有価証券報告書-第81期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国経済は、引き続き雇用・所得環境に改善傾向が見られたものの、米中貿易摩擦の激化に加え、新型コロナウイルス感染症の流行による経済活動の停滞などから、先行きが極めて不透明な状況となりました。また、米国を中心に回復傾向にあった世界経済についても、感染症の流行拡大の影響により、景気の下押し圧力が急速に強まりました。
こうした経済環境のもと、国内株式市場は、米中貿易摩擦への警戒感の強まりを背景に、期初より膠着した相場展開となり、日経平均株価(終値)は、10月前半まで概ね20,000円から22,000円のボックス圏で推移しました。その後、世界的な金融緩和の動きを好感して上昇基調を辿り、12月13日の日経平均株価(終値)は、およそ1年2ヶ月ぶりに24,000円を回復しました。しかし、1月に入ると、新型コロナウイルス感染症による世界経済への影響が懸念され、上値の重い状況が続きました。さらに、2月後半には、世界規模の感染拡大から連鎖株安の様相を呈し、国内株式市場も全面安の展開となり、3月18日の日経平均株価(終値)は17,000円を割り込みました。また、3月末の日経平均株価(終値)は18,917円01銭となり、前期末(21,205円81銭)を10.8%下回る水準で取引を終了しました。
一方、米国株式市場は、米中の対立激化を背景に軟調なスタートとなりました。しかし、6月には、パウエルFRB(米国連邦準備制度理事会)議長が政策金利引き下げの可能性を示唆したことなどを好感して反発し、ダウ工業株30種平均(終値)は、7月3日に2018年10月以来となる史上最高値を更新(終値ベース:26,966ドル00セント)しました。また、10月以降は、米中貿易協議の部分的合意や3度連続の政策金利引き下げなどを好感して史上最高値を切り上げながら上伸し、2月12日には29,551ドル42セント(終値ベースの史上最高値)となりました。しかし、その後は、米国での新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受けて全面安商状となり、ダウ工業株30種平均(終値)は、前日比の変動幅が2,000ドルを超える日が続出しました。このように、極めてボラティリティの高いマーケット環境の中、3月23日には、18,591ドル93セント(終値ベースの期中安値)となり、最高値から僅か1ヶ月あまりで10,000ドルを超える下落となりました。また、3月末のダウ工業株30種平均(終値)は、21,917ドル16セントとなり、前期末(25,928ドル68セント)を15.5%下回りました。

(当社グループの経営成績)
当社グループの営業収益は前期比10.8%減少の189億48百万円、純営業収益は同11.4%減少の185億68百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は同4.4%減少の147億51百万円となり、経常利益は同28.4%減少の42億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同34.9%減少の27億0百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
岩井コスモホールディングス株式会社
岩井コスモホールディングス株式会社は、グループの経営戦略の策定及びその推進に取り組んでおります。営業収益は、子会社からの配当収入等により前期と同額の17億60百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、株式事務等の事務費の増加を主因として前期比4.5%増加の1億25百万円となりました。営業外損益は、投資有価証券の配当金の減少を主因として同3.8%減少の2億52百万円の利益となり、以上の結果、経常利益は同0.6%減少の18億87百万円となりました。
岩井コスモ証券株式会社
岩井コスモ証券株式会社は、引き続き、世界を牽引する米国企業の株式の販売に注力しました。また、投資信託において、中長期に高成長が期待される5Gや米国のテクノロジー企業を投資対象とするファンドの取り扱いに加え、高齢化社会における個人の資産形成に向けて、安定した収益が期待できる債券型ファンドの販売、及び残高の増加に努めました。加えて、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献として、グリーンボンド債や同目標に関連した投資信託の取り扱いを新たに開始するなど、お客様と一体となったSDGsへの支援にも取り組みました。その他、タブレット端末等のICT(情報通信技術)を活用した働き方改革の推進を通じて、お客様サービスの向上とともに、テレワーク等による業務の効率化を一層推進しました。その結果、業界の先鞭をつけるテレワークの積極的な取り組みが認められ、2019年11月に、総務省よりテレワークの導入・活用を進めている企業等を選出する「テレワーク先駆者百選」に、2020年1月には、一般社団法人日本テレワーク協会主催の「第20回テレワーク推進賞」において「奨励賞」に、それぞれ証券会社として初めて選出されました。
このように、お客様ニーズや投資環境に応じた営業活動とともに、生産性の向上にも一層注力しましたが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって、投資家のリスク回避姿勢が強まったことなどから、営業収益は前期比10.7%減少の189億35百万円、純営業収益は同11.3%減少の185億56百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、賞与等の変動費の減少を主因として同4.2%減少の146億97百万円となり、投資有価証券の配当金などによる営業外損益1億70百万円の利益(対前期比21.5%増加)を加えた経常利益は、同29.5%減少の40億28百万円となりました。
(当社グループの財政状態)
当連結会計年度末の資産合計は1,667億94百万円(対前連結会計年度末比121億3百万円減少)となりました。
流動資産は信用取引貸付金の減少などにより1,540億58百万円(同122億8百万円減少)となりました。固定資産はソフトウェアの取得による増加や長期前払費用の増加などにより127億36百万円(同1億5百万円増加)となりました。
一方、負債合計は1,159億64百万円(同128億84百万円減少)となりました。
流動負債は有価証券担保借入金の減少などにより1,111億82百万円(同108億26百万円減少)となりました。固定負債は社債の流動区分への振替による減少などにより43億7百万円(同20億57百万円減少)となりました。
純資産合計は508億29百万円(同7億81百万円増加)となり、自己資本比率は30.5%(前連結会計年度末は28.0%)となっております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、89億81百万円となり前連結会計年度末と比べ26億65百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、有価証券担保借入金の減少などによるキャッシュ・フローの減少があったものの、信用取引資産の減少などによるキャッシュ・フローの増加により、50億25百万円の増加(前連結会計年度は35億72百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより、4億85百万円の減少(前連結会計年度は6億9百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や借入金の返済によるキャッシュ・フローの減少により、18億66百万円の減少(前連結会計年度は24億66百万円の減少)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて入手可能な情報を基に合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
イ.貸倒引当金
当社グループは、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、急激な株式市場の下落等に伴い顧客に損失金等が発生した場合には、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
ロ.繰延税金資産
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について「税効果会計に係る会計基準」に基づき、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの経営成績は経済情勢や市場環境の変動に大きく影響を受けるため、長期にわたる課税所得の見積りが困難であります。従って、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しておりますが、繰延税金資産の全部または一部について将来回収ができないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。
ハ.資産除去債務
当社グループは、営業店舗等の開設にあたり、不動産所有者との間で不動産賃貸借契約を締結しており、退去時における原状回復義務に関し、「資産除去債務に関する会計基準」に基づき合理的な見積りを行い資産除去債務を計上しております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の営業収益は、前期比10.8%減少の189億48百万円、純営業収益は同11.4%減少の185億68百万円となり、経常利益は同28.4%減少の42億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同34.9%減少の27億0百万円となりました。
当社グループは、さらなる飛躍に向けて、2019年度を起点とする第4次中期経営計画(2019年度~2021年度)を策定しております。当該計画の最終年度(2021年度)における数値目標として、海外金融商品の預り資産額4,000億円、安定収益(金融収支、信用取引関連手数料、投資信託の信託報酬手数料)による固定費カバー率50%を掲げ、また、ROE(自己資本利益率)に関しては、絶対値ではなく、業界における相対的な評価を重視し、業界平均を上回るROEと上位ランクの維持を目標としております。初年度となった本年度の各数値の状況を見れば、海外金融商品の預り資産額は、新型コロナウイルス感染症による世界的な株価下落等の影響もあり、目標値(4,000億円)を下回る2,973億円となりました。また、安定収益による固定費カバー率も、当該収益の源泉となる信用取引、投資信託の残高減少に伴って30.5%と目標値を下回る水準に止まりました。しかしながら、ROEは5.4%となり、主要な証券会社16社の平均値(2.1%)を大きく上回るとともに、同比較17社中で2番目に高い数値となりました。今後も、営業部門・投資調査部門・商品部門が三位一体となって、有益な投資情報の提供と先見性のある魅力的な商品の発掘に取り組み、海外金融商品をはじめとする預り資産残高の積み上げ及び収益の拡大に努めて参ります。また、テレワーク等の働き方改革の一層の推進による生産性の向上と低コスト体質の堅持により、当該目標をはじめとする重点課題の達成にグループ一丸となって取り組んで参ります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当社グループの中核事業を担う岩井コスモ証券株式会社の営業収益は、主に個人投資家をターゲットとした株式、債券、投資信託等の資産運用サービスによっており、経済情勢や市場環境の変動により大きく影響を受ける状況にあるため、経済情勢や市場環境の変動が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの中核事業を担う岩井コスモ証券株式会社の運転資金需要のうち主なものは、信用取引の買付代金に係る顧客への貸付金であり、銀行等金融機関からの借入により必要な資金を調達しております。なお、連結会計年度末の当座貸越限度額の総額は18,000百万円でありますが、借入実行残高は4,000百万円であり十分な調達余裕額を有しております。しかしながら、運転資金需要は市場環境の変動に影響されるため、リスク管理の関係規程等に基づき資金管理部門が一元管理し、資金調達の多様化、複数の金融機関との当座貸越契約の締結、市場環境を考慮した調達によって、流動性リスクを管理しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、企業価値の向上を目指すうえにおいて、自己資本に対する利益率を高めることが重要であるとの認識のもと、ROE(自己資本利益率)を経営上の重要指標と捉えています。もっとも、当社グループの業績は、経済情勢や市場環境の変動により大きく影響を受ける状況にあるため、目標の設定に関しては、ROEの絶対値ではなく、主要な証券会社16社(ネット専業証券会社を除く)の平均値を上回るROE(自己資本利益率)と、比較対象(当社含む17社)の中での上位ランクの維持を目指して参ります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国経済は、引き続き雇用・所得環境に改善傾向が見られたものの、米中貿易摩擦の激化に加え、新型コロナウイルス感染症の流行による経済活動の停滞などから、先行きが極めて不透明な状況となりました。また、米国を中心に回復傾向にあった世界経済についても、感染症の流行拡大の影響により、景気の下押し圧力が急速に強まりました。
こうした経済環境のもと、国内株式市場は、米中貿易摩擦への警戒感の強まりを背景に、期初より膠着した相場展開となり、日経平均株価(終値)は、10月前半まで概ね20,000円から22,000円のボックス圏で推移しました。その後、世界的な金融緩和の動きを好感して上昇基調を辿り、12月13日の日経平均株価(終値)は、およそ1年2ヶ月ぶりに24,000円を回復しました。しかし、1月に入ると、新型コロナウイルス感染症による世界経済への影響が懸念され、上値の重い状況が続きました。さらに、2月後半には、世界規模の感染拡大から連鎖株安の様相を呈し、国内株式市場も全面安の展開となり、3月18日の日経平均株価(終値)は17,000円を割り込みました。また、3月末の日経平均株価(終値)は18,917円01銭となり、前期末(21,205円81銭)を10.8%下回る水準で取引を終了しました。
一方、米国株式市場は、米中の対立激化を背景に軟調なスタートとなりました。しかし、6月には、パウエルFRB(米国連邦準備制度理事会)議長が政策金利引き下げの可能性を示唆したことなどを好感して反発し、ダウ工業株30種平均(終値)は、7月3日に2018年10月以来となる史上最高値を更新(終値ベース:26,966ドル00セント)しました。また、10月以降は、米中貿易協議の部分的合意や3度連続の政策金利引き下げなどを好感して史上最高値を切り上げながら上伸し、2月12日には29,551ドル42セント(終値ベースの史上最高値)となりました。しかし、その後は、米国での新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受けて全面安商状となり、ダウ工業株30種平均(終値)は、前日比の変動幅が2,000ドルを超える日が続出しました。このように、極めてボラティリティの高いマーケット環境の中、3月23日には、18,591ドル93セント(終値ベースの期中安値)となり、最高値から僅か1ヶ月あまりで10,000ドルを超える下落となりました。また、3月末のダウ工業株30種平均(終値)は、21,917ドル16セントとなり、前期末(25,928ドル68セント)を15.5%下回りました。

(当社グループの経営成績)
当社グループの営業収益は前期比10.8%減少の189億48百万円、純営業収益は同11.4%減少の185億68百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は同4.4%減少の147億51百万円となり、経常利益は同28.4%減少の42億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同34.9%減少の27億0百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
岩井コスモホールディングス株式会社
岩井コスモホールディングス株式会社は、グループの経営戦略の策定及びその推進に取り組んでおります。営業収益は、子会社からの配当収入等により前期と同額の17億60百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、株式事務等の事務費の増加を主因として前期比4.5%増加の1億25百万円となりました。営業外損益は、投資有価証券の配当金の減少を主因として同3.8%減少の2億52百万円の利益となり、以上の結果、経常利益は同0.6%減少の18億87百万円となりました。
岩井コスモ証券株式会社
岩井コスモ証券株式会社は、引き続き、世界を牽引する米国企業の株式の販売に注力しました。また、投資信託において、中長期に高成長が期待される5Gや米国のテクノロジー企業を投資対象とするファンドの取り扱いに加え、高齢化社会における個人の資産形成に向けて、安定した収益が期待できる債券型ファンドの販売、及び残高の増加に努めました。加えて、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献として、グリーンボンド債や同目標に関連した投資信託の取り扱いを新たに開始するなど、お客様と一体となったSDGsへの支援にも取り組みました。その他、タブレット端末等のICT(情報通信技術)を活用した働き方改革の推進を通じて、お客様サービスの向上とともに、テレワーク等による業務の効率化を一層推進しました。その結果、業界の先鞭をつけるテレワークの積極的な取り組みが認められ、2019年11月に、総務省よりテレワークの導入・活用を進めている企業等を選出する「テレワーク先駆者百選」に、2020年1月には、一般社団法人日本テレワーク協会主催の「第20回テレワーク推進賞」において「奨励賞」に、それぞれ証券会社として初めて選出されました。
このように、お客様ニーズや投資環境に応じた営業活動とともに、生産性の向上にも一層注力しましたが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって、投資家のリスク回避姿勢が強まったことなどから、営業収益は前期比10.7%減少の189億35百万円、純営業収益は同11.3%減少の185億56百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、賞与等の変動費の減少を主因として同4.2%減少の146億97百万円となり、投資有価証券の配当金などによる営業外損益1億70百万円の利益(対前期比21.5%増加)を加えた経常利益は、同29.5%減少の40億28百万円となりました。
(当社グループの財政状態)
当連結会計年度末の資産合計は1,667億94百万円(対前連結会計年度末比121億3百万円減少)となりました。
流動資産は信用取引貸付金の減少などにより1,540億58百万円(同122億8百万円減少)となりました。固定資産はソフトウェアの取得による増加や長期前払費用の増加などにより127億36百万円(同1億5百万円増加)となりました。
一方、負債合計は1,159億64百万円(同128億84百万円減少)となりました。
流動負債は有価証券担保借入金の減少などにより1,111億82百万円(同108億26百万円減少)となりました。固定負債は社債の流動区分への振替による減少などにより43億7百万円(同20億57百万円減少)となりました。
純資産合計は508億29百万円(同7億81百万円増加)となり、自己資本比率は30.5%(前連結会計年度末は28.0%)となっております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、89億81百万円となり前連結会計年度末と比べ26億65百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、有価証券担保借入金の減少などによるキャッシュ・フローの減少があったものの、信用取引資産の減少などによるキャッシュ・フローの増加により、50億25百万円の増加(前連結会計年度は35億72百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより、4億85百万円の減少(前連結会計年度は6億9百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や借入金の返済によるキャッシュ・フローの減少により、18億66百万円の減少(前連結会計年度は24億66百万円の減少)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて入手可能な情報を基に合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
イ.貸倒引当金
当社グループは、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、急激な株式市場の下落等に伴い顧客に損失金等が発生した場合には、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
ロ.繰延税金資産
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について「税効果会計に係る会計基準」に基づき、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの経営成績は経済情勢や市場環境の変動に大きく影響を受けるため、長期にわたる課税所得の見積りが困難であります。従って、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しておりますが、繰延税金資産の全部または一部について将来回収ができないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。
ハ.資産除去債務
当社グループは、営業店舗等の開設にあたり、不動産所有者との間で不動産賃貸借契約を締結しており、退去時における原状回復義務に関し、「資産除去債務に関する会計基準」に基づき合理的な見積りを行い資産除去債務を計上しております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の営業収益は、前期比10.8%減少の189億48百万円、純営業収益は同11.4%減少の185億68百万円となり、経常利益は同28.4%減少の42億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同34.9%減少の27億0百万円となりました。
当社グループは、さらなる飛躍に向けて、2019年度を起点とする第4次中期経営計画(2019年度~2021年度)を策定しております。当該計画の最終年度(2021年度)における数値目標として、海外金融商品の預り資産額4,000億円、安定収益(金融収支、信用取引関連手数料、投資信託の信託報酬手数料)による固定費カバー率50%を掲げ、また、ROE(自己資本利益率)に関しては、絶対値ではなく、業界における相対的な評価を重視し、業界平均を上回るROEと上位ランクの維持を目標としております。初年度となった本年度の各数値の状況を見れば、海外金融商品の預り資産額は、新型コロナウイルス感染症による世界的な株価下落等の影響もあり、目標値(4,000億円)を下回る2,973億円となりました。また、安定収益による固定費カバー率も、当該収益の源泉となる信用取引、投資信託の残高減少に伴って30.5%と目標値を下回る水準に止まりました。しかしながら、ROEは5.4%となり、主要な証券会社16社の平均値(2.1%)を大きく上回るとともに、同比較17社中で2番目に高い数値となりました。今後も、営業部門・投資調査部門・商品部門が三位一体となって、有益な投資情報の提供と先見性のある魅力的な商品の発掘に取り組み、海外金融商品をはじめとする預り資産残高の積み上げ及び収益の拡大に努めて参ります。また、テレワーク等の働き方改革の一層の推進による生産性の向上と低コスト体質の堅持により、当該目標をはじめとする重点課題の達成にグループ一丸となって取り組んで参ります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当社グループの中核事業を担う岩井コスモ証券株式会社の営業収益は、主に個人投資家をターゲットとした株式、債券、投資信託等の資産運用サービスによっており、経済情勢や市場環境の変動により大きく影響を受ける状況にあるため、経済情勢や市場環境の変動が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの中核事業を担う岩井コスモ証券株式会社の運転資金需要のうち主なものは、信用取引の買付代金に係る顧客への貸付金であり、銀行等金融機関からの借入により必要な資金を調達しております。なお、連結会計年度末の当座貸越限度額の総額は18,000百万円でありますが、借入実行残高は4,000百万円であり十分な調達余裕額を有しております。しかしながら、運転資金需要は市場環境の変動に影響されるため、リスク管理の関係規程等に基づき資金管理部門が一元管理し、資金調達の多様化、複数の金融機関との当座貸越契約の締結、市場環境を考慮した調達によって、流動性リスクを管理しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、企業価値の向上を目指すうえにおいて、自己資本に対する利益率を高めることが重要であるとの認識のもと、ROE(自己資本利益率)を経営上の重要指標と捉えています。もっとも、当社グループの業績は、経済情勢や市場環境の変動により大きく影響を受ける状況にあるため、目標の設定に関しては、ROEの絶対値ではなく、主要な証券会社16社(ネット専業証券会社を除く)の平均値を上回るROE(自己資本利益率)と、比較対象(当社含む17社)の中での上位ランクの維持を目指して参ります。