有価証券報告書-第35期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、相次ぐ自然災害の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善傾向に伴う内需の拡大に支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。ところが、年明けから世界規模で流行し始めた新型コロナウイルス感染症の影響により計り知れないダメージを受け、景気悪化が避けられない状況となりました。
住宅市場においては、消費増税の影響もあり、2019年4月-2020年3月の新設住宅着工数は前年同期比7.3%減(3月の季節調整済年率換算値90.5万戸)、新設戸建木造持家着工数は同0.8%減となり、今後も弱含みで推移していく見通しとなりました。
このような状況のなか、当社は中期3ヵ年計画「“業界最狂、ハピネス拡散”」の最終年度を迎え、ユーザー視点から住宅業界の常識に挑戦する「異端」とも言える経営姿勢を更に進化させる意味と、当社が理想とする「“狂”狷の道」(注)を進んでいくことで、多くの熱“狂”的とも言えるほどのBESSファンとともに大きく成長していきたいという思いを込めて“最狂”を掲げ、BESSのブランドミッション「ユーザー・ハピネス」拡大を通じ、最終年度の2020年3月期において連結売上高200億円、営業利益率8%、ROE18%の実現を目指してまいりました。
(注)狂狷(きょうけん):孔子の「論語」に由来し、狂者は進取の精神に富むいわば理想主義者、狷者は「できることでもやらないことがある」という強い信念の持ち主を意味し、当社では、理想を追い続け、意志を曲げないことを指しています。
当連結会計年度における取り組みとして、まずは前期からの課題であったカナダ材の調達難に端を発する納品の遅れを収束させるとともに、BESS事業とは無関係の事業により経営難に陥った販社の6拠点について、連結子会社である株式会社BESSパートナーズが行った経費負担等の影響も、売上の計上により徐々に軽減させました。加えて、商品・営業両面で実行した施策が奏功して、第2四半期以降は前年同期比で大幅な増収を果たし、黒字基調に転じました。
(営業活動の状況)
① 商品面の取り組み
・外の楽しさを家の中に自由に持ちこめる土間を、今回コンセプトを新たに木で仕上げ木土間として備えたカントリーログ(不常識人)のキャンペーンモデル「カスキュー」を2019年6月までの期間限定で販売しました。
・「小さく建てて、大きく暮らす」コンセプトのもと、外を暮らしの中心と考え、家、ウッドデッキ、更にログキャビン(IMAGO)を加え、既成概念を超えた暮らしを提案する「ワンダーデバイス・ギャング」を販売開始しました。
・おおらかな三角屋根と、空中に浮かぶ超ベランダ空間「NIDO(ニド)」が特長のG-LOG(なつ)のキャンペーンモデルとして、「イスカ」を2019年7月から12月末までの期間限定で販売しました。
・日本の感性が生きる「程々の家」の特別モデルとして販売していた倭様のモデルを拡充し、定番シリーズにしました。家のサイズにより「七色(なないろ)」「八風(やつかぜ)」「十露(そろ)」の3モデルを定番化し、2019年10月より販売開始しました。また、2020年3月には代官山BESSスクエアに倭様特別モデルを建築し、BESSのフラッグシップモデルとして訴求しております。
・遊び心を取り込こんだワンダーデバイスについて、より商品の個性を際立たせ、顧客の暮らし・生き方によって選ばれるよう、コンセプトの深化を反映した新たなプラン(間取り)を開発し、2019年10月より販売開始しました。
・国産杉のログ材をシンプルに組み上げた、骨太で個性的な特徴を持つカントリーログ(不常識人)のキャンペーンモデル「クルード」を2020年2月から6月まで期間限定で販売しております。
② 営業面の取り組み
・2018年4月より展示場の呼称を改めLOGWAYとし、BESSならではの一連の取り組みを「LOGWAY戦略」と称し、更なるブランドの進化を進めてまいりました。LOGWAYでは、BESSの家に実際に住まれる方々に「LOGWAYコーチャー」としてBESSの暮らしを来場者に伝えるイベント等に参画していただきました。LOGWAYコーチャー登録数は、2020年3月末現在1,000組を超えており、全国のLOGWAYで活躍されています。
・BESSの暮らしを検討する方を応援する制度として、2018年10月より「LOGWAYクラブ」を立ち上げました。会員向けの特別モデルの販売をはじめ、様々な会員特典を用意しています。2020年3月末現在の会員数は600組(契約済み会員を除く)を超え、多くのBESSファンが入会されています。
・全国のLOGWAYを更に盛り上げる一斉イベントとして、2019年9月から11月の期間で「LOGWAYフェスタ」を、2020年1月から2月の期間で「好きで、てまひまBESSライフ」イベントを全国一斉で実施し、薪ストーブやDIY、ウッドデッキなどのBESSならではの暮らしについて、LOGWAYコーチャーから話を聞き、一緒に体験して頂くなど、BESSの暮らしを訴求してまいりました。
③ その他の取り組み
・施工、物流、設計、情報、購買の5つのテーマを掲げて生産面を大幅に変革する「生産革新」に取り組んできました。これを2018年4月より「BH(BESS Housing)生産システム」と名づけ、供給部材の取扱いを拡充し、特に施工・物流面では「ログハウス施工現場の負担軽減」を実現してきました。更に、今後の受注拡大に向けて、提携工場の拡充等による生産性及び物流効率の向上に取り組んでおります。
・株式会社BESSパートナーズにおいて、拠点経営の自立化を促す目的で2019年4月に会社分割を行い、同社の札幌営業所及び岐阜営業所を、株式会社BESS札幌及び株式会社BESS岐阜にそれぞれ継承しました。両社については、その重要性に鑑み、第1四半期連結会計期間から当社の連結子会社としました。
・コーポレートガバナンスに関する取り組みとして、独立社外取締役を主要な構成員とする報酬諮問委員会を取締役会の決議により設置し、役員報酬に係る取締役会の機能の独立性、客観性及び説明責任を強化することとしました。
(業績先行指標の状況)
先行指標となる全国BESS LOGWAY(展示場)への集客面では、前期はBESS多摩のオープンで来場が急増しましたが、今期においては、消費増税、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、新規来場者数は前年同期比22.7%減、再来場者数は同15.9%減となりました。しかし、LOGWAY戦略の遂行により来場から商談に進展した件数が前年同期比で1.4%伸長し、また、当社が新しい時代の生き方・暮らし方として提唱する「梺ぐらし」向け用地開発を直販部門において進めたことなどから、連結契約(受注)高は16,737百万円(前年同期比3.5%増)と伸長し、過去最高となりました。また、次期売上高の原資となる期末契約(受注)残高においても、過去最高の14,069百万円(同0.8%増)となりました。
LOGWAY展開については、2019年4月にBESS山形及びBESS大分、2019年12月にBESS熊本及びBESS新潟、2020年3月にBESS福岡南及びBESS糸島が営業終了となった一方、2020年3月にBESS熊本及びBESS糸島を株式会社BESSパートナーズが承継して営業を再開し、現在の稼働拠点数は41拠点となりました。なお、BESS新潟については、近隣の地区販社が承継し、2020年5月より営業を再開しております。また、2020年秋頃には福岡地区(福岡県)にて、新規オープンを予定しております。
営業体制は、BESS事業全体(販社含む)の専任営業員数(BESS専任の営業として在籍する営業員数)は、販社数の減少もあり、157名と前期末より10名減となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(連結業績の概要)
当連結会計年度における連結売上高は、前期にオープンしたBESS多摩及び、株式会社BESSパートナーズが販社から承継した営業拠点における契約(受注)が当期より売上に寄与し始めたことや、本部・販社一体となり売上回転を高める取組みを行ったこと等により、前年同期比42.1%増の17,614百万円となりました。利益面においては、前期からの課題であったカナダ材の調達難に端を発する納品の遅れ、BESS事業とは無関係の事業により経営難に陥った販社の6拠点について株式会社BESSパートナーズが行った経費負担等の影響を受けたことに加え、生産革新の導入初期におけるコスト増、材料費・外注費の高騰などにより、連結営業利益は70百万円(前年同期は635百万円の損失)、連結経常利益は74百万円(同680百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は23百万円(同541百万円の損失)に留まったものの、黒字に転換いたしました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響については、業績の先行指標となる来場、契約において3月に影響を受けたものの、売上、利益面においては軽微な影響に留まりました。
(個別業績の概要)
当事業年度における売上高は、前期にオープンしたBESS多摩における契約(受注)が当期より売上に寄与し始めたことや、本部・販社一体となり売上回転を高める取組みを行ったこと等により、前年同期比29.6%増の15,042百万円となりました。一方、利益面においては、営業利益226百万円(前年同期は246百万円の損失)、経常利益248百万円(同262百万円の損失)を確保したものの、連結子会社である株式会社BESSパートナーズ社の株式実質価額が著しく低下していることから、同社の業績や財務状況などを勘案し、関係会社株式評価損80百万円及び貸倒引当金繰入額455百万円を特別損失に計上したことにより、当期純損失319百万円(同160百万円の損失)となりました。なお、当該特別損失は、連結財務諸表上は消去されるため、連結業績に与える影響はありません。
(報告セグメントの業績概要)
当社グループの単一事業であるBESS事業は、暮らしのブランド『BESS』の下、『「住む」より「楽しむ」』をスローガンに、個性的で楽しい暮らし方のデザインにまで踏み込んで開発した企画型住宅(=ログハウス等の自然派個性住宅)の提供を行っております。住宅引渡時点での顧客満足以上に、暮らしをスタートしてからの「“ユーザー・ハピネス”の実現」を使命としています。
その業績概要については、以下の3つの報告セグメントに区分されます。
イ 直販部門
連結売上高の29.1%(外部顧客売上高ベース)を占める直販部門は、東京都・代官山の「BESSスクエア」、2018年4月にオープンした東京都・昭島の「BESS多摩」、及び神奈川県の「BESS藤沢」の直営3拠点で、東京・神奈川圏を中心とする顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。
BESS多摩の契約(受注)が売上・利益に貢献し始めたこと等からセグメント売上高は5,120百万円(前年同期比30.5%増)となり、セグメント利益は359百万円(前年同期は22百万円の損失)となりました。拠点のチーム力向上を目指した組織変更を行い、営業・設計・技術一体で生産力の向上に取り組んでいます。
また、セグメント契約(受注)高は、5,900百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
ロ 販社部門
連結売上高の44.0%を占める販社部門は、全国の地区販社に対して、BESSブランドと販売システム等を提供するとともに、BESS企画型住宅の部材パッケージ等を供給する事業を行っております。
当連結会計年度におけるセグメント売上高は、本部・販社一体となった売上回転の向上を目指した結果、セグメント売上高は9,925百万円(前年同期比29.1%増)となり、セグメント利益は1,136百万円(同15.8%増)となりました。
また、セグメント契約(受注)高は、BP社拠点の増加に伴いセグメント間取引の割合が増加したことなどから、5,597百万円(同9.5%減)となりました。
ハ BP社
連結売上高の26.9%を占める国内連結子会社グループのBP社は、株式会社BESSパートナーズが担う金沢(石川県)、熊谷(埼玉県)、水戸(茨城県)、つくば(茨城県)、富士(静岡県)、静岡中部(静岡県)、浜松(静岡県)、東愛知(愛知県)及び、株式会社BESS札幌が担う札幌(北海道)、株式会社BESS岐阜が担う岐阜(岐阜県)に加え、ブランド強化策等による一部販社の再編に伴い、2020年3月より熊本(熊本県)、糸島(福岡県)を新たに加えた合計12地区のBESS LOGWAYを営業拠点として、顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅の提供を主要事業としております。
当連結会計年度におけるセグメント売上高は4,811百万円(前年同期比130.3%増)と、前期に承継した6拠点の契約(受注)が進捗し始めたことで下期には収益貢献できるようになったものの、先行した経費負担をカバーするに至らずセグメント損失は120百万円(前年同期は266百万円の損失)となりました。
セグメント契約(受注)高は、拠点増により5,239百万円(前年同期比17.6%増)となりました。
② 受注及び販売の実績
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (単位:百万円)
(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。
2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。
3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (単位:百万円)
(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。
2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。
3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,522百万円となり、前連結会計年度末3,089百万円に対し433百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、営業活動により508百万円の資金増加(前年同期は690百万円の減少)となりました。
これは、仕入債務の増加額583百万円(同257百万円)、未払消費税の増加額364百万円(同152百万円の減少)、減価償却費270百万円(同237百万円)等による資金増加要因が、売上債権の増加額676百万円(同238百万円)等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、投資活動により使用した資金が187百万円(前年同期は254百万円)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出210百万円(同163百万円)及び無形固定資産の取得による支出93百万円(同92百万円)の資金減少要因が、投資有価証券の売却による収入122百万円(同84百万円)等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、財務活動により増加した資金が96百万円(前年同期は744百万円)となりました。
これは、短期借入金の増加582百万円(同250百万円)、長期借入れによる収入400百万円(同1,300百万円)等の資金増加要因が、長期借入金の返済による支出641百万円(同570百万円)、配当金の支払額225百万円(同220百万円)等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金の主要な需要は営業費用であります。具体的には、ログハウス等部材パッケージに係る部材等の調達費、施工に要する外注費等の「売上原価」と、人件費、広告宣伝販促費、研究開発費等の「販売費及び一般管理費」であります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金のほか金融機関からの借入により資金調達することとしております。借入による資金調達の内訳につきましては、運転資金は複数の金融機関との間で締結しているシンジケーション方式のコミットメントライン契約(総額2,000百万円、うち借入実行残高1,100百万円)をはじめとする短期借入金を中心に、そのほか設備投資などの長期性資金については、固定金利の長期借入金(2020年3月末残高2,425百万円)を中心にそれぞれ調達しております。
資金の流動性につきましては、顧客契約から売上計上及び代金の回収までのサイクルが長い(直販部門では元請工事の一般的な工期が約1年)ことなどを勘案して、借入金による調達実行を機動的に活用しながら、常に不測の事態に備えて厚めの残高(月商の3ヵ月を目安)を維持するよう努めております。
(財務政策)
当社の株主還元としてはDOE(連結純資産配当率)を重視した長期的な視点での安定的配当を基本とし、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保の確保にも配慮していく考えであります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告数値、並びに報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び過程を過去の実績や状況に応じ、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に、新型コロナウイルス感染症について、当社グループとしては、2020年9月から2021年3月に収束するシナリオを想定し、一部の会計上の見積りを行っておりますが、その影響は不確実であり予測が困難な状況です。これらの見積りと実際の結果が異なった際は、当社グループの連結財務諸表及びセグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、重要な会計上の見積りに係る計上基準については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準及び(追加情報)」に記載の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、相次ぐ自然災害の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善傾向に伴う内需の拡大に支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。ところが、年明けから世界規模で流行し始めた新型コロナウイルス感染症の影響により計り知れないダメージを受け、景気悪化が避けられない状況となりました。
住宅市場においては、消費増税の影響もあり、2019年4月-2020年3月の新設住宅着工数は前年同期比7.3%減(3月の季節調整済年率換算値90.5万戸)、新設戸建木造持家着工数は同0.8%減となり、今後も弱含みで推移していく見通しとなりました。
このような状況のなか、当社は中期3ヵ年計画「“業界最狂、ハピネス拡散”」の最終年度を迎え、ユーザー視点から住宅業界の常識に挑戦する「異端」とも言える経営姿勢を更に進化させる意味と、当社が理想とする「“狂”狷の道」(注)を進んでいくことで、多くの熱“狂”的とも言えるほどのBESSファンとともに大きく成長していきたいという思いを込めて“最狂”を掲げ、BESSのブランドミッション「ユーザー・ハピネス」拡大を通じ、最終年度の2020年3月期において連結売上高200億円、営業利益率8%、ROE18%の実現を目指してまいりました。
(注)狂狷(きょうけん):孔子の「論語」に由来し、狂者は進取の精神に富むいわば理想主義者、狷者は「できることでもやらないことがある」という強い信念の持ち主を意味し、当社では、理想を追い続け、意志を曲げないことを指しています。
当連結会計年度における取り組みとして、まずは前期からの課題であったカナダ材の調達難に端を発する納品の遅れを収束させるとともに、BESS事業とは無関係の事業により経営難に陥った販社の6拠点について、連結子会社である株式会社BESSパートナーズが行った経費負担等の影響も、売上の計上により徐々に軽減させました。加えて、商品・営業両面で実行した施策が奏功して、第2四半期以降は前年同期比で大幅な増収を果たし、黒字基調に転じました。
(営業活動の状況)
① 商品面の取り組み
・外の楽しさを家の中に自由に持ちこめる土間を、今回コンセプトを新たに木で仕上げ木土間として備えたカントリーログ(不常識人)のキャンペーンモデル「カスキュー」を2019年6月までの期間限定で販売しました。
・「小さく建てて、大きく暮らす」コンセプトのもと、外を暮らしの中心と考え、家、ウッドデッキ、更にログキャビン(IMAGO)を加え、既成概念を超えた暮らしを提案する「ワンダーデバイス・ギャング」を販売開始しました。
・おおらかな三角屋根と、空中に浮かぶ超ベランダ空間「NIDO(ニド)」が特長のG-LOG(なつ)のキャンペーンモデルとして、「イスカ」を2019年7月から12月末までの期間限定で販売しました。
・日本の感性が生きる「程々の家」の特別モデルとして販売していた倭様のモデルを拡充し、定番シリーズにしました。家のサイズにより「七色(なないろ)」「八風(やつかぜ)」「十露(そろ)」の3モデルを定番化し、2019年10月より販売開始しました。また、2020年3月には代官山BESSスクエアに倭様特別モデルを建築し、BESSのフラッグシップモデルとして訴求しております。
・遊び心を取り込こんだワンダーデバイスについて、より商品の個性を際立たせ、顧客の暮らし・生き方によって選ばれるよう、コンセプトの深化を反映した新たなプラン(間取り)を開発し、2019年10月より販売開始しました。
・国産杉のログ材をシンプルに組み上げた、骨太で個性的な特徴を持つカントリーログ(不常識人)のキャンペーンモデル「クルード」を2020年2月から6月まで期間限定で販売しております。
② 営業面の取り組み
・2018年4月より展示場の呼称を改めLOGWAYとし、BESSならではの一連の取り組みを「LOGWAY戦略」と称し、更なるブランドの進化を進めてまいりました。LOGWAYでは、BESSの家に実際に住まれる方々に「LOGWAYコーチャー」としてBESSの暮らしを来場者に伝えるイベント等に参画していただきました。LOGWAYコーチャー登録数は、2020年3月末現在1,000組を超えており、全国のLOGWAYで活躍されています。
・BESSの暮らしを検討する方を応援する制度として、2018年10月より「LOGWAYクラブ」を立ち上げました。会員向けの特別モデルの販売をはじめ、様々な会員特典を用意しています。2020年3月末現在の会員数は600組(契約済み会員を除く)を超え、多くのBESSファンが入会されています。
・全国のLOGWAYを更に盛り上げる一斉イベントとして、2019年9月から11月の期間で「LOGWAYフェスタ」を、2020年1月から2月の期間で「好きで、てまひまBESSライフ」イベントを全国一斉で実施し、薪ストーブやDIY、ウッドデッキなどのBESSならではの暮らしについて、LOGWAYコーチャーから話を聞き、一緒に体験して頂くなど、BESSの暮らしを訴求してまいりました。
③ その他の取り組み
・施工、物流、設計、情報、購買の5つのテーマを掲げて生産面を大幅に変革する「生産革新」に取り組んできました。これを2018年4月より「BH(BESS Housing)生産システム」と名づけ、供給部材の取扱いを拡充し、特に施工・物流面では「ログハウス施工現場の負担軽減」を実現してきました。更に、今後の受注拡大に向けて、提携工場の拡充等による生産性及び物流効率の向上に取り組んでおります。
・株式会社BESSパートナーズにおいて、拠点経営の自立化を促す目的で2019年4月に会社分割を行い、同社の札幌営業所及び岐阜営業所を、株式会社BESS札幌及び株式会社BESS岐阜にそれぞれ継承しました。両社については、その重要性に鑑み、第1四半期連結会計期間から当社の連結子会社としました。
・コーポレートガバナンスに関する取り組みとして、独立社外取締役を主要な構成員とする報酬諮問委員会を取締役会の決議により設置し、役員報酬に係る取締役会の機能の独立性、客観性及び説明責任を強化することとしました。
(業績先行指標の状況)
先行指標となる全国BESS LOGWAY(展示場)への集客面では、前期はBESS多摩のオープンで来場が急増しましたが、今期においては、消費増税、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、新規来場者数は前年同期比22.7%減、再来場者数は同15.9%減となりました。しかし、LOGWAY戦略の遂行により来場から商談に進展した件数が前年同期比で1.4%伸長し、また、当社が新しい時代の生き方・暮らし方として提唱する「梺ぐらし」向け用地開発を直販部門において進めたことなどから、連結契約(受注)高は16,737百万円(前年同期比3.5%増)と伸長し、過去最高となりました。また、次期売上高の原資となる期末契約(受注)残高においても、過去最高の14,069百万円(同0.8%増)となりました。
LOGWAY展開については、2019年4月にBESS山形及びBESS大分、2019年12月にBESS熊本及びBESS新潟、2020年3月にBESS福岡南及びBESS糸島が営業終了となった一方、2020年3月にBESS熊本及びBESS糸島を株式会社BESSパートナーズが承継して営業を再開し、現在の稼働拠点数は41拠点となりました。なお、BESS新潟については、近隣の地区販社が承継し、2020年5月より営業を再開しております。また、2020年秋頃には福岡地区(福岡県)にて、新規オープンを予定しております。
営業体制は、BESS事業全体(販社含む)の専任営業員数(BESS専任の営業として在籍する営業員数)は、販社数の減少もあり、157名と前期末より10名減となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(連結業績の概要)
当連結会計年度における連結売上高は、前期にオープンしたBESS多摩及び、株式会社BESSパートナーズが販社から承継した営業拠点における契約(受注)が当期より売上に寄与し始めたことや、本部・販社一体となり売上回転を高める取組みを行ったこと等により、前年同期比42.1%増の17,614百万円となりました。利益面においては、前期からの課題であったカナダ材の調達難に端を発する納品の遅れ、BESS事業とは無関係の事業により経営難に陥った販社の6拠点について株式会社BESSパートナーズが行った経費負担等の影響を受けたことに加え、生産革新の導入初期におけるコスト増、材料費・外注費の高騰などにより、連結営業利益は70百万円(前年同期は635百万円の損失)、連結経常利益は74百万円(同680百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は23百万円(同541百万円の損失)に留まったものの、黒字に転換いたしました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響については、業績の先行指標となる来場、契約において3月に影響を受けたものの、売上、利益面においては軽微な影響に留まりました。
(個別業績の概要)
当事業年度における売上高は、前期にオープンしたBESS多摩における契約(受注)が当期より売上に寄与し始めたことや、本部・販社一体となり売上回転を高める取組みを行ったこと等により、前年同期比29.6%増の15,042百万円となりました。一方、利益面においては、営業利益226百万円(前年同期は246百万円の損失)、経常利益248百万円(同262百万円の損失)を確保したものの、連結子会社である株式会社BESSパートナーズ社の株式実質価額が著しく低下していることから、同社の業績や財務状況などを勘案し、関係会社株式評価損80百万円及び貸倒引当金繰入額455百万円を特別損失に計上したことにより、当期純損失319百万円(同160百万円の損失)となりました。なお、当該特別損失は、連結財務諸表上は消去されるため、連結業績に与える影響はありません。
(報告セグメントの業績概要)
当社グループの単一事業であるBESS事業は、暮らしのブランド『BESS』の下、『「住む」より「楽しむ」』をスローガンに、個性的で楽しい暮らし方のデザインにまで踏み込んで開発した企画型住宅(=ログハウス等の自然派個性住宅)の提供を行っております。住宅引渡時点での顧客満足以上に、暮らしをスタートしてからの「“ユーザー・ハピネス”の実現」を使命としています。
その業績概要については、以下の3つの報告セグメントに区分されます。
イ 直販部門
連結売上高の29.1%(外部顧客売上高ベース)を占める直販部門は、東京都・代官山の「BESSスクエア」、2018年4月にオープンした東京都・昭島の「BESS多摩」、及び神奈川県の「BESS藤沢」の直営3拠点で、東京・神奈川圏を中心とする顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。
BESS多摩の契約(受注)が売上・利益に貢献し始めたこと等からセグメント売上高は5,120百万円(前年同期比30.5%増)となり、セグメント利益は359百万円(前年同期は22百万円の損失)となりました。拠点のチーム力向上を目指した組織変更を行い、営業・設計・技術一体で生産力の向上に取り組んでいます。
また、セグメント契約(受注)高は、5,900百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
ロ 販社部門
連結売上高の44.0%を占める販社部門は、全国の地区販社に対して、BESSブランドと販売システム等を提供するとともに、BESS企画型住宅の部材パッケージ等を供給する事業を行っております。
当連結会計年度におけるセグメント売上高は、本部・販社一体となった売上回転の向上を目指した結果、セグメント売上高は9,925百万円(前年同期比29.1%増)となり、セグメント利益は1,136百万円(同15.8%増)となりました。
また、セグメント契約(受注)高は、BP社拠点の増加に伴いセグメント間取引の割合が増加したことなどから、5,597百万円(同9.5%減)となりました。
ハ BP社
連結売上高の26.9%を占める国内連結子会社グループのBP社は、株式会社BESSパートナーズが担う金沢(石川県)、熊谷(埼玉県)、水戸(茨城県)、つくば(茨城県)、富士(静岡県)、静岡中部(静岡県)、浜松(静岡県)、東愛知(愛知県)及び、株式会社BESS札幌が担う札幌(北海道)、株式会社BESS岐阜が担う岐阜(岐阜県)に加え、ブランド強化策等による一部販社の再編に伴い、2020年3月より熊本(熊本県)、糸島(福岡県)を新たに加えた合計12地区のBESS LOGWAYを営業拠点として、顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅の提供を主要事業としております。
当連結会計年度におけるセグメント売上高は4,811百万円(前年同期比130.3%増)と、前期に承継した6拠点の契約(受注)が進捗し始めたことで下期には収益貢献できるようになったものの、先行した経費負担をカバーするに至らずセグメント損失は120百万円(前年同期は266百万円の損失)となりました。
セグメント契約(受注)高は、拠点増により5,239百万円(前年同期比17.6%増)となりました。
② 受注及び販売の実績
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (単位:百万円)
| セグメント 区分 | 品目名称 | 前連結会計年度繰越高 | 当連結会計年度契約高 | 計 | 当連結会計年度売上高 | 次期繰越高 | 当連結会計年度施工高 | |
| 契約残高 | うち施工高 | |||||||
| 直販部門 | ログハウス等 部材パッケージ販売 | 58 | 83 | 142 | 117 | 24 | - | - |
| ログハウス等工事 | 3,487 | 5,430 | 8,917 | 3,600 | 5,317 | 73 | 3,642 | |
| その他 | 0 | 16 | 17 | 189 | - | - | - | |
| (小計) | 3,546 | 5,530 | 9,077 | 3,907 | 5,342 | 73 | 3,642 | |
| 販社部門 | ログハウス等 部材パッケージ販売 | 3,788 | 6,185 | 9,973 | 5,339 | 4,634 | - | - |
| その他 | - | - | - | 1,079 | - | - | - | |
| (小計) | 3,788 | 6,185 | 9,973 | 6,419 | 4,634 | - | - | |
| BP社 | ログハウス等 部材パッケージ販売 | - | 3 | 3 | 3 | - | - | - |
| ログハウス等工事 | 1,596 | 4,449 | 6,046 | 2,062 | 3,984 | 17 | 2,056 | |
| その他 | - | - | - | 4 | - | - | - | |
| (小計) | 1,596 | 4,453 | 6,050 | 2,070 | 3,984 | 17 | 2,056 | |
| 合計 | 8,931 | 16,169 | 25,101 | 12,397 | 13,960 | 90 | 5,698 | |
(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。
2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。
3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (単位:百万円)
| セグメント 区分 | 品目名称 | 前連結会計年度繰越高 | 当連結会計年度契約高 | 計 | 当連結会計年度売上高 | 次期繰越高 | 当連結会計年度施工高 | |
| 契約残高 | うち施工高 | |||||||
| 直販部門 | ログハウス等 部材パッケージ販売 | 24 | 283 | 308 | 149 | 158 | - | - |
| ログハウス等工事 | 5,317 | 5,600 | 10,917 | 4,779 | 6,137 | 63 | 4,770 | |
| その他 | - | 16 | 16 | 187 | - | - | - | |
| (小計) | 5,342 | 5,900 | 11,242 | 5,116 | 6,296 | 63 | 4,770 | |
| 販社部門 | ログハウス等 部材パッケージ販売 | 4,634 | 5,597 | 10,231 | 6,946 | 3,285 | - | - |
| その他 | - | - | - | 811 | - | - | - | |
| (小計) | 4,634 | 5,597 | 10,231 | 7,757 | 3,285 | - | - | |
| BP社 | ログハウス等 部材パッケージ販売 | - | 6 | 6 | 6 | - | - | - |
| ログハウス等工事 | 3,984 | 5,232 | 9,217 | 4,729 | 4,487 | 11 | 4,723 | |
| その他 | - | - | - | 3 | - | - | - | |
| (小計) | 3,984 | 5,239 | 9,224 | 4,740 | 4,487 | 11 | 4,723 | |
| 合計 | 13,960 | 16,737 | 30,697 | 17,614 | 14,069 | 74 | 9,493 | |
(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。
2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。
3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,522百万円となり、前連結会計年度末3,089百万円に対し433百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、営業活動により508百万円の資金増加(前年同期は690百万円の減少)となりました。
これは、仕入債務の増加額583百万円(同257百万円)、未払消費税の増加額364百万円(同152百万円の減少)、減価償却費270百万円(同237百万円)等による資金増加要因が、売上債権の増加額676百万円(同238百万円)等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、投資活動により使用した資金が187百万円(前年同期は254百万円)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出210百万円(同163百万円)及び無形固定資産の取得による支出93百万円(同92百万円)の資金減少要因が、投資有価証券の売却による収入122百万円(同84百万円)等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、財務活動により増加した資金が96百万円(前年同期は744百万円)となりました。
これは、短期借入金の増加582百万円(同250百万円)、長期借入れによる収入400百万円(同1,300百万円)等の資金増加要因が、長期借入金の返済による支出641百万円(同570百万円)、配当金の支払額225百万円(同220百万円)等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金の主要な需要は営業費用であります。具体的には、ログハウス等部材パッケージに係る部材等の調達費、施工に要する外注費等の「売上原価」と、人件費、広告宣伝販促費、研究開発費等の「販売費及び一般管理費」であります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金のほか金融機関からの借入により資金調達することとしております。借入による資金調達の内訳につきましては、運転資金は複数の金融機関との間で締結しているシンジケーション方式のコミットメントライン契約(総額2,000百万円、うち借入実行残高1,100百万円)をはじめとする短期借入金を中心に、そのほか設備投資などの長期性資金については、固定金利の長期借入金(2020年3月末残高2,425百万円)を中心にそれぞれ調達しております。
資金の流動性につきましては、顧客契約から売上計上及び代金の回収までのサイクルが長い(直販部門では元請工事の一般的な工期が約1年)ことなどを勘案して、借入金による調達実行を機動的に活用しながら、常に不測の事態に備えて厚めの残高(月商の3ヵ月を目安)を維持するよう努めております。
(財務政策)
当社の株主還元としてはDOE(連結純資産配当率)を重視した長期的な視点での安定的配当を基本とし、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保の確保にも配慮していく考えであります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告数値、並びに報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び過程を過去の実績や状況に応じ、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に、新型コロナウイルス感染症について、当社グループとしては、2020年9月から2021年3月に収束するシナリオを想定し、一部の会計上の見積りを行っておりますが、その影響は不確実であり予測が困難な状況です。これらの見積りと実際の結果が異なった際は、当社グループの連結財務諸表及びセグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、重要な会計上の見積りに係る計上基準については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準及び(追加情報)」に記載の通りであります。