有価証券報告書-第115期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(以下、4において「当期」という。)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、4において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、米国の通商政策の影響に加え、中東等における地政学リスクのさらなる高まりなどもあり、予断を許さない情勢が続きました。わが国経済についても、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などにより緩やかな回復基調にあったものの、物価上昇や急速な金利上昇のほか、中国政府による日本への渡航自粛要請の影響等もあり、先行き不透明な状況で推移しました。
このような情勢のもと、当社グループでは、大阪・関西万博等による旅客・消費需要やインバウンド需要の取込みに努めるなど、各事業で収益向上に取り組みました。これによって、運輸業、流通業などで業績が概ね順調に進捗した結果、国際物流業での市場競争の激化や、期の終盤にかけての中東情勢悪化などの下押し要因はあったものの、連結営業収益は前期に比較して0.5%増の1兆7,503億7百万円、営業利益は6.0%増の894億36百万円、経常利益は3.7%増の845億77百万円となり、法人税等を控除した後の親会社株主に帰属する当期純利益は15.1%増の537億71百万円となりました。
各報告セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
a.運 輸
運輸業におきましては、鉄軌道事業で大阪・関西万博開催に伴うお客様の増加や、前年2月に実施したダイヤ変更による名阪特急「ひのとり」の増発効果が寄与したことに加え、インバウンド需要や伊勢志摩方面への観光需要も堅調に推移しました。
安全面の取組としては、鶴橋駅及び近鉄名古屋駅で、ホームドアの供用を開始しました。また、激甚化・頻発化する自然災害への対策については、安全で安定的な輸送の確保を目指し、線路の法面補強、橋梁・トンネルの耐震補強、電気設備の雷害対策などを継続して実施しております。
当期の営業収益は前期に比較して3.9%増の2,320億21百万円、営業利益は9.8%増の380億64百万円となりました。
(近畿日本鉄道㈱ 運輸成績表)
(注)乗車効率の算出は、延人キロ/(車両走行キロ×平均定員)によります。
b.不動産
不動産業におきましては、不動産販売業で、首都圏を中心にマンション分譲が好調に推移したほか、中古住宅等の買取再販ビジネスが伸長したことで増収となり、不動産賃貸業でも、首都圏における収益物件の取得等により、増収となりました。
また、2027年春に開業予定の「近鉄シニアレジデンス学研奈良登美ヶ丘(仮称)」の建設を進めるなど、今後の収益拡大に向けた取組を推進しました。
当期の営業収益は前期に比較して5.1%増の1,738億21百万円、営業利益は3.6%増の143億68百万円となりました。
c.国際物流
国際物流業におきましては、半導体関連や電子部品の荷動きは堅調に推移したものの、前年4月のシステム障害の影響や欧州市場の低迷、荷主の在庫積増しによる緊急出荷需要の落ち込みにより、全体的な取扱物量は微増にとどまり、減収となりました。また、仕入価格が高止まりする一方で、競合他社との競争激化や販売価格への転嫁の遅れもあり、利益面においても厳しい状況が続きました。
一方、東南アジアでの販売拡大に向けてシンガポールで新たな倉庫建設に着手するなど、今後の成長戦略に基づく施策を推進しました。
当期の営業収益は前期に比較して5.5%減の7,532億円、営業利益は7.4%減の120億12百万円となりました。
d.流 通
流通業におきましては、百貨店業で、大阪・関西万博のオフィシャルストアが好調に推移しました。また、「旗艦店あべのハルカス近鉄本店『リモデル』」の一環として菓子売場などを改装するとともに、隣接する商業施設「Hoop」の改装や医療モール「あべのウェルビーイングテラス」の開業等により、あべの・天王寺エリアの魅力最大化を図りました。
ストア・飲食業では、人流の増加を駅ナカ店舗等の収益向上につなげるとともに、近商ストア高の原店のリニューアルなど、お客様のニーズに合わせた売場づくりを推進しました。
当期の営業収益は前期に比較して5.1%増の2,263億67百万円、営業利益は30.4%増の91億59百万円となりました。
e.ホテル・レジャー
ホテル・レジャー業におきましては、ホテル業で大阪・関西万博の効果が顕著であった大阪エリアを中心に、旺盛なインバウンド需要の着実な取込みを図り、客室単価及び稼働率の上昇につなげました。また、シェラトン都ホテル東京で順次客室改装工事を進めたほか、米国テキサス州プレイノ市でホテル建設に着手するなど、今後の需要拡大を見据えた施策も実施しました。
旅行業では、大阪・関西万博関連で各地発着の宿泊・日帰りツアーを販売したほか、個人旅行では、ヨーロッパ方面のツアーやテーマ性の高い商品の造成を積極的に進め、団体旅行では、MICE案件や視察旅行などの受注拡大に努めました。さらに、インバウンド需要の取込みのため、個人旅行者向けオンラインサイトでの販売や多言語対応を強化するとともに、団体旅行で東京2025世界陸上競技選手権大会に関する商品の取扱いに注力しました。
水族館業では、開業35周年を迎えた海遊館及び開業10周年を迎えたニフレルにおいて、記念イベントの実施や記念グッズの販売を通じて来館促進を図りました。
当期の営業収益は前期に比較して7.1%増の3,693億7百万円となりましたが、志摩スペイン村の入場者数が前期開催した30周年記念コラボイベントの反動によって減少したことなどにより、営業利益は1.4%減の137億91百万円となりました。
f.その他
その他の事業におきましては、ケーブルテレビ業で、積極的な営業活動によりサービス加入者数が増加しました。
当期の営業収益は前期に比較して5.9%増の478億5百万円、営業利益は7.7%増の25億24百万円となりました。
資産合計は、前期末に比較して862億46百万円増加し、2兆5,935億2百万円となりました。これは、現金及び預金が減少した一方で、棚卸資産や有形固定資産が増加したことによるものであります。
負債合計は、前期末に比較して80億6百万円増加し、1兆9,015億37百万円となりました。これは、社債の償還を進めた一方で、資金調達により借入金が増加したことによるものであります。
純資産合計は、前期末に比較して782億40百万円増加し、6,919億64百万円となりました。これは、利益剰余金が純利益の計上から配当を差し引き増加したほか、為替換算調整勘定の増加などによりその他の包括利益累計額が増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物の期末残高は2,001億24百万円で、前期末に比較して316億23百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益の計上に加え、棚卸資産の取得が減少したことなどにより、前期に比較して283億59百万円収入が増加し、1,180億87百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得が増加したことなどにより、前期に比較して561億2百万円支出が増加し、1,388億91百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金が増加したものの、社債の純償還額が増加したことなどにより、前期に比較して20億61百万円支出が増加し、199億35百万円の支出となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各報告セグメントの経営成績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、この作成にあたり、当期末の資産及び負債並びに当期に係る収益及び費用の報告金額に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況等に応じた合理的な判断に基づき仮定及び見積りを行っております。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上で、当社グループの主要な事業で用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
a.固定資産の減損
当社グループは、運輸業、不動産業、国際物流業、流通業、ホテル・レジャー業等、多くの事業を展開する特性上、多額の固定資産を保有しており、これらの固定資産の回収可能額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき見積もっております。このうち賃貸施設、百貨店店舗、ホテルやレジャー施設等につきましては、不動産市況の著しい下落や消費環境の悪化による収益性の低下等のリスクをはらんでおります。従って、当初見込んでいた収益が得られない、あるいは正味売却価額が下落したことにより、将来キャッシュ・フローが減少するなど前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施する可能性があります。
また、当社グループは、過去の企業買収時に発生したのれんを含む固定資産を保有しており、これらの将来キャッシュ・フローにつきましては、営業収入の成長率、販売費及び一般管理費の見込みを主要な仮定として用いております。将来の不確実な経済条件や市場価格の変動などによって影響を受ける可能性があり、今後、実際の結果が見積りと乖離した場合、のれんの減損を実施する可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して将来の課税所得を合理的に見積もり、タックスプランニングを行った上で、税務上の繰越欠損金や将来減算一時差異のうち、将来課税所得を減算できる可能性が高いものについて繰延税金資産を認識しております。従って、今後、経営環境の変化や将来の収支予測の変更などにより将来の課税所得の見積額やタックスプランニングが変更された場合には、繰延税金資産が増額又は減額される可能性があります。
c.退職給付債務及び費用の計算
当社グループは、退職給付債務及び費用の計算について、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件に基づき行っており、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異や過去勤務費用として累積され、将来にわたって規則的に認識されます。従って、年金資産の運用結果が長期期待運用収益率と乖離した場合のほか、割引率や長期期待運用収益率の見直しあるいは退職給付制度の変更がなされた場合には、退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。
② 当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(経営成績の状況に関する分析)
経営成績に重要な影響を与える各要因を踏まえた当期の経営成績の状況に関する分析は、次のとおりであります。
a.営業収益及び営業利益
大阪・関西万博開催による旅客・消費需要に加え、万博閉幕後は伊勢志摩方面への誘客が好調に推移したほか、インバウンド需要の増加もあり、運輸業、流通業及びホテル・レジャー業で増収となったものの、国際物流業が減収により減益となり、連結全体の営業収益は前期に比較して0.5%増の1兆7,503億7百万円、営業利益は6.0%増の894億36百万円となりました。
運輸業では、鉄軌道事業で大阪・関西万博開催に伴う旅客の増加、前年2月に実施したダイヤ変更による名阪特急増発効果やインバウンド需要の増加に加え、万博閉幕後は伊勢志摩方面への旅客需要も堅調に推移したため、運輸業全体の営業収益は、前期に比較して3.9%増の2,320億21百万円、営業利益は9.8%増の380億64百万円となりました。
不動産業では、不動産販売業で首都圏を中心にマンション販売が堅調であったほか、不動産賃貸業で物件取得等による賃貸収入の増加に加え収益物件の売却もあり、不動産業全体の営業収益は、前期に比較して5.1%増の1,738億21百万円、営業利益は3.6%増の143億68百万円となりました。
国際物流業では、取扱物量が増加しましたが、市場競争の激化により販売価格が下落したため、国際物流業全体の営業収益は、前期に比較して5.5%減の7,532億円、営業利益は7.4%減の120億12百万円となりました。
流通業では、百貨店業で前期に好調であった免税売上の反動はあったものの、大阪・関西万博のオフィシャルストアが好調に推移したほか、ストア・飲食業で国内観光客やインバウンドによる人流の増加が駅ナカ店舗の売上に寄与したため、流通業全体の営業収益は、前期に比較して5.1%増の2,263億67百万円、営業利益は30.4%増の91億59百万円となりました。
ホテル・レジャー業では、ホテル業で宿泊部門及び料飲部門で堅調に推移したほか、旅行業では海外旅行の取扱いが増加したものの、観光施設業では前期にコラボイベントで好調であった志摩スペイン村の入場者数が減少したため、ホテル・レジャー業全体の営業収益は、前期に比較して7.1%増の3,693億7百万円となり、営業利益は1.4%減の137億91百万円となりました。
b.経常利益
営業外収益で受取利息及び配当金が増加する一方で、営業外費用で金利上昇に伴い支払利息が増加しましたが、前期に比較して3.7%増の845億77百万円となりました。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益で、近鉄百貨店名古屋店閉店に伴う受取補償金等を計上する一方、特別損失で減損損失やのれん償却額を計上しましたが、繰延税金資産の計上により法人税等が減少したため、前期に比較して15.1%増の537億71百万円となりました。
(経営判断のために採用している経営指標とその達成状況及びその理由)
当社は、2025年3月に2025年度から2028年度までの4カ年を計画期間とする「近鉄グループ中期経営計画2028」を策定しました。計画初年度である2025年度は、利益面において期初の目標を達成しましたが、鉄道・一般車両の代替新造や首都圏における賃貸アセットの取得等による有利子負債の一時的な増加や、想定を上回る金利上昇に伴うWACC(資本コスト)の上昇等により、株価形成要素の一つであるROIC-WACCスプレッドが縮小したこと等が影響して、当社株価は市場全体や鉄道業界と比較して相対的に低位で推移し、資本市場から十分に評価されませんでした。こうした状況から、資本コストを意識した経営資源の適切な配分が不可欠であるとの認識のもと、2026年5月に「近鉄グループ中期経営計画2028」のアップデートを行っております。
本中期経営計画の基本方針は、『価値を創造する企業グループへの進化に向けた「新たな基盤構築」と「着実な成長」』であり、資本収益性に関する経営指標として「ROIC」を導入し、「営業利益」「純有利子負債残高」「ROE」「ROIC」「自己資本比率」「純有利子負債/EBITDA倍率」を重要な経営指標と位置付けております。アップデートにおいては、資本コストの上昇を再認識した経営指標を新たに掲げ、株主還元についても、DOEの下限を2.0%から2.5%へ引き上げ、連結配当性向も考慮するとともに、本中期経営計画の達成を踏まえたうえで、株主還元の多様化を進めます。
[アップデート後の「中期経営計画2028」で目指す経営指標]
(注)1.「(予定)」は2026年6月開催の株主総会において剰余金の配当(普通株式1株につき30円)が決議を得た場合の値
2.純有利子負債=有利子負債(借入金+社債)+リース債務(IFRS第16号による計上分を除く)-現預金
3.ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本
4.ROIC=税引後営業利益(営業利益×(1-実効税率))÷(純有利子負債+株主資本)
5.EBITDA=営業利益+減価償却費(IFRS第16号による計上分を除く)+のれん償却費
6.各指標値は2027年度から適用予定の新リース会計による影響額を除く数値
③ キャッシュ・フローの状況の分析内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、2028年度を最終年度とする「近鉄グループ中期経営計画2028」において、価値を創造する企業グループへの進化に向けた「新たな基盤構築」と「着実な成長」を基本方針としております。引き続き「成長」と「財務健全性」のバランスに配慮し、資本コストと資本収益性を意識した投資、回転型不動産ビジネスの導入やバランスシートのスリム化等による財務効率の高度化を図り、純有利子負債のコントロール及び資本の蓄積による自己資本の強化を推し進めてまいります。
資金需要の主なものは、各事業の運営資金、販売用不動産など資産の取得に加え、既存設備の維持更新、安全関連投資及び所有不動産の建替や改装といった設備投資に関するものであります。
これらの資金需要に対応すべく、短期資金については、各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、当座貸越やコミットメントラインなどによる金融機関からの借入れ、コマーシャル・ペーパーの発行などにより資金の流動性を確保しております。また、長期資金については、金融機関からの借入れ、シンジケート・ローンの組成、社債の発行及びリースなどの多様な選択肢の中から最適な調達手段を採用しております。さらに、市場金利とのバランスに留意しつつ返済年限の長期化を図り、原則として固定金利で調達することで金利上昇リスクに対応するとともに、年度別返済額を平準化することで将来の借り換えリスクの低減にも努めております。
当連結会計年度(以下、4において「当期」という。)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、4において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、米国の通商政策の影響に加え、中東等における地政学リスクのさらなる高まりなどもあり、予断を許さない情勢が続きました。わが国経済についても、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などにより緩やかな回復基調にあったものの、物価上昇や急速な金利上昇のほか、中国政府による日本への渡航自粛要請の影響等もあり、先行き不透明な状況で推移しました。
このような情勢のもと、当社グループでは、大阪・関西万博等による旅客・消費需要やインバウンド需要の取込みに努めるなど、各事業で収益向上に取り組みました。これによって、運輸業、流通業などで業績が概ね順調に進捗した結果、国際物流業での市場競争の激化や、期の終盤にかけての中東情勢悪化などの下押し要因はあったものの、連結営業収益は前期に比較して0.5%増の1兆7,503億7百万円、営業利益は6.0%増の894億36百万円、経常利益は3.7%増の845億77百万円となり、法人税等を控除した後の親会社株主に帰属する当期純利益は15.1%増の537億71百万円となりました。
各報告セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
a.運 輸
運輸業におきましては、鉄軌道事業で大阪・関西万博開催に伴うお客様の増加や、前年2月に実施したダイヤ変更による名阪特急「ひのとり」の増発効果が寄与したことに加え、インバウンド需要や伊勢志摩方面への観光需要も堅調に推移しました。
安全面の取組としては、鶴橋駅及び近鉄名古屋駅で、ホームドアの供用を開始しました。また、激甚化・頻発化する自然災害への対策については、安全で安定的な輸送の確保を目指し、線路の法面補強、橋梁・トンネルの耐震補強、電気設備の雷害対策などを継続して実施しております。
当期の営業収益は前期に比較して3.9%増の2,320億21百万円、営業利益は9.8%増の380億64百万円となりました。
| 業 種 | 単 位 | 当 期 | |
| (2025年4月~2026年3月) | 前期比(%) | ||
| 鉄軌道事業 | 百万円 | 167,190 | 4.2 |
| バス事業 | 百万円 | 36,760 | 5.8 |
| タクシー業 | 百万円 | 10,553 | 5.1 |
| 鉄道施設整備業 | 百万円 | 24,086 | △7.0 |
| その他運輸関連事業 | 百万円 | 13,286 | 2.6 |
| 調整 | 百万円 | △19,857 | - |
| 営業収益計 | 百万円 | 232,021 | 3.9 |
(近畿日本鉄道㈱ 運輸成績表)
| 区 分 | 単 位 | 当 期 | |||
| (2025年4月~2026年3月) | 前期比(%) | ||||
| 営業日数 | 日 | 365 | - | ||
| 営業キロ程 | キロ | 501.1 | - | ||
| 客車走行キロ | 千キロ | 278,922 | 2.2 | ||
| 旅客人員 | 定期 | 千人 | 321,135 | 0.9 | |
| 定期外 | 千人 | 216,558 | 4.2 | ||
| 計 | 千人 | 537,693 | 2.2 | ||
| 旅客運輸収入 | 旅客収入 | 定期 | 百万円 | 50,347 | 0.6 |
| 定期外 | 百万円 | 109,636 | 5.9 | ||
| 計 | 百万円 | 159,984 | 4.2 | ||
| 荷物収入 | 百万円 | 6 | △18.2 | ||
| 合計 | 百万円 | 159,990 | 4.2 | ||
| 運輸雑収 | 百万円 | 7,200 | 3.2 | ||
| 営業収益計 | 百万円 | 167,190 | 4.2 | ||
| 乗車効率 | % | 28.6 | 0.7 | ||
(注)乗車効率の算出は、延人キロ/(車両走行キロ×平均定員)によります。
b.不動産
不動産業におきましては、不動産販売業で、首都圏を中心にマンション分譲が好調に推移したほか、中古住宅等の買取再販ビジネスが伸長したことで増収となり、不動産賃貸業でも、首都圏における収益物件の取得等により、増収となりました。
また、2027年春に開業予定の「近鉄シニアレジデンス学研奈良登美ヶ丘(仮称)」の建設を進めるなど、今後の収益拡大に向けた取組を推進しました。
当期の営業収益は前期に比較して5.1%増の1,738億21百万円、営業利益は3.6%増の143億68百万円となりました。
| 業 種 | 単 位 | 当 期 | |
| (2025年4月~2026年3月) | 前期比(%) | ||
| 不動産販売業 | 百万円 | 87,170 | 4.9 |
| 不動産賃貸業 | 百万円 | 44,784 | 11.8 |
| 不動産管理業 | 百万円 | 46,280 | △0.1 |
| 調整 | 百万円 | △4,413 | - |
| 営業収益計 | 百万円 | 173,821 | 5.1 |
c.国際物流
国際物流業におきましては、半導体関連や電子部品の荷動きは堅調に推移したものの、前年4月のシステム障害の影響や欧州市場の低迷、荷主の在庫積増しによる緊急出荷需要の落ち込みにより、全体的な取扱物量は微増にとどまり、減収となりました。また、仕入価格が高止まりする一方で、競合他社との競争激化や販売価格への転嫁の遅れもあり、利益面においても厳しい状況が続きました。
一方、東南アジアでの販売拡大に向けてシンガポールで新たな倉庫建設に着手するなど、今後の成長戦略に基づく施策を推進しました。
当期の営業収益は前期に比較して5.5%減の7,532億円、営業利益は7.4%減の120億12百万円となりました。
| 区 分 | 単 位 | 当 期 | |
| (2025年4月~2026年3月) | 前期比(%) | ||
| 日台韓 | 百万円 | 210,372 | △3.1 |
| 米州 | 百万円 | 98,542 | 3.0 |
| 欧州・中近東・アフリカ | 百万円 | 53,108 | △0.3 |
| 東アジア | 百万円 | 103,030 | △7.1 |
| 東南アジア・オセアニア | 百万円 | 101,427 | △8.0 |
| APLL | 百万円 | 207,974 | △9.5 |
| その他 | 百万円 | 7,271 | 8.3 |
| 調整 | 百万円 | △28,527 | - |
| 営業収益計 | 百万円 | 753,200 | △5.5 |
d.流 通
流通業におきましては、百貨店業で、大阪・関西万博のオフィシャルストアが好調に推移しました。また、「旗艦店あべのハルカス近鉄本店『リモデル』」の一環として菓子売場などを改装するとともに、隣接する商業施設「Hoop」の改装や医療モール「あべのウェルビーイングテラス」の開業等により、あべの・天王寺エリアの魅力最大化を図りました。
ストア・飲食業では、人流の増加を駅ナカ店舗等の収益向上につなげるとともに、近商ストア高の原店のリニューアルなど、お客様のニーズに合わせた売場づくりを推進しました。
当期の営業収益は前期に比較して5.1%増の2,263億67百万円、営業利益は30.4%増の91億59百万円となりました。
| 業 種 | 単 位 | 当 期 | |
| (2025年4月~2026年3月) | 前期比(%) | ||
| 百貨店業 | 百万円 | 125,450 | 8.5 |
| ストア・飲食業 | 百万円 | 101,136 | 1.5 |
| 調整 | 百万円 | △220 | - |
| 営業収益計 | 百万円 | 226,367 | 5.1 |
e.ホテル・レジャー
ホテル・レジャー業におきましては、ホテル業で大阪・関西万博の効果が顕著であった大阪エリアを中心に、旺盛なインバウンド需要の着実な取込みを図り、客室単価及び稼働率の上昇につなげました。また、シェラトン都ホテル東京で順次客室改装工事を進めたほか、米国テキサス州プレイノ市でホテル建設に着手するなど、今後の需要拡大を見据えた施策も実施しました。
旅行業では、大阪・関西万博関連で各地発着の宿泊・日帰りツアーを販売したほか、個人旅行では、ヨーロッパ方面のツアーやテーマ性の高い商品の造成を積極的に進め、団体旅行では、MICE案件や視察旅行などの受注拡大に努めました。さらに、インバウンド需要の取込みのため、個人旅行者向けオンラインサイトでの販売や多言語対応を強化するとともに、団体旅行で東京2025世界陸上競技選手権大会に関する商品の取扱いに注力しました。
水族館業では、開業35周年を迎えた海遊館及び開業10周年を迎えたニフレルにおいて、記念イベントの実施や記念グッズの販売を通じて来館促進を図りました。
当期の営業収益は前期に比較して7.1%増の3,693億7百万円となりましたが、志摩スペイン村の入場者数が前期開催した30周年記念コラボイベントの反動によって減少したことなどにより、営業利益は1.4%減の137億91百万円となりました。
| 業 種 | 単 位 | 当 期 | |
| (2025年4月~2026年3月) | 前期比(%) | ||
| ホテル業 | 百万円 | 47,998 | 4.5 |
| 旅行業 | 百万円 | 297,065 | 8.4 |
| 映画業 | 百万円 | 3,771 | 5.6 |
| 水族館業 | 百万円 | 10,592 | 0.7 |
| 観光施設業 | 百万円 | 10,032 | △10.5 |
| 調整 | 百万円 | △154 | - |
| 営業収益計 | 百万円 | 369,307 | 7.1 |
f.その他
その他の事業におきましては、ケーブルテレビ業で、積極的な営業活動によりサービス加入者数が増加しました。
当期の営業収益は前期に比較して5.9%増の478億5百万円、営業利益は7.7%増の25億24百万円となりました。
資産合計は、前期末に比較して862億46百万円増加し、2兆5,935億2百万円となりました。これは、現金及び預金が減少した一方で、棚卸資産や有形固定資産が増加したことによるものであります。
負債合計は、前期末に比較して80億6百万円増加し、1兆9,015億37百万円となりました。これは、社債の償還を進めた一方で、資金調達により借入金が増加したことによるものであります。
純資産合計は、前期末に比較して782億40百万円増加し、6,919億64百万円となりました。これは、利益剰余金が純利益の計上から配当を差し引き増加したほか、為替換算調整勘定の増加などによりその他の包括利益累計額が増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物の期末残高は2,001億24百万円で、前期末に比較して316億23百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益の計上に加え、棚卸資産の取得が減少したことなどにより、前期に比較して283億59百万円収入が増加し、1,180億87百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得が増加したことなどにより、前期に比較して561億2百万円支出が増加し、1,388億91百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金が増加したものの、社債の純償還額が増加したことなどにより、前期に比較して20億61百万円支出が増加し、199億35百万円の支出となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各報告セグメントの経営成績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、この作成にあたり、当期末の資産及び負債並びに当期に係る収益及び費用の報告金額に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況等に応じた合理的な判断に基づき仮定及び見積りを行っております。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上で、当社グループの主要な事業で用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
a.固定資産の減損
当社グループは、運輸業、不動産業、国際物流業、流通業、ホテル・レジャー業等、多くの事業を展開する特性上、多額の固定資産を保有しており、これらの固定資産の回収可能額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき見積もっております。このうち賃貸施設、百貨店店舗、ホテルやレジャー施設等につきましては、不動産市況の著しい下落や消費環境の悪化による収益性の低下等のリスクをはらんでおります。従って、当初見込んでいた収益が得られない、あるいは正味売却価額が下落したことにより、将来キャッシュ・フローが減少するなど前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施する可能性があります。
また、当社グループは、過去の企業買収時に発生したのれんを含む固定資産を保有しており、これらの将来キャッシュ・フローにつきましては、営業収入の成長率、販売費及び一般管理費の見込みを主要な仮定として用いております。将来の不確実な経済条件や市場価格の変動などによって影響を受ける可能性があり、今後、実際の結果が見積りと乖離した場合、のれんの減損を実施する可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して将来の課税所得を合理的に見積もり、タックスプランニングを行った上で、税務上の繰越欠損金や将来減算一時差異のうち、将来課税所得を減算できる可能性が高いものについて繰延税金資産を認識しております。従って、今後、経営環境の変化や将来の収支予測の変更などにより将来の課税所得の見積額やタックスプランニングが変更された場合には、繰延税金資産が増額又は減額される可能性があります。
c.退職給付債務及び費用の計算
当社グループは、退職給付債務及び費用の計算について、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件に基づき行っており、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異や過去勤務費用として累積され、将来にわたって規則的に認識されます。従って、年金資産の運用結果が長期期待運用収益率と乖離した場合のほか、割引率や長期期待運用収益率の見直しあるいは退職給付制度の変更がなされた場合には、退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。
② 当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(経営成績の状況に関する分析)
経営成績に重要な影響を与える各要因を踏まえた当期の経営成績の状況に関する分析は、次のとおりであります。
a.営業収益及び営業利益
大阪・関西万博開催による旅客・消費需要に加え、万博閉幕後は伊勢志摩方面への誘客が好調に推移したほか、インバウンド需要の増加もあり、運輸業、流通業及びホテル・レジャー業で増収となったものの、国際物流業が減収により減益となり、連結全体の営業収益は前期に比較して0.5%増の1兆7,503億7百万円、営業利益は6.0%増の894億36百万円となりました。
運輸業では、鉄軌道事業で大阪・関西万博開催に伴う旅客の増加、前年2月に実施したダイヤ変更による名阪特急増発効果やインバウンド需要の増加に加え、万博閉幕後は伊勢志摩方面への旅客需要も堅調に推移したため、運輸業全体の営業収益は、前期に比較して3.9%増の2,320億21百万円、営業利益は9.8%増の380億64百万円となりました。
不動産業では、不動産販売業で首都圏を中心にマンション販売が堅調であったほか、不動産賃貸業で物件取得等による賃貸収入の増加に加え収益物件の売却もあり、不動産業全体の営業収益は、前期に比較して5.1%増の1,738億21百万円、営業利益は3.6%増の143億68百万円となりました。
国際物流業では、取扱物量が増加しましたが、市場競争の激化により販売価格が下落したため、国際物流業全体の営業収益は、前期に比較して5.5%減の7,532億円、営業利益は7.4%減の120億12百万円となりました。
流通業では、百貨店業で前期に好調であった免税売上の反動はあったものの、大阪・関西万博のオフィシャルストアが好調に推移したほか、ストア・飲食業で国内観光客やインバウンドによる人流の増加が駅ナカ店舗の売上に寄与したため、流通業全体の営業収益は、前期に比較して5.1%増の2,263億67百万円、営業利益は30.4%増の91億59百万円となりました。
ホテル・レジャー業では、ホテル業で宿泊部門及び料飲部門で堅調に推移したほか、旅行業では海外旅行の取扱いが増加したものの、観光施設業では前期にコラボイベントで好調であった志摩スペイン村の入場者数が減少したため、ホテル・レジャー業全体の営業収益は、前期に比較して7.1%増の3,693億7百万円となり、営業利益は1.4%減の137億91百万円となりました。
b.経常利益
営業外収益で受取利息及び配当金が増加する一方で、営業外費用で金利上昇に伴い支払利息が増加しましたが、前期に比較して3.7%増の845億77百万円となりました。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益で、近鉄百貨店名古屋店閉店に伴う受取補償金等を計上する一方、特別損失で減損損失やのれん償却額を計上しましたが、繰延税金資産の計上により法人税等が減少したため、前期に比較して15.1%増の537億71百万円となりました。
(経営判断のために採用している経営指標とその達成状況及びその理由)
当社は、2025年3月に2025年度から2028年度までの4カ年を計画期間とする「近鉄グループ中期経営計画2028」を策定しました。計画初年度である2025年度は、利益面において期初の目標を達成しましたが、鉄道・一般車両の代替新造や首都圏における賃貸アセットの取得等による有利子負債の一時的な増加や、想定を上回る金利上昇に伴うWACC(資本コスト)の上昇等により、株価形成要素の一つであるROIC-WACCスプレッドが縮小したこと等が影響して、当社株価は市場全体や鉄道業界と比較して相対的に低位で推移し、資本市場から十分に評価されませんでした。こうした状況から、資本コストを意識した経営資源の適切な配分が不可欠であるとの認識のもと、2026年5月に「近鉄グループ中期経営計画2028」のアップデートを行っております。
本中期経営計画の基本方針は、『価値を創造する企業グループへの進化に向けた「新たな基盤構築」と「着実な成長」』であり、資本収益性に関する経営指標として「ROIC」を導入し、「営業利益」「純有利子負債残高」「ROE」「ROIC」「自己資本比率」「純有利子負債/EBITDA倍率」を重要な経営指標と位置付けております。アップデートにおいては、資本コストの上昇を再認識した経営指標を新たに掲げ、株主還元についても、DOEの下限を2.0%から2.5%へ引き上げ、連結配当性向も考慮するとともに、本中期経営計画の達成を踏まえたうえで、株主還元の多様化を進めます。
[アップデート後の「中期経営計画2028」で目指す経営指標]
| 2025年度実績 | 2028年度計画 (アップデート前) | 2028年度計画 (アップデート後) | ||
| 収益性 | 営業利益 | 894億円 | 1,000億円以上 | 1,000億円以上 |
| 資金調達 | 純有利子負債 | 1兆758億円 | 1兆円未満で コントロール | 9,000億円程度で コントロール |
| 経営効率 | ROE | 9.3% | 更なる向上 | 8%以上の維持 |
| ROIC | 4.2% | 4.5%以上 | WACC+1%以上 | |
| 財務規律 | 自己資本比率 | 23.6% | 25%以上 | 30%程度 |
| 純有利子負債/ EBITDA倍率 | 6.8倍 | 6.0倍程度 | 6.0倍程度 | |
| 株主還元 | DOE | 2.6%(予定) | (中期経営計画期間中) | |
| 下限2.0% | 下限2.5% | |||
| 連結配当性向 | 21.2%(予定) | - | 30%程度 | |
| 外部評価 | 格付け | (R&I)BBB+ポジティブ (JCR) A- 安定的 | - | (目標) Aフラット以上 |
(注)1.「(予定)」は2026年6月開催の株主総会において剰余金の配当(普通株式1株につき30円)が決議を得た場合の値
2.純有利子負債=有利子負債(借入金+社債)+リース債務(IFRS第16号による計上分を除く)-現預金
3.ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本
4.ROIC=税引後営業利益(営業利益×(1-実効税率))÷(純有利子負債+株主資本)
5.EBITDA=営業利益+減価償却費(IFRS第16号による計上分を除く)+のれん償却費
6.各指標値は2027年度から適用予定の新リース会計による影響額を除く数値
③ キャッシュ・フローの状況の分析内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、2028年度を最終年度とする「近鉄グループ中期経営計画2028」において、価値を創造する企業グループへの進化に向けた「新たな基盤構築」と「着実な成長」を基本方針としております。引き続き「成長」と「財務健全性」のバランスに配慮し、資本コストと資本収益性を意識した投資、回転型不動産ビジネスの導入やバランスシートのスリム化等による財務効率の高度化を図り、純有利子負債のコントロール及び資本の蓄積による自己資本の強化を推し進めてまいります。
資金需要の主なものは、各事業の運営資金、販売用不動産など資産の取得に加え、既存設備の維持更新、安全関連投資及び所有不動産の建替や改装といった設備投資に関するものであります。
これらの資金需要に対応すべく、短期資金については、各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、当座貸越やコミットメントラインなどによる金融機関からの借入れ、コマーシャル・ペーパーの発行などにより資金の流動性を確保しております。また、長期資金については、金融機関からの借入れ、シンジケート・ローンの組成、社債の発行及びリースなどの多様な選択肢の中から最適な調達手段を採用しております。さらに、市場金利とのバランスに留意しつつ返済年限の長期化を図り、原則として固定金利で調達することで金利上昇リスクに対応するとともに、年度別返済額を平準化することで将来の借り換えリスクの低減にも努めております。