半期報告書-第17期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
当中間連結会計期間の経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、半期報告書提出日(2021年11月26日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この中間連結財務諸表の作成にあたり、トレーディング商品(デリバティブを含む)および投資についての評価、固定資産の減損、繰延税金資産についての回収可能性、退職給付費用および債務、貸付等債権に対する貸倒引当金、偶発事象や訴訟、その他資産・負債の報告数値や財務諸表の開示内容に影響を与える事項に対して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる判断や見積りを行っております。なお、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当社グループの中間連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項(中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績の認識および分析・検討内容
当社グループでは、「MUFG Way」に基づいてお客さまに最適なソリューションをご提供すると共に、リスク管理、コンプライアンス、情報管理の徹底により、「MUFGの中核として業界No.1のクオリティを有し、お客さま満足度No.1の証券会社」としての地位の確立をめざしています。当社グループの財政状態、経営成績等は、証券・金融商品取引業の性格上、国内外の経済情勢・市場動向の影響を受けて変動し易い特性を持っております。
当中間連結会計期間のわが国の景気は、横ばい圏での推移となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした政府のまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の対象の拡大、縮小に合わせ、個人消費の減少、増加が繰り返されました。また、世界経済の回復を背景に輸出は増加基調となったほか、設備投資の増加も続きましたが、公共投資は減少しました。企業の生産活動は、輸出増に合わせ底堅く推移しましたが、夏場から秋にかけては、部品供給の制約から自動車が大幅な減産となりました。
株式市場は、29,441円でスタートした日経平均株価が、29,452円で終了しました。まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の適用が続く中、夏場には新型コロナウイルスの新規感染者数が拡大し、景気や企業業績の落ち込みが懸念され、8月に一時昨年末以来となる27,000円割れを記録しました。その後は、新規感染者数が減少に転じ、重点措置や宣言の解除の観測が広がったほか、政府の大型経済対策発動への期待から上昇基調となり、9月中旬には一時30,795円まで上昇し、およそ31年ぶりの高値を付けました。しかしながら、9月末にかけては、米株価下落を受け、水準を下げました。
債券市場は、長期金利(新発10年国債利回り)が0.12%で始まり、0.07%で終了しました。日本の長期金利は、日本銀行による緩和的な金融政策運営が続く中、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発動などを背景に金利低下圧力が増したほか、米国の長期金利の低下に合わせて低下基調となり、8月には一時0.01%を下回りました。その後は、国内の新規感染者数が減少に転じ、重点措置や宣言の解除の観測が広がったほか、米連邦準備制度理事会の資産購入の縮小や利上げ前倒し観測の強まりから米国の長期金利が上昇したこともあり、日本の長期金利も水準を切り上げました。
こうした中、当社グループは、MUFGグループの有する顧客基盤やネットワーク、および強固な財務基盤と、Morgan Stanleyが有する質の高い商品、サービス、ネットワークを有機的に結び付けることで、法人、個人のお客さまに質の高い証券サービスの提供に努めています。また、徹底した経費抑制施策の実行により利益水準の向上にも努力しております。
この結果、当中間連結会計期間の純営業収益は1,359億82百万円(前年度中間期比91.6%)、販売費・一般管理費は1,366億93百万円(同104.5%)、経常利益は121億28百万円(同47.1%)、親会社株主に帰属する中間純損失は14億34百万円(前年度中間期は148億29百万円の利益)となりました。
当中間連結会計期間の主要な収益・費用の概況は以下のとおりです。
① 受入手数料
受入手数料の合計は824億5百万円で前年度中間期比131.1%となりました。内訳は次のとおりです。
a.委託手数料
当中間連結会計期間の東証の1日平均売買高(内国普通株合計)は、株数で16億株(前年度中間期比84.0%)、金額で3兆2,147億円(同110.7%)となりました。このような状況の下、当社グループの株式委託手数料は123億21百万円(同98.1%)、債券委託手数料は1百万円(同31.3%)となり、委託手数料は合計で127億40百万円(同96.3%)となりました。
b.引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
国内株式発行市場は、良好な市場環境を背景に、大型の公募・売出し、転換社債の発行に加え、多数の新規公開も実施されたことにより、新型コロナウイルスの影響を受けた前年度中間期と比べ発行額が増加しました。当社グループはこのような環境のもと、複数の案件で主幹事をつとめました。
国内債券発行市場は、日本銀行の金融緩和政策による良好な起債環境を背景に、発行体の起債需要は引き続き高い水準でしたが、コロナ禍により手元流動性確保の動きが活発だった前年度中間期と比べ発行額は減少しました。当社グループはこのような環境のもと、多数の案件で主幹事をつとめました。
海外発行市場は、各国中央銀行による債券購入等の緊急支援策を受け過去最大の債券発行額となった前年度中間期からは減少しましたが、当中間連結会計期間も堅調に推移しました。当社グループの海外現地法人は、このような環境を追い風に、株式会社三菱UFJ銀行との緊密な協働・連携により、多数の主幹事案件を獲得しました。
以上の結果、当中間連結会計期間の引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は合計で205億1百万円(前年度中間期比165.4%)となりました。
c.募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、その大半を連結子会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下、「MUMSS」といいます。)における投資信託の募集取扱手数料が占めています。
当中間連結会計期間は、MUMSSにおける株式投資信託と公社債投資信託を合算した募集・売出し取扱高が2兆7,693億円(前年度中間期比148.1%)となりました。当社は、マーケット環境の見通しをもとに、運用目的に基づいたテーラーメイド型のポートフォリオの構築をお客様毎に提案し、商品・サービスの提供を行っております。当中間連結会計期間は、市場環境見通しを踏まえ、キャピタルゲインを狙いとした「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」や、インカムゲインを狙いとした「マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム・ファンド」等がお客様のポートフォリオに多く組み込まれました。また、好ましい社会的インパクトをもたらす事業によって、長期の視点から成長が期待される世界各国の企業の株式等に投資をする「ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド(予想分配金提示型)」等を新規で取り扱いました。投資信託の販売総額、募集取扱手数料は共に前年度中間期と比べ増加しました。
以上の結果、当中間連結会計期間の募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は135億38百万円(前年度中間期比177.5%)となりました。
d.その他の受入手数料
その他の受入手数料には、投資信託の代行手数料のほかに、M&A業務および財務アドバイザリー業務にかかる手数料、証券化・不動産ファイナンス業務などを含んでおります。M&A業務では、MUFGとMorgan Stanleyが有する国内外ネットワークや、プロダクトに関する豊富な知見・経験の活用を通じ、国内/クロスボーダーを問わず多くの実績を積み重ね、お客さまの企業価値向上に貢献いたしました。
以上の結果、当中間連結会計期間のその他の受入手数料は356億25百万円(前年度中間期比120.4%)となりました。
② トレーディング損益および金融収支
国内株式市場は、年度初29,000円近辺で推移していた日経平均株価が、緊急事態宣言発令による景気後退懸念等を受け、8月に一時昨年末以来となる27,000円割れを記録しましたが、ワクチン接種の普及や新政権への期待等を背景に31年ぶりの高値まで上昇し、9月末にかけては米株価下落を受け水準を下げました。
国内債券市場は、緊急事態宣言発令や10年物米国債利回りの低下等により、10年物国債利回りが8月には0.01%を下回る水準まで低下しました。その後、10年物米国債利回りが上昇基調に転じたことで反転し、0.07%台まで上昇しました。
なお、10年物米国債利回りは、インフレ加速観測の高まり等を受け4月初は1.7%台でしたが、雇用統計の改善遅延等を背景に金融緩和の早期縮小見通しが後退し、7月には1.2%を下回りました。しかし、雇用の回復やFOMCで年内の量的金融緩和の縮小開始が示唆されたことを受け、9月には1.5%台までに反転上昇しました。また、クレジット市場では、クレジットスプレッドが緩やかに縮小しました。
海外市場(1~6月)では、量的金融緩和策の段階的縮小のタイミングやインフレ台頭が意識され、10年物米国債利回りは年初の1.0%近辺から一時1.7%台まで上昇した後、新型コロナウイルス感染再拡大等を受け1.4%台まで低下しました。米株価は当中間連結会計期間を通じ総じて右肩上がりで推移したものの、同じく感染拡大等を受けて一時的な調整局面もありました。一方、クレジットスプレッドは比較的狭いレンジで推移しました。このような市場環境下、当社グループの海外現地法人の業績は、金利上昇局面や株価高値更新を受け、関連する業務において顧客フローや金利変動を捉え収益を計上しました。なお、当中間連結会計期間は米国顧客との取引に起因した損失を計上しております。
以上の結果、当中間連結会計期間のトレーディング損益は、株券等によるものが△26億86百万円(前年度中間期は183億20百万円)、債券等・その他によるものが349億61百万円(前年度中間期比69.0%)、合計では322億75百万円(同46.8%)となりました。
また、金融収益465億63百万円(同77.7%)から金融費用252億66百万円(同58.5%)を差し引いた金融収支は、212億96百万円の利益(同127.3%)となりました。
トレーディング損益と金融収支は合計で535億72百万円(同62.5%)となりました。
③ 販売費・一般管理費
国内拠点における業績連動賞与や取引関係費が増加したことにより、当中間連結会計期間の販売費・一般管理費は1,366億93百万円(前年度中間期比104.5%)となりました。
④ 特別損益
当中間連結会計期間の特別利益は1億26百万円(前年度中間期は6百万円)、特別損失は4億19百万円(前年度中間期は4億69百万円)となりました。特別利益は、投資有価証券売却益が1億26百万円であります。特別損失のうち主なものは、減損損失2億74百万円であります。
当中間連結会計期間のセグメントの業績は、次のとおりであります。なお、新型コロナウイルスの影響は、上記の主要な収益・費用の概況に記載した内容のほかにも広範囲に及び、その影響を定量的に示すことは困難ですが、主に対面・非対面営業の業務量やボラティリティ上昇等による収益機会などの増減として現れています。
「証券業務(国内)」
国内では、国内営業において、アドバイザリー型ビジネスモデルの進展により投信販売が堅調に推移し、新型コロナウイルスの影響により対面営業活動制約やマーケット縮小を受けた前年度中間期から大きく復調しました。また、グローバルマーケッツ業務では、顧客フロー取込みや仕組債へのデリバティブ供給等が好調だったほか、インベストメントバンキング業務においても、良好な市場環境を背景に債券引受や株式引受で多数の主幹事案件を獲得し、セグメント収益・セグメント利益ともに増加しました。
この結果、当中間連結会計期間における証券業務(国内)の純営業収益は1,392億86百万円(前年度中間期比122.2%)、セグメント利益は222億9百万円(同855.4%)となりました。
「証券業務(欧州)」
欧州では、米国顧客との取引に起因した損失に加え、金利デリバティブ等のフロープロダクツ業務の不調により、セグメント収益・セグメント利益ともに減少しました。
この結果、当中間連結会計期間における証券業務(欧州)の純営業収益は△38億18百万円(前年度中間期は317億32百万円)、セグメント損失は179億60百万円(前年度中間期は79億97百万円の利益)となりました。
「証券業務(米州)」
米州では、インベストメントバンキング業務において、証券化が好調だったものの、債券引受は前年度中間期に活況だった反動から減速しました。また、グローバルマーケッツ業務においても、相場沈静化によりレポビジネスが減速し、セグメント収益・セグメント利益ともに減少しました。
この結果、当中間連結会計期間における証券業務(米州)の純営業収益は377億95百万円(前年度中間期比77.5%)、セグメント利益は75億97百万円(同55.9%)となりました。
「その他」
持株会社において営業外収益で計上される子会社からの受取配当金の増加等により、セグメント利益は増加しました。
この結果、当中間連結会計期間におけるその他の純営業収益は154億35百万円(前年度中間期比107.6%)、セグメント利益は382億52百万円(同278.4%)となりました。
なお、上記のセグメント別純営業収益には、セグメント間の内部純営業収益または振替高が含まれております。
(3) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は31兆1,863億96百万円(前年度末比2兆3,159億30百万円減)となりました。内訳は流動資産が30兆5,974億18百万円(同2兆3,138億37百万円減)であり、このうちトレーディング商品が14兆2,909億円(同7,292億67百万円減)、有価証券担保貸付金が11兆7,717億82百万円(同1兆5,931億83百万円減)となっております。固定資産は5,889億78百万円(同20億92百万円減)となっております。
負債合計は、30兆1,898億92百万円(同2兆3,351億24百万円減)となりました。内訳は流動負債が28兆4,007億94百万円(同2兆5,523億11百万円減)であり、このうちトレーディング商品が10兆5,136億29百万円(同1兆4,394億11百万円減)、有価証券担保借入金が10兆9,199億90百万円(同6,136億53百万円減)となっております。固定負債は1兆7,844億54百万円(同2,171億85百万円増)となっております。
純資産合計は9,965億4百万円(同191億94百万円増)となりました。うち、利益剰余金は配当金支払いによる59億47百万円の減少および親会社株主に帰属する中間純損失による14億34百万円の減少の結果、2,081億83百万円(同73億81百万円減)となっております。また、為替換算調整勘定は△92億47百万円(同259億80百万円増)となっております。
(4) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の差引残高の減少による収入および社債の発行による収入等があったものの、トレーディング商品の差引残高の増加による支出、社債の償還による支出および受入保証金の減少による支出等により、前年度末比1,101億65百万円の資金の減少となり、当中間連結会計期間末の資金残高は1兆7,277億78百万円(前年度中間期末比92.9%)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の減少は、1,099億17百万円(前年度中間期は6,600億60百万円の増加)となりました。これは主に、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の差引残高の減少による収入9,281億98百万円があったものの、トレーディング商品の差引残高の増加による支出5,883億75百万円および受入保証金の減少による支出4,249億12百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は、83億67百万円(前年度中間期比31.7%)となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入1,068億4百万円および有価証券の売却及び償還による収入529億3百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出810億18百万円、有価証券の取得による支出749億42百万円および無形固定資産の取得による支出115億40百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は、319億24百万円(前年度中間期比3.3%)となりました。これは主に社債の発行による収入4,545億1百万円および長期借入れによる収入2,582億56百万円があったものの、社債の償還による支出4,509億77百万円、長期借入金の返済による支出1,720億45百万円、コマーシャル・ぺーパーの減少による支出716億34百万円および短期借入金の減少による支出342億31百万円があったこと等によるものであります。
(5) 資本の財源および資金の流動性に係る情報
① 資本の財源
当社グループは、MUFGグループの一員として、有価証券の売買および売買等の委託の媒介・取次ぎ・代理、有価証券の引受けおよび売出し、有価証券の募集・売出しの取扱いおよび私募の取扱い、各種デリバティブ取引、M&Aや資産の証券化等に係るアドバイス、投資顧問業、ウェルスマネジメント業務等の幅広い投資・金融サービスを展開しており、当該業務を営む上で充分な資本を確保する必要があります。
当社グループの財務計画・事業戦略の策定・実施に当たっては、業務運営上のリスクに見合った適正な資本水準の設定・維持に努めており、加えて新型コロナウイルスの影響等による市場の急激な変動によりもたらされ得る大きな損失にも耐えることができる必要充分な資本水準が維持されるかについても、定期的に確認しております。また、当社グループは、国内外で投資・金融サービス業務を行っており、各国・地域における法規制上必要な資本も維持しなければなりません。
② 資金調達の基本方針
当社グループは、主たる事業として投資・金融サービス業を営んでおり、事業を継続する上で必要な流動性を十分かつ効率的に確保することを資金調達の基本方針としております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から十分な資金を確保するよう努めております。また新型コロナウイルスの影響等による資金流動性の危機事象発生を想定したストレステストを実施することで、そのような環境が一定期間以上継続した場合でも資金流動性が枯渇しないだけの資金量を確保しております。
当社グループでは、グループ全体での拠点横断・統合的な資金流動性管理を行うため、グループ主要各社共通の基本方針を定め、各社が当該方針および各国・地域の規制等に則った管理を行うと共に、当社においてもグループ全体の資金繰り状況のモニタリングを行っております。また資金調達においては、主要各社自身による資金調達に加えて当社を中心とした資金調達・供給体制を整備することで、各社の資金繰り状況に応じた機動的な流動性供給を行っております。
③ 資金調達の方法および状況
当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、短期社債、コールマネー等の無担保調達および現先取引、貸借取引等の有担保調達があります。これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、仮に資金流動性の危機事象が発生した場合でも業務を継続するための十分な資金を確保しております。
④ 資金需要の動向
当社グループが投資・金融サービス業を営むうえでは、トレーディング業務等における商品在庫確保などのために資金需要が発生しますが、資金需要の総量はマーケット環境や顧客動向によって変動します。そのため、当社グループではグループ主要各社共通の基本方針に従い、発生する無担保資金需要の総額を各社の調達力の範囲内に抑えることを目的に、無担保資金需要の総量枠を各社にて設定しております。また、当社および各子会社にて資金需要の状況を日次でモニタリングし、資金需要の総量に見合った資金調達を行っております。
なお、文中における将来に関する事項は、半期報告書提出日(2021年11月26日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この中間連結財務諸表の作成にあたり、トレーディング商品(デリバティブを含む)および投資についての評価、固定資産の減損、繰延税金資産についての回収可能性、退職給付費用および債務、貸付等債権に対する貸倒引当金、偶発事象や訴訟、その他資産・負債の報告数値や財務諸表の開示内容に影響を与える事項に対して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる判断や見積りを行っております。なお、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当社グループの中間連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項(中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績の認識および分析・検討内容
当社グループでは、「MUFG Way」に基づいてお客さまに最適なソリューションをご提供すると共に、リスク管理、コンプライアンス、情報管理の徹底により、「MUFGの中核として業界No.1のクオリティを有し、お客さま満足度No.1の証券会社」としての地位の確立をめざしています。当社グループの財政状態、経営成績等は、証券・金融商品取引業の性格上、国内外の経済情勢・市場動向の影響を受けて変動し易い特性を持っております。
当中間連結会計期間のわが国の景気は、横ばい圏での推移となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした政府のまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の対象の拡大、縮小に合わせ、個人消費の減少、増加が繰り返されました。また、世界経済の回復を背景に輸出は増加基調となったほか、設備投資の増加も続きましたが、公共投資は減少しました。企業の生産活動は、輸出増に合わせ底堅く推移しましたが、夏場から秋にかけては、部品供給の制約から自動車が大幅な減産となりました。
株式市場は、29,441円でスタートした日経平均株価が、29,452円で終了しました。まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の適用が続く中、夏場には新型コロナウイルスの新規感染者数が拡大し、景気や企業業績の落ち込みが懸念され、8月に一時昨年末以来となる27,000円割れを記録しました。その後は、新規感染者数が減少に転じ、重点措置や宣言の解除の観測が広がったほか、政府の大型経済対策発動への期待から上昇基調となり、9月中旬には一時30,795円まで上昇し、およそ31年ぶりの高値を付けました。しかしながら、9月末にかけては、米株価下落を受け、水準を下げました。
債券市場は、長期金利(新発10年国債利回り)が0.12%で始まり、0.07%で終了しました。日本の長期金利は、日本銀行による緩和的な金融政策運営が続く中、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発動などを背景に金利低下圧力が増したほか、米国の長期金利の低下に合わせて低下基調となり、8月には一時0.01%を下回りました。その後は、国内の新規感染者数が減少に転じ、重点措置や宣言の解除の観測が広がったほか、米連邦準備制度理事会の資産購入の縮小や利上げ前倒し観測の強まりから米国の長期金利が上昇したこともあり、日本の長期金利も水準を切り上げました。
こうした中、当社グループは、MUFGグループの有する顧客基盤やネットワーク、および強固な財務基盤と、Morgan Stanleyが有する質の高い商品、サービス、ネットワークを有機的に結び付けることで、法人、個人のお客さまに質の高い証券サービスの提供に努めています。また、徹底した経費抑制施策の実行により利益水準の向上にも努力しております。
この結果、当中間連結会計期間の純営業収益は1,359億82百万円(前年度中間期比91.6%)、販売費・一般管理費は1,366億93百万円(同104.5%)、経常利益は121億28百万円(同47.1%)、親会社株主に帰属する中間純損失は14億34百万円(前年度中間期は148億29百万円の利益)となりました。
当中間連結会計期間の主要な収益・費用の概況は以下のとおりです。
① 受入手数料
| 区 分 | 前中間連結会計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年9月30日) (百万円) | 当中間連結会計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) (百万円) | 前年度中間期比 (%) | |
| 受入手数料 | 62,840 | 82,405 | 131.1 | |
| 委託手数料 | 13,232 | 12,740 | 96.3 | |
| 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 | 12,398 | 20,501 | 165.4 | |
| 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 | 7,626 | 13,538 | 177.5 | |
| その他の受入手数料 | 29,582 | 35,625 | 120.4 | |
受入手数料の合計は824億5百万円で前年度中間期比131.1%となりました。内訳は次のとおりです。
a.委託手数料
当中間連結会計期間の東証の1日平均売買高(内国普通株合計)は、株数で16億株(前年度中間期比84.0%)、金額で3兆2,147億円(同110.7%)となりました。このような状況の下、当社グループの株式委託手数料は123億21百万円(同98.1%)、債券委託手数料は1百万円(同31.3%)となり、委託手数料は合計で127億40百万円(同96.3%)となりました。
b.引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
国内株式発行市場は、良好な市場環境を背景に、大型の公募・売出し、転換社債の発行に加え、多数の新規公開も実施されたことにより、新型コロナウイルスの影響を受けた前年度中間期と比べ発行額が増加しました。当社グループはこのような環境のもと、複数の案件で主幹事をつとめました。
国内債券発行市場は、日本銀行の金融緩和政策による良好な起債環境を背景に、発行体の起債需要は引き続き高い水準でしたが、コロナ禍により手元流動性確保の動きが活発だった前年度中間期と比べ発行額は減少しました。当社グループはこのような環境のもと、多数の案件で主幹事をつとめました。
海外発行市場は、各国中央銀行による債券購入等の緊急支援策を受け過去最大の債券発行額となった前年度中間期からは減少しましたが、当中間連結会計期間も堅調に推移しました。当社グループの海外現地法人は、このような環境を追い風に、株式会社三菱UFJ銀行との緊密な協働・連携により、多数の主幹事案件を獲得しました。
以上の結果、当中間連結会計期間の引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は合計で205億1百万円(前年度中間期比165.4%)となりました。
c.募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、その大半を連結子会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下、「MUMSS」といいます。)における投資信託の募集取扱手数料が占めています。
当中間連結会計期間は、MUMSSにおける株式投資信託と公社債投資信託を合算した募集・売出し取扱高が2兆7,693億円(前年度中間期比148.1%)となりました。当社は、マーケット環境の見通しをもとに、運用目的に基づいたテーラーメイド型のポートフォリオの構築をお客様毎に提案し、商品・サービスの提供を行っております。当中間連結会計期間は、市場環境見通しを踏まえ、キャピタルゲインを狙いとした「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」や、インカムゲインを狙いとした「マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム・ファンド」等がお客様のポートフォリオに多く組み込まれました。また、好ましい社会的インパクトをもたらす事業によって、長期の視点から成長が期待される世界各国の企業の株式等に投資をする「ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド(予想分配金提示型)」等を新規で取り扱いました。投資信託の販売総額、募集取扱手数料は共に前年度中間期と比べ増加しました。
以上の結果、当中間連結会計期間の募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は135億38百万円(前年度中間期比177.5%)となりました。
d.その他の受入手数料
その他の受入手数料には、投資信託の代行手数料のほかに、M&A業務および財務アドバイザリー業務にかかる手数料、証券化・不動産ファイナンス業務などを含んでおります。M&A業務では、MUFGとMorgan Stanleyが有する国内外ネットワークや、プロダクトに関する豊富な知見・経験の活用を通じ、国内/クロスボーダーを問わず多くの実績を積み重ね、お客さまの企業価値向上に貢献いたしました。
以上の結果、当中間連結会計期間のその他の受入手数料は356億25百万円(前年度中間期比120.4%)となりました。
② トレーディング損益および金融収支
| 区 分 | 前中間連結会計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年9月30日) (百万円) | 当中間連結会計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) (百万円) | 前年度中間期比 (%) | |
| トレーディング損益 | 68,955 | 32,275 | 46.8 | |
| 株券等トレーディング損益 | 18,320 | △2,686 | - | |
| 債券等・その他トレーディング損益 | 50,635 | 34,961 | 69.0 | |
| 金融収支 | 16,726 | 21,296 | 127.3 | |
| 金融収益 | 59,919 | 46,563 | 77.7 | |
| 金融費用 | 43,193 | 25,266 | 58.5 | |
| 計 | 85,682 | 53,572 | 62.5 | |
国内株式市場は、年度初29,000円近辺で推移していた日経平均株価が、緊急事態宣言発令による景気後退懸念等を受け、8月に一時昨年末以来となる27,000円割れを記録しましたが、ワクチン接種の普及や新政権への期待等を背景に31年ぶりの高値まで上昇し、9月末にかけては米株価下落を受け水準を下げました。
国内債券市場は、緊急事態宣言発令や10年物米国債利回りの低下等により、10年物国債利回りが8月には0.01%を下回る水準まで低下しました。その後、10年物米国債利回りが上昇基調に転じたことで反転し、0.07%台まで上昇しました。
なお、10年物米国債利回りは、インフレ加速観測の高まり等を受け4月初は1.7%台でしたが、雇用統計の改善遅延等を背景に金融緩和の早期縮小見通しが後退し、7月には1.2%を下回りました。しかし、雇用の回復やFOMCで年内の量的金融緩和の縮小開始が示唆されたことを受け、9月には1.5%台までに反転上昇しました。また、クレジット市場では、クレジットスプレッドが緩やかに縮小しました。
海外市場(1~6月)では、量的金融緩和策の段階的縮小のタイミングやインフレ台頭が意識され、10年物米国債利回りは年初の1.0%近辺から一時1.7%台まで上昇した後、新型コロナウイルス感染再拡大等を受け1.4%台まで低下しました。米株価は当中間連結会計期間を通じ総じて右肩上がりで推移したものの、同じく感染拡大等を受けて一時的な調整局面もありました。一方、クレジットスプレッドは比較的狭いレンジで推移しました。このような市場環境下、当社グループの海外現地法人の業績は、金利上昇局面や株価高値更新を受け、関連する業務において顧客フローや金利変動を捉え収益を計上しました。なお、当中間連結会計期間は米国顧客との取引に起因した損失を計上しております。
以上の結果、当中間連結会計期間のトレーディング損益は、株券等によるものが△26億86百万円(前年度中間期は183億20百万円)、債券等・その他によるものが349億61百万円(前年度中間期比69.0%)、合計では322億75百万円(同46.8%)となりました。
また、金融収益465億63百万円(同77.7%)から金融費用252億66百万円(同58.5%)を差し引いた金融収支は、212億96百万円の利益(同127.3%)となりました。
トレーディング損益と金融収支は合計で535億72百万円(同62.5%)となりました。
③ 販売費・一般管理費
国内拠点における業績連動賞与や取引関係費が増加したことにより、当中間連結会計期間の販売費・一般管理費は1,366億93百万円(前年度中間期比104.5%)となりました。
④ 特別損益
当中間連結会計期間の特別利益は1億26百万円(前年度中間期は6百万円)、特別損失は4億19百万円(前年度中間期は4億69百万円)となりました。特別利益は、投資有価証券売却益が1億26百万円であります。特別損失のうち主なものは、減損損失2億74百万円であります。
当中間連結会計期間のセグメントの業績は、次のとおりであります。なお、新型コロナウイルスの影響は、上記の主要な収益・費用の概況に記載した内容のほかにも広範囲に及び、その影響を定量的に示すことは困難ですが、主に対面・非対面営業の業務量やボラティリティ上昇等による収益機会などの増減として現れています。
「証券業務(国内)」
国内では、国内営業において、アドバイザリー型ビジネスモデルの進展により投信販売が堅調に推移し、新型コロナウイルスの影響により対面営業活動制約やマーケット縮小を受けた前年度中間期から大きく復調しました。また、グローバルマーケッツ業務では、顧客フロー取込みや仕組債へのデリバティブ供給等が好調だったほか、インベストメントバンキング業務においても、良好な市場環境を背景に債券引受や株式引受で多数の主幹事案件を獲得し、セグメント収益・セグメント利益ともに増加しました。
この結果、当中間連結会計期間における証券業務(国内)の純営業収益は1,392億86百万円(前年度中間期比122.2%)、セグメント利益は222億9百万円(同855.4%)となりました。
「証券業務(欧州)」
欧州では、米国顧客との取引に起因した損失に加え、金利デリバティブ等のフロープロダクツ業務の不調により、セグメント収益・セグメント利益ともに減少しました。
この結果、当中間連結会計期間における証券業務(欧州)の純営業収益は△38億18百万円(前年度中間期は317億32百万円)、セグメント損失は179億60百万円(前年度中間期は79億97百万円の利益)となりました。
「証券業務(米州)」
米州では、インベストメントバンキング業務において、証券化が好調だったものの、債券引受は前年度中間期に活況だった反動から減速しました。また、グローバルマーケッツ業務においても、相場沈静化によりレポビジネスが減速し、セグメント収益・セグメント利益ともに減少しました。
この結果、当中間連結会計期間における証券業務(米州)の純営業収益は377億95百万円(前年度中間期比77.5%)、セグメント利益は75億97百万円(同55.9%)となりました。
「その他」
持株会社において営業外収益で計上される子会社からの受取配当金の増加等により、セグメント利益は増加しました。
この結果、当中間連結会計期間におけるその他の純営業収益は154億35百万円(前年度中間期比107.6%)、セグメント利益は382億52百万円(同278.4%)となりました。
なお、上記のセグメント別純営業収益には、セグメント間の内部純営業収益または振替高が含まれております。
(3) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は31兆1,863億96百万円(前年度末比2兆3,159億30百万円減)となりました。内訳は流動資産が30兆5,974億18百万円(同2兆3,138億37百万円減)であり、このうちトレーディング商品が14兆2,909億円(同7,292億67百万円減)、有価証券担保貸付金が11兆7,717億82百万円(同1兆5,931億83百万円減)となっております。固定資産は5,889億78百万円(同20億92百万円減)となっております。
負債合計は、30兆1,898億92百万円(同2兆3,351億24百万円減)となりました。内訳は流動負債が28兆4,007億94百万円(同2兆5,523億11百万円減)であり、このうちトレーディング商品が10兆5,136億29百万円(同1兆4,394億11百万円減)、有価証券担保借入金が10兆9,199億90百万円(同6,136億53百万円減)となっております。固定負債は1兆7,844億54百万円(同2,171億85百万円増)となっております。
純資産合計は9,965億4百万円(同191億94百万円増)となりました。うち、利益剰余金は配当金支払いによる59億47百万円の減少および親会社株主に帰属する中間純損失による14億34百万円の減少の結果、2,081億83百万円(同73億81百万円減)となっております。また、為替換算調整勘定は△92億47百万円(同259億80百万円増)となっております。
(4) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の差引残高の減少による収入および社債の発行による収入等があったものの、トレーディング商品の差引残高の増加による支出、社債の償還による支出および受入保証金の減少による支出等により、前年度末比1,101億65百万円の資金の減少となり、当中間連結会計期間末の資金残高は1兆7,277億78百万円(前年度中間期末比92.9%)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の減少は、1,099億17百万円(前年度中間期は6,600億60百万円の増加)となりました。これは主に、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の差引残高の減少による収入9,281億98百万円があったものの、トレーディング商品の差引残高の増加による支出5,883億75百万円および受入保証金の減少による支出4,249億12百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は、83億67百万円(前年度中間期比31.7%)となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入1,068億4百万円および有価証券の売却及び償還による収入529億3百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出810億18百万円、有価証券の取得による支出749億42百万円および無形固定資産の取得による支出115億40百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は、319億24百万円(前年度中間期比3.3%)となりました。これは主に社債の発行による収入4,545億1百万円および長期借入れによる収入2,582億56百万円があったものの、社債の償還による支出4,509億77百万円、長期借入金の返済による支出1,720億45百万円、コマーシャル・ぺーパーの減少による支出716億34百万円および短期借入金の減少による支出342億31百万円があったこと等によるものであります。
(5) 資本の財源および資金の流動性に係る情報
① 資本の財源
当社グループは、MUFGグループの一員として、有価証券の売買および売買等の委託の媒介・取次ぎ・代理、有価証券の引受けおよび売出し、有価証券の募集・売出しの取扱いおよび私募の取扱い、各種デリバティブ取引、M&Aや資産の証券化等に係るアドバイス、投資顧問業、ウェルスマネジメント業務等の幅広い投資・金融サービスを展開しており、当該業務を営む上で充分な資本を確保する必要があります。
当社グループの財務計画・事業戦略の策定・実施に当たっては、業務運営上のリスクに見合った適正な資本水準の設定・維持に努めており、加えて新型コロナウイルスの影響等による市場の急激な変動によりもたらされ得る大きな損失にも耐えることができる必要充分な資本水準が維持されるかについても、定期的に確認しております。また、当社グループは、国内外で投資・金融サービス業務を行っており、各国・地域における法規制上必要な資本も維持しなければなりません。
② 資金調達の基本方針
当社グループは、主たる事業として投資・金融サービス業を営んでおり、事業を継続する上で必要な流動性を十分かつ効率的に確保することを資金調達の基本方針としております。
財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から十分な資金を確保するよう努めております。また新型コロナウイルスの影響等による資金流動性の危機事象発生を想定したストレステストを実施することで、そのような環境が一定期間以上継続した場合でも資金流動性が枯渇しないだけの資金量を確保しております。
当社グループでは、グループ全体での拠点横断・統合的な資金流動性管理を行うため、グループ主要各社共通の基本方針を定め、各社が当該方針および各国・地域の規制等に則った管理を行うと共に、当社においてもグループ全体の資金繰り状況のモニタリングを行っております。また資金調達においては、主要各社自身による資金調達に加えて当社を中心とした資金調達・供給体制を整備することで、各社の資金繰り状況に応じた機動的な流動性供給を行っております。
③ 資金調達の方法および状況
当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、短期社債、コールマネー等の無担保調達および現先取引、貸借取引等の有担保調達があります。これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、仮に資金流動性の危機事象が発生した場合でも業務を継続するための十分な資金を確保しております。
④ 資金需要の動向
当社グループが投資・金融サービス業を営むうえでは、トレーディング業務等における商品在庫確保などのために資金需要が発生しますが、資金需要の総量はマーケット環境や顧客動向によって変動します。そのため、当社グループではグループ主要各社共通の基本方針に従い、発生する無担保資金需要の総額を各社の調達力の範囲内に抑えることを目的に、無担保資金需要の総量枠を各社にて設定しております。また、当社および各子会社にて資金需要の状況を日次でモニタリングし、資金需要の総量に見合った資金調達を行っております。