| 合計(百万円) | 356,815 | 103.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) | 309,670 | 99.9 |
| 海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円) | 66,810 | 121.0 |
| 不動産賃貸事業(百万円) | 1,233 | 80.2 |
| 合計(百万円) | 377,714 | 103.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のおとりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| サムソンペーパーホールディングスグループ | - | - | 42,554 | 11.3 |
(注)前連結会計年度については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考情報)
当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。
| 品種別 | 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | |||
| 紙 | 数量(トン) | 1,792,285 | 1,901,076 | ||
| 金額(百万円) | 185,300 | 199,238 | |||
| 板紙 | 数量(トン) | 1,050,588 | 855,613 | ||
| 金額(百万円) | 73,892 | 65,953 | |||
| 紙二次加工品 | 数量(トン) | 38,304 | 32,424 | ||
| 金額(百万円) | 34,795 | 33,932 | |||
| パルプ・古紙 | 数量(トン) | 1,572,410 | 1,495,967 | ||
| 金額(百万円) | 39,905 | 44,489 | |||
| その他 | 金額(百万円) | 32,883 | 34,100 | ||
| 合計 | 数量(トン) | 4,453,588 | 4,285,080 | ||
| 金額(百万円) | 366,777 | 377,714 | |||
(注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.賃貸収入は「その他」に含まれております。
提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。
| 品種別 | 前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | |||
| 紙 | 数量(トン) | 1,448,260 | 1,402,256 | ||
| 金額(百万円) | 157,902 | 149,982 | |||
| 板紙 | 数量(トン) | 741,270 | 729,614 | ||
| 金額(百万円) | 55,907 | 56,262 | |||
| 紙二次加工品 | 数量(トン) | 23,106 | 19,504 | ||
| 金額(百万円) | 29,798 | 29,680 | |||
| パルプ・古紙 | 数量(トン) | 1,539,984 | 1,460,360 | ||
| 金額(百万円) | 38,623 | 43,030 | |||
| その他 | 金額(百万円) | 29,272 | 30,745 | ||
| 合計 | 数量(トン) | 3,752,621 | 3,611,734 | ||
| 金額(百万円) | 311,505 | 309,702 | |||
(注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。
| 用途 | 前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 前年比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 前年比 (%) | |
| 新聞用 | 2,713 | 0.9 | 79.4 | 2,454 | 0.8 | 90.5 |
| 印刷用 | 130,556 | 41.9 | 95.2 | 122,277 | 39.5 | 93.7 |
| 包装・容器用 | 69,947 | 22.5 | 94.0 | 72,854 | 23.5 | 104.2 |
| 情報用紙 | 43,499 | 14.0 | 97.4 | 43,417 | 14.0 | 99.8 |
| 製紙原料用 | 38,626 | 12.4 | 98.4 | 43,034 | 13.9 | 111.4 |
| その他 | 26,161 | 8.3 | 98.9 | 25,666 | 8.3 | 98.1 |
| 合計 | 311,505 | 100.0 | 95.8 | 309,702 | 100.0 | 99.4 |
(注)1.用途の分類は当社独自の基準によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
(2)経営者の視点による認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(a)貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。
(b)投資有価証券の減損
当社グループは、取引先との良好な取引関係の維持・強化を図るため、取引先の株式を保有しております。時価のある有価証券については、投資価値の下落が30%を超え一時的ではないと判断した場合に減損を行っております。また、時価評価されていない有価証券については、当該会社の1株当たりの純資産額が帳簿価額を50%以上下回り、業績回復の可能性がない場合に減損を行っております。
(c)のれんの減損
当社グループは、のれんについて減損の兆候があると判定された場合、減損の認識の判定を行っております。のれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(d)繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しにより利益が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(売上髙)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ109億36百万円増収の3,777億14百万円(前年同期比3.0%増)となりました。セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ8億93百万円増益の220億8百万円(前年同期比4.2%増)となりました。また、売上総利益率は、主にパルプ・古紙の利益率の増加が寄与し、前連結会計年度に比べ0.07ポイント増加し5.8%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、販売諸掛、従業員給与手当が増加したものの、海外拠点紙パルプ等卸売事業において貸倒引当金繰入額が減少したことにより、前連結会計年度に比べ4億38百万円減少し、196億45百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ13億31百万円増益の23億62百万円(同129.2%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、円高による為替差益及び貸倒引当金戻入額の計上等により、前連結会計年度に比べ3億18百万円増加し13億63百万円(前年同期比30.4%増)となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に計上した為替差損が為替差益に転じたこと及び持分法投資損失の減少等により前連結会計年度に比べ3億22百万円減少し6億40百万円(同33.5%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ19億72百万円増益の30億86百万円(同177.0%増)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、物流戦略に基づく春日井倉庫の売却等があったものの、前連結会計年度に固定資産売却益27億73百万円及び投資有価証券売却益4億83百万円を計上した事等から、前連結会計年度に比べ26億34百万円減少し6億23百万円(前年同期比80.9%減)となりました。
特別損失は、前連結会計年度に固定資産売却損5億88百万円を計上したことから、前連結会計年度に比べ8億3百万円減少し71百万円(同91.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ1億41百万円増益の36億39百万円(同4.0%増)となりました。
(b)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、1,986億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ143億86百万円増加しました。これは主に、経費削減のための本社の取得及び物流戦略に基づく戸田物流センターの取得等による有形固定資産の増加、社内基幹システム投資による無形固定資産の増加等によるものです。
(負債)
負債は、1,509億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億36百万円増加しました。これは主に借入金及びコマーシャル・ペーパーによる有利子負債の増加、仕入債務の増加によるものです。
(純資産)
純資産は、476億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億50百万円増加し、自己資本比率は23.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント増加しました。これは主に利益剰余金の増加、株価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加、年金資産の時価上昇等による退職給付に係る調整累計額の増加によるものであります。
(c)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(d)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(e)当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは経常運転資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資等を目的とした資金需要は、固定資産の購入及びソフトウエア投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入、コマーシャル・ペーパーを基本としており、投資を目的とした資金調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
2018年6月26日付で、当社株式は東京証券取引所市場第一部に上場しており、新株発行による手取額22億12百万円については、社内基幹システム関連の設備投資に8億51百万円、残額を金融機関からの借入金の返済に充当する予定であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びコマーシャル・ペーパーの残高は496億93百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は41億35百万円となっております。
(f)経営方針/経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、次のとおりです。
当社グループでは、ROA及びROEを経営指標として重視し、効率的な経営の実現に取り組んでおります。当連結会計年度の実績は、ROA1.3%、ROE5.3%となりました。
(g)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析は・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。