有価証券報告書-第27期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、好調な企業収益を背景に、雇用情勢の改善や個人所得の順調な拡大が続き、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米中の貿易摩擦による中国経済の減速等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの属する医療業界におきましては、少子高齢化に伴い増加し続ける医療費を背景に、医療制度の改革が進められており、昨年4月に実施された診療報酬改定は全体としてマイナス改定となりましたが、特に薬価及び償還価格のマイナス改定は対象となる業界全体に厳しい影響を与えました。
このような経済状況の下、当社グループにおきましては、トータルパックプロデュース事業におけるプロジェクト案件が当初計画通り推移するとともに、ライフケア事業におきましても入居率が98%以上となる等、順調に推移いたしました。一方、メーカー系事業につきましては、既存更新案件獲得に努めましたが計画を下回る結果となりました。メディカルサプライ事業・調剤薬局事業については、薬価改定・償還価格の改定の影響を受けましたが、経営効率化や新規案件獲得に努めた結果、業績は堅調に推移いたしました。また、昨年3月に開院し10月より治療を開始した大阪重粒子線センターは、開設初期費用を計上いたしましたが、前立腺がん等の一部がん治療領域が医療保険収載となったこと等により、当初想定を上回る患者予約数で推移しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は444,048百万円(前連結会計年度比4.3%増)、営業利益は17,952百万円(前連結会計年度比1.7%減)、経常利益は18,532百万円(前連結会計年度比2.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,236百万円(前連結会計年度比8.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a トータルパックプロデュース事業
トータルパックプロデュース事業におきましては、プロジェクト案件が当初計画通り推移いたしました。一方で、メーカー系は厳しい状況で推移し、大阪重粒子線センターの治療開始に伴う開設初期費用を計上いたしました。
以上の結果、売上高は99,441百万円(前連結会計年度比1.4%増)、セグメント利益(営業利益)は9,794百万円(前連結会計年度比3.5%減)となりました。
b メディカルサプライ事業
メディカルサプライ事業におきましては、償還価格改定の影響により、特定保険医療材料の販売における利益確保は厳しい状況で推移いたしましたが、SPD施設運営の効率化等により堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は290,363百万円(前連結会計年度比5.9%増)、セグメント利益(営業利益)は4,191百万円(前連結会計年度比0.7%増)となりました。
c ライフケア事業
ライフケア事業におきましては、介護報酬改定があったものの、人材教育の徹底や㈱サンリオ社と連携したキャラクターを利用した入居促進策等により入居者の積み上げが進み、堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は23,500百万円(前連結会計年度比3.4%増)、セグメント利益(営業利益)は1,625百万円(前連結会計年度比70.2%増)となりました。
d 調剤薬局事業
調剤薬局事業におきましては、小規模のM&Aやグループ内の再編等により、継続的な経営改善を実施いたしましたが、調剤報酬改定の影響を受け、厳しい状況で推移いたしました。
以上の結果、売上高は25,585百万円(前連結会計年度比0.8%減)、セグメント利益(営業利益)は2,193百万円(前連結会計年度比22.4%減)となりました。
e その他
その他におきましては動物病院の運営及びセキュリティーサポート会社の業績が堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は5,157百万円(前連結会計年度比4.6%増)、セグメント利益(営業利益)は421百万円(前連結会計年度比38.9%増)となりました。
当社グループのにおける財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ14,030百万円増加し、299,212百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ18,651百万円増加し、201,477百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,620百万円減少し、97,734百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末残高の58,787百万円から12,706百万円増加し、71,494百万円となっております。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは 10,534百万円の収入(前連結会計年度比9,670百万円収入減)となりました。これは主に、法人税等を7,745百万円支払い、仕入債務が4,367百万円減少した一方、税金等調整前当期純利益を18,490百万円、減価償却費を2,842百万円、のれん償却額を1,661百万円計上したこと等によるものであります。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは 7,678百万円の支出(前連結会計年度比1,037百万円支出増)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が1,618百万円あった一方、投資有価証券の取得による支出が6,097百万円、有形固定資産の取得による支出が2,767百万円あったこと等によるものであります。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは 9,828百万円の収入(前連結会計年度比13,176百万円収入増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が12,999百万円、長期借入金の返済による支出が4,771百万円、配当金の支払額が3,238百万円あった一方、新株予約権付社債の発行による収入が25,087百万円、長期借入による収入が8,000百万円あったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 16,151 | △12.1 |
| メディカルサプライ事業 | - | - |
| ライフケア事業 | - | - |
| 調剤薬局事業 | - | - |
| その他 | - | - |
| 合計 | 16,151 | △12.1 |
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 97,822 | +1.1 | 8,718 | △15.7 |
| メディカルサプライ事業 | 290,363 | +5.9 | - | - |
| ライフケア事業 | 23,500 | +3.4 | - | - |
| 調剤薬局事業 | 25,585 | △0.8 | - | - |
| その他 | 5,157 | +4.6 | - | - |
| 合計 | 442,428 | +4.3 | 8,718 | △15.7 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 80,077 | +3.5 |
| メディカルサプライ事業 | 271,692 | +6.3 |
| ライフケア事業 | 2,586 | △9.8 |
| 調剤薬局事業 | 19,082 | △0.5 |
| その他 | 1,674 | +19.4 |
| 合計 | 375,113 | +5.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 99,441 | +1.4 |
| メディカルサプライ事業 | 290,363 | +5.9 |
| ライフケア事業 | 23,500 | +3.4 |
| 調剤薬局事業 | 25,585 | △0.8 |
| その他 | 5,157 | +4.6 |
| 合計 | 444,048 | +4.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は444,048百万円、売上総利益は46,652百万円、営業利益は17,952百万円、経常利益は18,532百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は11,236百万円となりました。
売上高の構成は、トータルパックプロデュース事業が99,441百万円で全体の22.4%、メディカルサプライ事業が290,363百万円で全体の65.4%、ライフケア事業が23,500百万円で全体の5.3%、調剤薬局事業が25,585百万円で全体の5.8%、その他が5,157百万円で全体の1.2%となりました。また、営業利益につきましては、消去または全社費用控除前でトータルパックプロデュース事業が9,794百万円、メディカルサプライ事業が4,191百万円、ライフケア事業が1,625百万円、調剤薬局事業が2,193百万円、その他が421百万円となりました。(セグメント別の内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」の項目をご参照下さい。)
営業外損益につきましては、金融収支(受取利息配当金と支払利息の純額)が254百万円の収入となっております。また、負ののれん償却額を232百万円計上しております。
特別損失につきましては、減損損失を44百万円計上しておりますが、これは連結子会社であるグリーンホスピタルサプライ株式会社所有の事業資産等について減損損失を認識したことによるものであります。
b 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、201,571百万円(前連結会計年度末残高は191,448百万円)となり、前連結会計年度末に比べ10,123百万円増加いたしました。
その主な要因は、受取手形及び売掛金が1,115百万円減少した一方、現金及び預金が12,749百万円、商品及び製品が958百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、97,640百万円(前連結会計年度末残高は93,732百万円)となり、前連結会計年度末に比べ3,907百万円増加いたしました。
その主な要因は、建設仮勘定が3,192百万円、のれんが1,346百万円、土地が1,105百万円減少した一方、投資有価証券が6,821百万円、機械装置及び運搬具が4,170百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、128,176百万円(前連結会計年度末残高は137,925百万円)となり、前連結会計年度末に比べ9,748百万円減少いたしました。
その主な要因は、支払手形及び買掛金が3,345百万円、短期借入金が1,940百万円、電子記録債務が1,013百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、73,300百万円(前連結会計年度末残高は44,900百万円)となり、前連結会計年度末に比べ28,399百万円増加いたしました。
その主な要因は、新株予約権付社債が25,116百万円、長期借入金が2,935百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、97,734百万円(前連結会計年度末残高は102,354百万円)となり、前連結会計年度末に比べ4,620百万円減少いたしました。
その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が11,236百万円、その他有価証券評価差額金が482百万円増加した一方、自己株式を12,999百万円取得し、配当金の支払により利益剰余金が3,238百万円減少したこと等によるものであります。
c キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照下さい。
d 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、銀行借入の他、連結会社間での資金融通を行う事で資金効率を高め、流動性を保持しております。
一方、設備資金、投資資金等の長期的な資金については、国内外で資金調達について、市場金利動向や為替動向、既存借入金の償還時期、あるいは株式市場動向、機関投資家動向、株主還元等を総合的に勘案し、長期借入金による安定的な資金確保を主としつつ、社債の発行、株式市場からの調達も含め、低コストで調達しつつ安定的な財務基盤を維持できる方法を柔軟に検討・選択してまいります。
e 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、売上高及び営業利益を重要な経営指標として位置付けており、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画「SHIP VISION 2020」における経営目標として、2021年3月期において、売上高500,000百万円、営業利益21,000百万円の達成を計画しております。
| 2019年3月期(当連結会計年度) | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |||
| (予想) | (実績) | (予想比)(%) | (予想) | (予想) | |
| 売上高(百万円) | 440,000 | 444,048 | 100.9 | 466,000 | 500,000 |
| 営業利益(百万円) | 17,500 | 17,952 | 102.6 | 18,500 | 21,000 |
f 今後の事業戦略と財政状態及び経営成績への影響について
トータルパックプロデュース事業につきましては、大学病院を始めとした地域中核病院における新築移転・増改築の中長期的なニーズに的確に対応していくともに、海外、特に新興国において高度化する医療ニーズに応えるためのノウハウを蓄積してまいります。また、メーカー系子会社による新製品開発や新システムの構築を進めて、さらなる経営資源の有効活用を進めてまいります。
メディカルサプライ事業につきましては、SPDシステムや専門領域の特定診療材料の取り扱い拡大による棚卸資産の増加、適正な在庫管理を行うとともに、償還価格改定に備えた販売価格と仕入価格交渉を継続して、安定した収益の確保を進めてまいります。
ライフケア事業につきましては、社員教育を徹底し入居率・利用率向上に注力するとともに、施設の効果的な新規開設を実践してまいります。
調剤薬局事業につきましては、訪問調剤などによる既存店舗の運営効率化を図るとともに、新店舗開発による取り扱い数量を確保し、仕入効率化を図ってまいります。