有価証券報告書-第149期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う経済活動の制約によって企業収益や個人消費は急速に減退し、その後の各国政府の経済効果により輸出や一部の内需に持ち直しの動きが見られたものの、年初以降の感染再拡大が家計や企業活動の萎縮を再び引き起こすなど、景気の先行きは不透明感を増す状況で推移いたしました。
この間、国内の乗用車市場(登録車)は、緊急事態宣言の発出による移動制限の影響と急激な市場縮小によって前年実績を割り込む結果となり、純輸入車(国産メーカーの海外生産車は除く)についても、主力メーカーの新型車投入により一定の増販効果が生じましたが、その登録台数は前年実績を12.6%下回りました。
このような情勢下、当社グループの連結損益の状況は、新車販売台数は31,004台(前年度比3.0%減)、中古車販売台数は40,333台(前年度比0.3%増)、整備台数は736,410台(前年度比6.0%減)となりました。
自動車関連部門の販売状況は、新車販売については、新型コロナウィルス感染症の流行拡大が進み、ホテルショウや出張展示会の開催中止を余儀なくされるなど、従来型の販売活動に大きな制約が生じる中、お客さま一人ひとりの関心等に応じた情報を自動配信するシステムの正式導入やソーシャルメディアの利用強化など、各種デジタルテクノロジーを積極活用してお客さまとの接触機会の拡大を目指しました。また、店舗におけるお客さま対応の連携性を高めるマニュアル等の整備を図ることにより、安心・安全を確保した営業拠点への来店促進活動を鋭意実行いたしました。
主なブランド別では、主力のメルセデス・ベンツ車は、昨年7月に投入された新型GLBクラスが広い室内空間と都市部でも取り回し易いボディサイズ感が好評を博し、順調な実績を上げ、同月に投入のニューGLAクラスについても好調な売れ行きを示しました。また、本年1月に投入された、最先端技術が随所に搭載された同ブランドのフラッグシップモデルであるニューSクラスや比較的順調に入荷が進んだGクラスなども大きく実績を伸ばし、収益向上に寄与しました。一方、コロナ禍の影響により年度を通じて商品の入荷遅延が発生し、また、量販モデルのCクラスがモデル末期を迎え需要が減退したこともあって、メルセデス・ベンツ車全体の販売台数は26,202台(前年度比1.3%減)となりました。BMW車は、前年度に投入されたニュー「1シリーズ」やクーペSUVモデルの「X4」について、それぞれディーゼルモデルが追加設定されたことも功を奏し着実に実績を積み上げ、また、昨年4月に投入されたコンパクトモデルの新型「2シリーズ グラン クーペ」も順調に推移したものの、主力モデルの「3シリーズ」や「X1」については新車効果の減退により苦戦を強いられ、販売台数は1,868台(前年度比7.9%減)となりました。アウディ車は、昨年7月に投入されたニュー「Q3」が特筆すべき実績を上げ、全体の販売を牽引するとともに、ラインナップの拡充が図られた量販モデルの「A1」についても好調な売れ行きを示したほか、ディーゼルモデルが追加設定された「A6」やマイナーチェンジを受けた「Q7」なども着実に受注を獲得し、これによりアウディ車全体の販売台数は1,901台(前年度比5.9%増)となりました。フォルクスワーゲン車は、昨年7月に投入されたSUVモデルの新型「T-Roc」が順調に受注を積み上げ、量販モデルの「ポロ」についても堅調な実績を示したものの、主力車種「ゴルフ」のニューモデルの導入計画が大幅に先送りされたほか、大多数のモデルにおいて年度を通じてメーカーからの入荷遅延が発生するなど、販売活動に甚大な障害が生じ、販売台数は456台(前年度比26.3%減)となりました。GM車は、キャデラック車において、本年2月に投入された新型コンパクトSUVモデル「XT4」については、当初の入荷量が少なく期待通りの実績に結びつかなかったものの、昨年2月投入の新型「XT6」が年度を通じて着実に受注を獲得し、また、2020年11月にマイナーチェンジを受けた「XT5」についても順調な実績を残しました。シボレー車においては、「コルベット」の商品供給が一切行われない状況下、「カマロ」の販売が好調に推移し、これにより両ブランド合わせた販売台数は前年度並みの197台となりました。ポルシェ車については、前年度に投入されたニュー「911」が追加モデルの投入もあり順調な売れ行きを示すとともに、クーペモデルが新たに設定された「カイエン」についても好調に推移し、これによりポルシェ車の販売台数は前年度を大きく上回る379台(55.3%増)を達成しました。
中古車販売は、「メルセデス・ベンツ サーティファイドカーセンター」の新設や新たな統一的デザインを採用した「ブランドスクエア福岡」の移転開設など販売網の拡充を図る一方、オンライン上でライブ映像により展示車両を確認できるサービス「LIVEカーチェック」の導入やお客さまの嗜好に合わせたWEB広告手法を取り入れ、販売機会の創出に努めました。また、前年度と同様に他社ブランド商品や低年式・多走行車の拡充により商品量の増強を図るとともに、各WEBサイトに寄せられたお客さまからのお問い合わせ対応を集約化し、速やかに担当拠点に振り分ける「コンタクトセンター」の稼働により販売効率の改善に努め、小売数量の増大に取り組みました。さらに、中古車販売事業の活動領域拡大を狙って前年度末に買収したオークション事業運営会社の株式会社ジップについても、ヤナセグループとして一体的な事業運営を進めたことで当事業の収益拡大に貢献いたしました。 アフターセールスは、営業拠点内における各作業工程の可視化・共有化を一段と進めて高効率な工場稼働計画の策定を推進するとともに、工場内における整備員の作業動線の見直しや点検作業の定型化、車検・点検整備の完全予約制の導入などの諸施策を講じて、生産性向上とコストの削減に努めました。また、新車・中古車部門との連携による着実なフォロー活動と入庫促進を実行した結果、コロナ禍の影響もあり一般整備需要は減少したものの、収益性の高い車検台数については前年を上回る実績を収めました。周辺商品については、カーケア商品は中古車販売時の添付率向上に注力した結果、着実に拡販を果たし、またタイヤやオイル、バッテリーについても販売促進活動を強化したことで順調な実績を上げ、利益率向上に寄与しました。板金塗装部門については、損害保険会社に対する営業活動の強化や業務提携の拡大により入庫数量の増加に注力する一方、社外ネットワーク工場の体制拡充を一層推し進めて、売上の拡大を目指しました。また、部品外販部門は、一般整備事業者向けの営業活動やフォローを強化するとともに、技術サポート体制の充実とその訴求活動に努めた結果、既存取引先だけでなく新規取引先からの受注も順調に増加し、売上高拡大を果たすことができました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は452,686百万円(同3.8%増)、営業利益は9,512百万円(同66.9%増)、経常利益は9,800百万円(同68.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,709百万円(53.8%増)となりました。
なお、財政状態の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて8,506百万円増加し、15,564百万円(前年同期7,058百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は22,796百万円(同5,450百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益9,990百万円、減価償却費10,189百万円、売上債権の減少3,014百万円、たな卸資産の減少41,995百万円、未払消費税等の増加8,611百万円による資金の増加があった一方、仕入債務の減少40,918百万円、その他の流動負債の減少8,519百万円、法人税等の支払2,295百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,484百万円(同3,859百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出4,563百万円があった一方、有形固定資産の売却による収入1,819百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11,805百万円(同950百万円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入5,000百万円があった一方、長期借入金の返済14,320百万円、配当金の支払2,172百万円による資金の減少によるものであります。
③生産、受注実績及び販売の実績
(a)生産実績及び受注実績
該当事項ありません。
(b)販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて34,049百万円減少し、70,913百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が3,014百万円、商品及び製品が38,968百万円減少した一方、預け金が8,474百万円増加したことであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べて9,653百万円減少し、135,657百万円となりました。この主な要因は、建物及び構築物が2,249百万円増加した一方、機械装置及び運搬具が10,245百万円減少したことであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて42,162百万円減少し、82,437百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が40,809百万円、1年内返済予定の長期借入金が2,340百万円、未払金が13,677百万円減少した一方、未払法人税等が1,370百万円増加したことであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて6,276百万円減少し、62,844百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が6,980百万円減少したことであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて4,734百万円増加し、61,288百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により6,709百万円増加した一方、配当により2,172百万円減少したことであります。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて16,676百万円増加し、452,686百万円となりました。この主な要因は、新車の売上高が7,907百万円、中古車の売上高が9,519百万円増加した一方、アフターセールスの売上高が942百万円減少したことであります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業損益は、前連結会計年度に比べて3,812百万円増益し、9,512百万円の営業利益となりました。この主な要因は、売上高増加に伴う売上総利益が1,500百万円増益し、また販売費及び一般管理費が社有車に係るコスト減少及びコロナ禍における広告活動や営業活動の減少により2,312百万円減少したことであります。
なお、中期経営計画「Gear up for the Next」において85.4%以下の目標としていた総経費率は88.6%、2.6%以上の目標としていた営業利益率は2.1%となりました。
(経常損益)
営業外収益が雇用調整助成金等により108百万円増加、営業外費用が支払利息の減少等により69百万円減少し、また上記営業利益の計上により、当連結会計年度における経常損益は、前連結会計年度に比べて3,990百万円増益し、9,800百万円の経常利益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は当連結会計年度における土地の売却による固定資産売却益991百万円の計上があったものの前連結会計年度における投資有価証券売却益331百万円、負ののれん発生益196百万円、当連結会計年度における固定資産処分損300百万円、店舗閉鎖損失324百万円等により特別損益は422百万円の減益となりました。
また法人税等が前連結会計年度に比べて1,219百万円増加しましたが、上記の経常利益の計上により当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて2,346百万円増益し、6,709百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となり、1株当たり当期純利益金額は142.03円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況の分析・検討
キャッシュ・フローの状況については、(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。
(b)資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、自動車、自動車部品等の商品の仕入代金及び営業店舗等に対する設備投資によるものであります。なお、重要な設備投資の予定及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
(財務政策)
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について自己資金の他、金融機関等からの借入等により調達しておりますが、前連結会計年度の新規調達からは親会社である伊藤忠商事㈱が提供するグループ金融制度を利用する方針となりました。なお、新車の仕入代金については、メーカー系ファイナンス会社等が提供する在庫金融制度を利用した資金調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計期間における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積もり、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウィルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(繰延税金資産)
将来の利益計画に基づいた課税所得の見積りを行い、税務上の繰越欠損金を含む、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは重要な店舗資産を有しており、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである資産グループについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(たな卸資産評価)
当社グループは、通常の販売目的で保有するたな卸資産についての評価を実施し、正味売却価額が取得価額を下回った場合には評価損失を計上しております。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これらたな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う経済活動の制約によって企業収益や個人消費は急速に減退し、その後の各国政府の経済効果により輸出や一部の内需に持ち直しの動きが見られたものの、年初以降の感染再拡大が家計や企業活動の萎縮を再び引き起こすなど、景気の先行きは不透明感を増す状況で推移いたしました。
この間、国内の乗用車市場(登録車)は、緊急事態宣言の発出による移動制限の影響と急激な市場縮小によって前年実績を割り込む結果となり、純輸入車(国産メーカーの海外生産車は除く)についても、主力メーカーの新型車投入により一定の増販効果が生じましたが、その登録台数は前年実績を12.6%下回りました。
このような情勢下、当社グループの連結損益の状況は、新車販売台数は31,004台(前年度比3.0%減)、中古車販売台数は40,333台(前年度比0.3%増)、整備台数は736,410台(前年度比6.0%減)となりました。
自動車関連部門の販売状況は、新車販売については、新型コロナウィルス感染症の流行拡大が進み、ホテルショウや出張展示会の開催中止を余儀なくされるなど、従来型の販売活動に大きな制約が生じる中、お客さま一人ひとりの関心等に応じた情報を自動配信するシステムの正式導入やソーシャルメディアの利用強化など、各種デジタルテクノロジーを積極活用してお客さまとの接触機会の拡大を目指しました。また、店舗におけるお客さま対応の連携性を高めるマニュアル等の整備を図ることにより、安心・安全を確保した営業拠点への来店促進活動を鋭意実行いたしました。
主なブランド別では、主力のメルセデス・ベンツ車は、昨年7月に投入された新型GLBクラスが広い室内空間と都市部でも取り回し易いボディサイズ感が好評を博し、順調な実績を上げ、同月に投入のニューGLAクラスについても好調な売れ行きを示しました。また、本年1月に投入された、最先端技術が随所に搭載された同ブランドのフラッグシップモデルであるニューSクラスや比較的順調に入荷が進んだGクラスなども大きく実績を伸ばし、収益向上に寄与しました。一方、コロナ禍の影響により年度を通じて商品の入荷遅延が発生し、また、量販モデルのCクラスがモデル末期を迎え需要が減退したこともあって、メルセデス・ベンツ車全体の販売台数は26,202台(前年度比1.3%減)となりました。BMW車は、前年度に投入されたニュー「1シリーズ」やクーペSUVモデルの「X4」について、それぞれディーゼルモデルが追加設定されたことも功を奏し着実に実績を積み上げ、また、昨年4月に投入されたコンパクトモデルの新型「2シリーズ グラン クーペ」も順調に推移したものの、主力モデルの「3シリーズ」や「X1」については新車効果の減退により苦戦を強いられ、販売台数は1,868台(前年度比7.9%減)となりました。アウディ車は、昨年7月に投入されたニュー「Q3」が特筆すべき実績を上げ、全体の販売を牽引するとともに、ラインナップの拡充が図られた量販モデルの「A1」についても好調な売れ行きを示したほか、ディーゼルモデルが追加設定された「A6」やマイナーチェンジを受けた「Q7」なども着実に受注を獲得し、これによりアウディ車全体の販売台数は1,901台(前年度比5.9%増)となりました。フォルクスワーゲン車は、昨年7月に投入されたSUVモデルの新型「T-Roc」が順調に受注を積み上げ、量販モデルの「ポロ」についても堅調な実績を示したものの、主力車種「ゴルフ」のニューモデルの導入計画が大幅に先送りされたほか、大多数のモデルにおいて年度を通じてメーカーからの入荷遅延が発生するなど、販売活動に甚大な障害が生じ、販売台数は456台(前年度比26.3%減)となりました。GM車は、キャデラック車において、本年2月に投入された新型コンパクトSUVモデル「XT4」については、当初の入荷量が少なく期待通りの実績に結びつかなかったものの、昨年2月投入の新型「XT6」が年度を通じて着実に受注を獲得し、また、2020年11月にマイナーチェンジを受けた「XT5」についても順調な実績を残しました。シボレー車においては、「コルベット」の商品供給が一切行われない状況下、「カマロ」の販売が好調に推移し、これにより両ブランド合わせた販売台数は前年度並みの197台となりました。ポルシェ車については、前年度に投入されたニュー「911」が追加モデルの投入もあり順調な売れ行きを示すとともに、クーペモデルが新たに設定された「カイエン」についても好調に推移し、これによりポルシェ車の販売台数は前年度を大きく上回る379台(55.3%増)を達成しました。
中古車販売は、「メルセデス・ベンツ サーティファイドカーセンター」の新設や新たな統一的デザインを採用した「ブランドスクエア福岡」の移転開設など販売網の拡充を図る一方、オンライン上でライブ映像により展示車両を確認できるサービス「LIVEカーチェック」の導入やお客さまの嗜好に合わせたWEB広告手法を取り入れ、販売機会の創出に努めました。また、前年度と同様に他社ブランド商品や低年式・多走行車の拡充により商品量の増強を図るとともに、各WEBサイトに寄せられたお客さまからのお問い合わせ対応を集約化し、速やかに担当拠点に振り分ける「コンタクトセンター」の稼働により販売効率の改善に努め、小売数量の増大に取り組みました。さらに、中古車販売事業の活動領域拡大を狙って前年度末に買収したオークション事業運営会社の株式会社ジップについても、ヤナセグループとして一体的な事業運営を進めたことで当事業の収益拡大に貢献いたしました。 アフターセールスは、営業拠点内における各作業工程の可視化・共有化を一段と進めて高効率な工場稼働計画の策定を推進するとともに、工場内における整備員の作業動線の見直しや点検作業の定型化、車検・点検整備の完全予約制の導入などの諸施策を講じて、生産性向上とコストの削減に努めました。また、新車・中古車部門との連携による着実なフォロー活動と入庫促進を実行した結果、コロナ禍の影響もあり一般整備需要は減少したものの、収益性の高い車検台数については前年を上回る実績を収めました。周辺商品については、カーケア商品は中古車販売時の添付率向上に注力した結果、着実に拡販を果たし、またタイヤやオイル、バッテリーについても販売促進活動を強化したことで順調な実績を上げ、利益率向上に寄与しました。板金塗装部門については、損害保険会社に対する営業活動の強化や業務提携の拡大により入庫数量の増加に注力する一方、社外ネットワーク工場の体制拡充を一層推し進めて、売上の拡大を目指しました。また、部品外販部門は、一般整備事業者向けの営業活動やフォローを強化するとともに、技術サポート体制の充実とその訴求活動に努めた結果、既存取引先だけでなく新規取引先からの受注も順調に増加し、売上高拡大を果たすことができました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は452,686百万円(同3.8%増)、営業利益は9,512百万円(同66.9%増)、経常利益は9,800百万円(同68.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,709百万円(53.8%増)となりました。
なお、財政状態の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて8,506百万円増加し、15,564百万円(前年同期7,058百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は22,796百万円(同5,450百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益9,990百万円、減価償却費10,189百万円、売上債権の減少3,014百万円、たな卸資産の減少41,995百万円、未払消費税等の増加8,611百万円による資金の増加があった一方、仕入債務の減少40,918百万円、その他の流動負債の減少8,519百万円、法人税等の支払2,295百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,484百万円(同3,859百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出4,563百万円があった一方、有形固定資産の売却による収入1,819百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11,805百万円(同950百万円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入5,000百万円があった一方、長期借入金の返済14,320百万円、配当金の支払2,172百万円による資金の減少によるものであります。
③生産、受注実績及び販売の実績
(a)生産実績及び受注実績
該当事項ありません。
(b)販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 自動車関連部門 | 450,096 | 103.91 |
| その他部門 | 2,589 | 90.98 |
| 合計(百万円) | 452,686 | 103.82 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて34,049百万円減少し、70,913百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が3,014百万円、商品及び製品が38,968百万円減少した一方、預け金が8,474百万円増加したことであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べて9,653百万円減少し、135,657百万円となりました。この主な要因は、建物及び構築物が2,249百万円増加した一方、機械装置及び運搬具が10,245百万円減少したことであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて42,162百万円減少し、82,437百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が40,809百万円、1年内返済予定の長期借入金が2,340百万円、未払金が13,677百万円減少した一方、未払法人税等が1,370百万円増加したことであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて6,276百万円減少し、62,844百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が6,980百万円減少したことであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて4,734百万円増加し、61,288百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により6,709百万円増加した一方、配当により2,172百万円減少したことであります。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて16,676百万円増加し、452,686百万円となりました。この主な要因は、新車の売上高が7,907百万円、中古車の売上高が9,519百万円増加した一方、アフターセールスの売上高が942百万円減少したことであります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業損益は、前連結会計年度に比べて3,812百万円増益し、9,512百万円の営業利益となりました。この主な要因は、売上高増加に伴う売上総利益が1,500百万円増益し、また販売費及び一般管理費が社有車に係るコスト減少及びコロナ禍における広告活動や営業活動の減少により2,312百万円減少したことであります。
なお、中期経営計画「Gear up for the Next」において85.4%以下の目標としていた総経費率は88.6%、2.6%以上の目標としていた営業利益率は2.1%となりました。
(経常損益)
営業外収益が雇用調整助成金等により108百万円増加、営業外費用が支払利息の減少等により69百万円減少し、また上記営業利益の計上により、当連結会計年度における経常損益は、前連結会計年度に比べて3,990百万円増益し、9,800百万円の経常利益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は当連結会計年度における土地の売却による固定資産売却益991百万円の計上があったものの前連結会計年度における投資有価証券売却益331百万円、負ののれん発生益196百万円、当連結会計年度における固定資産処分損300百万円、店舗閉鎖損失324百万円等により特別損益は422百万円の減益となりました。
また法人税等が前連結会計年度に比べて1,219百万円増加しましたが、上記の経常利益の計上により当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて2,346百万円増益し、6,709百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となり、1株当たり当期純利益金額は142.03円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況の分析・検討
キャッシュ・フローの状況については、(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。
(b)資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、自動車、自動車部品等の商品の仕入代金及び営業店舗等に対する設備投資によるものであります。なお、重要な設備投資の予定及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
(財務政策)
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について自己資金の他、金融機関等からの借入等により調達しておりますが、前連結会計年度の新規調達からは親会社である伊藤忠商事㈱が提供するグループ金融制度を利用する方針となりました。なお、新車の仕入代金については、メーカー系ファイナンス会社等が提供する在庫金融制度を利用した資金調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計期間における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積もり、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウィルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(繰延税金資産)
将来の利益計画に基づいた課税所得の見積りを行い、税務上の繰越欠損金を含む、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは重要な店舗資産を有しており、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである資産グループについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(たな卸資産評価)
当社グループは、通常の販売目的で保有するたな卸資産についての評価を実施し、正味売却価額が取得価額を下回った場合には評価損失を計上しております。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これらたな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。