有価証券報告書-第82期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 12:25
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大という未曾有の災禍の中、各種政策効果や経済活動の段階的な再開を受けて、一部に持ち直しの動きが見られたものの、感染症の収束の見通しは依然として立たず、先行き不透明な状況で推移しました。また、海外におきましても、感染再拡大のリスクを抱え、予断を許さない状況が続きました。
こうした経済環境のもと、国内株式市場は、政府による過去最大規模の緊急経済対策や経済活動再開の動きを背景に回復基調となり、6月8日の日経平均株価(終値)は、およそ4ヶ月ぶりに23,000円を上回りました。その後、新型コロナウイルス感染症の再拡大への懸念と、ワクチン開発による経済活動再開への期待が交錯し、株価は一進一退の動きとなりました。11月に入り、米国大統領選挙を通過し政治的な不透明感が薄れたことや、新型コロナウイルス感染症のワクチン実用化への期待から、投資家のリスクオン姿勢が鮮明となりました。日経平均株価は8営業日連続して上昇するなど騰勢を強め、11月17日には29年5ヶ月ぶりとなる26,000円台を回復しました。さらに、その後も米国の株高等を好感して続伸商状となり、2月15日には30年6ヶ月ぶりに30,000円の大台を回復しました。期末にかけて、米国の金利上昇を背景に軟調となりましたが、3月31日の日経平均株価(終値)は、前期末を54.2%上回る29,178円80銭で取引を終了しました。
一方、米国株式市場は、FRB(米国連邦準備制度理事会)による大規模な緊急資金供給策や経済活動再開への期待を背景に、期初より上昇基調を辿り、9月2日のダウ工業株30種平均(終値)は、およそ半年ぶりに29,000ドルを回復しました。その後、高値警戒感の台頭や大統領選挙を巡る不透明感を嫌気して弱含みとなったものの、11月の同選挙後は、勝利が確定的となったバイデン氏が掲げるインフラ投資等の政策期待や、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発の進展を好感して上昇しました。ダウ工業株30種平均(終値)は、11月24日に初めて30,000ドルの大台を突破すると、その後も、追加の経済対策法案の成立(12月)などを支援材料に続伸しました。1月下旬以降は、個人投資家の投機的な取引や長期金利の上昇を嫌気して下落する局面も見られましたが、ワクチン接種による経済正常化への期待を支えに、ダウ工業株30種平均(終値)は、3月29日に史上最高値(終値ベース)の33,171ドル37セントを記録するなど、高値圏で取引を終了しました(3月31日:32,981ドル55セント、前期末比50.5%上昇)。
0102010_001.png(当社グループの経営成績)
当社グループの営業収益は前期比23.5%増加の233億95百万円、純営業収益は同24.3%増加の230億75百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は同7.7%増加の158億92百万円となり、経常利益は同77.6%増加の75億30百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同98.6%増加の53億62百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
岩井コスモホールディングス株式会社
岩井コスモホールディングス株式会社は、グループの経営戦略の策定及びその推進に取り組んでおります。営業収益は、子会社からの配当収入等により前期と同額の17億60百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、外形標準課税に伴う租税公課の増加を主因として前期比1.2%増加の1億27百万円となりました。営業外損益は、投資有価証券の配当金の減少を主因として同14.2%減少の2億16百万円の利益となり、以上の結果、経常利益は同2.0%減少の18億49百万円となりました。
岩井コスモ証券株式会社
岩井コスモ証券株式会社は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、適宜、対面営業部門における店頭での接客やお客様のご自宅への訪問などを停止する措置を講じました。その一方、当社グループが従前より取り組んできたタブレット端末によるテレワークを最大限に活用し、営業員の営業活動を原則として在宅勤務に切り替えました。また、コロナ禍の3密(密閉、密集、密接)を回避する新生活様式に基づき、Web会議システム「Zoom」によるお客様との面談やWebセミナーを積極的に開催するとともに、SNSを通じた情報発信等、IT技術を駆使した金融情報サービスの提供を加速させました。このような当社が目指す「進化した対面営業」に向けた取り組みが、コロナ禍で高い効果を発揮したほか、いわゆる「巣ごもり投資」の活発化や大規模金融緩和に伴う国内外の歴史的な株価の上昇を背景に、営業収益は前期比23.5%増加の233億86百万円、純営業収益は同24.3%増加の230億66百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、業績に連動する賞与等の変動費の増加を主因として同7.6%増加の158億11百万円となり、投資有価証券の配当金などによる営業外損益1億30百万円の利益(対前期比23.3%減少)を加えた経常利益は、同83.3%増加の73億85百万円となりました。
(当社グループの財政状態)
当連結会計年度末の資産合計は1,930億33百万円と、前連結会計年度末に比べて262億39百万円増加しました。主な要因としては、預託金が80億46百万円増加、信用取引資産が139億77百万円増加したことが挙げられます。
一方、負債合計は1,368億32百万円と、前連結会計年度末に比べて208億68百万円増加しました。主な要因としては、預り金が88億1百万円増加、信用取引負債が56億15百万円増加、受入保証金が40億87百万円増加したことが挙げられます。
純資産合計は562億0百万円となり、前連結会計年度末に比べて53億71百万円の増加となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は100億71百万円と前連結会計年度末に比べて10億89百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、39億63百万円の増加となりました。主な要因としては、信用取引資産の増加による支出(△139億77百万円)や顧客分別金信託の増加による支出(△80億円)があったものの、税金等調整前当期純利益(71億93百万円)のほか、預り金の増加による収入(88億1百万円)、受入保証金の増加による収入(40億87百万円)、信用取引負債の増加による収入(56億15百万円)が挙げられます。
投資活動によるキャッシュ・フローは、10億22百万円の減少となりました。主な要因としては、有形固定資産の取得による支出(△5億93百万円)及び無形固定資産の取得による支出(△2億44百万円)が挙げられます。
財務活動によるキャッシュ・フローは、24億66百万円の減少となりました。主な要因としては、配当金の支払額(△17億62百万円)が挙げられます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて入手可能な情報を基に合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
繰延税金資産
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について「税効果会計に係る会計基準」に基づき、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの経営成績は経済情勢や市場環境の変動に大きく影響を受けるため、長期にわたる課税所得の見積りが困難であります。従って、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しておりますが、繰延税金資産の全部または一部について将来回収ができないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の営業収益は、前期比23.5%増加の233億95百万円、純営業収益は同24.3%増加の230億75百万円となり、経常利益は同77.6%増加の75億30百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同98.6%増加の53億62百万円となりました。収入額の大幅な増加については、国内外の株式取引の増加が挙げられます。とりわけ、米国株式の店頭取引を主とするトレーディング損益の増加(67億54百万円→117億28百万円 +49億73百万円、+73.6%)が寄与しました。これについては、米国の主要3指数が幾度となく史上最高値を更新する歴史的な株価上昇の中で、ニューヨーク在住の金融専門家を交えた毎朝のミーティング開催など、米国株式の投資情報サービスの提供に注力してきた当社グループの取り組みが功を奏しました。また、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、営業員によるお客様のご自宅への訪問自粛や店頭業務の休止など、一部のサービスに影響が見られましたが、当社グループがかねてより取り組んできたテレワークの推進に加え、Web会議システム「Zoom」を活用したリモート面談やWebセミナーなどの新たなサービスを導入することにより、経営成績に与える影響は軽微なものとなっております。
なお、主な収益と費用の内訳は、以下のとおりであります。
(受入手数料)
受入手数料は前期比3.1%減少の95億73百万円となりました。内訳は以下のとおりであります。
①委託手数料
委託手数料は前期比22.2%増加の55億99百万円となりました。同要因としては、日米の株価の上昇を背景とした売買の活発化により、株券の委託手数料が同23.3%増加の53億55百万円となったことが挙げられます。
②引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
株券の手数料はソフトバンク株式会社のPOの取り扱いなどにより前期比192.8%増加の1億26百万円となりました。一方、債券の手数料は同86.7%減少の21百万円に止まり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では同28.8%減少の1億48百万円となりました。
③募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売減少を主因として前期比45.7%減少の16億50百万円となりました。投資信託の主な販売動向として、テクノロジーの進化により持続的成長が期待できる「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)」や「インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)」のほか、安定した運用が期待できる債券型の「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」が挙げられます。
④その他の受入手数料
その他の受入手数料は、投資信託の信託報酬手数料の増加を主因として前期比6.1%増加の21億75百万円となりました。
(トレーディング損益)
米国株式の国内店頭取引を中心とする株券等のトレーディング損益は、歴史的な株価の上昇を背景として、前期のほぼ倍増(対前期比97.3%増加)となる107億31百万円の利益となりました。一方、債券等のトレーディング損益は前期比16.0%減少の10億71百万円の利益となり、その他のトレーディング損益74百万円の損失(前期は39百万円の利益)を含めたトレーディング損益の合計は同73.6%増加の117億28百万円の利益となりました。
(金融収支)
金融収益は、信用取引収益の減少を主因として前期比9.6%減少の20億93百万円となりました。一方、金融費用は同15.7%減少の3億20百万円となり、差し引き金融収支は同8.4%減少の17億73百万円となりました。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は、業績に連動する賞与のほか、キャンペーン費用や取引所協会費等の変動費項目の増加を主因として前期比7.7%増加の158億92百万円となりました。
(営業外損益)
営業外損益は、受取配当金の減少などにより前期比17.7%減少の3億47百万円の利益となりました。
(特別損益)
特別損益は、システムの移行に伴う費用の計上を主として、3億36百万円の損失となりました(前期は3億88百万円の損失)。

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