有価証券報告書-第164期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/20 13:01
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【項目】
130項目
経営者の視点による当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が本格的に進み、緩やかな回復が続きました。
世界経済は、欧米を中心にグローバルインフレの抑制対策としての金融引き締めによる政策金利の引き上げの継続と中国における不動産部門の住宅在庫調整の長期化や、長期化するウクライナ情勢と緊迫感が急激に高まっている中東情勢等の地政学的リスクの影響などにより、景気の減速感が強まりました。
国内経済は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類感染症に引き下げられたことで、ペントアップ需要によるサービス消費や訪日観光客によるインバウンド需要の回復が続き、高水準の企業収益に支えられた設備投資の増加等により、緩やかな回復傾向が続きました。年度後半では、政府の物価高政策の効果が寄与したものの、原油価格上昇と円安進展等を受けた価格転嫁の広がりに加え、賃上げを受けたサービス物価上昇により個人消費が伸び悩み、欧米を中心とした世界経済の減速が重石となり、景気回復は足踏みしました。
この間、当社グループの関連する紙・板紙の国内出荷は前年を下回りました。特に新聞用紙や印刷・情報用紙に代表されるグラフィック用紙の需要は減少傾向が続いております。また、紙器用板紙や段ボール原紙、包装用紙等のパッケージ関連分野は、インバウンド需要の回復がありましたが、物価高騰に伴う個人消費の低迷等により需要が弱まり、前年を下回りました。
このような状況下、国内製紙各社は、グラフィック用紙の需要減少に対して、生産体制の再編成等による国内事業の構造転換を推進するとともに、海外市場への展開とエネルギー事業・新素材事業等の新分野への取り組みを強化しております。
紙パ関連業界を品種別にみますと、印刷用紙は、デジタル化による需要の減少が一層進行し、国内出荷は前年を下回りました。情報用紙は、コロナ禍におけるテレワーク等の勤務形態の変化からペーパーレス化が進行し、オフィス向けPPC用紙の需要減少が続き前年を下回りました。段ボール原紙は、通販向けは堅調に推移したものの、生活用品向けへの物価高に伴う消費抑制の影響と天候不順による青果物向けの伸び悩みにより前年を下回りました。紙器用板紙は、社会経済活動の再開により旅行や外食関連等の需要回復がみられたものの、幅広い品目での値上げの影響により、前年を下回りました。また、化成品は、食料品や日用品等の相次ぐ値上げによる買い控え等の影響を受け、需要の低迷が続きました。
当社グループにおきましては、印刷用紙・特殊紙・情報用紙・パッケージング用紙・化成品の5分野の連携を強化し、社会環境の変化と構造的な需要の減少に対応すべく、率先して市場開拓・商材開発を推進し、企業価値の持続的な拡大と事業の生産性の向上に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の実績は、売上高249,050百万円(前期比0.2%増)、経常利益6,085百万円(同1.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,172百万円(同0.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(紙・板紙・化成品等卸売関連事業)
紙・板紙・化成品等卸売関連事業におきましては、国内向けは、印刷用紙の需要減少が継続し、紙の販売数量は前年を下回りました。板紙は、物価高騰による需要の落ち込みの影響を受け、販売数量は前年を下回りました。売上高は紙・板紙ともに、前年度実施した各品種の価格修正により増加しました。化成品は、物価上昇による食料品等の買い控えの影響により、包装用フィルムの出荷が低調に推移し、売上高は減少しました。
海外向けは、海上輸送のコンテナ不足解消に伴う一時的な在庫の増加により調整局面を迎え販売数量が減少しましたが、年度後半には持ち直しの動きがみえました。また、円安の進展はあったものの、海上運賃の下落と販売品種構成比の変化により販売価格が下がり、売上高は減少しました。
この結果、紙・板紙・化成品等卸売関連事業の売上高は240,280百万円、営業利益は3,319百万円となりました。
(紙加工等関連事業)
紙加工等関連事業におきましては、前年度実施した価格修正の効果と段ボール製造子会社の販売が堅調に推移したことにより、売上高は増加しました。
利益面では原材料等が高騰する中、経営効率を高め経費増加の抑制に努めました。
この結果、紙加工等関連事業の売上高は6,472百万円、営業利益は114百万円となりました。
(不動産賃貸関連事業)
不動産賃貸関連事業におきましては、所有不動産の有効活用として、賃貸不動産の入替えに伴う収入の増加はあったものの、既存テナントの解約等により賃貸料収入は前期並みとなりました。
一方、新規物件の取得に係る諸費用等により経費は増加しました。
この結果、不動産賃貸関連事業の売上高は2,270百万円、営業利益は1,301百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
紙加工等関連事業(百万円)2,828102.6

(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
紙・板紙・化成品等卸売関連事業(百万円)229,11699.7

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
紙・板紙・化成品等卸売関連事業(百万円)240,280100.1
紙加工等関連事業(百万円)6,472101.0
不動産賃貸関連事業(百万円)2,270100.0
報告セグメント計(百万円)249,023100.2
その他(百万円)27112.5
合計(百万円)249,050100.2

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため省略しております。
3 その他は、太陽光発電による売電事業であります。
②財政状態
当連結会計年度の総資産は、売上債権の増加や投資有価証券の時価上昇等により前連結会計年度と比べ21,650百万円増加し、184,323百万円となりました。
総負債は仕入債務等の増加により前連結会計年度と比べ10,407百万円増加し、100,752百万円となりました。
また、純資産は親会社株主に帰属する当期純利益やその他有価証券評価差額金等の増加により前連結会計年度と比べ11,242百万円増加し、83,570百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べ、残高が4,614百万円増加し、8,537百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、8,667百万円(前年同期2,862百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,086百万円(前年同期3,492百万円の使用)となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3,054百万円(前年同期2,248百万円の使用)となりました。これは主に、借入金の返済によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態、経営成績及びセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
なお、当社グループの自己資本比率は当連結会計年度末時点で45.31%となっており、現状、財政状態につきましては大きな懸念はないものと認識しております。来期以降も、企業体質の強化と将来の事業展開に備えるための内部留保の充実を図るとともに、事業投資及び安定的な配当等により、企業価値の向上に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の購入費用及び原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、投資有価証券の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及び社債を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,296百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,537百万円となっております。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって記載されている資産及び負債の額、偶発債務の開示、ならびに期中の収益及び費用は、適正な計上を行うため、見積りや前提条件を必要とします。当社グループは、債権、投資、棚卸資産等の評価や、固定資産、収益の認識、法人税等、繰延税金資産、関係会社等を含めた事業構造改善のコスト、退職給付債務、偶発債務等に関する見積りと判断を常に検証しております。その見積りと判断は、過去の実績やその状況において最も合理的と思われる要素に基づき行っており、資産・負債及び収益・費用を計上する上で客観的な判断材料が十分ではない場合の当社グループにおける判断の基礎となります。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りや判断と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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