有価証券報告書-第97期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 9:01
【資料】
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【項目】
104項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
当社は、当期末現在において特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 有価証券
有価証券の保有に際しては時価のあるものは連結会計年度末日の市場価格等に基づく時価法、時価のないものは移動平均法による原価法で計上していますが、市況の悪化や投資先の業績不安により評価損の計上が必要となる可能性があります。
② たな卸資産
主として月次総平均法による原価法を採用していますが、市場状況に基づく市場価格と原価に乖離が生じ評価減が必要となる可能性があります。
③ 貸倒引当金
債権の貸倒れに備えるため一般債権につきましては貸倒実績率法により、貸倒懸念債権につきましてはキャッシュ・フロー見積法または財務内容評価法、破産更生債権等につきましては財務内容評価法にて計上していますが、顧客の財務状態が悪化し、その支払い能力が低下した場合追加引当が必要となる可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、営業部門による苦戦を強いられ親会社株主に帰属する当期純利益は1千万円となりました。和装事業、洋装事業、健康・生活事業が損失を計上するなど売上高は9.6%の減少となりました。この売上高減少に伴ない経費削減するも利益率が低下し、経常利益は50.8%の減少となりました。その結果、連結業績の売上高は246億2千4百万円(前連結会計年度比9.6%減)、経常利益は6千8百万円(前連結会計年度比50.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1千万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純利益12億8千6百万円)となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、283億8千万円となり、前連結会計年度末より30億5千9百万円減少しております。これは流動資産における現金及び預金、受取手形及び売掛金で23億1千4百万円減少したことと、固定資産において投資有価証券及び退職給付に係る資産が11億2千万円減少したことが主な要因であります。
負債合計は、180億8千8百万円となり、前連結会計年度末より19億1千6百万円減少しております。これは流動負債における支払手形及び買掛金と未払法人税等の減少が、短期借入金等の増加を上回り流動負債合計が5億8千1百万円減少したことと、固定負債における長期借入金と繰延税金負債の減少等により固定負債合計が13億3千4百万円減少したことによります。
また純資産につきましては102億9千2百万円となり、前連結会計年度末より11億4千3百万円の減少となりました。これは主に利益剰余金が減少したこと等により株主資本が1億9百万円減少し、その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額が大きく減少したこと等によりその他の包括利益累計額が10億3千3百万円減少したしたこと等によるものであります。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より9億2千9百万円減少して16億9千6百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローでは、主に売上債権の減少が仕入債務の減少と棚卸資産の増加を上回ったことにより1億5千万円の増加(前連結会計年度は11億6千2百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、主に有形及び無形固定資産の取得による支出が投資有価証券の売却による収入を上回ったこと等により、5千2百万円の減少(前連結会計年度は51億1千9百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、主に長期及び短期借入金の返済による支出が、短期借入れによる収入を上回ったことによるものと、配当金支払額の発生等により10億2千8百万円の減少(前連結会計年度は4億4千万円の減少)となりました。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
円安の進行や中国等における人件費の高騰及び生産体制の不安定さなどを背景にした商品原価の上昇等の調達リスクの拡大により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
当社グループとしては、新中期経営計画に則り、和装事業における黒字化に向けた事業体制の確立、洋装事業は新規販路の開拓と新商品や新たなサービスの提案等に取組み、健康・生活事業は安定的な黒字事業の体制確立、ホームファニシング事業は更なる高収益体制の確立に取り組み、「ツカモトクオリティの追及」を基本方針とし、着実な収益体制の確立と財務体質の改善を図ってまいります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループでは、業績目標の達成と共に経費節減に努め、資本の財源は利益による積上げを継続的に行うことを基本方針とし、安定的な配当政策の継続を図ってまいります。
資金の流動性については、利益の確保、滞留債権の削減及び在庫の圧縮により必要運転資金の増加を抑えることで、キャッシュ・フローの安定的な確保に努めております。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループを取巻く事業環境は、和装事業は催事運営体制の再構築とOEM事業の推進を図り、黒字化に向けた事業体制の確立に取り組み、洋装事業はツカモトアパレル株式会社におけるメンズ事業およびレディスOEM事業では既存販路に加え、新規販路の開拓とそれに向けた新たな商品の開発を積極的に行い、事業構成の再構築に取り組みます。また、ツカモトユーエス株式会社におけるユニフォーム事業では既存のユニフォームの製造・販売に加え、その管理・運用に向けた新たなサービスの提案に取組んで高収益体制の確立を図ります。健康・生活事業は市場のニーズに合った新規商品の開発を急ぎ、安定的な黒字事業の体制確立に取り組みます。ホームファニシング事業は採算の良い店舗への絞込みや仕入コスト・物流コストの圧縮を図り高収益体制の確立に取り組んでまいります。
これら既存事業部門の安定化を図りつつ、新規事業の開発に積極的にチャレンジし、経営基盤の再構築に取り組んでまいりますが、事業環境は決して楽観を許さない状況が続くものと認識しております。
この様な状況下にあって当社グループの経営陣は、「ツカモトクオリティの追及」を基本方針とし、より活性化し、変革するために、経営基盤の再構築に取り組みます。
営業部門の基本戦略として事業ポートフォリオの最適化に向け、「コア事業の確立」「不採算事業の再建」「新事業領域の確立」を揚げ、事業価値の進化と向上を推進していきます。また、更なる経営基盤の強化のために「グループ経営力の向上」「職場風土の改革」「財務戦略の強化」を実践してまいります。