有価証券報告書-第46期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、2020年2月以降、コロナ禍により大変厳しい状況になりました。 当外食業界においても外食需要の急激な減少が発生し、さらに7月以降は新型コロナウイルス感染症の第2波の兆候が表れ、先行きの見通せない大変厳しい経営環境が続いております。
当社グループでも2020年3月以降、業績が急激に悪化しており、このような非常事態に対処すべく、2020年6月8日に発表しました「今後の退店計画に関するお知らせ」のとおり、財務基盤の強化を図る観点から収益改善が見込めない店舗の退店を柱とする経営合理化を図ることといたしました。
また、今後の中長期的な成長戦略を実現するため、既存のイートイン事業はもちろんのこと、テイクアウト販売を強化するなど、子会社を含めたグループ全体のパフォーマンス向上に取り組んでまいりました。
商品施策では、既存商品のブラッシュアップを継続して提供品質の向上を進めると同時に、試験販売を繰り返してお客様の消費動向を慎重に分析した上で、グランドメニューの改定を2回、「夏直前!元気ジューシーフェア」などのフェアを7回行いました。
グランドメニューの改定では新商品「プレミアムハンバーグ」が登場いたしました。ふっくらとした食感でありながら肉粒感を感じることができるジューシーな味わいのハンバーグで、お子様からシニアのお客様まで幅広い年代に喜んでいただける商品に仕上がりました。
営業施策では、店舗状態向上のために店長のマネジメント力や従業員のオペレーション力の強化を進めました。また、ご来店毎に自動的にスタンプが貯まり、クーポン等が利用できるお得で便利なスマートフォン専用無料アプリ「ジョイフルアプリ」のリニューアル、「ジョイフルLINE公式アカウント」の開設、テイクアウト販売やデリバリー販売の開始(一部店舗)および自社工場製品の外部販売の強化など、お客様の来店頻度の向上やライフスタイルの変化に対応する各種施策を展開してまいりました。
主力であるジョイフル業態の店舗展開につきましては、当連結会計年度は出店を行わず、外観及び店内インテリアに明るい色合いの新デザインを採用した福岡警固公園前店や大分大手町店のリニューアルなど、既存店の強化に力を入れてまいりました。 当連結会計年度における店舗数は、グループ直営4店舗及びFC2店舗の出店、グループ直営78店舗及びFC2店舗の退店により815店舗(グループ直営760店舗、FC55店舗)となりました。 以上の取り組みを行いましたが、新型コロナウイルス感染症に関して、政府による緊急事態宣言に伴う国民への外出自粛要請や各地方自治体からの営業休止及び営業時間短縮要請による4月・5月の売上高の急減、営業休止や営業時間短縮中の給与や家賃など各種固定費の負担の影響は甚大で、当連結会計年度における経営成績は、売上高は62,324百万円(前期比14.5%減)、営業損失は3,785百万円(前期は営業利益414百万円)、経常損失は2,479百万円(前期は経常利益581百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は9,323百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4,947百万円)となりました。 なお、経営指標としている「総資本経常利益率」「売上高経常利益率」「労働生産性」及び「株主資本当期純利益率」の数値改善のため、より一層の経営努力に努めてまいります。
また、当社は保険代理店業を行う特例子会社を所有しておりますが、連結業績に占める割合が極めて軽微であり、当社グループの報告セグメントがレストラン事業一つであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
〈参考:計画値との比較分析〉
上半期(2019年7月1日~2019年12月31日)において、計画比で売上高99.0%、営業利益119.1%となるなど、ほぼ計画通りに推移しておりました。
下半期(2020年1月1日~2020年6月30日)において、主力であるジョイフル業態について、1月度、2月度の2ヶ月累計の計画比で売上高100.1%となるなど、利益も含めて計画通りに推移しておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により2020年2月26日に日本政府が発表したイベント等の自粛要請に加え、4月7日の緊急事態宣言以降、外食需要が急減した結果、売上高は計画比で3月度は82.5%、4月度は44.5%、5月度は47.7%、6月度は81.4%に落ち込むなど、厳しい状況になりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当社グループの資金需要のうち主なものは、販売商品に係る原材料費、店舗運営に係る人件費、地代家賃等の運転資金及び設備投資資金であります。これらの原資は営業活動の結果得られた資金を主としましたが、不足するものについては長期借入れで調達するなど、計画的に実施してまいりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、4,844百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況については次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、3,115百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失8,700百万円ではあるものの、減損損失2,687百万円、閉店損失引当金2,674百万円、減価償却費1,629百万円等の資金流出を伴わない費用が発生したことにより、法人税等の支払額853百万円等の資金の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,021百万円となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出2,180百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、4,797百万円となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の純増額5,500百万円、長期借入れによる収入2,900百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出3,368百万円であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ハンバーグ | 2,750 | 93.8 |
| ソース | 1,037 | 103.8 |
| その他 | 986 | 76.3 |
| 計 | 4,774 | 91.3 |
(注) 上記金額は、製品製造原価で表示しており、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当社グループは受注生産を行っておりません。
(3) 販売実績
① 直営ジョイフルレストラン料理メニュー区分別販売実績
当連結会計年度におけるグループ直営ジョイフル店の料理メニュー区分別販売実績は、次のとおりであります。
| メニュー区分 | 金額(百万円) | 構成比(%) | 前期比(%) |
| グリル | 14,167 | 26.3 | 85.2 |
| ライトミール | 8,162 | 15.1 | 96.7 |
| 定食 | 12,651 | 23.5 | 83.9 |
| モーニング | 5,040 | 9.3 | 80.1 |
| 喫茶・酒類 | 9,179 | 17.0 | 82.0 |
| その他 | 4,748 | 8.8 | 94.8 |
| 計 | 53,949 | 100.0 | 86.1 |
(注) 1 上記メニュー区分は、提出会社である当社の店舗グランドメニューの区分による表記となっております。
2 上記以外の販売実績は下記のとおりであります。
| 金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 直営ジョイフル以外の直営レストランの販売等 | 869 | 97.2 |
| 直営ジョイフル以外の連結子会社飲食店の販売等 | 6,145 | 79.0 |
| フランチャイズに販売している食材売上 | 1,131 | 86.7 |
| フランチャイズからのロイヤリティ収入 | 204 | 86.1 |
| 保険の販売 | 23 | 97.4 |
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② グループ直営ジョイフル店の会社別店舗数及び販売実績
当連結会計年度の販売実績及び直営店舗数を会社別に示すと次のとおりであります。
| 地域 | 店舗数 | 客席数 | 金額(百万円) | 構成比(%) | 前期比(%) |
| 株式会社ジョイフル北日本 | 42 | 4,737 | 2,779 | 5.2 | 86.3 |
| 株式会社ジョイフル関東 | 42 | 4,753 | 2,874 | 5.3 | 85.8 |
| 株式会社ジョイフル東海 | 60 | 7,120 | 4,618 | 8.6 | 86.5 |
| 株式会社ジョイフル東関西・北陸 | 39 | 5,006 | 2,975 | 5.5 | 82.8 |
| 株式会社ジョイフル西関西 | 42 | 4,770 | 2,847 | 5.3 | 85.0 |
| 株式会社ジョイフル中国 | 68 | 9,001 | 5,340 | 9.9 | 86.6 |
| 株式会社ジョイフル四国 | 47 | 5,768 | 3,386 | 6.3 | 83.8 |
| 株式会社ジョイフル北九州 | 64 | 8,580 | 4,724 | 8.8 | 85.6 |
| 株式会社ジョイフル中九州 | 75 | 9,860 | 5,875 | 10.9 | 86.2 |
| 株式会社ジョイフル東九州 | 60 | 7,240 | 4,654 | 8.6 | 88.0 |
| 株式会社ジョイフル西九州 | 92 | 12,110 | 6,853 | 12.7 | 85.6 |
| 株式会社ジョイフル南九州 | 86 | 10,859 | 6,615 | 12.3 | 88.5 |
| 株式会社ジョイフル | 5 | 652 | 403 | 0.7 | 85.7 |
| 計 | 722 | 90,456 | 53,949 | 100.0 | 86.1 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の店舗数、客席数、金額には、退店したグループ直営ジョイフル店16店舗を含んでおります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり、原則として連結財務諸表に基づいたものであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成におきましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に見積りを行っておりますが、実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
多様化する消費者ニーズに対応した商品施策の推進や、「お客様に繰り返しご利用いただける店作り」の観点から営業状態の向上に取り組んで参りましたが、新型コロナウイルス感染症に関して、政府による緊急事態宣言に伴う国民への外出自粛要請や各地方自治体からの営業休止及び営業時間短縮要請による4月・5月の売上高の急減などが影響し、62,324百万円となりました。
② 営業利益
売上高の減少等に加えて、コロナ禍での営業休止や営業時間短縮中の給与や家賃など各種固定費の負担の影響も大きく、3,785百万円の損失となりました。
③ 経常利益
営業利益の減少等により、2,479百万円の損失となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
店舗閉鎖損失引当金繰入や固定資産の減損損失などによる特別損失が発生したこと、繰延税金資産を取り崩したこと等により、9,323百万円の損失となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
(4) 経営戦略の現状と見通し
これまでの「地域に必要とされる店舗作り」と「磐石な収益構造と財務基盤の構築」を引き続き重要な経営課題とします。既存のイートイン事業はもちろんのこと、テイクアウト販売を強化するなど、子会社を含めたグループ全体のパフォーマンス向上に取り組んでまいります。
(5) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の総資産は34,495百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,023百万円の減少となりました。これは主に、有形固定資産の減少1,927百万円によるものであります。
② 負債の部
当連結会計年度末の負債合計は34,073百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,656百万円の増加となりました。これは主に、短期借入金の増加5,500百万円、店舗閉鎖損失引当金の増加2,674百万円によるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産は421百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,679百万円の減少となりました。これは主に、利益剰余金の減少9,470百万円によるものであります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金調達の方針
当社グループは、原則として販売商品に係る原材料費、店舗運営に係る人件費、地代家賃等の運転資金及び新規出店に伴う設備投資資金は営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で賄う方針でありますが、経営の状況に応じて銀行又は資本市場からの資金調達も検討してまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、4,844百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に係る当事業年度の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表[注記事項](追加情報)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産は、来期予算等に基づいて課税所得の発生時期及び金額を見積り、回収可能性が高いと判断した金額を計上しております。今後、経営環境の変化に伴い将来発生する課税所得の見通しが変化する場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、損益へ影響を与える可能性があります。
(8) 今後の方針について
当社は、「私達は、チェーンレストラン事業を通じ、顧客・株主・従業員・取引先・社会の、精神的・物質的幸福を調和させ、その安定的増進を実現します」との経営理念を掲げ、品質の良い、美味しいお食事をお値打ち価格で提供することによって、お客様に満足していただくことを創業以来の会社の使命としてまいりました。
一方、当社を取り巻く経営環境は、コロナ禍におけるライフスタイルの変化への対応、中長期的な国内人口の減少から来る国内市場の飽和を背景に、今後も一層厳しさを増すものと思われます。しかし、刻々と変化する経営環境にあっても、当社が果たすべき役割は変わりません。創業以来の会社の使命を忠実に果たしていくことを第一とし、「安さ」はもちろんのこと「お値打ち」で「楽しさ」があるお食事と空間を提供していくことに挑戦し続けます。
そして、地域社会になくてはならない存在となることで、当社のステークホルダーである、顧客、取引先、株主・投資家の皆様の期待に応えられる会社づくりを目指してまいります。