有価証券報告書-第87期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 9:33
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移しました。
一方、海外経済は、米国の関税政策を巡る不確実性に加え、ウクライナ情勢の長期化や中東地域の緊迫化など、依然として先行き不透明な状況が続きました。
こうした経済環境のもと、国内株式市場は、米国トランプ政権による相互関税の発表を受け、企業業績の悪化に対する警戒感が高まったことから下落基調で推移し、4月上旬の日経平均株価(終値)は31,000円台前半まで下落しました。その後、一部関税の90日間停止が発表されたことで安堵感が広がり、株価は上昇に転じました。6月に入ると、米国の関税政策を巡る不透明感が和らいだことで、株価は一段高となり、6月下旬には約5ヶ月ぶりに4万円台を回復しました。その後、10月には、高市氏が国内初の女性首相に選出され、「責任ある積極財政」を柱とする経済政策「サナエノミクス」への期待から、投資家のリスクオン姿勢が一段と強まり、10月下旬の日経平均株価は歴史的な節目となる5万円の大台を突破しました。2月に入ると、衆議院選挙における自民党の勝利を受け、高市政権による政策推進への期待感から、日経平均株価は史上最高値(58,850円27銭、2月27日終値ベース)を更新しました。しかしながら、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃をきっかけとして、世界的に株価は急落し、日経平均株価も大幅な調整を余儀なくされました。その後も、地政学リスクへの警戒感から弱含みの相場展開となり、3月末の終値は51,063円72銭(対前期末比43.4%上昇)で取引を終了しました。
一方、米国株式市場は、トランプ政権による想定以上に厳しい関税政策が嫌気され、下落基調で始まりました。しかし、相互関税の一時停止措置などが発表されると景気減速への警戒感が和らぎ、ダウ工業株30種平均は上昇に転じました。その後、下落する局面もありましたが、9月に入り、FRB(米国連邦準備制度理事会)が9ヶ月ぶりに政策金利を引き下げたことで、米国経済の先行き不透明感が後退し、株価は上昇基調で推移しました。11月には、生成AIによる代替懸念から「SaaS(サース)の死」が市場のテーマとして意識され、ソフトウエア関連銘柄を中心に下落する局面も見られましたが、12月には、FRBによる3会合連続の利下げが好感され、株価は再び堅調に推移しました。しかし、3月に入ると、米国及びイスラエルによるイランへの軍事攻撃を受け地政学リスクが高まったことから、市場は軟調な展開となり、3月末のダウ工業株30種平均(終値)は、46,341ドル51セント(対前期末比10.3%上昇)で取引を終えました。
(当社グループの経営成績)
当社グループの営業収益は前期比25.3%増加の322億60百万円、純営業収益は同24.9%増加の318億59百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、同11.8%増加の188億51百万円となり、経常利益は同48.1%増加の135億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同55.3%増加の104億43百万円となりました。なお、営業収益、純営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
岩井コスモホールディングス株式会社
岩井コスモホールディングス株式会社は、グループの経営戦略の策定及びその推進に取り組んでおります。営業収益は、前期比49.0%増加の42億91百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、租税公課の増加を主因として同22.5%増加の1億88百万円となりました。営業外損益は、投資有価証券の配当金の増加を主因として同12.6%増加の3億96百万円の利益となり、以上の結果、経常利益は同46.1%増加の44億99百万円となりました。
岩井コスモ証券株式会社
岩井コスモ証券株式会社は、お客様の資産運用における収益機会の提供及びリスク分散の観点から、海外金融資産をお客様のポートフォリオに組み入れて頂くことが重要と捉え、好調が続く米国株式の提案営業に一層注力いたしました。投資信託の営業活動においては、低リスクの投資初心者向けのファンドから、先端技術や革新的なビジネスを展開する企業を投資対象とした高成長が期待できるファンドまで、多様な投資ニーズに合致する商品の取り扱いにより、残高の積み上げに継続して取り組みました。
さらに、昨今、証券会社を装ったフィッシングメール等による不正ログインや、それらを悪用した不正取引被害が多発している状況に鑑み、インターネット取引(コスモ・ネットレ)において、お客様の大切な資産を守るべく、9月28日から業界初となるパスキー認証を導入し、ログイン時の多要素認証を必須化いたしました。
これらの取り組みのほか、日経平均株価が5万円を突破するなど、株式市場が活況を呈するなか、当社の堅調な業績の原動力となった従業員の日頃の尽力に報いるべく、10月に全従業員を対象とした特別賞与を支給いたしました。
加えて、一層の企業知名度向上及び営業活動の支援を目的に、各部店の営業担当者がCMに出演し「私たちに、おまかせください!」と力強くメッセージを発信する「対面取引」篇と、シニアにやさしいネット取引を訴求する「ネット取引」篇のCMを放映いたしました。
このように、顧客サービスの向上と収益拡大に向けた施策に注力した結果、営業収益は前期比25.3%増加の322億57百万円、純営業収益は同24.8%増加の318億55百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は、業績に連動する賞与に加え、給与水準の引上げ(ベースアップ、定期昇給)に伴う人件費の増加を主因として同11.4%増加の187億81百万円となり、投資有価証券の配当金などによる営業外損益1億47百万円の利益(対前期比1.6%減少)を加えた経常利益は、同49.9%増加の132億22百万円となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は2,130億27百万円となり、前連結会計年度末に比べて275億75百万円増加しました。主な要因としては、預託金が153億39百万円、信用取引資産が110億87百万円、それぞれ増加したことが挙げられます。
一方、負債合計は1,387億31百万円となり、前連結会計年度末に比べて209億81百万円増加しました。主な要因としては、預り金が111億28百万円、受入保証金が25億48百万円、それぞれ増加したことが挙げられます。
純資産合計は742億95百万円となり、前連結会計年度末に比べて65億94百万円の増加となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は55億60百万円と前連結会計年度末に比べて21億58百万円の減少となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、顧客分別金信託の増加による支出(△150億円)や信用取引資産の増加による支出(△110億87百万円)があったものの、税金等調整前当期純利益(148億39百万円)、預り金の増加による収入(111億28百万円)、受入保証金の増加による収入(25億48百万円)などにより、23億5百万円(対前期比8億25百万円減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入(14億67百万円)があったものの、定期預金の預入による支出(△20億円)などにより、△7億0百万円(対前期比33百万円減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額(△43億15百万円)などにより、△44億22百万円(対前期比15億98百万円減少)となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて入手可能な情報を基に合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
④当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の営業収益は、前期比25.3%増加の322億60百万円、純営業収益は同24.9%増加の318億59百万円となり、経常利益は同48.1%増加の135億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同55.3%増加の104億43百万円となりました。主な要因は、委託手数料が増加(53億90百万円→74億37百万円 +20億46百万円 +38.0%)したことに加え、米国株式の店頭取引を主とするトレーディング損益が増加(134億33百万円→175億56百万円 +41億22百万円 +30.7%)したことが挙げられます。なお、営業収益、純営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。
また、経営上の重要指標と位置付けるROE(自己資本利益率)は14.7%となり、比較する主要な証券会社16社(ネット専業証券会社を除く)の平均値(9.0%)を上回りました。今後も、業界上位のROEの維持や経営課題の一つに掲げる安定収益拡大の取り組みとして、投資信託及び信用取引残高の増加に注力し、さらなる強固な経営基盤の構築に努めてまいります。
なお、主な収益と費用の内訳は、以下のとおりであります。
(受入手数料)
受入手数料は114億59百万円(対前期比18.0%増加)となりました。内訳は以下のとおりであります。
①委託手数料
委託手数料は、株券委託手数料が73億3百万円(対前期比39.6%増加)、受益証券委託手数料は1億31百万円(同16.3%減少)となり、委託手数料全体では74億37百万円(同38.0%増加)となりました。
②引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、株券の手数料が55百万円(対前期比33.5%増加)、債券の手数料は2億58百万円(同7.7%増加)となり、同手数料全体では3億13百万円(同11.6%増加)となりました。
③募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売手数料を中心に5億97百万円(対前期比42.3%減少)となりました。投資信託の主な販売動向として、成長・配当・割安に注目し持続的成長が期待できる優良企業に投資する投資信託などが挙げられます。
④その他の受入手数料
その他の受入手数料は、投資信託の信託報酬を中心に31億10百万円(対前期比3.5%増加)となりました。
(トレーディング損益)
株券等トレーディング損益は173億57百万円の利益(対前期比30.8%増加)となりました。一方、債券等トレーディング損益は2億53百万円の利益(同46.6%増加)となり、その他のトレーディング損益54百万円の損失(前期は11百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は175億56百万円の利益(対前期比30.7%増加)となりました。
(金融収支)
金融収益は、信用取引収益を中心に32億44百万円(対前期比24.5%増加)となりました。一方、金融費用は4億1百万円(同72.3%増加)となり、差し引き金融収支は28億43百万円(同19.8%増加)となりました。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は、業績に連動する賞与に加え、給与水準の引き上げ(ベースアップ、定期昇給)に伴う人件費の増加を主因として188億51百万円(対前期比11.8%増加)となりました。
(営業外損益)
営業外損益は、受取配当金を中心に5億43百万円の利益(対前期比8.4%増加)となりました。
(特別損益)
特別損益は、投資有価証券売却益の計上により12億88百万円の利益(前期は5百万円の利益)となりました。

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