有価証券報告書-第170期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
「令和」の新時代を迎えた当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の減速の影響を製造業が受けたものの、非製造業の活動は底堅く推移しました。そのため、雇用・所得環境の改善が続き、企業収益が高水準で推移する中、内需の柱である個人消費や設備投資は、消費税引き上げなどの影響を受けつつも増加傾向で推移するなど、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら令和2年に入り、内外における新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、世界経済・日本経済は急速に落ち込むこととなり、先行きについても不透明感が極めて強い、非常に厳しい状況となりました。
当社グループが経営基盤とする当地域におきましては、生産面で海外経済減速の影響がみられるものの、個人消費は底堅い動きが続き、設備投資は高水準で推移し、雇用・所得環境は着実な改善傾向にあるなど、基調としては緩やかな回復を続けていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、一転急速な減退の状況となりました。
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、総資産について前連結会計年度末に比べ2.0%増の28,530,116千円となりました。
流動資産は、現金及び預金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ7.2%減の5,183,136千円となりました。
固定資産は、建設仮勘定が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ4.2%増の23,346,979千円となりました。
当連結会計年度の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ4.9%増の26,097,964千円となりました。
流動負債は、短期借入金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ3.9%減の10,718,282千円となりました。
固定負債は、長期借入金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ12.1%増の15,379,681千円となりました。
当連結会計年度の純資産は、利益剰余金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ21.7%減の2,432,151千円となりました。
今後も、当社グループ内での効率的な資金運用や遊休不動産の売却、事業収益による財務体質の改善に取り組んで参ります。
当社グループの当連結会計年度の連結業績につきましても、コロナ禍の影響を大きく受け、営業収益は19,856,246千円(前年同期比1.0%減)となり、前期を210,288千円下回りました。営業費は見直し・削減により前期を214,614千円下回る20,270,444千円(前年同期比1.0%減)となりましたが、414,197千円(前年同期比1.0%減)の営業損失を計上いたしました。
経常損益におきましては、ホテル一畑新館建設のシンジケートローン組成に係る手数料等を営業外費用に計上したことから854,024千円(前年同期比15.4%増)の損失となり、運輸業の補助金等の特別利益と固定資産圧縮損等の特別損失を加減した税金等調整前当期純損益は434,807千円(前年同期比23.0%増)の損失となりました。
更に法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を加減した結果、541,357千円(前年同期比70.3%増)の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
イ.運輸業
鉄道事業では、ゴールデンウィークの大型連休以降も出雲大社への観光客入込数が好調に推移したことから、年間目標輸送人員の140万人を超える144万9千346人となり、近年では最多の旅客数となりました。また、平成31年4月に台湾鉄路管理局と友好協定を締結し、友好関係を築くと共に誘客およびサービスの交流を通じ、訪日外国人の利用増加を図りました。これにより定期収入は前年を下回るものの、定期外収入の増加により全体では増収となりました。
乗合旅客自動車運送事業では、県内路線は定期券・バスカードの利用増加により前年並みの営業収益を確保しました。高速路線は、主力の大阪線、広島線は期中堅調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により3月の多客期に国内移動自粛を受け全路線で利用者が前年に比べ大きく落込み、減収を余儀なくされました。また、空港連絡バスにおいてもFDA神戸線就航の明るい材料もありましたが、コロナ禍による航空路線利用者数減少により減収となりました。
貸切旅客自動車運送事業は、収益性の低い斡旋業者からの受注の見直しを行ったものの、前期就航したFDA仙台・静岡便のツアー客数減少、コロナ禍によるツアーキャンセルがあり減収となりました。
乗用旅客自動車運送事業では、平成31年4月に松江一畑交通㈱・双葉タクシー㈱・ミツワタクシー㈱の3社を合併し、業務や配車の効率化を図りましたが、恒常的な乗務員不足を解消するに至らず受注機会の損失が続き、減収となりました。
以上の結果、運輸業の営業収益は前期に比べて△8.9%、360,543千円減の3,673,277千円となりました。
(運輸業営業成績)
ロ.サービス業
航空代理業は、JAC便の機材大型化等で定員・配置人員の見直しなどによる業務受託料が増加、またFDA神戸線就航によるハンドリング業務増加もあり増収となりました。
旅行業では、国内旅行事業はFDAチャーター便によるツアー等が好調に推移しましたが、上期好調だった海外旅行事業において、下期から日韓関係の悪化、香港デモの影響による落込みが顕著に表れ始め、令和2年1月に就航開始となった上海吉祥空港の米子=上海便のツアーも新型コロナウイルス感染症により中止となり、全体として減収となりました。
ホテル業においても3月に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることとなりました。ホテル一畑の2月までの業績は、宿泊人員は前年より減少しましたが、客室単価の増加により増収を確保しており、宴会・婚礼も好調に推移しました。ツインリーブスホテル出雲は、前年まで新規ホテル進出の影響を受け宿泊人員が減少傾向にありましたが、競合他社の動向を見ながら客室単価のコントロールに努めた結果、減少に歯止めがかかり増収に転じました。しかしながら、3月に入り、コロナ禍による稼働率の著しい低下により減収となりました。なお、ホテル一畑の新館建設につきましては、令和元年11月から工事を着工致しました。
自動車教習業では、普通車科の入所者は好調に推移したものの、特殊車科の入所者が伸びず減少したことから全体では減収となりました。
調理食品製造販売業は、既存の一般事業所用弁当の配送に加え、高齢者福祉施設への配送事業を開始したことから増収となりました。
観光施設管理運営業である松江フォーゲルパークの受託運営事業は、例年に比べ休祝日の増加(大型連休)や冬場の天候に恵まれたことから入園者数は増加しました。一方、日韓関係の悪化等から7月以降の訪日外国人の入園者が激減しましたが、同じく7月から公開した鳥の「ハシビロコウ」が期待以上の集客力を発揮し、増収となりました。また、4月から韓国で開設される植物園への「ベゴニア栽培」のコンサル事業を開始しました。
以上の結果、サービス業の営業収益は前期に比べて△0.9%、30,340千円減の3,320,836千円となりました。
(サービス業営業成績)
ハ.卸・小売業
百貨店業は、地方百貨店にとって依然厳しい状況が続いており、一畑百貨店においても前連結会計年度の平成30年9月に大田ショップ、平成31年2月に出雲店をそれぞれ閉鎖し、松江店へ経営資源の集中を図りました。そして催事・外商の強化による増収策、前年実施した売場改装の効果から食品・美術貴金属等で増収となりましたが、10月の消費税率引き上げ、暖冬による衣料品の冬物商材の不振ならびに前年の2店舗閉鎖の要因もあり減収となりました。
土産品販売・飲食業では、出雲大社への観光客が好調に推移したことから各店舗の収益も伸び、3月はコロナ禍により観光客は激減しましたが増収を確保しました。
自動車販売・整備業では、整備士の人員不足によるバス・一般車両の整備減少ならびに新車販売の減少により減収となりました。
以上の結果、卸・小売業の営業収益は、△8.2%、714,913千円減の7,957,666千円となりました。
(卸・小売業営業成績)
ニ.建設業
建築工事は、繰越工事ならびに大型物件工事の受注により完成工事高を大きく伸ばすことが出来ました。設備工事ならびに土木工事では受注に苦戦を強いられ減収となりました。鉄道工事では受注が順調に進み、また労働力を支援する小型・軽量機械等の導入により増収ならびに収益性も向上しました。
以上の結果、建設業の営業収益は、前期に比べて+26.7%、870,237千円増の4,134,709千円となりました。
(建設業営業成績)
ホ.その他事業
不動産事業は、土地建物貸付料収入、仲介手数料は増収となり、さらに不動産商品の販売収益がありました。
広告代理事業は、マスコミ4媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)市場の縮小の影響を受ける中、官公庁からの大型案件の受注獲得等により、増収となりました。
保険代理事業は、大口火災保険の契約や医療保険の推進に努めましたが、生命保険代理店手数料の体系変更により生命保険手数料が減収となりました。
自動車リース代理事業では、新規契約の獲得に苦戦し、営業収益は微増にとどまりました。
古代出雲歴史博物館につきましては、春の企画展「古墳文化の珠玉」が好調に推移しましたが、令和元年11月よりメンテナンスによる長期休館となったことから入場者数は減少しました。
平成31年4月に有料老人ホーム「ホームいちばた」を開設した介護事業部門は、当初計画した入居者数が確保出来ず、厳しいスタートの1年となりました。
企業主導型保育園「キッズいちばた」は開設2年目を迎え、入園者数は順調に推移し、子育てをするグループ社員の働きやすい環境を整え、雇用の安定を図ることができました。また、地域枠としてグループ社員以外のお子様も受入れており、地域との繋がりも図っています。
以上の結果、その他の営業収益は、前期に比べて、+3.4%、25,272千円増の769,755千円になりました。
(その他事業営業成績)
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ342,030千円減少し、当連結会計年度末には1,925,276千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は769,257千円(前年同期比23.5%増)となりました。増加の主な要因は、仕入債務の増加額が前連結会計年度に比べ250,986千円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,803,061千円(同264.3%増)となりました。増加の主な要因は、固定資産の取得による支出が前連結会計年度に比べ880,984千円増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は691,773千円(前年同期は343,993千円の使用)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の販売品目は受注生産形態をとらないものが多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響等により、運輸業、卸・小売業を中心に大幅な減収となりました。その結果、当連結会計年度の経営成績は、営業収益19,856,246千円(前年同期比1.0%減)、営業損失414,197千円(前年同期比1.0%減)、経常損失854,024千円(前年同期比15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純損失541,357千円(前年同期比70.3%増)を計上し、前年同期に対し減収減益の結果となりました。
ロ.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、地域に根ざした企業であり、当地域の観光動向や経済状況の変化等に大きく左右される特性をもっていることから、その動向等を的確に捉えることが重要であると考えております。また、運輸、観光、卸・小売業に資源を集中し、安定的な収益の確保を図るとともに、グループ経営資源を有効活用できる新規事業を模索し、積極的に新しい分野へ進出しグループの活性化を図ることとしております。
ハ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標等について
当社グループは、平成29年度から31年度までの中期経営計画に基づき、観光交流人口の拡大、新規事業・新サービスの開発、事業施設の整備、人材の育成・強化、事業運営の効率化を重点施策として、経営基盤の強化に取り組みました。具体的には、新規事業・新サービスの開発におけるシルバービジネスの取り組みとして、平成31年4月に有料老人ホーム「ホームいちばた」を開設し、新たな収益の柱として今後の成長を見込んでおります。また、観光による交流人口の拡大において、海外インバウンドの対策強化として、平成29年2月に開設しました台北事務所を最大限に活用し台湾からの集客等に取り組みました。さらに、事業運営の効率化として、運輸事業における松江地区の乗用事業について、タクシー3社の統合を平成31年4月に実施しました。また、新たに令和2年度から4年度までの中計経営計画を策定しております。時代の変化を的確に捉え、新商品・サービスに積極的に取り組み経営基盤の強化を図って参ります。
ニ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容について
運輸業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響及び乗務員不足の影響等により減収減益となりました。サービス業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により減収減益となりました。卸・小売業は、個人消費の低迷等の影響を受けましたが、販売費及び一般管理費の圧縮により減収増益となりました。建設業は、繰越工事ならびに大型工事物件の受注等により増収増益となりました。その他事業は、不動産業・広告代理業・自動車リース代理業・保険代理業・介護事業等を行っておりますが、全体として増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資本の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、運輸業、ホテル業、百貨店業等の大規模な設備を運用し収益を得ており、これらの設備の修繕や更新等、計画的・継続的な設備投資を行う必要があります。これらの資金の大部分は金融機関による借入によって調達していますが、このほか、当社グループ内での資金流用により効率的な運用を行うことで賄っております。今後もグループ内での効率的な資金運用や遊休不動産の売却、事業収益による財務体質の改善に取り組んで参ります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、「第5 経理の状況」「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおり、たな卸資産の評価、投資の減損及び退職給付債務などを、過去の実績や現在の状況ならびに今後の見通しに応じて合理的な方法で処理しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
「令和」の新時代を迎えた当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の減速の影響を製造業が受けたものの、非製造業の活動は底堅く推移しました。そのため、雇用・所得環境の改善が続き、企業収益が高水準で推移する中、内需の柱である個人消費や設備投資は、消費税引き上げなどの影響を受けつつも増加傾向で推移するなど、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら令和2年に入り、内外における新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、世界経済・日本経済は急速に落ち込むこととなり、先行きについても不透明感が極めて強い、非常に厳しい状況となりました。
当社グループが経営基盤とする当地域におきましては、生産面で海外経済減速の影響がみられるものの、個人消費は底堅い動きが続き、設備投資は高水準で推移し、雇用・所得環境は着実な改善傾向にあるなど、基調としては緩やかな回復を続けていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、一転急速な減退の状況となりました。
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、総資産について前連結会計年度末に比べ2.0%増の28,530,116千円となりました。
流動資産は、現金及び預金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ7.2%減の5,183,136千円となりました。
固定資産は、建設仮勘定が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ4.2%増の23,346,979千円となりました。
当連結会計年度の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ4.9%増の26,097,964千円となりました。
流動負債は、短期借入金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ3.9%減の10,718,282千円となりました。
固定負債は、長期借入金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ12.1%増の15,379,681千円となりました。
当連結会計年度の純資産は、利益剰余金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ21.7%減の2,432,151千円となりました。
今後も、当社グループ内での効率的な資金運用や遊休不動産の売却、事業収益による財務体質の改善に取り組んで参ります。
当社グループの当連結会計年度の連結業績につきましても、コロナ禍の影響を大きく受け、営業収益は19,856,246千円(前年同期比1.0%減)となり、前期を210,288千円下回りました。営業費は見直し・削減により前期を214,614千円下回る20,270,444千円(前年同期比1.0%減)となりましたが、414,197千円(前年同期比1.0%減)の営業損失を計上いたしました。
経常損益におきましては、ホテル一畑新館建設のシンジケートローン組成に係る手数料等を営業外費用に計上したことから854,024千円(前年同期比15.4%増)の損失となり、運輸業の補助金等の特別利益と固定資産圧縮損等の特別損失を加減した税金等調整前当期純損益は434,807千円(前年同期比23.0%増)の損失となりました。
更に法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を加減した結果、541,357千円(前年同期比70.3%増)の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
イ.運輸業
鉄道事業では、ゴールデンウィークの大型連休以降も出雲大社への観光客入込数が好調に推移したことから、年間目標輸送人員の140万人を超える144万9千346人となり、近年では最多の旅客数となりました。また、平成31年4月に台湾鉄路管理局と友好協定を締結し、友好関係を築くと共に誘客およびサービスの交流を通じ、訪日外国人の利用増加を図りました。これにより定期収入は前年を下回るものの、定期外収入の増加により全体では増収となりました。
乗合旅客自動車運送事業では、県内路線は定期券・バスカードの利用増加により前年並みの営業収益を確保しました。高速路線は、主力の大阪線、広島線は期中堅調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により3月の多客期に国内移動自粛を受け全路線で利用者が前年に比べ大きく落込み、減収を余儀なくされました。また、空港連絡バスにおいてもFDA神戸線就航の明るい材料もありましたが、コロナ禍による航空路線利用者数減少により減収となりました。
貸切旅客自動車運送事業は、収益性の低い斡旋業者からの受注の見直しを行ったものの、前期就航したFDA仙台・静岡便のツアー客数減少、コロナ禍によるツアーキャンセルがあり減収となりました。
乗用旅客自動車運送事業では、平成31年4月に松江一畑交通㈱・双葉タクシー㈱・ミツワタクシー㈱の3社を合併し、業務や配車の効率化を図りましたが、恒常的な乗務員不足を解消するに至らず受注機会の損失が続き、減収となりました。
以上の結果、運輸業の営業収益は前期に比べて△8.9%、360,543千円減の3,673,277千円となりました。
(運輸業営業成績)
| 業種 | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | |
| 営業収益(千円) | 前年同期比(%) | |
| 鉄道事業 | 469,720 | 1.7 |
| 乗合旅客自動車運送事業 | 1,672,181 | △4.3 |
| 貸切旅客自動車運送事業 | 776,244 | △17.2 |
| 乗用旅客自動車運送事業 | 813,814 | △14.2 |
| 消去 | △58,683 | △5.1 |
| 計 | 3,673,277 | △8.9 |
ロ.サービス業
航空代理業は、JAC便の機材大型化等で定員・配置人員の見直しなどによる業務受託料が増加、またFDA神戸線就航によるハンドリング業務増加もあり増収となりました。
旅行業では、国内旅行事業はFDAチャーター便によるツアー等が好調に推移しましたが、上期好調だった海外旅行事業において、下期から日韓関係の悪化、香港デモの影響による落込みが顕著に表れ始め、令和2年1月に就航開始となった上海吉祥空港の米子=上海便のツアーも新型コロナウイルス感染症により中止となり、全体として減収となりました。
ホテル業においても3月に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることとなりました。ホテル一畑の2月までの業績は、宿泊人員は前年より減少しましたが、客室単価の増加により増収を確保しており、宴会・婚礼も好調に推移しました。ツインリーブスホテル出雲は、前年まで新規ホテル進出の影響を受け宿泊人員が減少傾向にありましたが、競合他社の動向を見ながら客室単価のコントロールに努めた結果、減少に歯止めがかかり増収に転じました。しかしながら、3月に入り、コロナ禍による稼働率の著しい低下により減収となりました。なお、ホテル一畑の新館建設につきましては、令和元年11月から工事を着工致しました。
自動車教習業では、普通車科の入所者は好調に推移したものの、特殊車科の入所者が伸びず減少したことから全体では減収となりました。
調理食品製造販売業は、既存の一般事業所用弁当の配送に加え、高齢者福祉施設への配送事業を開始したことから増収となりました。
観光施設管理運営業である松江フォーゲルパークの受託運営事業は、例年に比べ休祝日の増加(大型連休)や冬場の天候に恵まれたことから入園者数は増加しました。一方、日韓関係の悪化等から7月以降の訪日外国人の入園者が激減しましたが、同じく7月から公開した鳥の「ハシビロコウ」が期待以上の集客力を発揮し、増収となりました。また、4月から韓国で開設される植物園への「ベゴニア栽培」のコンサル事業を開始しました。
以上の結果、サービス業の営業収益は前期に比べて△0.9%、30,340千円減の3,320,836千円となりました。
(サービス業営業成績)
| 業種 | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | |
| 営業収益(千円) | 前年同期比(%) | |
| 航空代理業 | 433,660 | 13.6 |
| 旅行業 | 350,141 | △14.5 |
| ホテル業 | 1,685,902 | △7.3 |
| 自動車教習業 | 213,377 | △3.2 |
| 調理食品製造販売業 | 207,232 | 9.3 |
| 観光施設管理運営業 | 487,019 | 7.9 |
| 消去 | △56,497 | △52.9 |
| 計 | 3,320,836 | △0.9 |
ハ.卸・小売業
百貨店業は、地方百貨店にとって依然厳しい状況が続いており、一畑百貨店においても前連結会計年度の平成30年9月に大田ショップ、平成31年2月に出雲店をそれぞれ閉鎖し、松江店へ経営資源の集中を図りました。そして催事・外商の強化による増収策、前年実施した売場改装の効果から食品・美術貴金属等で増収となりましたが、10月の消費税率引き上げ、暖冬による衣料品の冬物商材の不振ならびに前年の2店舗閉鎖の要因もあり減収となりました。
土産品販売・飲食業では、出雲大社への観光客が好調に推移したことから各店舗の収益も伸び、3月はコロナ禍により観光客は激減しましたが増収を確保しました。
自動車販売・整備業では、整備士の人員不足によるバス・一般車両の整備減少ならびに新車販売の減少により減収となりました。
以上の結果、卸・小売業の営業収益は、△8.2%、714,913千円減の7,957,666千円となりました。
(卸・小売業営業成績)
| 業種 | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | |
| 営業収益(千円) | 前年同期比(%) | |
| 百貨店業 | 6,433,724 | △9.7 |
| 土産品販売・飲食業 | 1,024,364 | 2.7 |
| 自動車販売・整備業 | 751,921 | △9.5 |
| 消去 | △252,343 | △9.2 |
| 計 | 7,957,666 | △8.2 |
ニ.建設業
建築工事は、繰越工事ならびに大型物件工事の受注により完成工事高を大きく伸ばすことが出来ました。設備工事ならびに土木工事では受注に苦戦を強いられ減収となりました。鉄道工事では受注が順調に進み、また労働力を支援する小型・軽量機械等の導入により増収ならびに収益性も向上しました。
以上の結果、建設業の営業収益は、前期に比べて+26.7%、870,237千円増の4,134,709千円となりました。
(建設業営業成績)
| 業種 | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | |
| 営業収益(千円) | 前年同期比(%) | |
| 建設業 | 5,065,052 | 13.2 |
| 消去 | △930,342 | △23.0 |
| 計 | 4,134,709 | 26.7 |
ホ.その他事業
不動産事業は、土地建物貸付料収入、仲介手数料は増収となり、さらに不動産商品の販売収益がありました。
広告代理事業は、マスコミ4媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)市場の縮小の影響を受ける中、官公庁からの大型案件の受注獲得等により、増収となりました。
保険代理事業は、大口火災保険の契約や医療保険の推進に努めましたが、生命保険代理店手数料の体系変更により生命保険手数料が減収となりました。
自動車リース代理事業では、新規契約の獲得に苦戦し、営業収益は微増にとどまりました。
古代出雲歴史博物館につきましては、春の企画展「古墳文化の珠玉」が好調に推移しましたが、令和元年11月よりメンテナンスによる長期休館となったことから入場者数は減少しました。
平成31年4月に有料老人ホーム「ホームいちばた」を開設した介護事業部門は、当初計画した入居者数が確保出来ず、厳しいスタートの1年となりました。
企業主導型保育園「キッズいちばた」は開設2年目を迎え、入園者数は順調に推移し、子育てをするグループ社員の働きやすい環境を整え、雇用の安定を図ることができました。また、地域枠としてグループ社員以外のお子様も受入れており、地域との繋がりも図っています。
以上の結果、その他の営業収益は、前期に比べて、+3.4%、25,272千円増の769,755千円になりました。
(その他事業営業成績)
| 業種 | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | |
| 営業収益(千円) | 前年同期比(%) | |
| 不動産業 | 1,020,904 | △6.6 |
| その他 | 1,045,232 | 9.4 |
| 消去 | △1,296,381 | △0.6 |
| 計 | 769,755 | 3.4 |
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ342,030千円減少し、当連結会計年度末には1,925,276千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は769,257千円(前年同期比23.5%増)となりました。増加の主な要因は、仕入債務の増加額が前連結会計年度に比べ250,986千円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,803,061千円(同264.3%増)となりました。増加の主な要因は、固定資産の取得による支出が前連結会計年度に比べ880,984千円増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は691,773千円(前年同期は343,993千円の使用)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の販売品目は受注生産形態をとらないものが多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響等により、運輸業、卸・小売業を中心に大幅な減収となりました。その結果、当連結会計年度の経営成績は、営業収益19,856,246千円(前年同期比1.0%減)、営業損失414,197千円(前年同期比1.0%減)、経常損失854,024千円(前年同期比15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純損失541,357千円(前年同期比70.3%増)を計上し、前年同期に対し減収減益の結果となりました。
ロ.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、地域に根ざした企業であり、当地域の観光動向や経済状況の変化等に大きく左右される特性をもっていることから、その動向等を的確に捉えることが重要であると考えております。また、運輸、観光、卸・小売業に資源を集中し、安定的な収益の確保を図るとともに、グループ経営資源を有効活用できる新規事業を模索し、積極的に新しい分野へ進出しグループの活性化を図ることとしております。
ハ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標等について
当社グループは、平成29年度から31年度までの中期経営計画に基づき、観光交流人口の拡大、新規事業・新サービスの開発、事業施設の整備、人材の育成・強化、事業運営の効率化を重点施策として、経営基盤の強化に取り組みました。具体的には、新規事業・新サービスの開発におけるシルバービジネスの取り組みとして、平成31年4月に有料老人ホーム「ホームいちばた」を開設し、新たな収益の柱として今後の成長を見込んでおります。また、観光による交流人口の拡大において、海外インバウンドの対策強化として、平成29年2月に開設しました台北事務所を最大限に活用し台湾からの集客等に取り組みました。さらに、事業運営の効率化として、運輸事業における松江地区の乗用事業について、タクシー3社の統合を平成31年4月に実施しました。また、新たに令和2年度から4年度までの中計経営計画を策定しております。時代の変化を的確に捉え、新商品・サービスに積極的に取り組み経営基盤の強化を図って参ります。
ニ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容について
運輸業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響及び乗務員不足の影響等により減収減益となりました。サービス業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により減収減益となりました。卸・小売業は、個人消費の低迷等の影響を受けましたが、販売費及び一般管理費の圧縮により減収増益となりました。建設業は、繰越工事ならびに大型工事物件の受注等により増収増益となりました。その他事業は、不動産業・広告代理業・自動車リース代理業・保険代理業・介護事業等を行っておりますが、全体として増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資本の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、運輸業、ホテル業、百貨店業等の大規模な設備を運用し収益を得ており、これらの設備の修繕や更新等、計画的・継続的な設備投資を行う必要があります。これらの資金の大部分は金融機関による借入によって調達していますが、このほか、当社グループ内での資金流用により効率的な運用を行うことで賄っております。今後もグループ内での効率的な資金運用や遊休不動産の売却、事業収益による財務体質の改善に取り組んで参ります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、「第5 経理の状況」「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおり、たな卸資産の評価、投資の減損及び退職給付債務などを、過去の実績や現在の状況ならびに今後の見通しに応じて合理的な方法で処理しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。