四半期報告書-第67期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

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2020/08/13 10:41
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36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期においては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により経済活動が大きく制限され、世界的に景気の減速懸念が高まる一方、全国一斉休校、外出自粛要請や在宅勤務の推奨等による生活様式の変化が我が国のデジタルトランスフォーメーション(DX)をこれまでになく大きく加速させる結果となりました。我々は今、歴史的な大転換期の渦中にあり、これまでにないスピードでパラダイムシフトが起こっております。エネルギー業界におきましても、一人暮らしの高齢者世帯の増加、地域社会の多様化など社会構造が変化する中で、都市ガス小売事業の自由化以降、従来のコンサバティブで横並びのサービスから、新たなイノベーションによる、安全で、安価で、利便性が高く、受益者ストレスのないサービスの提供が強く求められています。つまり、エネルギー自由化とは、新たなイノベーションの創出とそのメリットを社会が享受するための挑戦と換言することができます。
この転換期においても、企業経営におけるESG重視という全世界的な潮流は確かなものであり、当社グループのESGへの取り組みを基盤とした中長期的な企業価値の向上を目指す方針に変わりはありません。最先端テクノロジーを実装した「スペース蛍」と「夢の絆・川崎」をはじめとするDXは、当社グループが、近い将来の脱化石燃料時代の到来を見据え、現在の総合エネルギー企業から、お客様に快適なサービスを提供する企業に変貌する手段であります。のみならず、LPガスボンベ配送員、検針員といった労働力不足の解消、そして検針の無人化や配送の効率化による二酸化炭素排出量削減等といった、社会課題、環境問題への解決策をも提示するものです。また、当社は経営理念に、「地域社会への貢献」を掲げており、この理念実現のため、これらのテクノロジーを他事業者にサービスとして提供することでイノベーションをエネルギー業界全体で競業協業にかかわらず共有し、その利益を地域社会に還元いたします。ICTの取り組みの成果を他事業者との差別化に使用するのではなく、むしろ他事業者との共創のために提供することで地域社会へ貢献し、企業としても持続的成長のスピードを速めようとするものです。
スペース蛍とは、株式会社ソラコムとの協業から生まれたガスメーターのオンライン化NCUであり、ガス使用量をリアルタイムに自動計測するとともに、リモートでメーターの開閉栓ができるIoT装置です。最大の特徴は通信における柔軟性の高さであり、通信方式は、SigfoxとLTE-Mのハイブリッドです。プラットフォームのグローバル拡販を念頭に、特定の通信方式やキャリアの制限を受けることなくデータを取得し、電波状況に応じたきめ細かい通信サービスを提供することを可能にしたもので、現時点で世界130カ国、240の通信キャリアとの連携が可能となっています。
「夢の絆・川崎」とは、貯蔵タンクのガス残量、ガスボンベ在庫本数、ガス充填機の稼働状況をリアルタイムに把握する技術や、RFID、自動認証等によりガスボンベの配送経路や位置情報をリアルタイムに把握する技術を実装した世界最大級のLPG充填基地であり、21年3月期中に完成予定です。
上記は共に、LPG物流の全てをリアルタイムにコネクトすることで、従来の「予測」に基づいてきたLPG物流の概念を「実績」に基づく姿に進化させ、「生産」と「消費」をリアルタイムで可視化管理するLPG DXを構築するものであり、ビッグデータ収集統合基盤「ニチガスストリーム」にデータ連携されます。ニチガスストリームとは、株式会社ソラコムと共同開発されたもので、個別データの暗号化や暗号化認証システム、ブロックチェーン技術等により構成されております。
DXを支える最先端テクノロジーに対する投資は、当社グループにおいて最も重要なイノベーションの創出源であり、トップラインを拡大させ、企業価値の持続的成長を支えるものと考えております。当社グループの都市ガス事業は法的分離の対象外ではありますが、先日、2022年4月の大手都市ガス事業者における導管事業と小売事業の法的分離に先駆けて、導管事業と小売事業を分離すること、同時に、LPガス事業につきましても託送機能と小売機能を分離させることを発表いたしました。これまでの投資の果実であるDXの活用による各社データの効率的な統合が、いち早い事業分離を可能にするものです。法的分離に先駆けた事業分離は、オペレーションの更なる合理化による企業価値向上のみならず、レガシーと決別し、今後の新しい経済環境におけるエネルギービジネスの再定義に繋げようとの狙いがあります。保守的なインフラ業界において、デジタル活用でビジネスの基軸を根本的に変革し、新たな社会システムの構築に挑戦しようとするものです。LPガス託送(充填、配送、検針等)機能をプラットフォームとして他事業者に提供する「LPG託送事業」はその一例にすぎません。
「LPG託送事業」とはハブ充填基地「夢の絆・川崎」を起点とした高効率な充填・配送・「スペース蛍」によるガスメーターのオンライン化、及びそれらから得たデータを一元的に管理する仕組みをプラットフォームとして多くの事業者にマイクロサービス化して提供する事業です。新規参入者にとっては、マイクロサービス化により、充填・配送等の仕組を持たずとも必要な機能だけを利用することが可能となり、LPガス事業に参入することが容易となるもので、これまでにない収益モデルです。
未だコロナ禍による経済の不透明性は一掃されておりませんが、当社は、エネルギー事業の概念を根本的に再定義し、新たな社会貢献のためのプラットフォームを創り出す、この挑戦の起点は正にこの時期をおいて他にはないと確信しております。
事業革新とデジタル化推進の下、主力であるLPガス事業については、当第1四半期においても最優先事業として位置づけ、経営資源を投入いたしました。新型コロナウイルス感染拡大をうけた緊急事態宣言の発令に伴い、お客様との対面営業が制限される等といった影響がありましたが、一方で業界における事業売買の動向が非常に活発になっており、この動きを捉えた営業活動は、顧客数の増加という形で着実に結実しております。自由化後の都市ガス事業は、自由化の進捗を鑑み、その収益性を踏まえて成長させていく事業であると位置づけております。また、電力事業においては、その商品性に合ったファミリー層を中心に顧客数を伸ばしながら、収益も伴った形で順調に事業拡大を遂げております。当該電力小売事業は、ガスとのセット販売によって顧客に利便性を提供しながら契約期間を伸長させ、顧客当たりの収入を高める有力な商品としても機能しております。
新型コロナウイルスの感染拡大下において、業務用ガス販売量減少という影響があったものの、当社は家庭用ガス販売を主力にしており、当第1四半期の業績に大きな影響はありませんでした。新型コロナウイルス感染症の収束は明確ではありませんが、当第1四半期の業績を踏まえました時、今後の業績への影響は限定的であると想定しております。無論、不測の事態に備え、資金繰り等の財務上の準備は万全を期して参ります。当面は前述の状況が継続することを前提としておりますが、これを変化への好機と捉え、成長へのマインドを強く持ち、更なる事業価値の創造に努めてまいります。
定量面に関しましては、当第1四半期末の当社グループのお客様数は、前期末に比べ53千件増の1,724千件と大きく増加しております。
当第1四半期の売上総利益は、顧客数の増加に加え、家庭用ガスの巣ごもり需要や、電気およびプラットフォーム事業の拡大に支えられ、16,260百万円(前年同期比2.3%増)となりました。また、販管費を適切に計画内でコントロールし、営業利益は3,722百万円(同8.3%増)、経常利益は3,803百万円(同24.1%増)、親会社株主に帰属する 四半期純利益は2,642百万円(同22.8%増)となり、増益となりました。
当期間のセグメント別の概況は次のとおりであります。
①LPガス事業(附帯事業としてLP機器・工事の他、電気事業、プラットフォーム事業等を含む)
新型コロナウイルス感染拡大により、対面営業活動の一時停止等、営業活動が一部制限されたものの、LPガス事業を最優先事業として商権買収を進めた結果、想定を上回るスピードで16千件のお客様数純増を達成いたしました。
また、電気の顧客についても既存のガス利用のお客様を中心にお客様数を29千件増やし、ガスのお客様における電気セット率を前期末6.4%から8.2%といたしました。
売上総利益につきましては、新型コロナウィルス感染拡大による業務用のガス販売減という影響(前年同期比△15.8%)がありましたが、この減少幅は想定内で、家庭用ガスの販売量増加(前年同期比+7.4%)及び電気、プラットフォーム売上の増加が補い、317百万円(前年同期比3.0%増)増益となりました。
②都市ガス事業
都市ガス事業におきましては、前期に続き電気とのセット化をすすめるとともに、収益性を意識した新規契約を積み上げ、8千件お客様が増加いたしました。
売上総利益につきましては、新型コロナウィルス感染拡大による業務用のガス販売減という影響(前年同期比△10.5%)がありましたが、この減少幅も想定内で、家庭用ガスの販売量増加(前年同期比+7.5%)が補い、40百万円(前年同期比0.8%増)増益となりました。
(2)財政状態の状況
資本効率を重視する当社は、堅調な業績を背景に成長投資と株主還元を両立させながら、総資産及び自己資本比率を適正水準にコントロールしております。
当第1四半期末の資産の部は、季節的要因により受取手形及び売掛金、商品及び製品が減少いたしましたが、夢の絆の建設、スペース蛍の据付、M&A投資により固定資産が増加し、前期末から220百万円(0.2%増)増加した132,741百万円となりました。 また、負債の部は、季節的要因による支払手形及び買掛金、電子記録債務の減少により、前期末から1,217百万円(1.9%減)減少し62,948百万円に、純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益が計上された一方、配当の支払いにより減少し、前期末から1,438万円(2.1%増)増加した69,793百万円となりました。
新型コロナウィルス感染症拡大については、現在もなお予断を許さない状況であり、引き続き不測の事態に対応できる資金調達力、安定した財務基盤の充実を優先しております。
自己資本比率は52.6%となり、計画通り安定した財務体質を維持しております。
なお、前期末より、新型コロナウィルス感染症の拡大による事業環境の悪化による売上債権の貸倒損失に備え、貸倒引当(流動)を一部計上しておりますが、第1四半期経過の実態を踏まえても、見積もり仮定に重要な変更はなく、当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響は軽微であります。その他、新型コロナウィルス感染症の拡大に起因して発生する損失の可能性が予見される事象はなく、引き続き引当等の会計上の見積りによる計上はしておりません。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,598百万円増加し、18,127百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュフローは、2,008百万円の収入(前年同期比159百万円増加)となりました。増加の要因は、税金等調整前四半期純利益の増加(前年同期比671百万円増加)及び季節的要因による売上債権、棚卸資産の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュフローは、3,907百万円の支出(前年同期比 1,389百万円増加)となりました。増加の主な要因は、「夢の絆・川崎」等の有形固定資産投資の増加(前年同期比1,368百万円増加)及びのれんの取得による支出の増加(前年同期比711百万円増加)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュフローは、3,469百万円の収入(前年同期1,695百万円支出)となりました。 収入の要因は短期借入の増加によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

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