有価証券報告書-第13期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度の経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、トレーディング商品および投資についての評価、貸付等債権に対する貸倒引当金、繰延税金資産についての回収可能性、退職給付費用および債務、偶発事象や訴訟、その他資産・負債の報告数値や財務諸表の開示内容に影響を与える事項に対して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる判断や見積りを行っております。従って、不確実性を内在しており、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
① トレーディング商品
トレーディング商品(デリバティブを含む)は時価により評価され、評価損益はトレーディング損益に計上されております。時価については、市場で取引されているものについては、市場取引価格、業者間取引価格、またはこれらに準ずる価格等によっております。市場取引価格または業者間取引価格がない場合には、原金融資産の時間的価値とボラティリティ等を加味した時価評価モデルによって算出されております。
② トレーディング商品関連以外の有価証券等
有価証券については「金融商品に関する会計基準」に基づき、トレーディング商品、満期保有目的債券、子会社株式・関連会社株式のいずれにも属さないものについて、その他有価証券として分類しております。
その他有価証券のうち、時価のあるものについては時価法で、時価のないものについては移動平均法による原価法でそれぞれ評価されております。また、時価のあるものについては時価、時価のないものについてはその実質価額が取得原価より著しく下落し、かつ回復可能性がないと判断したものについては、社内の減損処理基準にしたがって時価または実質価額まで減損処理しております。
投資事業有限責任組合およびそれに類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な直近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっております。
③ 有形固定資産・無形固定資産
主に建物、器具備品、土地からなる有形固定資産および主にソフトウェアからなる無形固定資産は取得価額により計上し、有形固定資産については個々の耐用年数に基づき主として定額法により、ソフトウェアについては利用可能期間に基づく定額法により、それぞれ減価償却しております。
また、収益性が低下した資産について、回収可能価額まで減損処理しております。
④ 貸倒引当金
信用取引貸付金等の一般債権については過去の貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能と判断した金額を貸倒見積額として計上しております。
⑤ 繰延税金資産・負債
税務上の繰越欠損金や会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額(一時差異の額)のうち、将来において税務上の損金となることで納税額を減額する効果が見込まれると判断される金額(将来減算一時差異等の解消見込額)について、将来の合理的な課税所得見積額の範囲内で繰延税金資産に計上しております。なお、その他有価証券の評価差益に対しては、将来の売却による課税の発生が確実であることから、繰延税金負債(固定負債)を計上しております。
⑥ 退職給付会計
従業員の退職給付に係る負債(または資産)および退職給付費用については、割引率、退職率、年金資産の長期期待運用収益率等の合理的な見積りに基づく退職給付債務の数理計算上の見込額および年金資産の公正な評価額に基づいて計上しております。
(2) 経営者の視点による経営成績の認識および分析・検討内容
当社グループでは、「経営ビジョン」に基づいてお客さまに最適なソリューションをご提供すると共に、リスク管理、コンプライアンス、情報管理の徹底により、「信頼度・クオリティNo.1」で、本邦証券グループの中で「お客さまから真っ先に選ばれる存在」としての地位の確立をめざしています。当社グループの財政状態、経営成績等は、証券・金融商品取引業の性格上、国内外の経済情勢・市場動向の影響を受けて変動し易い特性を持っており、当連結会計年度の経済情勢・市場動向は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経済情勢・市場動向」に記載の通りですが、こうした中、当社グループは、MUFGグループの有する顧客基盤やネットワーク、および強固な財務基盤と、Morgan Stanleyが有する質の高い商品、サービス、ネットワークを有機的に結び付けることで、法人、個人のお客さまに質の高い証券サービスの提供に努めています。また、徹底した経費抑制施策の実行により利益水準の向上にも努力しております。
この結果、当連結会計年度の連結純営業収益は3,658億25百万円(前年度比96.5%)、販売費・一般管理費は3,026億3百万円(同96.0%)、連結経常利益は842億6百万円(同84.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は431億93百万円(同88.0%)となりました。
当連結会計年度の主要な収益・費用の概況は以下のとおりです。
① 受入手数料
受入手数料の合計は1,585億76百万円で前年度比91.5%となりました。内訳は次のとおりです。
a.委託手数料
当連結会計年度の東証の1日平均売買高(内国普通株合計)は、株数で23億9百万株(前年度比90.9%)、金額で3兆2,117億円(同117.2%)となりました。このような状況のもと、当社グループの株式委託手数料は411億50百万円(同110.5%)、債券委託手数料は20百万円(同26.4%)となり、委託手数料は合計で425億1百万円(同108.8%)となりました。
b.引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
国内株式発行市場は、株価の堅調な推移と株式持ち合い解消の流れを背景に売出しが増加し、また日本郵政が第2次売出しを実施したこともあり、発行額は前年度と比べて増加しました。当社グループはこのような環境の下、複数の案件で主幹事をつとめました。
国内債券発行市場は、低金利環境継続に伴う発行体の高い起債意欲を背景に、12月までの発行額は前年度と同水準で推移しました。1月以降の減少に伴い、通期では前年度を下回る発行額となりましたが、当社グループはこのような環境の下、多数の案件で主幹事をつとめました。
海外発行市場は、金利上昇局面に入りつつあるものの、米国、アジアにおける堅調な資金需要を背景に、発行額は前年度を上回る水準となりました。このような環境の下、当社グループの海外現地法人は、株式会社三菱東京UFJ銀行(以下、「三菱東京UFJ銀行」といいます。平成30年4月1日付で、株式会社三菱東京UFJ銀行は、株式会社三菱UFJ銀行に商号変更しております。)との緊密な協働・連携により、多数の主幹事案件を獲得しました。なお、平成28年7月1日付でMUFGセキュリティーズアメリカは当社の連結範囲から除外されております。
以上の結果、当期の引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は合計で246億19百万円(前年度比67.1%)となりました。
c.募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、その大半を連結子会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下、「MUMSS」といいます。)および三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券株式会社における投資信託の募集取扱手数料が占めています。当期は、世界の幅広い種類の公社債等を実質的な主要投資対象とする「ピムコ ショートターム・インカム・ファンド(為替リスク軽減型)/(為替ヘッジなし)」、ビッグデータやAI(人工知能)を活用した計量モデルに基づいて銘柄選択を行う「GSビッグデータ・ストラテジー(日本株)」やイノベーションに着目した「未来イノベーション成長株ファンド」等の新規募集を行いました。また、「グローバル自動運転関連株式ファンド(為替ヘッジあり)/(為替ヘッジなし)」等の新規取扱を開始したことに加え、従前よりニーズの高い「スマート・クオリティ・オープン(安定型)」や「三菱UFJ バランス・イノベーション(債券重視型)」等の継続募集にも注力したことで、販売額は前年度と比べて大幅に増加しました。一方で、募集取扱手数料はノーロード投信の増加等により減少しました。
MUMSSにおける当期の投資信託の募集・売出し取扱高は7兆2,989億円(前年度比122.9%)となり、当期末における投資信託の残存元本は、外国投資信託を含め6兆1,853億円(前年度末比110.9%)となりました。
以上の結果、当期の募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は347億13百万円(前年度比97.4%)となりました。
d.その他の受入手数料
その他の受入手数料には、投資信託の代行手数料のほかに、M&A業務および財務アドバイザリー業務にかかる手数料、証券化・不動産ファイナンス業務などを含んでおります。投資信託の代行手数料は、純資産残高の増加により前年度比で増加しました。M&A業務では、MUFGとMorgan Stanleyが有する国内外ネットワークや、プロダクトに関する豊富な知見・経験の活用を通じ、国内/クロスボーダーを問わず多くの実績を積み重ね、お客さまの企業価値向上に貢献いたしました。
以上の結果、当期のその他の受入手数料は567億41百万円(前年度比91.7%)となりました。
② トレーディング損益
国内株式市場では、日経平均株価が、4月から9月にかけては20,000円台を中心に推移する落ち着いた展開となりました。10月以降は、世界的な株高や国内企業への業績期待等から上昇し、1月にはおよそ26年ぶりに24,000円台を回復しましたが、1月下旬以降は、米国株価下落の影響等により20,000円台まで下落するなど値動きの大きい展開となりました。海外株式市場は、米国株価指数が、堅調な米国経済を背景に上昇を続け、1月には史上最高値を更新しましたが、1月下旬以降は、米長期金利の上昇を背景に下落し、調整局面となりました。このような市場環境の下、当社グループはお客さまのニーズに応じた商品提供に努め、株系仕組債関連業務や外国エクイティ業務が伸長しました。
日本国債市場では、日銀のイールドカーブコントロール政策により、新発10年国債利回りは概ね0~0.1%のレンジ内で推移し、債券先物の日中値幅も小さく動きの乏しい展開となりました。米国債券市場では、米長期金利が、4月から12月にかけて2.0~2.5%のボックス圏で推移しましたが、年明け以降、好調な米経済指標やFOMCの利上げペースが加速するとの見方が強まり、一時2.9%台まで上昇しました。このような市場環境の下、当社グループはお客さまニーズに応じた商品提供に努めましたが、国債業務やクレジット業務などが減速しました。
海外市場(1~12月)では、欧米主要株価は、年初は米国トランプ大統領就任による期待感や堅調な企業業績等を背景に上昇し、4月にはシリアの内戦問題や北朝鮮によるミサイル開発本格化等、地政学リスクの高まりがあったものの、その後は堅調な企業決算に加え米国大型減税法案への期待感等から、上昇しました。クレジット市場は、米FRBが堅調な経済・雇用を受け、6月に利上げを実施し、9月には保有資産縮小開始を決定する中、総じてタイトニング基調で推移しました。こうした中、当社グループの海外現地法人は、米ドル建金利商品およびクレジット商品を中心にお客さまのニーズに合致した商品供給に努めました。
以上の結果、当期のトレーディング損益は、株券等によるものが392億97百万円(前年度比134.5%)、債券・その他によるものが1,318億49百万円(同88.0%)、合計では1,711億47百万円(同95.6%)となりました。
③ 金融収支
当連結会計年度の金融収益471億76百万円(前年度比90.5%)から金融費用110億75百万円(同43.8%)を差し引いた金融収支は、361億1百万円の利益(同134.5%)となりました。
④ 販売費・一般管理費
国内および海外拠点において経費の抑制的な運営を継続しており、当連結会計年度の販売費・一般管理費は3,026億3百万円(前年度比96.0%)となりました。
⑤ 特別損益
当連結会計年度の特別利益は1億79百万円(前年度は1億80百万円)、特別損失は8億27百万円(前年度は34億65百万円)となりました。特別利益は、投資有価証券売却益1億79百万円であります。特別損失のうち主なものは、投資有価証券売却損4億59百万円、金融商品取引責任準備金繰入れ2億44百万円、減損損失1億23百万円であります。
当連結会計年度のセグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの名称を変更しております。
「証券業務(国内)」
三菱東京UFJ銀行との協働・Morgan Stanleyとの連携やお客様との取引を起点としたビジネスモデルの定着等により安定的に収益を計上しております。当連結会計年度は、主に金利のボラティリティ低下に伴う顧客取引の減少によりトレーディング業務が低調でしたが、リテール顧客向けの株式売買や仕組債販売が、当連結会計年度後半における株式相場環境も追い風に好調に推移したことで、セグメント収益はほぼ前連結会計年度並みの水準となりました。一方、取引関係費の増加に伴う販管費の増加により、セグメント利益は減少しました。
この結果、当連結会計年度における証券業務(国内)の純営業収益は3,144億45百万円(前年度比99.5%)、セグメント利益は426億52百万円(同97.4%)となりました。
「証券業務(欧州)」
金利トレーディング業務や仕組債組成等のストラクチャリング業務が業績を牽引し、地政学リスクの高まり等に伴う市場変動にも的確な在庫運営で対処したことで、セグメント収益は増加しました。また、経費の抑制運用や退職給付費用の減少により、セグメント利益も増加しました。
この結果、当連結会計年度における証券業務(欧州)の純営業収益は529億90百万円(前年度比118.1%)、セグメント利益は129億61百万円(同231.8%)となりました。
「証券業務(米州)」
三菱東京UFJ銀行との連携により債券引受業務が好調だったことに加え、レポ業務や前連結会計年度から本格稼働したABS(Asset Backed Securities)(資産担保証券)やCLO(Collateralized Loan Obligation)(ローン担保証券)等のストラクチャード業務も堅調に推移しました。
この結果、当連結会計年度における証券業務(米州)の純営業収益は662億88百万円(前年度比122.1%)、セグメント利益は90億88百万円(同124.4%)となりました。
「その他」
持株会社において営業外収益で計上される子会社からの受取配当金の増加等により、セグメント利益は増加しました。
この結果、当連結会計年度におけるその他の純営業収益は311億円(前年度比94.6%)、セグメント利益は788億29百万円(同243.9%)となりました。
なお、上記のセグメント別純営業収益には、セグメント間の内部純営業収益または振替高が含まれております。
(3) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は22兆3,438億99百万円(前年度末比8兆1,492億68百万円減)となりました。内訳は流動資産が21兆7,809億70百万円(同8兆270億18百万円減)であり、このうちトレーディング商品が9兆6,659億3百万円(同5兆907億72百万円減)、有価証券担保貸付金が7兆2,665億53百万円(同3兆5,602億17百万円減)となっております。固定資産は5,629億28百万円(同1,222億50百万円減)となっております。
負債合計は、21兆3,501億26百万円(同8兆1,835億91百万円減)となりました。内訳は流動負債が19兆7,126億96百万円(同8兆2,736億96百万円減)であり、このうちトレーディング商品が8兆6,081億26百万円(同5兆5,486億5百万円減)、有価証券担保借入金が5兆400億12百万円(同3兆4,223億13百万円減)となっております。固定負債は1兆6,331億9百万円(同898億60百万円増)となっております。
純資産合計は9,937億73百万円(同343億22百万円増)となりました。うち、利益剰余金は配当金支払いによる203億18百万円の減少および親会社株主に帰属する当期純利益による431億93百万円の増加の結果、2,085億63百万円(同228億75百万円増)となっております。また、為替換算調整勘定は△171億79百万円(同98億13百万円増)となっております。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、社債の償還による支出、トレーディング商品の差引残高の増加による支出等があったものの、社債の発行による収入、短期借入金の増加による収入、投資有価証券の売却及び償還による収入、長期借入れによる収入およびコマーシャル・ペーパーの増加による収入等により、前年度末比5,291億31百万円の資金の増加となり、当連結会計年度末の資金残高は2兆1,436億10百万円(前年度末比132.8%)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、2,108億61百万円(前年度比57.0%)となりました。これは主に、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の差引残高の減少による収入1,119億29百万円および税金等調整前当期純利益の計上835億円58百万円があったものの、トレーディング商品の差引残高の増加による支出4,654億円27百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、1,017億23百万円(前年度比170.3%)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出1,043億33百万円および有価証券の取得による支出1,007億10百万円があったものの、投資有価証券の売却及び償還による収入2,346億11百万円および有価証券の売却及び償還による収入1,081億23百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、6,266億84百万円(前年度比84.0%)となりました。これは主に、社債の償還による支出7,411億51百万円および長期借入金の返済による支出1,747億96百万円があったものの、社債の発行による収入8,192億8百万円、短期借入金の増加による収入3,273億75百万円、長期借入れによる収入2,196億13百万円およびコマーシャル・ペーパーの増加による収入2,159億31百万円があったこと等によるものであります。
(5) 資本の財源および資金の流動性に係る情報
① 資金の流動性
当社グループは、主たる事業として投資・金融サービス業を営んでおり、事業を継続する上で必要な流動性を十分かつ効率的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、短期社債、コールマネー等の無担保調達および現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、十分かつ効率的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から十分な資金を確保するよう努めております。また資金流動性の危機事象発生を想定したストレステストを実施することで、そのような環境下においても業務継続が可能となるよう資金繰りを管理しております。なお、資金流動性リスク管理の状況については、「2 事業等のリスク (2) 大幅な市場変動に伴うリスク ④ 流動性リスク」をあわせてご参照ください。
当社グループでは、グループ全体での拠点横断・統合的な資金流動性管理を行うため、グループ主要各社共通の基本方針を定め、各社が当該方針および各国・地域の規制等に則った管理を行うと共に、当社においてもグループ全体の資金繰り状況のモニタリングを行っております。また資金調達においては、主要各社自身による資金調達に加えて当社を中心とした資金調達・供給体制を整備することで、各社の資金繰り状況に応じた機動的な流動性供給を行っております。
② 資本の財源
当社グループは、MUFGグループの一員として、有価証券の売買および売買等の委託の媒介・取次ぎ・代理、有価証券の引受けおよび売出し、有価証券の募集・売出しの取扱いおよび私募の取扱い、各種デリバティブ取引、M&Aや資産の証券化等に係るアドバイス、投資信託委託業、投資顧問業、ウェルスマネジメント業務等の幅広い投資・金融サービスを展開しており、当該業務を営む上で充分な資本を確保する必要があります。
当社グループの財務計画・事業戦略の策定・実施に当たっては、業務運営上のリスクに見合った適正な資本水準の設定・維持に努めており、加えて市場の急激な変動によりもたらされ得る大きな損失にも耐えることができる必要充分な資本水準が維持されるかについても、定期的に確認しております。また、当社グループは、国内外で投資・金融サービス業務を行っており、各国・地域における法規制上必要な資本も維持しなければなりません。
当連結会計年度末の株主資本は、前年度末比227億67百万円増加し、7,228億90百万円となりました。このうち資本金および資本剰余金の合計は、前年度末比1億7百万円減少の5,143億27百万円となりました。利益剰余金は、配当金支払いにより203億18百万円減少したほか、親会社株主に帰属する当期純利益を431億93百万円計上した結果、前年度末比228億75百万円増加の2,085億63百万円となりました。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、トレーディング商品および投資についての評価、貸付等債権に対する貸倒引当金、繰延税金資産についての回収可能性、退職給付費用および債務、偶発事象や訴訟、その他資産・負債の報告数値や財務諸表の開示内容に影響を与える事項に対して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる判断や見積りを行っております。従って、不確実性を内在しており、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
① トレーディング商品
トレーディング商品(デリバティブを含む)は時価により評価され、評価損益はトレーディング損益に計上されております。時価については、市場で取引されているものについては、市場取引価格、業者間取引価格、またはこれらに準ずる価格等によっております。市場取引価格または業者間取引価格がない場合には、原金融資産の時間的価値とボラティリティ等を加味した時価評価モデルによって算出されております。
② トレーディング商品関連以外の有価証券等
有価証券については「金融商品に関する会計基準」に基づき、トレーディング商品、満期保有目的債券、子会社株式・関連会社株式のいずれにも属さないものについて、その他有価証券として分類しております。
その他有価証券のうち、時価のあるものについては時価法で、時価のないものについては移動平均法による原価法でそれぞれ評価されております。また、時価のあるものについては時価、時価のないものについてはその実質価額が取得原価より著しく下落し、かつ回復可能性がないと判断したものについては、社内の減損処理基準にしたがって時価または実質価額まで減損処理しております。
投資事業有限責任組合およびそれに類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な直近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっております。
③ 有形固定資産・無形固定資産
主に建物、器具備品、土地からなる有形固定資産および主にソフトウェアからなる無形固定資産は取得価額により計上し、有形固定資産については個々の耐用年数に基づき主として定額法により、ソフトウェアについては利用可能期間に基づく定額法により、それぞれ減価償却しております。
また、収益性が低下した資産について、回収可能価額まで減損処理しております。
④ 貸倒引当金
信用取引貸付金等の一般債権については過去の貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能と判断した金額を貸倒見積額として計上しております。
⑤ 繰延税金資産・負債
税務上の繰越欠損金や会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額(一時差異の額)のうち、将来において税務上の損金となることで納税額を減額する効果が見込まれると判断される金額(将来減算一時差異等の解消見込額)について、将来の合理的な課税所得見積額の範囲内で繰延税金資産に計上しております。なお、その他有価証券の評価差益に対しては、将来の売却による課税の発生が確実であることから、繰延税金負債(固定負債)を計上しております。
⑥ 退職給付会計
従業員の退職給付に係る負債(または資産)および退職給付費用については、割引率、退職率、年金資産の長期期待運用収益率等の合理的な見積りに基づく退職給付債務の数理計算上の見込額および年金資産の公正な評価額に基づいて計上しております。
(2) 経営者の視点による経営成績の認識および分析・検討内容
当社グループでは、「経営ビジョン」に基づいてお客さまに最適なソリューションをご提供すると共に、リスク管理、コンプライアンス、情報管理の徹底により、「信頼度・クオリティNo.1」で、本邦証券グループの中で「お客さまから真っ先に選ばれる存在」としての地位の確立をめざしています。当社グループの財政状態、経営成績等は、証券・金融商品取引業の性格上、国内外の経済情勢・市場動向の影響を受けて変動し易い特性を持っており、当連結会計年度の経済情勢・市場動向は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経済情勢・市場動向」に記載の通りですが、こうした中、当社グループは、MUFGグループの有する顧客基盤やネットワーク、および強固な財務基盤と、Morgan Stanleyが有する質の高い商品、サービス、ネットワークを有機的に結び付けることで、法人、個人のお客さまに質の高い証券サービスの提供に努めています。また、徹底した経費抑制施策の実行により利益水準の向上にも努力しております。
この結果、当連結会計年度の連結純営業収益は3,658億25百万円(前年度比96.5%)、販売費・一般管理費は3,026億3百万円(同96.0%)、連結経常利益は842億6百万円(同84.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は431億93百万円(同88.0%)となりました。
当連結会計年度の主要な収益・費用の概況は以下のとおりです。
① 受入手数料
| 区 分 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | 前年度比(%) | |
| 受入手数料 | 173,279 | 158,576 | 91.5 | |
| 委託手数料 | 39,056 | 42,501 | 108.8 | |
| 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 | 36,696 | 24,619 | 67.1 | |
| 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 | 35,623 | 34,713 | 97.4 | |
| その他の受入手数料 | 61,901 | 56,741 | 91.7 | |
受入手数料の合計は1,585億76百万円で前年度比91.5%となりました。内訳は次のとおりです。
a.委託手数料
当連結会計年度の東証の1日平均売買高(内国普通株合計)は、株数で23億9百万株(前年度比90.9%)、金額で3兆2,117億円(同117.2%)となりました。このような状況のもと、当社グループの株式委託手数料は411億50百万円(同110.5%)、債券委託手数料は20百万円(同26.4%)となり、委託手数料は合計で425億1百万円(同108.8%)となりました。
b.引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
国内株式発行市場は、株価の堅調な推移と株式持ち合い解消の流れを背景に売出しが増加し、また日本郵政が第2次売出しを実施したこともあり、発行額は前年度と比べて増加しました。当社グループはこのような環境の下、複数の案件で主幹事をつとめました。
国内債券発行市場は、低金利環境継続に伴う発行体の高い起債意欲を背景に、12月までの発行額は前年度と同水準で推移しました。1月以降の減少に伴い、通期では前年度を下回る発行額となりましたが、当社グループはこのような環境の下、多数の案件で主幹事をつとめました。
海外発行市場は、金利上昇局面に入りつつあるものの、米国、アジアにおける堅調な資金需要を背景に、発行額は前年度を上回る水準となりました。このような環境の下、当社グループの海外現地法人は、株式会社三菱東京UFJ銀行(以下、「三菱東京UFJ銀行」といいます。平成30年4月1日付で、株式会社三菱東京UFJ銀行は、株式会社三菱UFJ銀行に商号変更しております。)との緊密な協働・連携により、多数の主幹事案件を獲得しました。なお、平成28年7月1日付でMUFGセキュリティーズアメリカは当社の連結範囲から除外されております。
以上の結果、当期の引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は合計で246億19百万円(前年度比67.1%)となりました。
c.募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、その大半を連結子会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下、「MUMSS」といいます。)および三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券株式会社における投資信託の募集取扱手数料が占めています。当期は、世界の幅広い種類の公社債等を実質的な主要投資対象とする「ピムコ ショートターム・インカム・ファンド(為替リスク軽減型)/(為替ヘッジなし)」、ビッグデータやAI(人工知能)を活用した計量モデルに基づいて銘柄選択を行う「GSビッグデータ・ストラテジー(日本株)」やイノベーションに着目した「未来イノベーション成長株ファンド」等の新規募集を行いました。また、「グローバル自動運転関連株式ファンド(為替ヘッジあり)/(為替ヘッジなし)」等の新規取扱を開始したことに加え、従前よりニーズの高い「スマート・クオリティ・オープン(安定型)」や「三菱UFJ バランス・イノベーション(債券重視型)」等の継続募集にも注力したことで、販売額は前年度と比べて大幅に増加しました。一方で、募集取扱手数料はノーロード投信の増加等により減少しました。
MUMSSにおける当期の投資信託の募集・売出し取扱高は7兆2,989億円(前年度比122.9%)となり、当期末における投資信託の残存元本は、外国投資信託を含め6兆1,853億円(前年度末比110.9%)となりました。
以上の結果、当期の募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は347億13百万円(前年度比97.4%)となりました。
d.その他の受入手数料
その他の受入手数料には、投資信託の代行手数料のほかに、M&A業務および財務アドバイザリー業務にかかる手数料、証券化・不動産ファイナンス業務などを含んでおります。投資信託の代行手数料は、純資産残高の増加により前年度比で増加しました。M&A業務では、MUFGとMorgan Stanleyが有する国内外ネットワークや、プロダクトに関する豊富な知見・経験の活用を通じ、国内/クロスボーダーを問わず多くの実績を積み重ね、お客さまの企業価値向上に貢献いたしました。
以上の結果、当期のその他の受入手数料は567億41百万円(前年度比91.7%)となりました。
② トレーディング損益
| 区 分 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) | 前年度比(%) | |
| トレーディング損益 | 179,112 | 171,147 | 95.6 | |
| 株券等トレーディング損益 | 29,210 | 39,297 | 134.5 | |
| 債券等・その他トレーディング損益 | 149,902 | 131,849 | 88.0 | |
国内株式市場では、日経平均株価が、4月から9月にかけては20,000円台を中心に推移する落ち着いた展開となりました。10月以降は、世界的な株高や国内企業への業績期待等から上昇し、1月にはおよそ26年ぶりに24,000円台を回復しましたが、1月下旬以降は、米国株価下落の影響等により20,000円台まで下落するなど値動きの大きい展開となりました。海外株式市場は、米国株価指数が、堅調な米国経済を背景に上昇を続け、1月には史上最高値を更新しましたが、1月下旬以降は、米長期金利の上昇を背景に下落し、調整局面となりました。このような市場環境の下、当社グループはお客さまのニーズに応じた商品提供に努め、株系仕組債関連業務や外国エクイティ業務が伸長しました。
日本国債市場では、日銀のイールドカーブコントロール政策により、新発10年国債利回りは概ね0~0.1%のレンジ内で推移し、債券先物の日中値幅も小さく動きの乏しい展開となりました。米国債券市場では、米長期金利が、4月から12月にかけて2.0~2.5%のボックス圏で推移しましたが、年明け以降、好調な米経済指標やFOMCの利上げペースが加速するとの見方が強まり、一時2.9%台まで上昇しました。このような市場環境の下、当社グループはお客さまニーズに応じた商品提供に努めましたが、国債業務やクレジット業務などが減速しました。
海外市場(1~12月)では、欧米主要株価は、年初は米国トランプ大統領就任による期待感や堅調な企業業績等を背景に上昇し、4月にはシリアの内戦問題や北朝鮮によるミサイル開発本格化等、地政学リスクの高まりがあったものの、その後は堅調な企業決算に加え米国大型減税法案への期待感等から、上昇しました。クレジット市場は、米FRBが堅調な経済・雇用を受け、6月に利上げを実施し、9月には保有資産縮小開始を決定する中、総じてタイトニング基調で推移しました。こうした中、当社グループの海外現地法人は、米ドル建金利商品およびクレジット商品を中心にお客さまのニーズに合致した商品供給に努めました。
以上の結果、当期のトレーディング損益は、株券等によるものが392億97百万円(前年度比134.5%)、債券・その他によるものが1,318億49百万円(同88.0%)、合計では1,711億47百万円(同95.6%)となりました。
③ 金融収支
当連結会計年度の金融収益471億76百万円(前年度比90.5%)から金融費用110億75百万円(同43.8%)を差し引いた金融収支は、361億1百万円の利益(同134.5%)となりました。
④ 販売費・一般管理費
国内および海外拠点において経費の抑制的な運営を継続しており、当連結会計年度の販売費・一般管理費は3,026億3百万円(前年度比96.0%)となりました。
⑤ 特別損益
当連結会計年度の特別利益は1億79百万円(前年度は1億80百万円)、特別損失は8億27百万円(前年度は34億65百万円)となりました。特別利益は、投資有価証券売却益1億79百万円であります。特別損失のうち主なものは、投資有価証券売却損4億59百万円、金融商品取引責任準備金繰入れ2億44百万円、減損損失1億23百万円であります。
当連結会計年度のセグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの名称を変更しております。
「証券業務(国内)」
三菱東京UFJ銀行との協働・Morgan Stanleyとの連携やお客様との取引を起点としたビジネスモデルの定着等により安定的に収益を計上しております。当連結会計年度は、主に金利のボラティリティ低下に伴う顧客取引の減少によりトレーディング業務が低調でしたが、リテール顧客向けの株式売買や仕組債販売が、当連結会計年度後半における株式相場環境も追い風に好調に推移したことで、セグメント収益はほぼ前連結会計年度並みの水準となりました。一方、取引関係費の増加に伴う販管費の増加により、セグメント利益は減少しました。
この結果、当連結会計年度における証券業務(国内)の純営業収益は3,144億45百万円(前年度比99.5%)、セグメント利益は426億52百万円(同97.4%)となりました。
「証券業務(欧州)」
金利トレーディング業務や仕組債組成等のストラクチャリング業務が業績を牽引し、地政学リスクの高まり等に伴う市場変動にも的確な在庫運営で対処したことで、セグメント収益は増加しました。また、経費の抑制運用や退職給付費用の減少により、セグメント利益も増加しました。
この結果、当連結会計年度における証券業務(欧州)の純営業収益は529億90百万円(前年度比118.1%)、セグメント利益は129億61百万円(同231.8%)となりました。
「証券業務(米州)」
三菱東京UFJ銀行との連携により債券引受業務が好調だったことに加え、レポ業務や前連結会計年度から本格稼働したABS(Asset Backed Securities)(資産担保証券)やCLO(Collateralized Loan Obligation)(ローン担保証券)等のストラクチャード業務も堅調に推移しました。
この結果、当連結会計年度における証券業務(米州)の純営業収益は662億88百万円(前年度比122.1%)、セグメント利益は90億88百万円(同124.4%)となりました。
「その他」
持株会社において営業外収益で計上される子会社からの受取配当金の増加等により、セグメント利益は増加しました。
この結果、当連結会計年度におけるその他の純営業収益は311億円(前年度比94.6%)、セグメント利益は788億29百万円(同243.9%)となりました。
なお、上記のセグメント別純営業収益には、セグメント間の内部純営業収益または振替高が含まれております。
(3) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は22兆3,438億99百万円(前年度末比8兆1,492億68百万円減)となりました。内訳は流動資産が21兆7,809億70百万円(同8兆270億18百万円減)であり、このうちトレーディング商品が9兆6,659億3百万円(同5兆907億72百万円減)、有価証券担保貸付金が7兆2,665億53百万円(同3兆5,602億17百万円減)となっております。固定資産は5,629億28百万円(同1,222億50百万円減)となっております。
負債合計は、21兆3,501億26百万円(同8兆1,835億91百万円減)となりました。内訳は流動負債が19兆7,126億96百万円(同8兆2,736億96百万円減)であり、このうちトレーディング商品が8兆6,081億26百万円(同5兆5,486億5百万円減)、有価証券担保借入金が5兆400億12百万円(同3兆4,223億13百万円減)となっております。固定負債は1兆6,331億9百万円(同898億60百万円増)となっております。
純資産合計は9,937億73百万円(同343億22百万円増)となりました。うち、利益剰余金は配当金支払いによる203億18百万円の減少および親会社株主に帰属する当期純利益による431億93百万円の増加の結果、2,085億63百万円(同228億75百万円増)となっております。また、為替換算調整勘定は△171億79百万円(同98億13百万円増)となっております。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、社債の償還による支出、トレーディング商品の差引残高の増加による支出等があったものの、社債の発行による収入、短期借入金の増加による収入、投資有価証券の売却及び償還による収入、長期借入れによる収入およびコマーシャル・ペーパーの増加による収入等により、前年度末比5,291億31百万円の資金の増加となり、当連結会計年度末の資金残高は2兆1,436億10百万円(前年度末比132.8%)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、2,108億61百万円(前年度比57.0%)となりました。これは主に、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の差引残高の減少による収入1,119億29百万円および税金等調整前当期純利益の計上835億円58百万円があったものの、トレーディング商品の差引残高の増加による支出4,654億円27百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、1,017億23百万円(前年度比170.3%)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出1,043億33百万円および有価証券の取得による支出1,007億10百万円があったものの、投資有価証券の売却及び償還による収入2,346億11百万円および有価証券の売却及び償還による収入1,081億23百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、6,266億84百万円(前年度比84.0%)となりました。これは主に、社債の償還による支出7,411億51百万円および長期借入金の返済による支出1,747億96百万円があったものの、社債の発行による収入8,192億8百万円、短期借入金の増加による収入3,273億75百万円、長期借入れによる収入2,196億13百万円およびコマーシャル・ペーパーの増加による収入2,159億31百万円があったこと等によるものであります。
(5) 資本の財源および資金の流動性に係る情報
① 資金の流動性
当社グループは、主たる事業として投資・金融サービス業を営んでおり、事業を継続する上で必要な流動性を十分かつ効率的に確保することを資金調達の基本方針としております。
当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、短期社債、コールマネー等の無担保調達および現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、十分かつ効率的な資金調達の実現を図っております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から十分な資金を確保するよう努めております。また資金流動性の危機事象発生を想定したストレステストを実施することで、そのような環境下においても業務継続が可能となるよう資金繰りを管理しております。なお、資金流動性リスク管理の状況については、「2 事業等のリスク (2) 大幅な市場変動に伴うリスク ④ 流動性リスク」をあわせてご参照ください。
当社グループでは、グループ全体での拠点横断・統合的な資金流動性管理を行うため、グループ主要各社共通の基本方針を定め、各社が当該方針および各国・地域の規制等に則った管理を行うと共に、当社においてもグループ全体の資金繰り状況のモニタリングを行っております。また資金調達においては、主要各社自身による資金調達に加えて当社を中心とした資金調達・供給体制を整備することで、各社の資金繰り状況に応じた機動的な流動性供給を行っております。
② 資本の財源
当社グループは、MUFGグループの一員として、有価証券の売買および売買等の委託の媒介・取次ぎ・代理、有価証券の引受けおよび売出し、有価証券の募集・売出しの取扱いおよび私募の取扱い、各種デリバティブ取引、M&Aや資産の証券化等に係るアドバイス、投資信託委託業、投資顧問業、ウェルスマネジメント業務等の幅広い投資・金融サービスを展開しており、当該業務を営む上で充分な資本を確保する必要があります。
当社グループの財務計画・事業戦略の策定・実施に当たっては、業務運営上のリスクに見合った適正な資本水準の設定・維持に努めており、加えて市場の急激な変動によりもたらされ得る大きな損失にも耐えることができる必要充分な資本水準が維持されるかについても、定期的に確認しております。また、当社グループは、国内外で投資・金融サービス業務を行っており、各国・地域における法規制上必要な資本も維持しなければなりません。
当連結会計年度末の株主資本は、前年度末比227億67百万円増加し、7,228億90百万円となりました。このうち資本金および資本剰余金の合計は、前年度末比1億7百万円減少の5,143億27百万円となりました。利益剰余金は、配当金支払いにより203億18百万円減少したほか、親会社株主に帰属する当期純利益を431億93百万円計上した結果、前年度末比228億75百万円増加の2,085億63百万円となりました。