有価証券報告書-第35期(2024/03/01-2025/02/28)

【提出】
2025/05/22 16:40
【資料】
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【項目】
114項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績等の状況
当事業年度(2024年3月1日~2025年2月28日)における我が国の経済は、企業業績の堅調さや賃金上昇による雇用環境や所得環境の改善がみられた一方で、円安の影響や原材料・エネルギー価格の上昇による物価高騰が続き、個人消費の冷え込みが懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした外部環境のなか、当社が属するカジュアルウェア業界でも節約志向の高まりや気候変動など、生活環境の変化に対応していくことが引き続き求められました。
このような状況において、当社は「暮らしに役立つ商品と企業活動を通じて地域社会に貢献します。」という企業理念のもと、多様化する消費者ニーズに対応するため商品提案の強化に取り組みました。具体的には、春夏シーズンにおいて冷感素材を使用した「SA・RA・RI」シリーズのアイテム拡充や猛暑対策として夏物売れ筋の追加生産、残暑対策として初秋商品の投入により、気温や気候の変動に対応した品揃えの見直しを行いました。秋冬シーズンにおいては、売上の柱となるコアアイテムの開発を推し進め、アウターの主力商品として機能性を訴求した「シャットアウター」や累計127万本販売しているキッズストレッチパンツシリーズ「のびるモン」などを展開いたしました。さらにプロモーションと店頭提案の連動強化を図ることで、コアアイテムの育成と拡販に努めてまいりました。
一方、営業利益の確保が最優先される現況におきましては、収益体質の改善を図るために、不採算店舗の閉鎖や持ち越し在庫の削減、仕入コントロールの徹底、過剰な割引施策の見直しに取り組み、キャッシュアウトの抑制と経費削減に努めました。
これらの結果、既存店売上高は、前年同期比4.9%減、既存店客数は4.5%減、既存店客単価は0.4%減となりました。
また、当事業年度末の店舗数は3店舗の出店、31店舗の閉鎖により、250店舗(前年同期比28店舗減)となりました。
利益面におきましては、売上総利益は前年同期比83.5%となりました。経費面におきましては、一般管理費の抑制により、販売費及び一般管理費は前年同期比89.0%となりました。
これらの結果、当事業年度における売上高は13,119百万円(前年同期比14.9%減)となりました。また、営業損失は1,213百万円(前年同期は営業損失910百万円)、経常損失は1,161百万円(前年同期は経常損失854百万円)、当期純損失は1,472百万円(前年同期は当期純損失1,151百万円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ625百万円減少し、5,111百万円となりました。これは主に現金及び預金が420百万円増加、商品が1,010百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べ445百万円減少し、2,192百万円となりました。これは主に敷金及び保証金が192百万円、土地106百万円、建物附属設備(純額)が77百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前事業年度末に比べ298百万円減少し、3,071百万円となりました。これは主に、電子記録債務が426百万円増加、買掛金が583百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前事業年度末に比べ699百万円増加し、2,997百万円となりました。これは主に長期借入金900百万円増加、退職給付引当金86百万円、資産除去債務80百万円が減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度における純資産合計は、前事業年度末に比べ1,472百万円減少し、1,234百万円となりました。これは主に当期純損失1,472百万円を計上したこと等によるものであります。また、総資産に占める自己資本比率は16.9%となり前事業年度末に比べ15.4ポイント減となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ420百万円増加し、1,961百万円となりました。
また、当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、548百万円(前年同期比663百万円支出減少)となりました。
これは主に、税引前当期純損失を1,367百万円計上するとともに、棚卸資産の減少による収入1,010百万円、仕入債務の減少による支出137百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、80百万円(前年同期比26百万円増加)となりました。
これは主に、敷金及び保証金の回収による収入177百万円、有形固定資産の売却による収入110百万円計上した一方で、その他(有形固定資産の除去による支出)支出120百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、888百万円(前年同期は11百万円支出)となりました。
これは主に長期借入金による収入等によるものであります。


④ 販売及び仕入の状況
(a) 商品部門別売上高
当事業年度の商品部門別売上高を商品部門別に示すと、次のとおりであります。
商品部門第35期(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
売上高(百万円)前年同期比(%)
メンズトップス4,37286.5
メンズボトムス2,67288.2
レディーストップス2,25084.1
レディースボトムス1,38192.6
キッズ1,20279.3
その他1,23975.6
合計13,11985.1

(注) 「その他」はインナー・レッグ、雑貨等であります。
(b) 地区別売上実績
当事業年度の地区別売上実績を地区別に示すと、次のとおりであります。
地区別第35期(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
売上高(百万円)構成比(%)期末店舗数(店)前年同期比(%)店舗増減数(店)
北海道6354.81181.9△1
東北1,45011.13280.0-
関東3,35925.647100.8△9
中部2,24917.14871.9△4
近畿1,86714.23879.9△9
中国7625.81787.7-
四国5284.01189.0△2
九州2,26517.34688.5△3
合計13,119100.025085.1△28


(c) 単位当たりの売上高
項目第35期(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)前年同期比(%)
売上高13,119百万円85.1
売り場面積(期中平均)127,498.2㎡82.0
1㎡当たり売上高102千円103.8
従業員数(期中平均)802人86.2
1人当たり売上高16,358千円98.7

(注) 1 売り場面積は、倉庫及び事務所を除いた面積であります。
2 従業員数は、社員、地域限定社員、パートタイマー及びアルバイトが含まれております。
なお、パートタイマー及びアルバイト(1人1日8時間換算)は、期中平均在籍人員を加算しております。
(d) 主要顧客別売上状況
主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。
(e) 仕入実績
当事業年度の仕入実績を商品部門別に示すと、次のとおりであります。
商品部門第35期(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
仕入高(百万円)前年同期比(%)
メンズトップス1,95585.2
メンズボトムス1,14978.0
レディーストップス1,06678.7
レディースボトムス70693.4
キッズ54170.7
その他46372.2
合計5,88380.7

(注) 「その他」はインナー・レッグ、雑貨等であります。


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2025年2月28日)現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)売上高
通期における売上高は、前期に比べ2,290百万円減少し、13,119百万円となりました。
客数は既存店前年比95.5%となりました。客単価は、既存店前年比0.4%減となり通期既存店前年比は95.1%となりました。
当社では、多様化するお客様ニーズに対応すべく、重点販売商品であるコアアイテムの開発と育成を推進するとともに、常に快適な環境でお買い物をしていただける環境作りをおこない、顧客満足度を高める取り組みを進めております。
(b)売上総利益
売上総利益は、前期に比べ1,226百万円減少し、6,225百万円となりました。閉店セールによる在庫処分及びキャリー品の消化促進のための値下げ販売の影響により、売上総利益率は0.9ポイント減少し、47.5%となりました。
(c)販売費及び一般管理費
不採算店舗の閉鎖に加え、システム関連費の圧縮等により、前期に比べ923百万円減少し、7,439百万円となりました。
(d)営業損益
営業損失は、売上及び売上総利益の減少により、1,213百万円となり前期比303百万円損失が増加しました。
(e)営業外損益
営業外収益は、前期比64百万円減少の220百万円、営業外費用は前期比60百万円減少の168百万円となりました。
(f)経常損益
経常損失は、営業損失の増加により、1,161百万円となり前期比307百万円損失が拡大しました。
(g)特別損益
特別利益は、当事業年度で4百万円発生。特別損失は、収益性が悪化していると認識した店舗について119百万円、共用資産について46百万円の減損損失を計上し、閉店に伴うリース解約金11百万円のリース解約損等を計上したことから、210百万円となりました。
(h)当期純損失
税引前当期純損失1,367百万円、法人税、住民税及び事業税117百万円、法人税等調整額△12百万円により、当期純損失は1,472百万円となり前期比321百万円損失が増加しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。
運転資金及び投資資金については、自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)及び借入金(借入先である株式会社チヨダとの間で借入金の返済期限を2027年8月まで延長することについて合意)によって賄う予定であります。資金の流動性については、事業活動を行う上での資金需要に対して十分に確保しておりますが、今後資金繰りに懸念が生じる場合は、Gファンドからの支援だけでなく、多様な手法による資金調達も検討することとし、財務状況の安定化を図ってまいります。
なお、当事業年度末における有利子負債は900百万円、現金及び現金同等物残高は前年同期比420百万円増加し1,961百万円となっております。
※Gファンド=G Future Fund1号投資事業有限責任組合
④ 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。