有価証券報告書-第79期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 14:27
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。第2次安倍政権発足から始まった今回の景気回復は「いざなぎ景気」を超えて、戦後2番目の長さとなりました。
国内株式市場は、米国によるシリア攻撃や北朝鮮によるミサイル発射等の地政学的リスクの高まりを背景に下落して始まりましたが、4月後半には、米国株式市場の好調や国内の良好な経済指標を好感して上昇に転じました。日経平均株価(終値)は、6月2日に、およそ1年半ぶりに2万円台を回復すると、以降8月上旬まで2万円近辺で底堅く推移しました。8月中旬からは、米国と北朝鮮の軍事的緊張への警戒感から軟調に推移しましたが、9月中旬には、米国の利上げ観測による円安ドル高傾向を受けて上昇しました。また、10月の衆議院選挙における与党優勢との見方を好感して、日経平均株価(終値)は、過去最長となる16連騰を記録し、11月7日には22,937円60銭と、およそ26年ぶりにバブル崩壊後の戻り高値を更新しました。その後、利益確定の売りに押されたものの、1月からは、世界的な景気拡大期待の高まりを背景に再び上昇し、1月23日には、終値ベースで期中高値となる24,124円15銭を付けました。しかし、2月に入ると、米国金利の上昇に端を発した世界的な株価急落から、日経平均株価も大幅な調整を余儀なくされ、2月中旬には21,000円台前半まで下落しました。その後も、米国の保護主義に対する警戒感から、一時21,000円を割り込むなど荒い値動きとなり、3月末の日経平均株価(終値)は21,454円30銭(対前期末比13.5%上昇)で取引を終了しました。

(当社グループの業績)
このような状況のもと、当社グループの営業収益は前期比30.6%増加の210億89百万円、純営業収益は同31.2%増加の206億70百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は同9.2%増加の154億67百万円となり、経常利益は同184.4%増加の54億65百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同41.5%増加の47億26百万円と、それぞれ前期実績を上回りました。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
岩井コスモホールディングス株式会社
岩井コスモホールディングス株式会社は、グループの経営資源の配分による効率的な事業運営の推進に努めました。主に子会社からの配当収入及びグループ運営収入で構成される営業収益について、前期は、当社の借入金返済のため、子会社からの配当収入を増額しましたが、当期は、当該収入を当社の株主に対する配当相当に止めたため、前期比51.7%減少の16億80百万円となりました。一方、金融費用は、借入金返済による支払利息の減少から同40.7%減少の13百万円、販売費・一般管理費も外形標準課税を主とする租税公課の減少などから同13.8%減少の1億17百万円となりました。また、営業外収支が投資有価証券の配当金の減少を主として同18.4%減少の1億93百万円の利益となり、以上の結果、経常利益は17億42百万円と前期に比べて51.0%減少しました。
岩井コスモ証券株式会社
岩井コスモ証券株式会社は、お客様の資産運用をサポートする上で、収益機会の提供やリスク分散の観点から、海外金融商品を運用資産の一つに組み入れていただくことが重要と捉え、対面取引、コールセンター取引を中心に、好調が続く米国株式に関する投資情報の提供を強化しました。さらに、本年3月からは、中国のシリコンバレーと呼ばれ、成長著しい深圳のA株市場の株式取り扱いを開始するなど、その取り組みをさらに拡げました。一方、中長期の資産運用の提案として、ニッセイAI関連株式ファンドや深セン・イノベーション株式ファンド、当社グループの専用投信であるインベスコ ジャパン成長株・夢ファンド(愛称:未来のたまご)など、成長期待が大きいテーマを投資対象とした投資信託の販売に注力しました。加えて、営業員にタブレット端末を配備し、動画等を活用した視覚的でよりわかり易い商品説明など、一層の顧客サービスの向上に取り組むとともに、営業員の業務の効率化に努めました。インターネット取引では、平成29年8月より、信用取引の日計り決済(新規建て当日に反対売買による決済)に係る売買手数料及び金利・貸株料を無料とする新サービス「デイトレフリー」を開始し、取引を積極的に行うアクティブトレーダーの獲得に注力いたしました。日米の株価上昇など良好なマーケット環境の中、特に米国株式のマーケットメーク方式によるトレーディング利益が大幅に増加したことを主因として、営業収益は前期比30.7%増加の210億53百万円、純営業収益は同31.2%増加の206億47百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は同9.1%増加の153億93百万円と、概ね変動費の増加に止まり、投資有価証券の配当金などによる営業外収支68百万円の利益(対前期比34.0%減少)を加えた経常利益は、前期比208.3%増加の53億22百万円となりました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、56億90百万円となり前連結会計年度末と比べ7億15百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、株価上昇による良好なマーケット環境を背景として、信用取引資産の増加などによるキャッシュ・フローの減少があったものの、有価証券担保借入金の増加などによるキャッシュ・フローの増加により、14億41百万円の増加(前連結会計年度は63億39百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、米国株式の取り扱い強化に努めたことで外貨預金の流動性が高まり、外貨による定期預金の払戻による収入が定期預金の預入による支出を上回ったことなどにより、9億46百万円の増加(前連結会計年度は6億55百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額によるキャッシュ・フローの減少などにより、17億46百万円の減少(前連結会計年度は55億46百万円の減少)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は2,056億92百万円(対前連結会計年度末比220億34百万円増加)となりました。
流動資産は、株価上昇など良好なマーケット環境を背景に取引が活発化したため、信用取引貸付金や及び顧客分別金信託が増加し、1,932億53百万円(同209億40百万円増加)となりました。固定資産は投資有価証券の時価が上昇したことによる増加などにより124億38百万円(同10億94百万円増加)となりました。
一方、負債合計は1,580億0百万円(同175億15百万円増加)となりました。
流動負債は、信用取引資産の増加と連動して有価証券担保借入金及び信用取引借入金などが増加し、1,507億47百万円(同155億67百万円増加)となりました。固定負債は、社会貢献を目的としたCSR私募債(寄付型社債)を発行したことなどにより67億76百万円(同19億38百万円増加)となりました。
純資産合計は476億91百万円(同45億18百万円増加)となり、自己資本比率は23.2%(前連結会計年度末は23.5%)となっております。
②当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、特に、証券事業において、お客様の資産形成をサポートする上で、米国株式を運用資産の一つに組み入れていただくことが重要であると認識し、当該株式の取り扱い強化に努めたことが、増収増益の主要因であると認識しております。なお、経営上の重要指標と位置付けるROE(自己資本利益率)は前期比2.6ポイント上昇の10.4%となり、比較する主要な証券会社16社(ネット専業証券会社を除く)の平均値(7.0%)を上回るとともに、当社を含む17社中で3番目に高い数値となりました。今後も米国株式の取り扱いに注力するほか、経営課題の一つに掲げる安定収益拡大への取り組みとして、投資信託及び信用取引残高の増加に努め、さらに強固な収益基盤を構築することにより、ROEの上位ランク維持とさらなる企業価値の向上を目指して参る所存です。
③当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

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