有価証券報告書-第32期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進む一方で、ウクライナや中東をはじめとした不安定な海外情勢や円安に伴うエネルギー価格や原材料価格を含む物価の高騰、世界的な金融引締めや中国経済の先行き懸念等、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループの属する医療業界では、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが変更されたことに伴い、医療機関への病床確保料の見直しや診療報酬上の特例の見直し等が実施されました。また、各都道府県では、第8次医療計画に向けた指針として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により浮き彫りとなった地域医療の様々な課題への対応や人口構造の変化への対応が求められております。
このような状況の下、当社グループにおきましては、トータルパックプロデュース事業においてミャンマーの政情不安等の影響を受けましたが、結果として各セグメントの業績は堅調に推移いたしました。また、当期は中期経営計画「SHIP VISION 2024」の2期目にあたり、当初掲げた4つの重点施策「コア事業の更なる高成長」「積極的なバリューの拡大」「機能強化戦略」「サステナビリティに対する取組み」について、引き続き推進してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は630,988百万円(前連結会計年度比10.3%増)、営業利益は24,535百万円(前連結会計年度比16.0%増)、経常利益は25,215百万円(前連結会計年度比22.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,789百万円(前連結会計年度比14.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a トータルパックプロデュース事業
トータルパックプロデュース事業におきましては、プロジェクト案件が当期は第4四半期に偏重傾向でしたが、概ね計画通り堅調に推移いたしました。メーカー系における電装部品の長納期化の影響は、引き続き継続しているものの、正常化に向けて改善しております。また、重粒子線がん治療施設においては、2022年4月から保険適用対象部位が拡大したことにより新規外来受診者数及び治療件数が増加いたしました。さらに、2022年7月にグループ入りしたキングラングループの業績が、当期は期初より寄与いたしました。
一方で、軍事クーデターに端を発する欧米の金融制裁や外貨の強制兌換等の影響を強く受けていたミャンマー事業においては、のれんの全額相当である2,635百万円を特別損失として第2四半期連結累計期間に減損処理し、さらに第4四半期連結累計期間には当該子会社の全株式を売却いたしました。
以上の結果、売上高は133,717百万円(前連結会計年度比9.7%増)、セグメント利益(営業利益)は11,805百万円(前連結会計年度比30.8%増)となりました。
b メディカルサプライ事業
メディカルサプライ事業におきましては、前年下期に受託した新規SPD受託施設の稼働が堅調に推移したことに加え、既存SPD受託施設においても受託業務の領域が拡大しました。一方で、原材料価格や人件費高騰の影響を受けました。また、新規M&Aに係る株式取得費用や感染症対策商品の在庫評価損等の一時的な費用を計上しました。
以上の結果、売上高は428,451百万円(前連結会計年度比10.9%増)、セグメント利益(営業利益)は6,513百万円(前連結会計年度比2.3%減)となりました。
c ライフケア事業
ライフケア事業におきましては、介護サービスでは光熱費高騰の影響を軽減すべく光熱費の管理徹底に努めました。また、当期初来実施いたしました管理費の見直し後も引き続き高い入居率を維持いたしました。さらに、食事提供サービスでは前期にグループ入りした企業の業績が寄与したこと等により食品価格の高騰を乗り越えて増収増益となりました。
以上の結果、売上高は36,099百万円(前連結会計年度比7.5%増)、セグメント利益(営業利益)は2,606百万円(前連結会計年度比26.8%増)となりました。
d 調剤薬局事業
調剤薬局事業におきましては、新規出店及び小規模なM&A等により、業績は堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は32,719百万円(前連結会計年度比7.3%増)、セグメント利益(営業利益)は3,530百万円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。
当社グループにおける財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,842百万円増加し、386,819百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,258百万円減少し、244,603百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11,100百万円増加し、142,216百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末残高の79,020百万円から4,107百万円増加し、83,128百万円となっております。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは 31,609百万円の収入(前連結会計年度比17,503百万円収入増)となりました。これは主に、「法人税等の支払額」を8,953百万円計上、「棚卸資産」が1,801百万円増加した一方、「税金等調整前当期純利益」を21,860百万円計上、「仕入債務」が7,958百万円増加し、「減価償却費」を5,466百万円計上したこと等によるものであります。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは 7,202百万円の支出(前連結会計年度比428百万円支出増)となりました。これは主に、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」が3,628百万円、「有形固定資産の取得による支出」が3,193百万円、「連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出」が1,911百万円あったこと等によるものであります。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは 20,482百万円の支出(前連結会計年度比19,459百万円支出増)となりました。これは主に、「長期借入れによる収入」が15,510百万円あった一方、「新株予約権付社債の償還による支出」が25,000百万円、「長期借入金の返済による支出」が5,662百万円、「配当金の支払額」が3,962百万円あったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 16,834 | △0.7 |
| メディカルサプライ事業 | - | - |
| ライフケア事業 | - | - |
| 調剤薬局事業 | - | - |
| 合計 | 16,834 | △0.7 |
(注) 金額は製造原価によっております。
b 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 132,702 | +6.2 | 21,288 | △4.6 |
| メディカルサプライ事業 | 428,451 | +10.9 | - | - |
| ライフケア事業 | 36,099 | +7.5 | - | - |
| 調剤薬局事業 | 32,719 | +7.3 | - | - |
| 合計 | 629,972 | +9.5 | 21,288 | △4.6 |
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
c 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 97,395 | +5.8 |
| メディカルサプライ事業 | 405,402 | +11.1 |
| ライフケア事業 | 6,644 | +18.8 |
| 調剤薬局事業 | 20,895 | +11.5 |
| 合計 | 530,338 | +10.2 |
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 133,717 | +9.7 |
| メディカルサプライ事業 | 428,451 | +10.9 |
| ライフケア事業 | 36,099 | +7.5 |
| 調剤薬局事業 | 32,719 | +7.3 |
| 合計 | 630,988 | +10.3 |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は630,988百万円、売上総利益は65,607百万円、営業利益は24,535百万円、経常利益は25,215百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は13,789百万円となりました。
売上高の構成は、トータルパックプロデュース事業が133,717百万円で全体の21.2%、メディカルサプライ事業が428,451百万円で全体の67.9%、ライフケア事業が36,099百万円で全体の5.7%、調剤薬局事業が32,719百万円で全体の5.2%となりました。また、営業利益につきましては、消去または全社費用控除前でトータルパックプロデュース事業が11,805百万円、メディカルサプライ事業が6,513百万円、ライフケア事業が2,606百万円、調剤薬局事業が3,530百万円となりました。(セグメント別の内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」の項目をご参照下さい。)
営業外損益につきましては、金融収支(受取利息配当金と支払利息の純額)が155百万円の収入、持分法による投資利益を725百万円計上しております。
特別損失につきましては、減損損失を2,689百万円計上しておりますが、これは連結子会社に係るのれんの未償却残高について減損損失を認識したことによるものであります。
b 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、260,023百万円(前連結会計年度末残高は257,241百万円)となり、前連結会計年度末に比べ2,781百万円増加いたしました。
その主な要因は、「売掛金」が5,394百万円減少した一方、「現金及び預金」が4,232百万円、「短期貸付金」が966百万円、「電子記録債権」が855百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、126,795百万円(前連結会計年度末残高は124,735百万円)となり、前連結会計年度末に比べ2,060百万円増加いたしました。
その主な要因は、「のれん」が1,747百万円、「建設仮勘定」が629百万円減少した一方、「投資有価証券」が3,989百万円、「長期貸付金」が2,657百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、181,165百万円(前連結会計年度末残高は197,020百万円)となり、前連結会計年度末に比べ15,855百万円減少いたしました。
その主な要因は、「電子記録債務」が9,337百万円増加した一方、「1年内償還予定の新株予約権付社債」が25,016百万円、「短期借入金」が1,106百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、63,438百万円(前連結会計年度末残高は53,842百万円)となり、前連結会計年度末に比べ9,596百万円増加いたしました。
その主な要因は、「長期借入金」が8,887百万円、「繰延税金負債」が873百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、142,216百万円(前連結会計年度末残高は131,115百万円)となり、前連結会計年度末に比べ11,100百万円増加いたしました。
その主な要因は、配当金の支払により「利益剰余金」が3,962百万円減少した一方、「親会社株主に帰属する当期純利益」により「利益剰余金」が13,789百万円、「その他有価証券評価差額金」が2,885百万円増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照下さい。
b 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、銀行借入の他、連結会社間での資金融通を行う事で資金効率を高め、流動性を保持しております。
一方、設備資金、投資資金等の長期的な資金については、国内外で資金調達について、市場金利動向や為替動向、既存借入金の償還時期、あるいは株式市場動向、機関投資家動向、株主還元等を総合的に勘案し、長期借入金による安定的な資金確保を主としつつ、社債の発行、株式市場からの調達も含め、低コストで調達しつつ安定的な財務基盤を維持できる方法を柔軟に検討・選択してまいります。
なお、当社の持続的成長に向けた資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するとともに、財務基盤の一層の安定を図ることを目的として、2020年4月30日にコミットメントライン契約を締結しております。
c 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、売上高及び営業利益を重要な経営指標として位置付けており、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画における経営目標として、2025年3月期において、中期経営計画で策定した計画を上回る、売上高640,000百万円、営業利益26,000百万円を見込んでおります。
| 2024年3月期(当連結会計年度) | 2025年3月期 | 2025年3月期 | |||
| (計画) | (実績) | (計画比)(%) | (計画) | (予想) | |
| 売上高(百万円) | 600,000 | 630,988 | 105.2 | 630,000 | 640,000 |
| 営業利益(百万円) | 24,000 | 24,535 | 102.2 | 26,000 | 26,000 |
d 今後の事業戦略と財政状態及び経営成績への影響について
トータルパックプロデュース事業につきましては、大学病院を始めとした地域中核病院における新築移転・増改築の中長期的なニーズに的確に対応していくとともに、海外、特に新興国において高度化する医療ニーズに応えるためのノウハウを蓄積してまいります。また、メーカー系子会社による新製品開発や新システムの構築を進めて、さらなる経営資源の有効活用を進めてまいります。
メディカルサプライ事業につきましては、SPDシステムや専門領域の特定診療材料の取り扱い拡大による棚卸資産の増加、適正な在庫管理を行うとともに、償還価格改定に備えた販売価格と仕入価格交渉を継続して、安定した収益の確保を進めてまいります。
ライフケア事業につきましては、社員教育を徹底し入居率・利用率向上に注力するとともに、施設の効果的な新規開設を実践してまいります。
調剤薬局事業につきましては、訪問調剤などによる既存店舗の運営効率化を図るとともに、新店舗開発による取り扱い数量を確保し、仕入効率化を図ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。