有価証券報告書-第165期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
①経済環境
当連結会計年度における世界経済は、一部の地域において弱さがみられるものの、総じて緩やかな回復が続きました。ただし、足元では、中東情勢を始めとして先行きに対する不透明感が高まっています。
米国では、設備投資や生産を中心に、景気は緩やかに拡大しました。中国では、不動産市場の停滞による影響などにより、景気はやや減速しました。アジア新興国では、インドの景気は拡大、インドネシアは緩やかに回復しており、またタイでも持ち直しの動きがみられました。欧州では、ユーロ圏は、消費や設備投資を中心に景気持ち直しの動きがみられました。また、英国では、景気は持ち直しているものの、ペースは緩やかになっています。
日本経済は、緩やかに回復しました。個人消費や設備投資は緩やかに持ち直しており、雇用情勢にも改善の動きがみられました。輸出や生産は概ね横ばいとなりましたが、企業収益には、米国の通商政策による影響が残るものの、改善の動きがみられました。
②財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ56,166百万円増加(対前期比12.7%増)し、498,138百万円となりました。
流動資産の増加34,094百万円は、主に現金及び預金、商品及び製品並びにその他が増加したこと等によるものであります。
固定資産の増加22,072百万円は、主に有形固定資産、投資有価証券並びに無形固定資産が増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ26,783百万円増加(同11.9%増)し、252,200百万円となりました。
流動負債の増加16,018百万円は、主に短期借入金、支払手形及び買掛金並びにその他が増加したこと等によるものであります。
固定負債の増加10,765百万円は、主に長期借入金並びに繰延税金負債が増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ29,382百万円増加(同13.6%増)し、245,938百万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定、利益剰余金並びにその他有価証券評価差額金が増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は47.3%(前連結会計年度末より0.2ポイント増加)となりました。期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は4,416円83銭(前連結会計年度末より589円30銭増加)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上高は、832,745百万円(対前期比0.6%減)となりました。利益面では、営業利益は26,164百万円(同1.3%増)、経常利益は27,748百万円(同6.2%増)となり、いずれも過去最高を更新しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、20,632百万円(同4.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
《情報電子事業》
情報電子事業は、前期にあった大型装置の販売が当連結会計年度には無く、また、太陽光発電の関連材料の販売が減少したことなどもあり、売上が減少しました。
フラットパネルディスプレイ(以下、FPD)関連は、第2四半期までパネルメーカーの稼働は安定的に推移しましたが、第3四半期から調整気味となりました。当社の状況は、中小型パネルや車載向け、またOLED向けは堅調でしたが、大型パネル向けが減少しました。
LED封止材は、屋外ディスプレイ向けの需要が堅調で、当社の販売も増加しました。
インクジェット関連は、ホーム&オフィス向けで、一部顧客の生産不調により販売が減少しました。ただ、注力している産業向けは市場の成長が続いており、当社の販売も増加しています。
複写機関連は、新規商材の獲得等により、関連材料の販売が増加しました。
太陽光発電関連は、需要は底堅いものの、安価なパネル・製品が流通する一部地域で激しい価格競争が継続しており、当社の関連材料販売も減少しました。こうした状況を踏まえ、比較的価格競争の影響を受けにくい北米、インド向けの取り組みを加速しています。
リチウムイオン電池関連は、EVの販売鈍化が継続していることに加え、米国での補助金終了の影響もあり、グローバルで関連材料の販売がやや減少しました。
フォトマスク関連は、半導体向け、FPD向けともに、関連材料の販売が増加しました。
半導体関連は、前期にあった大型装置の販売が当連結会計年度には無く、売上は大幅に減少しました。一方、中国向け半導体材料全般の需要が伸びるとともに、AI関連市場の活況を背景に、先端半導体向け材料の販売が大幅に増加しました。
これらの結果、売上高は239,336百万円(同9.4%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は7,042百万円(同16.9%減)となりました。
《化学品事業》
化学品事業は、自動車部品用原料や塗料・インキ・接着剤関連、建築資材関連などのビジネスが堅調に推移し、売上が増加しました。
樹脂原料・添加剤は、ウレタン材料等の販売は増加しましたが、米国向け樹脂原料が減少し、トータルで販売が減少しました。
自動車部品用原料は、需要は概ね横ばいでしたが、放熱材が伸長し、販売が増加しました。
塗料・インキ・接着剤関連は、新規商権の獲得等により、販売が増加しました。
製紙用薬剤は、関税率引き上げの影響等により米国向けが大幅に減少し、販売が減少しました。
建築資材関連は、新設住宅着工戸数は減少しましたが、ハウスメーカーや建材メーカー向けの拡販等により、販売が増加しました。
これらの結果、売上高は125,137百万円(同5.8%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は3,548百万円(同20.3%増)となりました。
《生活産業事業》
生活産業事業は、ライフサイエンス関連、食品関連とも総じて好調で、売上が増加しました。また、食品関連の収益改善が進み、セグメント利益(営業利益)は大幅に増加しました。
ライフサイエンス関連は、医薬品、日用品ともに原料販売が堅調に推移し、全体で販売が増加しました。
食品関連は、農産品については、冷凍野菜・果実の販売が堅調に推移、株式会社佐藤園の新規連結による茶製品の販売も加わり、販売が増加しました。水産品は、国内の回転寿司・量販店向けが好調に推移し、うなぎ加工品のEC販売等も好調でした。米国市場向けは、水産加工品の販売はやや低調でしたが、デザート製品の拡販等により、全体で販売が増加しました。
これらの結果、売上高は60,115百万円(同11.8%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は2,215百万円(同88.5%増)となりました。
《合成樹脂事業》
合成樹脂事業は、総じて各分野向けで堅調に推移し、売上が増加しました。
汎用樹脂関連は、日用品、建築向けなど総じて各分野の需要は停滞しましたが、輸入品の拡販に注力し、販売が増加しました。
高機能樹脂関連では、OA向けは前年が好調だった反動もあり、販売が減少しました。一方、炭素繊維などの新規ビジネスが始まりました。
自動車関連は、グローバルで販売がやや増加しました。地域別では、東南アジア、中国で販売が減少しましたが、メキシコでは前年並み、国内では微増、インドでは大幅に増加しました。中国では、日系自動車向け販売は低調でしたが、現地メーカー向け販売が拡大しました。メキシコでは、米関税引上げをにらんだ駆け込み需要の反動があったものの、前年並みを維持しました。
コンパウンド事業は、総じて堅調に推移しました。
ポリオレフィン原料の販売は、国内は堅調でしたが、輸出は主力であるアジアの電線被膜向けが大幅に減少し、全体でも減少しました。
フィルム関連(軟包装分野)は、販売は前年並みとなりました。
スポーツ関連は、グリップテープを中心に国内、海外ともに好調に推移し、販売が大幅に増加しました。
シート関連は、輸入原料の拡販や新規顧客の開拓が進み、販売が増加しました。
リサイクル原料ビジネスは、順調に拡大しています。
これらの結果、売上高は407,974百万円(同1.6%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は13,221百万円(同1.0%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、税金等調整前当期純利益及び長期借入れによる収入が、有形固定資産の取得による支出、法人税等の支払額、配当金の支払額及び無形固定資産の取得による支出を上回ったこと等により、前連結会計年度末に比べ17,341百万円増加し、72,698百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は21,075百万円(前連結会計年度は19,903百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び売上債権の減少額が、法人税等の支払額、その他の流動資産の増加額及び棚卸資産の増加額を上回ったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は13,012百万円(前連結会計年度は9,498百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出及び無形固定資産の取得による支出が、投資有価証券の売却による収入を上回ったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は3,922百万円(前連結会計年度は805百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が、配当金の支払額を上回ったこと等によるものであります。
④販売及び仕入の実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
| 情報電子 | 239,336 | 90.6 |
| 化学品 | 125,137 | 105.8 |
| 生活産業 | 60,115 | 111.8 |
| 合成樹脂 | 407,974 | 101.6 |
| その他 | 181 | 100.0 |
| 合計 | 832,745 | 99.4 |
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
| 情報電子 | 215,798 | 90.9 |
| 化学品 | 107,371 | 109.7 |
| 生活産業 | 50,571 | 114.0 |
| 合成樹脂 | 359,010 | 100.1 |
| その他 | 45 | 99.4 |
| 合計 | 732,797 | 99.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①中期経営計画「NC2026」2年目の進捗状況の分析
当連結会計年度は、3カ年の中期経営計画「NC2026」の2年目となります。経営成績を踏まえた、2年目の進捗状況の分析は以下のとおりであります。
| (百万円) | NC2026 第165期 2年目実績 | NC2026 第165期 2年目計画 | NC2026 第166期 最終年度目標 |
| 売上高 | 832,745 | 890,000 | 950,000 |
| 営業利益 | 26,164 | 24,500 | 27,000 |
| 売上高営業利益率 | 3.1% | 2.8% | 2.8% |
| 経常利益 | 27,748 | 23,500 | 26,000 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 20,632 | 17,500 | 19,000 |
| ROE | 9.3% | 10%以上 | 10%以上 |
| ネットD/Eレシオ (倍) | 0.06倍 | 0.5倍以下 | 0.5倍以下 |
| 自己資本比率 | 47.3% | 概ね50%前後 | 概ね50%前後 |
| 想定為替レート | 150.67円/USD | 145.00円/USD | 145.00円/USD |
※1 NC2026 2年目計画及び最終年度目標は、2024年5月9日公表。
※2 ネットD/Eレシオ=(有利子負債-現預金)/自己資本
※3 NC2026 2年目実績の為替レートは実績値
売上高は、主に情報電子事業の事業環境が悪化したことにより、2年目の計画に対して未達となりました。
営業利益は、売上高総利益率の上昇などにより、2年目の計画を上回りました。
経常利益は、営業利益が計画を上回ったことなどにより、2年目の計画を上回りました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が計画を上回ったことなどにより、2年目の計画を上回りました。
ROEは、増配や自己株式の取得を実施しましたが、利益剰余金の増加等による株主資本の増加により、2年目の計画に対してやや未達となりました。
ネットD/Eレシオ、自己資本比率は、最終年度の目標を満たしており、財務の健全性は十分に確保できています。
報告セグメント別の進捗は、以下のとおりであります。
《情報電子事業》
| (百万円) | NC2026 第165期 2年目実績 | NC2026 第165期 2年目計画 | NC2026 第166期 最終年度目標 |
| 売上高 | 239,336 | 283,000 | 312,000 |
| セグメント利益(営業利益) | 7,042 | 7,200 | 8,450 |
| セグメント利益率 | 2.9% | 2.5% | 2.7% |
売上高は、大型パネル向けのディスプレイ関連材料、コンシューマー向けインクジェット関連材料、太陽電池関連材料の販売が振るわず、2年目の計画に対して未達となりました。
セグメント利益(営業利益)は、利益率は向上しましたが、売上高が計画を下回ったことにより、2年目の計画に対して未達となりました。
なお、同事業において、NC2026策定時に想定した主なコアビジネス(商材)と成長ビジネス(商材)は以下のとおりです。
| コアビジネス(商材) | ディスプレイ関連 コンシューマー向けインクジェット関連 |
| 成長ビジネス(商材) | 環境・エネルギー分野(太陽電池関連、二次電池関連) 半導体・電子部品関連 産業用インクジェット関連 |
《化学品事業》
| (百万円) | NC2026 第165期 2年目実績 | NC2026 第165期 2年目計画 | NC2026 第166期 最終年度目標 |
| 売上高 | 125,137 | 132,000 | 139,000 |
| セグメント利益(営業利益) | 3,548 | 3,050 | 3,250 |
| セグメント利益率 | 2.8% | 2.3% | 2.3% |
売上高は、EV関連素材などの販売が伸び悩み、2年目の計画に対して未達となりました。
セグメント利益(営業利益)は、利益率が向上したことにより、2年目の計画を上回りました。
なお、同事業において、NC2026策定時に想定した主なコアビジネス(商材)と成長ビジネス(商材)は以下のとおりです。
| コアビジネス(商材) | 樹脂原料・添加剤、コーティング原料・塗料、建材 |
| 成長ビジネス(商材) | EV関連素材 海外展開強化 |
《生活産業事業》
| (百万円) | NC2026 第165期 2年目実績 | NC2026 第165期 2年目計画 | NC2026 第166期 最終年度目標 |
| 売上高 | 60,115 | 66,800 | 72,800 |
| セグメント利益(営業利益) | 2,215 | 2,600 | 3,100 |
| セグメント利益率 | 3.7% | 3.9% | 4.3% |
売上高は、医薬品原料や、国内・海外での水産加工品の販売がやや未達となり、2年目の計画に対して未達となりました。
セグメント利益(営業利益)は、売上高が計画を下回ったことにより、2年目の計画に対して未達となりました。
なお、同事業において、NC2026策定時に想定した主なコアビジネス(商材)と成長ビジネス(商材)は以下のとおりです。
| コアビジネス(商材) | 医薬品、家庭用品原料 国内の水産加工品 |
| 成長ビジネス(商材) | 再生医療分野、核酸・バイオ医薬品関連 海外の水産加工品 |
《合成樹脂事業》
| (百万円) | NC2026 第165期 2年目実績 | NC2026 第165期 2年目計画 | NC2026 第166期 最終年度目標 |
| 売上高 | 407,974 | 408,000 | 426,000 |
| セグメント利益(営業利益) | 13,221 | 11,550 | 12,100 |
| セグメント利益率 | 3.2% | 2.8% | 2.8% |
売上高は、総じて各ビジネスが堅調に推移し、ほぼ2年目の計画どおりとなりました。
セグメント利益(営業利益)は、総じて各ビジネスの利益率が向上し、2年目の計画を上回りました。
なお、同事業において、NC2026策定時に想定した主なコアビジネス(商材)と成長ビジネス(商材)は以下のとおりです。
| コアビジネス(商材) | 自動車、OA向け高機能樹脂 フィルム・シート関連 |
| 成長ビジネス(商材) | コンパウンド事業 リサイクル樹脂、グリーンビジネス |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、主に営業活動及び政策保有株式の売却等により獲得した資金を、当社の配当政策に基づく現金配当及び自己株式の取得による株主還元の実施、NC2026の計画達成に向け、事業の拡大・新規ビジネスの開拓・将来の成長に向けた投資等に使用しました。これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ17,341百万円増加し、72,698百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、各営業部門の事業計画・投融資計画に照らして、必要な資金を内部留保や金融機関からの借入金及び社債を中心に調達し、その資金を運転資金や事業拡大に向けた投融資に使用しており、金融商品での運用や投機的な取引は行わないこととしております。
当連結会計年度は、営業活動と政策保有株式の売却を積極的に進めたことで獲得した資金を事業拡大のための投資や株主還元等に使用しました。
資金の流動性の維持、国内及び海外におけるグループ全体の運転資金の機動的かつ安定的な調達を行うため、取引銀行4行と31,191百万円の貸出コミットメント契約を締結しております。
国内の連結子会社及び海外の一部の連結子会社において、キャッシュ・マネジメント・サービスを導入しており、資金の効率化と流動性の確保を図っております。
これらの施策等により不測の事態に備え資金の流動性を維持しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産、負債、収益、費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.棚卸資産の評価
主として移動平均法及び先入先出法による原価法によっており、期末における正味売却価額が取得原価より下落している場合には、正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。
正味売却価額の算定方法については、期末前後での販売実績に基づく価額を用いる等、合理的に算定された価額を正味売却価額としております。なお、長期滞留等により営業循環過程から外れた棚卸資産など正味売却価額を合理的に算定することが困難な棚卸資産につきましては、帳簿価額を処分見込価額まで切り下げる等の方法により、収益性の低下を適切に貸借対照表に反映させております。
前期に計上した簿価切下額の戻入れにつきましては、主に洗替え法により当期に戻入れをおこなう方法を採用しております。
b.貸倒引当金の評価
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c.退職給付会計について
当社グループの従業員の退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用は、簡便法を採用している連結子会社を除き、割引率、退職率、予想昇給率、長期期待運用収益率、死亡率等の計算基礎を設定の上、数理計算結果に基づき算定しております。
退職給付債務の計算に用いる割引率と年金資産(企業年金制度に対して設定した退職給付信託を含む)の長期期待運用収益率は、特に重要な前提条件であります。割引率は安全性の高い債券(主として長期国債)の利回りを基礎として主として3.1%、年金資産の長期期待運用収益率は年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績及び運用方針等を総合的に考慮して主として3.0%を使用しております。
また、他の基礎率も定期的に見直しており、基礎率を見直した場合や、退職給付債務の数理計算に用いた見積り数値と実績との差異、年金資産の期待運用収益と実際の運用収益との差異が生じた場合には、数理計算上の差異が発生し、将来の退職給付に係る負債及び退職給付費用を増加させるおそれがあります。
数理計算上の差異については、平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として13年)で按分する方法により費用処理しております。
未認識数理計算上の差異については、税効果会計を適用の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しております。