有価証券報告書-第39期(2023/04/01-2024/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、為替相場における円安や原材料価格などの高騰により、物価高が進行するなか、コロナ禍からの社会活動の正常化とともに、インバウンド需要を中心とした緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界経済においては、インフレ圧力による金融引締めや中国経済の先行き懸念及び中東情勢などによる景気の下振れが国内景気の下押しリスクとなっています。さらに、相次ぐ自然災害の経済への影響にも留意する必要があります。住宅市場においては、コロナ後の消費行動の変化や価格上昇により、住宅着工は弱含みの状況にあり、厳しい状況が継続しております。
このような事業環境の下、当社グループでは、BESS事業において原点回帰を掲げ、LOGWAY等での感動を起点としたファンづくりをベースとする農耕型営業を推進するとともに、集客強化策としてSNS(YouTube、Instagram等)での発信の強化や新商品の開発等を進めてまいりました。また2024年年初より、「BESS復活の狼煙、オアシス」をスローガンに、市場(集客)・商品・売り方の3要素をそれぞれ強化する施策を講じて業績の向上に向け取り組んでおります。
先行指標となる新規来場数は、全国LOGWAYでの集客イベントを再開するとともに、新商品発売に合わせたオウンドメディア等のプロモーションを実施し、SNSやYouTube等の宣伝活動を強化した結果、前期実績を大きく上回る15.7千件(前年同期比16.5%増)まで持ち直しました。受注棟数も、438棟(前年同期比27.7%増)と回復し、連結子会社BESSパートナーズ(以下「BP社」という。)を含む連結受注高は、契約単価が相対的に小さい地区販社の構成比率増と特建(BtoB)事業の伸び悩みから前年同期比0.2%増の10,043百万円となり、連結受注残高は、売上げが堅調に推移したため前年同期比18.4%減の7,062百万円となりました。
以上の結果、受注回復の遅れ及び積極的な費用投下の影響もあり、当連結会計年度の売上高は、前期比12.9%減の12,142百万円となり、利益面においても、営業損失は496百万円(前年同期は881百万円の損失)となりました。経常損失は504百万円(前年同期は886百万円の損失)となりましたが、不動産売却に伴い親会社株主に帰属する当期純利益は2,121百万円(前年同期は1,338百万円の損失)を計上しました。
(営業活動の状況)
① 商品面の取り組み
・新商品の「三角WONEDR 間貫けのハコ」を2023年10月21日に販売開始しました。これは、“つながりの暮らし”をコンセプトに、象徴として大きな縁側を配して、内装には国産杉をふんだんに使用し、外観はアルマジロをモチーフにシンプルで愛嬌のあるかたちをした商品です。それと同時に、BESSホームページにおいて本商品の紹介に新表現方法を用いるなど、オウンドメディアによるブランドプロモーションを新たにスタートさせました。2023年12月には、BESS熊谷にてモデルハウス第1号がオープン、2024年3月にBESS岐阜において2棟目がオープンしました。さらにLOGWAY外の住宅地に、将来的な建売販売を意図した期間限定のモデルハウスである「サテライト」を全国で展開中です。2024年1月には、大きさの違う2タイプを開発し、追加販売を開始しました。
・「栖(すみか)ログ」の魅力向上に向け、顧客からの反響を踏まえ、新たな空間提案で顧客の想像力を引き出し、遊び心を広げるプランやアイテムを追加しました。
・「梺ぐらし」に関連し、長野県小諸市と移住定住促進を軸とした連携協定を締結しました。なお、小諸市にて宅地販売しておりました「小諸 梅の坂下 FuMoTo」は全20区画を完売しました。
② 営業面の取り組み
・BESS事業の強みである感性マーケティングの原点に立ち返り、LOGWAY等での感動を起点とするファンづくりを丁寧に進め、また営業力の底上げを図るため、コロナ禍以降、数年ぶりとなる全国の営業担当者及び営業リーダーを集めて営業研修等を実施しました。
・特建(BtoB)事業において、北海道厚沢部町にて「栖ログ」をベースとした保育園留学向けの寮施設を株式会社キッチハイクと共同プロデュースすることとなりました。また、日本初となる防火地域での3階建てCLT(直交集成材)ログハウスを東京都福生市で竣工しました。「木材現わし」であるログハウスは、法律上、防火地域では2階までの建築のみとなっていましたが、2023年2月に「90分準耐火構造認定」を取得することで、今回の建築が実現しました。SDGs/脱炭素など環境意識の高まりや2019年建築基準法の一部改正に「木造建築の促進」が盛り込まれたことも背景に、今後は、個人住宅、共同住宅、低層ビル、商業施設も対象にした営業活動を進めていきます。
・新たな事業として、2024年4月より、BESS住宅の中古仲介事業及びそれに伴うリフォーム・メンテナンス事業を手掛ける歳時住宅事業をスタートさせました。
(業績先行指標の状況)
先行指標となる全国LOGWAYへの新規来場者数は前年同期比116.5%、連結契約(受注)棟数は
同127.7%(343→438棟)とそれぞれ伸長しました。連結契約(受注)高においては、直販部門に比べ契約単価の低い地区販社向けの構成比増と特建(BtoB)事業の伸び悩みから10,043百万円(前年同期比0.2%増)となり、当期販売高が堅調に推移したことから、期末契約(受注)残高は7,062百万円と前年度末比18.4%減少しました。
LOGWAY展開については、経営基盤強化策の一環となるBP社におけるBESS千秋の閉鎖及びBESS水戸のBESSつくばとの統合、販社契約解約によるBESS三重の閉鎖、BESS盛岡の閉鎖及びBESS駒ヶ根の一時休止から、現在の稼働拠点数は直営拠点を含めて33拠点となりました。
営業体制は、BESS事業全体(販社含む)の専任営業員数(BESS専任の営業として在籍する営業員数)は、94名と前期末より16名減少いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(連結経営成績に関する分析)
当社グループの当連結会計年度における連結売上高は、前半期での受注不足から、前年同期比12.9%減の12,142百万円となりました。営業利益については、木材価格の落ち着きや商品価格改定に伴い売上総利益率が大幅に回復し、さらに人件費など販管費抑制効果があったものの、広告宣伝費等の戦略的投下もあって減収をカバーするには至らず、496百万円の損失(前年同期は881百万円の損失)となりました。経常利益は504百万円の損失(同886百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、代官山資産の売却益が大きく寄与して2,121百万円(同1,338百万円の損失)となりました。
(連結財政状態に関する分析)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末比で3,311百万円減少の7,884百万円、負債は同5,398百万円減少の4,915百万円、純資産は同2,087百万円増加の2,969百万円となりました。それぞれの主な増減要因につきましては、次の通りであります。
総資産につきましては、「現金及び預金」が前連結会計年度末比で886百万円増加した一方、「仕掛販売不動産」が同337百万円、固定資産の減損実行及び代官山資産売却を主因に「有形固定資産」が同2,945百万円減少したこと等によります。
負債につきましては、「未払法人税等」が前連結会計年度末比で731百万円増加した一方で、代官山資産売却による返済から「短期借入金」が同2,894百万円、「一年以内返済予定長期借入金」が同1,414百万円、「長期借入金」が同126百万円減少したこと等によります。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益2,121百万円を計上したこと等によります。
その結果、自己資本比率は37.7%となりました。
(個別業績の概要)
当事業年度における売上高は、前半期の受注(契約)不足が影響し、前年同期比12.0%減の9,557百万円となりました。また、利益面においては、上記連結経営成績に記載の状況と同様に、営業損失610百万円(前年同期は1,052百万円の損失)、経常損失606百万円(同1,055百万円の損失)となりました。当期純利益は、連結経営成績と同様に、代官山資産の売却益が大きく寄与して2,047百万円(同1,382百万円の損失)となりました。
(報告セグメントの業績概要)
当社グループの単一事業であるBESS事業は、暮らしのブランド『BESS』の下、『「住む」より「楽しむ」』をスローガンに、個性的で楽しい暮らし方のデザインにまで踏み込んで開発した企画型住宅(=ログハウス等の自然派個性住宅)の提供を行っております。住宅引渡時点での顧客満足以上に、暮らしをスタートしてからの「“ユーザー・ハピネス”の実現」を使命としています。
その業績概要については、以下の3つの報告セグメントに区分されます。
イ 直販部門
連結売上高の34.7%(外部顧客売上高ベース)を占める直販部門は、東京都・代官山の「BESS MAGMA」、東京都・昭島の「BESS多摩」及び神奈川県の「BESS藤沢」の直営3拠点で、東京・神奈川圏を中心とする顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。なお、「BESS MAGMA」は、経営基盤強化策の一環として売却しましたが、2025年4月まで引き続きBESSブランドの発信拠点として営業いたします。
当連結会計年度の業績は、セグメント売上高は4,244百万円(前年同期比12.9%減)となったものの、売上同利益率の改善によりセグメント利益は335百万円(同0.9%増)となりました。
業績の先行指標となる受注状況は、受注済(住宅)物件のキャンセルが生じたことや、特建(BtoB)事業の不振が響き、セグメント契約高は3,090百万円(同14.9%減)となりました。
ロ 販社部門
連結売上高の28.2%を占める販社部門は、全国20社の地区販社のLOGWAY30拠点に対して、BESSブランドと販売システム等を提供するとともに、BESS企画型住宅の部材キット等を供給する事業を行っております。
当連結会計年度の業績は、セグメント売上高5,317百万円(前年同期比11.2%減)、セグメント利益87百万円(同294百万円増)となりました。
また、セグメント契約高は4,341百万円(同14.4%増)となりました。
ハ BP社
連結売上高の37.1%を占めるBP社は、熊谷(埼玉県)、つくば(茨城県)、富士、浜松(静岡県)、東愛知(愛知県)、糸島(福岡県)、熊本(熊本県)及びその連結子会社である株式会社BESS札幌が担う札幌(北海道)、同じく株式会社BESS岐阜が担う岐阜(岐阜県)による合計9箇所のLOGWAYを営業拠点として、顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。なお、BESS水戸(茨城県)におきましては、2023年10月、経営基盤強化策の一環として、BESSつくばと統合し、既存ユーザーへのメンテナンス事業も継続して行っています。
当連結会計年度の業績は、セグメント売上高は4,633百万円(前年同期比11.9%減)となり、セグメント損失は195百万円(前年同期は112百万円の損失)となりました。
また、セグメント契約(受注)高は4,131百万円(同8.2%増)となりました。
②受注及び販売の実績
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。
2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。
3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円)
(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。
2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。
3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4,086百万円となり、前連結会計年度末3,199百万円に対し886百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により269百万円の資金減少(前年同期は539百万円の減少)となりました。
これは、有形固定資産売却損益4,163百万円の利益(同2百万円の利益)、仕入債務の減少額437百万円(同718百万円の減少)、前受金及び未成工事受入金の減少額426百万円(同148百万円の増加)等による減少要因が、税金等調整前当期純利益3,419百万円(同1,761百万円の損失)、棚卸資産の減少額654百万円(同162百万円の減少)、貸倒引当金の増加額81百万円(同113百万円の増加)等による資金増加要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により増加した資金は5,657百万円(前年同期は359百万円の増加)となりました。
これは主に、有形固定資産売却による収入5,894百万円(前年同期は595百万円)等による増加要因が、有形固定資産取得による支出160百万円(同104百万円)等による減少要因を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は4,537百万円の減少(前年同期は239百万円の増加)となりました。これは、短期借入金2,894百万円の減少(同1,094百万円の増加)、長期借入金1,541百万円の返済(同846百万円の返済)等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金の主要な需要は営業費用であります。具体的には、ログハウス等部材キットに係る部材等の調達費、施工に要する外注費等の「売上原価」と、人件費、広告宣伝販促費、研究開発費等の「販売費及び一般管理費」であります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金のほか金融機関からの借入により資金調達することとしておりますが、2023年3月30日付の代官山資産の売却に係る不動産売買契約に基づく売却代金により、2023年4月25日をもって借入金の大半を占める4,291百万円を返済しており、当連結会計年度末における金融機関からの借入残高は、返済期限により、長短合わせて764百万円が残る状況です。従って、当面の運転資金及び新規の設備資金に係る資金繰りについては、主に内部資金によるものとなります。
資金の流動性につきましては、顧客契約から売上計上及び代金の回収までのサイクルが長い(直販部門では元請工事の一般的な工期が約1年)ことなどを勘案して、借入金による調達実行の活用を含め、常に不測の事態に備えて厚めの残高(月商の3ヵ月を目安)を維持するよう努めております。
(財務政策)
当社は、株主の皆様に当社株式を長期的に保有いただくために、連結純資産配当率(DOE)を重視した「長期的な視点での安定的配当」を利益還元の柱とするとともに、将来の事業成長と経営体質の強化のために 必要な内部留保の確保にも配慮していくことを基本方針としております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告数値、並びに報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び過程を過去の実績や状況に応じ、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。これらの見積りと実際の結果が異なった際は、当社グループの連結財務諸表及びセグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、重要な会計上の見積りに係る計上基準については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準」に記載の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、為替相場における円安や原材料価格などの高騰により、物価高が進行するなか、コロナ禍からの社会活動の正常化とともに、インバウンド需要を中心とした緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界経済においては、インフレ圧力による金融引締めや中国経済の先行き懸念及び中東情勢などによる景気の下振れが国内景気の下押しリスクとなっています。さらに、相次ぐ自然災害の経済への影響にも留意する必要があります。住宅市場においては、コロナ後の消費行動の変化や価格上昇により、住宅着工は弱含みの状況にあり、厳しい状況が継続しております。
このような事業環境の下、当社グループでは、BESS事業において原点回帰を掲げ、LOGWAY等での感動を起点としたファンづくりをベースとする農耕型営業を推進するとともに、集客強化策としてSNS(YouTube、Instagram等)での発信の強化や新商品の開発等を進めてまいりました。また2024年年初より、「BESS復活の狼煙、オアシス」をスローガンに、市場(集客)・商品・売り方の3要素をそれぞれ強化する施策を講じて業績の向上に向け取り組んでおります。
先行指標となる新規来場数は、全国LOGWAYでの集客イベントを再開するとともに、新商品発売に合わせたオウンドメディア等のプロモーションを実施し、SNSやYouTube等の宣伝活動を強化した結果、前期実績を大きく上回る15.7千件(前年同期比16.5%増)まで持ち直しました。受注棟数も、438棟(前年同期比27.7%増)と回復し、連結子会社BESSパートナーズ(以下「BP社」という。)を含む連結受注高は、契約単価が相対的に小さい地区販社の構成比率増と特建(BtoB)事業の伸び悩みから前年同期比0.2%増の10,043百万円となり、連結受注残高は、売上げが堅調に推移したため前年同期比18.4%減の7,062百万円となりました。
以上の結果、受注回復の遅れ及び積極的な費用投下の影響もあり、当連結会計年度の売上高は、前期比12.9%減の12,142百万円となり、利益面においても、営業損失は496百万円(前年同期は881百万円の損失)となりました。経常損失は504百万円(前年同期は886百万円の損失)となりましたが、不動産売却に伴い親会社株主に帰属する当期純利益は2,121百万円(前年同期は1,338百万円の損失)を計上しました。
(営業活動の状況)
① 商品面の取り組み
・新商品の「三角WONEDR 間貫けのハコ」を2023年10月21日に販売開始しました。これは、“つながりの暮らし”をコンセプトに、象徴として大きな縁側を配して、内装には国産杉をふんだんに使用し、外観はアルマジロをモチーフにシンプルで愛嬌のあるかたちをした商品です。それと同時に、BESSホームページにおいて本商品の紹介に新表現方法を用いるなど、オウンドメディアによるブランドプロモーションを新たにスタートさせました。2023年12月には、BESS熊谷にてモデルハウス第1号がオープン、2024年3月にBESS岐阜において2棟目がオープンしました。さらにLOGWAY外の住宅地に、将来的な建売販売を意図した期間限定のモデルハウスである「サテライト」を全国で展開中です。2024年1月には、大きさの違う2タイプを開発し、追加販売を開始しました。
・「栖(すみか)ログ」の魅力向上に向け、顧客からの反響を踏まえ、新たな空間提案で顧客の想像力を引き出し、遊び心を広げるプランやアイテムを追加しました。
・「梺ぐらし」に関連し、長野県小諸市と移住定住促進を軸とした連携協定を締結しました。なお、小諸市にて宅地販売しておりました「小諸 梅の坂下 FuMoTo」は全20区画を完売しました。
② 営業面の取り組み
・BESS事業の強みである感性マーケティングの原点に立ち返り、LOGWAY等での感動を起点とするファンづくりを丁寧に進め、また営業力の底上げを図るため、コロナ禍以降、数年ぶりとなる全国の営業担当者及び営業リーダーを集めて営業研修等を実施しました。
・特建(BtoB)事業において、北海道厚沢部町にて「栖ログ」をベースとした保育園留学向けの寮施設を株式会社キッチハイクと共同プロデュースすることとなりました。また、日本初となる防火地域での3階建てCLT(直交集成材)ログハウスを東京都福生市で竣工しました。「木材現わし」であるログハウスは、法律上、防火地域では2階までの建築のみとなっていましたが、2023年2月に「90分準耐火構造認定」を取得することで、今回の建築が実現しました。SDGs/脱炭素など環境意識の高まりや2019年建築基準法の一部改正に「木造建築の促進」が盛り込まれたことも背景に、今後は、個人住宅、共同住宅、低層ビル、商業施設も対象にした営業活動を進めていきます。
・新たな事業として、2024年4月より、BESS住宅の中古仲介事業及びそれに伴うリフォーム・メンテナンス事業を手掛ける歳時住宅事業をスタートさせました。
(業績先行指標の状況)
先行指標となる全国LOGWAYへの新規来場者数は前年同期比116.5%、連結契約(受注)棟数は
同127.7%(343→438棟)とそれぞれ伸長しました。連結契約(受注)高においては、直販部門に比べ契約単価の低い地区販社向けの構成比増と特建(BtoB)事業の伸び悩みから10,043百万円(前年同期比0.2%増)となり、当期販売高が堅調に推移したことから、期末契約(受注)残高は7,062百万円と前年度末比18.4%減少しました。
LOGWAY展開については、経営基盤強化策の一環となるBP社におけるBESS千秋の閉鎖及びBESS水戸のBESSつくばとの統合、販社契約解約によるBESS三重の閉鎖、BESS盛岡の閉鎖及びBESS駒ヶ根の一時休止から、現在の稼働拠点数は直営拠点を含めて33拠点となりました。
営業体制は、BESS事業全体(販社含む)の専任営業員数(BESS専任の営業として在籍する営業員数)は、94名と前期末より16名減少いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(連結経営成績に関する分析)
当社グループの当連結会計年度における連結売上高は、前半期での受注不足から、前年同期比12.9%減の12,142百万円となりました。営業利益については、木材価格の落ち着きや商品価格改定に伴い売上総利益率が大幅に回復し、さらに人件費など販管費抑制効果があったものの、広告宣伝費等の戦略的投下もあって減収をカバーするには至らず、496百万円の損失(前年同期は881百万円の損失)となりました。経常利益は504百万円の損失(同886百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、代官山資産の売却益が大きく寄与して2,121百万円(同1,338百万円の損失)となりました。
(連結財政状態に関する分析)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末比で3,311百万円減少の7,884百万円、負債は同5,398百万円減少の4,915百万円、純資産は同2,087百万円増加の2,969百万円となりました。それぞれの主な増減要因につきましては、次の通りであります。
総資産につきましては、「現金及び預金」が前連結会計年度末比で886百万円増加した一方、「仕掛販売不動産」が同337百万円、固定資産の減損実行及び代官山資産売却を主因に「有形固定資産」が同2,945百万円減少したこと等によります。
負債につきましては、「未払法人税等」が前連結会計年度末比で731百万円増加した一方で、代官山資産売却による返済から「短期借入金」が同2,894百万円、「一年以内返済予定長期借入金」が同1,414百万円、「長期借入金」が同126百万円減少したこと等によります。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益2,121百万円を計上したこと等によります。
その結果、自己資本比率は37.7%となりました。
(個別業績の概要)
当事業年度における売上高は、前半期の受注(契約)不足が影響し、前年同期比12.0%減の9,557百万円となりました。また、利益面においては、上記連結経営成績に記載の状況と同様に、営業損失610百万円(前年同期は1,052百万円の損失)、経常損失606百万円(同1,055百万円の損失)となりました。当期純利益は、連結経営成績と同様に、代官山資産の売却益が大きく寄与して2,047百万円(同1,382百万円の損失)となりました。
(報告セグメントの業績概要)
当社グループの単一事業であるBESS事業は、暮らしのブランド『BESS』の下、『「住む」より「楽しむ」』をスローガンに、個性的で楽しい暮らし方のデザインにまで踏み込んで開発した企画型住宅(=ログハウス等の自然派個性住宅)の提供を行っております。住宅引渡時点での顧客満足以上に、暮らしをスタートしてからの「“ユーザー・ハピネス”の実現」を使命としています。
その業績概要については、以下の3つの報告セグメントに区分されます。
イ 直販部門
連結売上高の34.7%(外部顧客売上高ベース)を占める直販部門は、東京都・代官山の「BESS MAGMA」、東京都・昭島の「BESS多摩」及び神奈川県の「BESS藤沢」の直営3拠点で、東京・神奈川圏を中心とする顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。なお、「BESS MAGMA」は、経営基盤強化策の一環として売却しましたが、2025年4月まで引き続きBESSブランドの発信拠点として営業いたします。
当連結会計年度の業績は、セグメント売上高は4,244百万円(前年同期比12.9%減)となったものの、売上同利益率の改善によりセグメント利益は335百万円(同0.9%増)となりました。
業績の先行指標となる受注状況は、受注済(住宅)物件のキャンセルが生じたことや、特建(BtoB)事業の不振が響き、セグメント契約高は3,090百万円(同14.9%減)となりました。
ロ 販社部門
連結売上高の28.2%を占める販社部門は、全国20社の地区販社のLOGWAY30拠点に対して、BESSブランドと販売システム等を提供するとともに、BESS企画型住宅の部材キット等を供給する事業を行っております。
当連結会計年度の業績は、セグメント売上高5,317百万円(前年同期比11.2%減)、セグメント利益87百万円(同294百万円増)となりました。
また、セグメント契約高は4,341百万円(同14.4%増)となりました。
ハ BP社
連結売上高の37.1%を占めるBP社は、熊谷(埼玉県)、つくば(茨城県)、富士、浜松(静岡県)、東愛知(愛知県)、糸島(福岡県)、熊本(熊本県)及びその連結子会社である株式会社BESS札幌が担う札幌(北海道)、同じく株式会社BESS岐阜が担う岐阜(岐阜県)による合計9箇所のLOGWAYを営業拠点として、顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。なお、BESS水戸(茨城県)におきましては、2023年10月、経営基盤強化策の一環として、BESSつくばと統合し、既存ユーザーへのメンテナンス事業も継続して行っています。
当連結会計年度の業績は、セグメント売上高は4,633百万円(前年同期比11.9%減)となり、セグメント損失は195百万円(前年同期は112百万円の損失)となりました。
また、セグメント契約(受注)高は4,131百万円(同8.2%増)となりました。
②受注及び販売の実績
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
| セグメント 区分 | 品目名称 | 前連結会計年度繰越高 | 当連結会計年度契約高 | 計 | 当連結会計年度売上高 | 次期繰越高 | 当連結会計年度施工高 | |
| 契約残高 | うち施工高 | |||||||
| 直販部門 | ログハウス等 部材キット販売 | 171 | 406 | 578 | 467 | 110 | - | - |
| ログハウス等工事 | 4,425 | 3,203 | 7,629 | 4,194 | 3,434 | 183 | 4,276 | |
| その他 | 0 | 22 | 23 | 209 | 0 | - | - | |
| (小計) | 4,597 | 3,633 | 8,230 | 4,870 | 3,546 | 183 | 4,276 | |
| 販社部門 | ログハウス等 部材キット販売 | 2,570 | 2,768 | 5,339 | 3,793 | 1,546 | - | - |
| その他 | - | - | - | 277 | - | - | - | |
| (小計) | 2,570 | 2,768 | 5,339 | 4,070 | 1,546 | - | - | |
| BP社 | ログハウス等 部材キット販売 | 15 | 28 | 44 | 41 | 2 | - | - |
| ログハウス等工事 | 4,956 | 3,589 | 8,545 | 4,981 | 3,564 | 32 | 4,982 | |
| その他 | - | - | - | △24 | - | - | - | |
| (小計) | 4,971 | 3,618 | 8,589 | 4,998 | 3,567 | 32 | 4,982 | |
| 合計 | 12,139 | 10,020 | 22,159 | 13,940 | 8,659 | 216 | 9,259 | |
(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。
2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。
3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円)
| セグメント 区分 | 品目名称 | 前連結会計年度繰越高 | 当連結会計年度契約高 | 計 | 当連結会計年度売上高 | 次期繰越高 | 当連結会計年度施工高 | |
| 契約残高 | うち施工高 | |||||||
| 直販部門 | ログハウス等 部材キット販売 | 110 | 238 | 349 | 311 | 38 | - | - |
| ログハウス等工事 | 3,434 | 2,833 | 6,268 | 3,714 | 2,553 | 76 | 3,607 | |
| その他 | 0 | 18 | 19 | 183 | - | - | - | |
| (小計) | 3,546 | 3,090 | 6,637 | 4,209 | 2,591 | 76 | 3,607 | |
| 販社部門 | ログハウス等 部材キット販売 | 1,546 | 2,946 | 4,492 | 3,088 | 1,404 | - | - |
| その他 | - | - | - | 332 | - | - | - | |
| (小計) | 1,546 | 2,946 | 4,492 | 3,421 | 1,404 | - | - | |
| BP社 | ログハウス等 部材キット販売 | 2 | 102 | 105 | 102 | 2 | - | - |
| ログハウス等工事 | 3,564 | 3,903 | 7,467 | 4,403 | 3,063 | 13 | 4,384 | |
| その他 | - | - | - | 5 | - | - | - | |
| (小計) | 3,567 | 4,005 | 7,573 | 4,511 | 3,066 | 13 | 4,384 | |
| 合計 | 8,659 | 10,043 | 18,703 | 12,142 | 7,062 | 89 | 7,991 | |
(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。
2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。
3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4,086百万円となり、前連結会計年度末3,199百万円に対し886百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により269百万円の資金減少(前年同期は539百万円の減少)となりました。
これは、有形固定資産売却損益4,163百万円の利益(同2百万円の利益)、仕入債務の減少額437百万円(同718百万円の減少)、前受金及び未成工事受入金の減少額426百万円(同148百万円の増加)等による減少要因が、税金等調整前当期純利益3,419百万円(同1,761百万円の損失)、棚卸資産の減少額654百万円(同162百万円の減少)、貸倒引当金の増加額81百万円(同113百万円の増加)等による資金増加要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により増加した資金は5,657百万円(前年同期は359百万円の増加)となりました。
これは主に、有形固定資産売却による収入5,894百万円(前年同期は595百万円)等による増加要因が、有形固定資産取得による支出160百万円(同104百万円)等による減少要因を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は4,537百万円の減少(前年同期は239百万円の増加)となりました。これは、短期借入金2,894百万円の減少(同1,094百万円の増加)、長期借入金1,541百万円の返済(同846百万円の返済)等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金の主要な需要は営業費用であります。具体的には、ログハウス等部材キットに係る部材等の調達費、施工に要する外注費等の「売上原価」と、人件費、広告宣伝販促費、研究開発費等の「販売費及び一般管理費」であります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金のほか金融機関からの借入により資金調達することとしておりますが、2023年3月30日付の代官山資産の売却に係る不動産売買契約に基づく売却代金により、2023年4月25日をもって借入金の大半を占める4,291百万円を返済しており、当連結会計年度末における金融機関からの借入残高は、返済期限により、長短合わせて764百万円が残る状況です。従って、当面の運転資金及び新規の設備資金に係る資金繰りについては、主に内部資金によるものとなります。
資金の流動性につきましては、顧客契約から売上計上及び代金の回収までのサイクルが長い(直販部門では元請工事の一般的な工期が約1年)ことなどを勘案して、借入金による調達実行の活用を含め、常に不測の事態に備えて厚めの残高(月商の3ヵ月を目安)を維持するよう努めております。
(財務政策)
当社は、株主の皆様に当社株式を長期的に保有いただくために、連結純資産配当率(DOE)を重視した「長期的な視点での安定的配当」を利益還元の柱とするとともに、将来の事業成長と経営体質の強化のために 必要な内部留保の確保にも配慮していくことを基本方針としております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告数値、並びに報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び過程を過去の実績や状況に応じ、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。これらの見積りと実際の結果が異なった際は、当社グループの連結財務諸表及びセグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、重要な会計上の見積りに係る計上基準については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準」に記載の通りであります。