有価証券報告書-第150期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言が繰り返し発出され、対面型サービス業を中心に需要が急減したほか、半導体や部品不足等に伴う生産制約により輸出も低迷し、その後のワクチン接種の進展により経済活動の再開がなされたものの、年初以降の感染再拡大が個人消費の回復を抑制し、さらに資源価格の高騰を受けて企業業績の圧迫と物価上昇懸念が高まるなど、景気は依然として厳しい状況で推移いたしました。
この間、国内の乗用車市場(登録車)は、世界的な半導体需要の高まりによって各メーカーが減産を余儀なくされたことにより伸び悩み、純輸入車(国産メーカーの海外生産車は除く)についても同様の影響を避けられず、その登録台数は前年実績を1.9%下回りました。
このような情勢下、当社グループ(株式会社ヤナセ及び連結子会社)の連結損益の状況をご報告申し上げますと、新車販売台数は29,426台(前年度比5.1%減)、中古車販売台数は31,160台(同22.7%減)、整備台数は708,305台(同3.8%減)となりました。
自動車関連部門の販売状況は、新車販売事業については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、前年度同様、従来型の販売活動に大きな制約が生じましたが、当社グループの認知拡大と競合他社との差別化を図るべく各営業拠点別の購買層に対するWEB広告の展開やソーシャルメディアの利用拡大に努めるなど、各種デジタルマーケティングを積極的に活用して、お客さまとの接触機会の増大を目指しました。また、昨年4月より来店型営業体制を正式導入しましたので、お客さま目線に立った営業拠点毎のフロアオペレーションとフォロー体制を構築して、来店誘致活動を推し進めました。さらに本年3月には公式ホームページのリニューアルを行い、各種情報へのアクセス性やスマートフォン・タブレット端末での操作性を向上させるとともに、試乗・商談の申し込み方法の簡易化を図って、新規・代替需要の喚起に取り組みました。
主なブランド別では、主力のメルセデス・ベンツ車は、昨年4月に発売されたEVモデルのニューEQAクラスが取り回しの良いサイズ感と十分な航続距離が市場のニーズに合致し、世界的な環境意識の高まりとも相まって好調な売れ行きを示しました。また、前年度に投入された新型Sクラスは年度を通じて新車効果が持続し着実に受注を積み上げ、Gクラスを中心とするSUVモデルも順調に実績を伸ばし、収益向上に寄与しました。一方、昨年10月に導入された量販モデルの新型Cクラスをはじめ各モデルにおいて半導体不足等に伴う入荷遅延が発生し、メルセデス・ベンツ車全体の販売台数は24,710台(同5.7%減)となりましたが、高価格モデルの販売が順調に推移し、売上高は前年を上回る実績となりました。BMW車は、昨年7月に投入された新型「4シリーズ グラン クーペ」やマイナーチェンジを受けたSUVモデルの「X3」が好調な売れ行きを示したほか、主力モデルの「3シリーズ」や「X1」も堅調な実績を残しました。一方、コンパクトモデルの「1シリーズ」を筆頭に多数のモデルにおいて年度を通じて入荷遅延が発生したため、販売台数は1,720台(同7.9%減)となりました。アウディ車は、昨年4月に投入された新型「A3」が着実に受注を積み上げ、全体の販売を牽引するとともに、主力モデルの「A4」についても好調な売れ行きを示したほか、昨年7月に導入されたSUVモデルのニュー「Q5 Sportback」や、「Q3」も堅調な実績を残しました。しかしながら、多数のモデルにおいて入荷遅延が発生した影響を受けて、販売台数は1,692台(同11.0%減)となりました。フォルクスワーゲン車は、昨年6月に発売された主力モデルの新型「ゴルフ」ならびに同年7月に投入された新型「ゴルフ ヴァリアント」が順調に受注を積み上げ、マイナーチェンジを受けた「パサート」、「アルテオン」についても好調な売れ行きを示しました。また量販モデルの「ポロ」やSUVモデルの「T-Cross」も堅調に推移したものの、大多数のモデルにおいて入荷遅延が生じ、販売活動に大きな支障を来しました。これにより販売台数は430台(同5.7%減)となりました。GM車は、キャデラック車において、昨年7月に投入されたSUVモデルの新型「エスカレード」が好調な売れ行きを示し、量販モデルの「CT5」ならびにコンパクトSUVモデルの「XT4」についても、入荷遅延の影響が生じたものの、順調に受注を積み上げました。シボレー車においては、「カマロ」は入荷遅延により前年実績を下回りましたが、昨年5月に導入された新型「コルベット」が特筆すべき実績を上げ、全体の販売を大きく牽引したため、これにより両ブランド合わせた販売台数は505台(同156.3%増)となりました。ポルシェ車については、SUVモデルの「マカン」が順調な実績を示しました。しかしながら、主力モデルの「911」は収益面において貢献したものの、前年度を下回る実績となったため、ポルシェ車の販売台数は369台(同2.6%減)となりました。以上の結果、当事業全体の売上高としては、267,105百万円(同3.0%増)となりました。
中古車販売事業は、「メルセデス・ベンツ サーティファイドカーセンター(CCセンター)」の一部拠点においてリニューアルを行い販売体制の強化を図る一方、公式ホームページの全面改修を行い、お客さまの嗜好に応じたレコメンドメールを適時配信するなど、販売機会の創出に努めました。また、他社ブランド商品や低年式・多走行車の拡充により商品量の増強を図るとともに、昨年9月には将来的なオンライン販売の実現を見据えて公式WEBサイトに仮想展示場となる「ネットギャラリー」を新たに開設し、専任担当者がお客さまからの問い合わせ対応、オンラインでの車両確認や初期商談を担い、販売担当者へ引き継ぐ分業制を取り入れることで生産性向上に努め、小売数量の増大に取り組みました。この結果、卸売については、高騰するオークション市場を背景に利益率は向上したものの、小売台数については新車販売台数の減少に伴い下取車を中心とした商品量が大幅に不足したため販売台数は伸び悩み、当事業全体の売上高は85,991百万円(同19.0%減)となりました。
アフターセールス事業は、前年度に引き続き全営業拠点において整備作業工程の可視化・共有化を一段と進めるとともに、作業品質の維持と整備時間短縮の両立を図るべく整備員の2名作業体制を導入したほか、車検・点検整備における概算見積の事前提示活動により車両預かり期間の短縮を図るなど、高効率な工場稼働体制の確立を目指しました。この結果、コロナ禍においてお客さまの入庫機会が減少傾向にある中、総整備台数こそ減少したものの、収益性の高い車検・点検整備需要については着実に受注を獲得し、前年度を上回る実績を収めることができました。周辺商品については、カーケア商品は新車・中古車販売台数の減少に伴い前年実績に及ばなかったものの、タイヤやバッテリーについては、入庫予約時からお客さまのニーズに適った提案販売を推し進めた結果、順調な実績を収め、収益確保に貢献いたしました。板金塗装部門については、社内塗装資格制度の導入や各種教育訓練の拡充など技術力向上に向けた施策を実行する一方、メーカー認定工場資格の取得や損害保険会社との業務提携を一段と進めて、受注台数の増大に鋭意取り組みました。部品外販部門は、故障診断機器や消耗品関連の販売を活性化するとともに、一般整備事業者向けの技術支援の拡充を図った結果、コロナ禍において当社グループの問い合わせ対応や供給体制等の信頼性が支持されたこともあり、順調に売上高の拡大を図ることができ、当事業全体の売上高としては、80,884百万円(同0.7%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は441,085百万円(同2.6%減)となりましたが、高価格帯商品の販売増加や値引き抑制などによって売上総利益が大きく伸長したほか、販売費及び一般管理費の削減も寄与し、営業利益は20,628百万円(同116.9%増)、経常利益は20,962百万円(同113.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,180百万円(同111.4%増)と過去最高益を達成いたしました。
なお、財政状態の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて3,932百万円減少し、11,632百万円(前年同期15,564百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17,331百万円(同22,796百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益20,840百万円、減価償却費9,191百万円、仕入債務の増加4,936百万円による資金の増加があった一方、売上債権の増加1,003百万円、棚卸資産の増加2,398百万円、未払消費税等の減少6,666百万円、その他の流動負債の減少2,334百万円、法人税等の支払4,838百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6,371百万円(同2,484百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出3,106百万円、貸付による支出3,400百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は14,892百万円(同11,805百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済11,480百万円、配当金の支払3,353百万円による資金の減少によるものであります。
③生産、受注実績及び販売の実績
(a)生産実績及び受注実績
該当事項ありません。
(b)販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて5,144百万円減少し、65,768百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が968百万円増加した一方、商品及び製品が2,447百万円、預け金が3,985百万円減少したことであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べて2,968百万円増加し、138,625百万円となりました。この主な要因は、建物及び構築物が1,090百万円、投資その他の資産が4,039百万円増加した一方、機械装置及び運搬具が1,383百万円減少したことであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて2,667百万円減少し、79,770百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が4,956百万円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が1,570百万円、未払金が6,123百万円減少したことであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて10,521百万円減少し、52,323百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が9,910百万円減少したことであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて11,012百万円増加し、72,301百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により14,180百万円増加した一方、配当により3,353百万円減少したことであります。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて11,600百万円減少し、441,085百万円となりました。この主な要因は、新車の売上高が7,778百万円、アフターセールスの売上高が542百万円増加した一方、中古車の売上高が20,105百万円減少したことであります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業損益は、前連結会計年度に比べて11,115百万円増益し、20,628百万円の営業利益となりました。この主な要因は、値引きの抑制及び中古車利益率の増加に伴う売上総利益が7,427百万円増益し、また販売費及び一般管理費が社有車に係るコスト減少及びコロナ禍における広告活動や営業活動の減少により3,687百万円減少したことであります。
なお、新中期経営計画2022「Gear up for the Next」において85.4%以下の目標としていた総経費率は77.4%、2.6%以上の目標としていた営業利益率は4.7%となりました。
(経常損益)
営業外収益は前連結会計年度の雇用調整助成金等により45百万円減少、営業外費用が支払利息の減少等により92百万円減少し、また上記営業利益の計上により、当連結会計年度における経常損益は、前連結会計年度に比べて11,162百万円増益し、20,962百万円の経常利益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は前連結会計年度における土地の売却による固定資産売却益991百万円、減損損失167百万円、店舗閉鎖損失324百万円があった一方、当連結会計年度の固定資産処分損180百万円等により特別損益は313百万円の減益となりました。
また法人税等が前連結会計年度に比べて3,378百万円増加しましたが、上記の経常利益の計上により当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて7,471百万円増益し、14,180百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となり、1株当たり当期純利益金額は300.20円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況の分析・検討
キャッシュ・フローの状況については、(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。
(b)資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、自動車、自動車部品等の商品の仕入代金及び営業店舗等に対する設備投資によるものであります。なお、重要な設備投資の予定及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
(財務政策)
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について自己資金の他、親会社である伊藤忠商事㈱が提供するグループ金融制度を利用し、調達しております。
なお、新車の仕入代金については、メーカー系ファイナンス会社等が提供する在庫金融制度を利用した資金調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積もり、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(繰延税金資産)
将来の利益計画に基づいた課税所得の見積りを行い、税務上の繰越欠損金を含む、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは重要な店舗資産を有しており、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである資産グループについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(棚卸資産評価)
当社グループは、通常の販売目的で保有する棚卸資産についての評価を実施し、正味売却価額が取得価額を下回った場合には評価損失を計上しております。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これら棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言が繰り返し発出され、対面型サービス業を中心に需要が急減したほか、半導体や部品不足等に伴う生産制約により輸出も低迷し、その後のワクチン接種の進展により経済活動の再開がなされたものの、年初以降の感染再拡大が個人消費の回復を抑制し、さらに資源価格の高騰を受けて企業業績の圧迫と物価上昇懸念が高まるなど、景気は依然として厳しい状況で推移いたしました。
この間、国内の乗用車市場(登録車)は、世界的な半導体需要の高まりによって各メーカーが減産を余儀なくされたことにより伸び悩み、純輸入車(国産メーカーの海外生産車は除く)についても同様の影響を避けられず、その登録台数は前年実績を1.9%下回りました。
このような情勢下、当社グループ(株式会社ヤナセ及び連結子会社)の連結損益の状況をご報告申し上げますと、新車販売台数は29,426台(前年度比5.1%減)、中古車販売台数は31,160台(同22.7%減)、整備台数は708,305台(同3.8%減)となりました。
自動車関連部門の販売状況は、新車販売事業については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、前年度同様、従来型の販売活動に大きな制約が生じましたが、当社グループの認知拡大と競合他社との差別化を図るべく各営業拠点別の購買層に対するWEB広告の展開やソーシャルメディアの利用拡大に努めるなど、各種デジタルマーケティングを積極的に活用して、お客さまとの接触機会の増大を目指しました。また、昨年4月より来店型営業体制を正式導入しましたので、お客さま目線に立った営業拠点毎のフロアオペレーションとフォロー体制を構築して、来店誘致活動を推し進めました。さらに本年3月には公式ホームページのリニューアルを行い、各種情報へのアクセス性やスマートフォン・タブレット端末での操作性を向上させるとともに、試乗・商談の申し込み方法の簡易化を図って、新規・代替需要の喚起に取り組みました。
主なブランド別では、主力のメルセデス・ベンツ車は、昨年4月に発売されたEVモデルのニューEQAクラスが取り回しの良いサイズ感と十分な航続距離が市場のニーズに合致し、世界的な環境意識の高まりとも相まって好調な売れ行きを示しました。また、前年度に投入された新型Sクラスは年度を通じて新車効果が持続し着実に受注を積み上げ、Gクラスを中心とするSUVモデルも順調に実績を伸ばし、収益向上に寄与しました。一方、昨年10月に導入された量販モデルの新型Cクラスをはじめ各モデルにおいて半導体不足等に伴う入荷遅延が発生し、メルセデス・ベンツ車全体の販売台数は24,710台(同5.7%減)となりましたが、高価格モデルの販売が順調に推移し、売上高は前年を上回る実績となりました。BMW車は、昨年7月に投入された新型「4シリーズ グラン クーペ」やマイナーチェンジを受けたSUVモデルの「X3」が好調な売れ行きを示したほか、主力モデルの「3シリーズ」や「X1」も堅調な実績を残しました。一方、コンパクトモデルの「1シリーズ」を筆頭に多数のモデルにおいて年度を通じて入荷遅延が発生したため、販売台数は1,720台(同7.9%減)となりました。アウディ車は、昨年4月に投入された新型「A3」が着実に受注を積み上げ、全体の販売を牽引するとともに、主力モデルの「A4」についても好調な売れ行きを示したほか、昨年7月に導入されたSUVモデルのニュー「Q5 Sportback」や、「Q3」も堅調な実績を残しました。しかしながら、多数のモデルにおいて入荷遅延が発生した影響を受けて、販売台数は1,692台(同11.0%減)となりました。フォルクスワーゲン車は、昨年6月に発売された主力モデルの新型「ゴルフ」ならびに同年7月に投入された新型「ゴルフ ヴァリアント」が順調に受注を積み上げ、マイナーチェンジを受けた「パサート」、「アルテオン」についても好調な売れ行きを示しました。また量販モデルの「ポロ」やSUVモデルの「T-Cross」も堅調に推移したものの、大多数のモデルにおいて入荷遅延が生じ、販売活動に大きな支障を来しました。これにより販売台数は430台(同5.7%減)となりました。GM車は、キャデラック車において、昨年7月に投入されたSUVモデルの新型「エスカレード」が好調な売れ行きを示し、量販モデルの「CT5」ならびにコンパクトSUVモデルの「XT4」についても、入荷遅延の影響が生じたものの、順調に受注を積み上げました。シボレー車においては、「カマロ」は入荷遅延により前年実績を下回りましたが、昨年5月に導入された新型「コルベット」が特筆すべき実績を上げ、全体の販売を大きく牽引したため、これにより両ブランド合わせた販売台数は505台(同156.3%増)となりました。ポルシェ車については、SUVモデルの「マカン」が順調な実績を示しました。しかしながら、主力モデルの「911」は収益面において貢献したものの、前年度を下回る実績となったため、ポルシェ車の販売台数は369台(同2.6%減)となりました。以上の結果、当事業全体の売上高としては、267,105百万円(同3.0%増)となりました。
中古車販売事業は、「メルセデス・ベンツ サーティファイドカーセンター(CCセンター)」の一部拠点においてリニューアルを行い販売体制の強化を図る一方、公式ホームページの全面改修を行い、お客さまの嗜好に応じたレコメンドメールを適時配信するなど、販売機会の創出に努めました。また、他社ブランド商品や低年式・多走行車の拡充により商品量の増強を図るとともに、昨年9月には将来的なオンライン販売の実現を見据えて公式WEBサイトに仮想展示場となる「ネットギャラリー」を新たに開設し、専任担当者がお客さまからの問い合わせ対応、オンラインでの車両確認や初期商談を担い、販売担当者へ引き継ぐ分業制を取り入れることで生産性向上に努め、小売数量の増大に取り組みました。この結果、卸売については、高騰するオークション市場を背景に利益率は向上したものの、小売台数については新車販売台数の減少に伴い下取車を中心とした商品量が大幅に不足したため販売台数は伸び悩み、当事業全体の売上高は85,991百万円(同19.0%減)となりました。
アフターセールス事業は、前年度に引き続き全営業拠点において整備作業工程の可視化・共有化を一段と進めるとともに、作業品質の維持と整備時間短縮の両立を図るべく整備員の2名作業体制を導入したほか、車検・点検整備における概算見積の事前提示活動により車両預かり期間の短縮を図るなど、高効率な工場稼働体制の確立を目指しました。この結果、コロナ禍においてお客さまの入庫機会が減少傾向にある中、総整備台数こそ減少したものの、収益性の高い車検・点検整備需要については着実に受注を獲得し、前年度を上回る実績を収めることができました。周辺商品については、カーケア商品は新車・中古車販売台数の減少に伴い前年実績に及ばなかったものの、タイヤやバッテリーについては、入庫予約時からお客さまのニーズに適った提案販売を推し進めた結果、順調な実績を収め、収益確保に貢献いたしました。板金塗装部門については、社内塗装資格制度の導入や各種教育訓練の拡充など技術力向上に向けた施策を実行する一方、メーカー認定工場資格の取得や損害保険会社との業務提携を一段と進めて、受注台数の増大に鋭意取り組みました。部品外販部門は、故障診断機器や消耗品関連の販売を活性化するとともに、一般整備事業者向けの技術支援の拡充を図った結果、コロナ禍において当社グループの問い合わせ対応や供給体制等の信頼性が支持されたこともあり、順調に売上高の拡大を図ることができ、当事業全体の売上高としては、80,884百万円(同0.7%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は441,085百万円(同2.6%減)となりましたが、高価格帯商品の販売増加や値引き抑制などによって売上総利益が大きく伸長したほか、販売費及び一般管理費の削減も寄与し、営業利益は20,628百万円(同116.9%増)、経常利益は20,962百万円(同113.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,180百万円(同111.4%増)と過去最高益を達成いたしました。
なお、財政状態の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて3,932百万円減少し、11,632百万円(前年同期15,564百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17,331百万円(同22,796百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益20,840百万円、減価償却費9,191百万円、仕入債務の増加4,936百万円による資金の増加があった一方、売上債権の増加1,003百万円、棚卸資産の増加2,398百万円、未払消費税等の減少6,666百万円、その他の流動負債の減少2,334百万円、法人税等の支払4,838百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6,371百万円(同2,484百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出3,106百万円、貸付による支出3,400百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は14,892百万円(同11,805百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済11,480百万円、配当金の支払3,353百万円による資金の減少によるものであります。
③生産、受注実績及び販売の実績
(a)生産実績及び受注実績
該当事項ありません。
(b)販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 自動車関連部門 | 438,292 | 97.38 |
| その他部門 | 2,792 | 107.82 |
| 合計(百万円) | 441,085 | 97.44 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて5,144百万円減少し、65,768百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が968百万円増加した一方、商品及び製品が2,447百万円、預け金が3,985百万円減少したことであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べて2,968百万円増加し、138,625百万円となりました。この主な要因は、建物及び構築物が1,090百万円、投資その他の資産が4,039百万円増加した一方、機械装置及び運搬具が1,383百万円減少したことであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて2,667百万円減少し、79,770百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が4,956百万円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が1,570百万円、未払金が6,123百万円減少したことであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて10,521百万円減少し、52,323百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が9,910百万円減少したことであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて11,012百万円増加し、72,301百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により14,180百万円増加した一方、配当により3,353百万円減少したことであります。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて11,600百万円減少し、441,085百万円となりました。この主な要因は、新車の売上高が7,778百万円、アフターセールスの売上高が542百万円増加した一方、中古車の売上高が20,105百万円減少したことであります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業損益は、前連結会計年度に比べて11,115百万円増益し、20,628百万円の営業利益となりました。この主な要因は、値引きの抑制及び中古車利益率の増加に伴う売上総利益が7,427百万円増益し、また販売費及び一般管理費が社有車に係るコスト減少及びコロナ禍における広告活動や営業活動の減少により3,687百万円減少したことであります。
なお、新中期経営計画2022「Gear up for the Next」において85.4%以下の目標としていた総経費率は77.4%、2.6%以上の目標としていた営業利益率は4.7%となりました。
(経常損益)
営業外収益は前連結会計年度の雇用調整助成金等により45百万円減少、営業外費用が支払利息の減少等により92百万円減少し、また上記営業利益の計上により、当連結会計年度における経常損益は、前連結会計年度に比べて11,162百万円増益し、20,962百万円の経常利益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は前連結会計年度における土地の売却による固定資産売却益991百万円、減損損失167百万円、店舗閉鎖損失324百万円があった一方、当連結会計年度の固定資産処分損180百万円等により特別損益は313百万円の減益となりました。
また法人税等が前連結会計年度に比べて3,378百万円増加しましたが、上記の経常利益の計上により当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて7,471百万円増益し、14,180百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となり、1株当たり当期純利益金額は300.20円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況の分析・検討
キャッシュ・フローの状況については、(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。
(b)資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、自動車、自動車部品等の商品の仕入代金及び営業店舗等に対する設備投資によるものであります。なお、重要な設備投資の予定及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
(財務政策)
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について自己資金の他、親会社である伊藤忠商事㈱が提供するグループ金融制度を利用し、調達しております。
なお、新車の仕入代金については、メーカー系ファイナンス会社等が提供する在庫金融制度を利用した資金調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積もり、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(繰延税金資産)
将来の利益計画に基づいた課税所得の見積りを行い、税務上の繰越欠損金を含む、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは重要な店舗資産を有しており、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである資産グループについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(棚卸資産評価)
当社グループは、通常の販売目的で保有する棚卸資産についての評価を実施し、正味売却価額が取得価額を下回った場合には評価損失を計上しております。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これら棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。