有価証券報告書-第29期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症及びその変異種の拡大により、感染者数が依然として高止まりしていることに伴い、経済・社会活動が引き続き大幅に制限され、個人消費や企業収益が減少したことで景況感の改善の兆しは未だ不透明な状況が続いております。
当社グループの属する医療業界におきましては、特に期初において同感染症拡大の影響から受診抑制・手術件数減少により減収となる医療機関が増加するとともに、同感染症患者への対策に向けた社会的要請に応えるため、人員の確保及び感染症対策の徹底や新たな設備投資が同時に求められる等、厳しい状況が続いております。
このような経済状況の下、当社グループにおきましては、トータルパックプロデュース事業において感染症対策関連の受注が増加いたしました。また、低濃度オゾン発生装置「エアネス」や、国産にこだわったオリジナルブランドマスク「SHIPマスク」等の感染症対策商品の販売が堅調に推移し、概ね計画通り推移いたしました。有料老人ホーム事業におきましても感染症対策を徹底した結果、高い稼働率を維持することが出来ました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は497,156百万円(前連結会計年度比2.6%増)、営業利益は21,800百万円(前連結会計年度比16.0%増)、経常利益は21,761百万円(前連結会計年度比9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,280百万円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a トータルパックプロデュース事業
トータルパックプロデュース事業におきましては、例年と比べ小型のプロジェクト案件が多く従来型のビジネスは低調に推移いたしましたが、感染症対策商品・仮設の発熱外来ユニットや簡易型陰圧装置の開発・販売等、新たな取り組みが奏功いたしました。また、ミャンマー連邦共和国における治安悪化の影響が広がりつつありましたが、概ね計画通り推移いたしました。
以上の結果、売上高は99,959百万円(前連結会計年度比0.7%減)、セグメント利益(営業利益)は9,634百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。
b メディカルサプライ事業
メディカルサプライ事業におきましては、償還価格の改定及び期初の新型コロナウイルス感染症拡大による医療機関の受診抑制や診療材料需要減少の影響を受けましたが、感染症対策商品の販売強化、グループ内の連携、経営効率化に努めた結果、業績は堅調に推移いたしました。また、業界初となる自動倉庫「大阪ソリューションセンター」が竣工いたしました。
以上の結果、売上高は337,244百万円(前連結会計年度比3.6%増)、セグメント利益(営業利益)は6,715百万円(前連結会計年度比33.4%増)となりました。
c ライフケア事業
ライフケア事業におきましては、全国一体経営による経営効率化が進むとともに、厳重な感染症対策が奏功し、高い入居率を維持することができました。
以上の結果、売上高は24,571百万円(前連結会計年度比2.7%増)、セグメント利益(営業利益)は2,237百万円(前連結会計年度比26.4%増)となりました。
d 調剤薬局事業
調剤薬局事業におきましては、薬価改定の影響がありましたが、経営効率化や小型店舗のM&Aの積み重ね等により、業績は堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は27,070百万円(前連結会計年度比0.1%増)、セグメント利益(営業利益)は2,884百万円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。
e その他
その他におきましては、動物病院の運営、セキュリティサポート会社及び建物総合管理会社の業績は概ね計画通り推移いたしました。
以上の結果、売上高は8,309百万円(前連結会計年度比17.7%増)、セグメント利益(営業利益)は591百万円(前連結会計年度比31.5%増)となりました。
当社グループのにおける財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ25,624百万円増加し、334,498百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15,202百万円増加し、219,394百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10,422百万円増加し、115,103百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末残高の82,810百万円から9,859百万円減少し、72,950百万円となっております。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは 19,772百万円の収入(前連結会計年度比4,238百万円収入減)となりました。これは主に、売上債権が12,344百万円増加し、法人税等を7,304百万円支払った一方、税金等調整前当期純利益を21,235百万円計上し、仕入債務が11,598百万円増加、減価償却費を3,170百万円計上したこと等によるものであります。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは 19,289百万円の支出(前連結会計年度比15,025百万円支出増)となりました。これは主に、関係会社株式の取得による支出が9,797百万円、有形固定資産の取得による支出が4,632百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が4,122百万円あったこと等によるものであります。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは 10,465百万円の支出(前連結会計年度比2,048百万円支出増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が1,586百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が4,555百万円、配当金の支払額が3,556百万円あり、短期借入金が2,542百万円減少したこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 14,603 | +1.4 |
| メディカルサプライ事業 | - | - |
| ライフケア事業 | - | - |
| 調剤薬局事業 | - | - |
| その他 | - | - |
| 合計 | 14,603 | +1.4 |
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 100,328 | △2.1 | 10,890 | +3.5 |
| メディカルサプライ事業 | 337,244 | +3.6 | - | - |
| ライフケア事業 | 24,571 | +2.7 | - | - |
| 調剤薬局事業 | 27,070 | +0.1 | - | - |
| その他 | 8,309 | +17.7 | - | - |
| 合計 | 497,524 | +2.3 | 10,890 | +3.5 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 78,153 | △4.0 |
| メディカルサプライ事業 | 290,745 | △2.3 |
| ライフケア事業 | 2,429 | △1.9 |
| 調剤薬局事業 | 46,790 | +78.0 |
| その他 | 1,933 | +1.1 |
| 合計 | 420,052 | +2.5 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| トータルパックプロデュース事業 | 99,959 | △0.7 |
| メディカルサプライ事業 | 337,244 | +3.6 |
| ライフケア事業 | 24,571 | +2.7 |
| 調剤薬局事業 | 27,070 | +0.1 |
| その他 | 8,309 | +17.7 |
| 合計 | 497,156 | +2.6 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は497,156百万円、売上総利益は54,486百万円、営業利益は21,800百万円、経常利益は21,761百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は12,280百万円となりました。
売上高の構成は、トータルパックプロデュース事業が99,959百万円で全体の20.1%、メディカルサプライ事業が337,244百万円で全体の67.8%、ライフケア事業が24,571百万円で全体の4.9%、調剤薬局事業が27,070百万円で全体の5.4%、その他が8,309百万円で全体の1.7%となりました。また、営業利益につきましては、消去または全社費用控除前でトータルパックプロデュース事業が9,634百万円、メディカルサプライ事業が6,715百万円、ライフケア事業が2,237百万円、調剤薬局事業が2,884百万円、その他が591百万円となりました。(セグメント別の内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」の項目をご参照下さい。)
営業外損益につきましては、金融収支(受取利息配当金と支払利息の純額)が269百万円の収入、補助金収入として298百万円の収入となっております。また、貸倒引当金繰入額を631百万円計上しております。
特別損失につきましては、減損損失を271百万円計上しておりますが、これは連結子会社に係るのれんの未償却残高及び閉鎖を決定した事業資産について減損損失を認識したことによるものであります。
b 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、221,890百万円(前連結会計年度末残高は210,499百万円)となり、前連結会計年度末に比べ11,390百万円増加いたしました。
その主な要因は、有価証券が4,998百万円、現金及び預金が4,810百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が18,097百万円、商品及び製品が2,109百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、112,607百万円(前連結会計年度末残高は98,373百万円)となり、前連結会計年度末に比べ14,234百万円増加いたしました。
その主な要因は、建設仮勘定が1,043百万円減少した一方、投資有価証券が11,590百万円、のれんが1,056百万円、差入保証金が938百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、151,942百万円(前連結会計年度末残高は133,115百万円)となり、前連結会計年度末に比べ18,827百万円増加いたしました。
その主な要因は、支払手形及び買掛金が12,087百万円、電子記録債務が1,883百万円、未払法人税等が1,767百万円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、67,451百万円(前連結会計年度末残高は71,076百万円)となり、前連結会計年度末に比べ3,624百万円減少いたしました。
その主な要因は、繰延税金負債が732百万円増加した一方、長期借入金が4,266百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、115,103百万円(前連結会計年度末残高は104,681百万円)となり、前連結会計年度末に比べ10,422百万円増加いたしました。
その主な要因は、配当金の支払により利益剰余金が3,556百万円減少し、自己株式を1,078百万円取得した一方、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が12,280百万円、その他有価証券評価差額金が1,904百万円増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照下さい。
b 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、銀行借入の他、連結会社間での資金融通を行う事で資金効率を高め、流動性を保持しております。
一方、設備資金、投資資金等の長期的な資金については、国内外で資金調達について、市場金利動向や為替動向、既存借入金の償還時期、あるいは株式市場動向、機関投資家動向、株主還元等を総合的に勘案し、長期借入金による安定的な資金確保を主としつつ、社債の発行、株式市場からの調達も含め、低コストで調達しつつ安定的な財務基盤を維持できる方法を柔軟に検討・選択してまいります。
なお、当社の持続的成長に向けた資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するとともに、財務基盤の一層の安定を図ることを目的として、2020年4月30日にコミットメントライン契約を締結しております。
c 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、売上高及び営業利益を重要な経営指標として位置付けており、経営目標として、2022年3月期において売上高530,000百万円、営業利益22,500百万円の達成を計画しております。
| 2021年3月期(当連結会計年度) | 2022年3月期 | |||
| (予想) | (実績) | (予想比)(%) | (予想) | |
| 売上高(百万円) | 500,000 | 497,156 | 99.4 | 530,000 |
| 営業利益(百万円) | 21,000 | 21,800 | 103.8 | 22,500 |
d 今後の事業戦略と財政状態及び経営成績への影響について
トータルパックプロデュース事業につきましては、大学病院を始めとした地域中核病院における新築移転・増改築の中長期的なニーズに的確に対応していくとともに、海外、特に新興国において高度化する医療ニーズに応えるためのノウハウを蓄積してまいります。また、メーカー系子会社による新製品開発や新システムの構築を進めて、さらなる経営資源の有効活用を進めてまいります。
メディカルサプライ事業につきましては、SPDシステムや専門領域の特定診療材料の取り扱い拡大による棚卸資産の増加、適正な在庫管理を行うとともに、償還価格改定に備えた販売価格と仕入価格交渉を継続して、安定した収益の確保を進めてまいります。
ライフケア事業につきましては、社員教育を徹底し入居率・利用率向上に注力するとともに、施設の効果的な新規開設を実践してまいります。
調剤薬局事業につきましては、訪問調剤などによる既存店舗の運営効率化を図るとともに、新店舗開発による取り扱い数量を確保し、仕入効率化を図ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症による事業計画等の将来に関する事項への影響につきましても、当連結会計年度末時点で入手可能な情報により検証を行っております。