有価証券報告書-第31期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

【提出】
2021/05/20 11:41
【資料】
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【項目】
114項目
(1)経営成績等の状況の概要
当会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績等の状況
当事業年度(2020年3月1日~2021年2月28日)における我が国の経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が悪化し、先行き不透明な状況となりました。
当社が属するカジュアルウェア業界におきましても、商業施設の臨時休業や営業時間短縮、外出自粛による個人消費の落ち込み等、経営環境は厳しい状況となりました。
かかる状況におきまして、当社は、緊急事態宣言が解除される5月下旬まで一部店舗で臨時休業、営業時間短縮を実施しました。緊急事態宣言解除後は、営業時間短縮を継続しつつ全店舗で営業を再開し、お客様と従業員の安全を最優先に考え、感染症拡大防止に努めながら「多くのお客様に信頼され、魅力あるお店」づくりをスローガンとして営業に励んでまいりました。6月は個人消費に回復の兆しが見えたものの、その後の第2波、第3波による感染再拡大に伴う生活様式の変化、旅行・帰省などの外出需要の減少により、客数が大幅に減少しました。EC事業におきましては、売上が伸長しており、更なる強化を図るため11月にZOZOTOWNに出店をしました。販促施策としましては、紙媒体のチラシ投函を削減し、インストアプロモーション及びモバイル会員様向けのプロモーション、SNSによるプロモーションに注力しました。商品動向としましては、天候要因により季節商品の販売が想定を下回る一方で、女性向け商品の新ブランド「Howdy Marie(ハウディーマリー)」などがヒットしました。また、ウィズコロナのアイテムとして、ホームウェアやツーマイルウェア、マスクの販売が堅調に推移しました。
これらにより、既存店売上高は、前年同期比18.6%減、既存店客数は25.9%減、既存店客単価は9.8%増となりました。
また、当事業年度末の店舗数につきましては、10店舗の出店、45店舗の閉鎖により、336店舗(前年同期比35店舗減)となりました。
利益面につきましては、売上高が低水準となったことにより、売上総利益も大幅な減少となりましたが、売上総利益率は商品供給リードタイム短縮による仕入コントロール、売価変更の抑制により、前年同期比1.7ポイント増となりました。また、仕入コントロール、持越し在庫を積極的に売り減らしたことにより、商品在庫は前年同期比881百万円減となりました。1店舗当たりの商品在庫点数も減少し、お客様がお買い物をしやすい売場の実現、店舗オペレーションの効率化に繋がりました。
経費面におきましては、店舗数の減少に加え、広告宣伝費の大幅削減、雇用を維持しながらの営業時間短縮に伴う勤務シフト調整による人件費の削減、家主交渉による店舗賃料の減免等、徹底した経費コントロールを図り、販売費及び一般管理費は前年同期比19.9%減となりました。
これらの結果、当事業年度における売上高は19,717百万円(前年同期比23.0%減)となりました。また、営業損失は1,127百万円(前年同期は営業損失1,357百万円)、経常損失は1,100百万円(前年同期は経常損失1,338百万円)、収益性が悪化していると認識した店舗及び共用資産に関して減損損失として335百万円を計上し、当期純損失は、1,756百万円(前年同期は当期純損失2,129百万円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ2,033百万円減少し、9,629百万円となりました。これは主に現金及び預金が1,121百万円、商品が881百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べ611百万円減少し、3,854百万円となりました。これは主に敷金及び保証金が362百万円、建物附属設備(純額)が213百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前事業年度末に比べ612百万円減少し、4,583百万円となりました。これは主に買掛金が1,436百万円、未払費用が51百万円それぞれ減少した一方で、電子記録債務が1,025百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、前事業年度末に比べ120百万円減少し、2,672百万円となりました。これは主に資産除去債務が73百万円、リース債務が62百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度における純資産合計は、前事業年度末に比べ1,910百万円減少し、純資産は6,228百万円となりました。これは主に当期純損失1,756百万円を計上したこと、剰余金の配当支払154百万円等によるものであります。また、総資産に占める自己資本比率は46.0%となり前事業年度末に比べ4.3ポイント減となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,121百万円減少し、5,039百万円となりました。
また、当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、703百万円(前年同期比1,077百万円の支出増加)となりました。
これは主に、税引前当期純損失を1,621百万円計上した一方で、たな卸資産の減少による収入881百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、191百万円(前年同期比4百万円の支出増加)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出236百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、226百万円(前年同期比1百万円の支出減少)となりました。
これは主に、配当金の支払額154百万円等によるものであります。
④ 販売及び仕入の状況
(a) 商品部門別売上高
当事業年度の商品部門別売上高を商品部門別に示すと、次のとおりであります。
商品部門第31期(自 2020年3月1日 至 2021年2月28日)
売上高(百万円)前年同期比(%)
メンズトップス5,92681.4
メンズボトムス3,52672.3
レディーストップス3,02392.5
レディースボトムス2,03271.9
キッズ2,39781.5
その他2,80963.6
合計19,71777.0

(注) 「その他」はインナー・レッグ、雑貨等であります。
(b) 地区別売上実績
当事業年度の地区別売上実績を地区別に示すと、次のとおりであります。
地区別第31期(自 2020年3月1日 至 2021年2月28日)
売上高(百万円)構成比(%)期末店舗数(店)前年同期比(%)店舗増減数(店)
北海道1,0955.61974.8△3
東北2,14710.94180.8△1
関東4,35522.17473.7△5
中部3,37917.15378.9△8
近畿3,22216.35774.4△5
中国1,3676.92374.6△4
四国6473.31281.61
九州3,50117.85780.7△10
合計19,717100.033677.0△35


(c) 単位当たりの売上高
項目第31期(自 2020年3月1日 至 2021年2月28日)前年同期比(%)
売上高19,717百万円77.0
売り場面積(期中平均)188,867.0㎡96.8
1㎡当たり売上高104千円79.5
従業員数(期中平均)1,225人86.5
1人当たり売上高16,095千円89.0

(注) 1 売り場面積は、倉庫及び事務所を除いた面積であります。
2 従業員数は、社員、地域限定社員、パートタイマー及びアルバイトが含まれております。
なお、地域限定社員、パートタイマー及びアルバイト(1人1日8時間換算)は、期中平均在籍人員を加算しております。
(d) 主要顧客別売上状況
主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。
(e) 仕入実績
当事業年度の仕入実績を商品部門別に示すと、次のとおりであります。
商品部門第31期(自 2020年3月1日 至 2021年2月28日)
仕入高(百万円)前年同期比(%)
メンズトップス3,03990.8
メンズボトムス1,71569.0
レディーストップス1,38294.6
レディースボトムス94375.6
キッズ1,03872.5
その他1,12868.9
合計9,24679.6

(注) 「その他」はインナー・レッグ、雑貨等であります。


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2021年2月28日)現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)売上高
通期既存店売上前年比が81.4%となり、前年実績を下回りました。新型コロナウイルス感染症の影響により、旅行や帰省などの外出需要の低下、外出自粛による客数の減少から、売上高は前期に比べ5,893百万円減少し19,717百万円となりました。当社では、ウィズコロナを前提に、コロナ禍の生活様式に対応した商品の拡大を図っているところであります。また、数年続けた低単価品大量販売路線からの修正を同時に進めているところであります。
(b)売上総利益
売上総利益は、前期に比べ2,434百万円減少し、9,624百万円となりました。また売上総利益率は1.7ポイント上昇し48.8%となりました。主に、滞留在庫の処分が進んだことに加え、販促方法の見直しによる売価変更の抑制、売上に応じた仕入コントロールなどによります。
(c)販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、店舗数の減少に加えて、販売費を中心にその圧縮に努めた結果、前期に比べ2,665百万円減少し、10,752百万円となりました。
(d)営業損益
営業損失は、販売費及び一般管理費の減少により、1,127百万円となり前期比230百万円損失が縮小しました。
(e)営業外損益
営業外損失は、前期比8百万円増加の385百万円、営業外費用は前期比1百万円増加の359百万円となりました。
(f)経常損益
経常損失は、営業損失の減少により、1,100百万円となり前期比237百万円損失が縮小しました。
(g)特別損益
特別利益は、当事業年度では発生しませんでした。特別損失は、収益性が悪化していると認識した店舗について301百万円、共有資産について33百万円の減損損失を計上し、閉店に伴うリース解約金87百万円のリース解約損を計上したことから、520百万円となりました。
(h)当期純損失
税引前当期純損失1,621百万円、法人税、住民税及び事業税158百万円、法人税等調整額△24百万円により、当期純損失は1,756百万円となり前期比373百万円損失が縮小しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。
運転資金及び投資資金については、自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)によって賄う予定であります。資金の流動性については、事業活動を行う上での資金需要に対して十分に確保しておりますが、今後、新型コロナウイルス感染症が当社資金に与える影響によっては、何らかの資金調達も検討します。なお、当事業年度末における有利子負債は無く、現金及び現金同等物残高は前年同期比1,121百万円減少し5,039百万円となっております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。