有価証券報告書-第174期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/28 9:14
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、昨年5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」に移行したことにより、行動制限の緩和が一層進み、経済活動の正常化が見られた一方、エネルギーコストや原材料価格の高騰、為替変動による影響で物価上昇が続いており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
こうした状況の下、当社グループにおきましては、コロナ禍からの回復段階から次の成長に向かうための重要な1年と位置づけ、当社グループが保有する公共交通、ホテル等のこの地域の社会インフラを最大限に活かし、トップラインの回復に努め、経営再建に注力して参りました。行動制限の緩和により観光客を中心とした人流が回復したことから、「観光」に事業の軸足を置く当社グループの主力事業である「運輸業」、「サービス業」においては前年度を上回る乗客、集客を受けましたが、全国的に深刻な問題となっている運転士不足の影響を当社グループも抱え、コロナ禍前の稼働状況まで回復させることが出来ない問題に直面いたしました。また、業績が厳しく経営再建に取組んで参りました㈱一畑百貨店については、今後の再建の見通しが極めて厳しく、当社グループ経営に与える影響も大きいとの判断から、2024年1月に松江店を閉店いたしました。
当連結会計年度末の財政状態は、総資産について前連結会計年度末に比べ5.6%減の29,232,641千円となりました。流動資産は、現金及び預金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ7.0%減の6,076,200千円となりました。固定資産は、事業用固定資産の売却及び減損損失を計上したことにより、前連結会計年度末に比べ5.2%減の23,156,440千円となりました。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ3.1%減の31,898,809千円となりました。流動負債は、契約負債が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ8.3%減の9,015,870千円となりました。固定負債は、リース債務が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ0.9%減の22,882,939千円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ35.5%減の△2,666,167千円となりました。
今後も、当社グループ内での効率的な資金運用や遊休不動産の売却、事業収益による財務体質の改善に取り組んで参ります。
当連結会計年度の経営成績は、営業収益は前期に比べ7.5%増の14,678,285千円となり、営業損失は287,727千円(前年同期は934,258千円の営業損失)、経常損失は600,054千円(前年同期は1,121,900千円の経常損失)となりました。運輸業の補助金等の特別利益と一畑百貨店閉店に伴う事業整理損失、会計ルールに基づく固定資産の減損処理等の特別損失を計上した結果、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純損失は854,148千円(前年同期は639,919千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
イ.運輸業
行動制限の緩和により観光客を中心とした人流が回復したことにより、運輸業の各事業の利用者数は前年度から大きく増加しましたが、バス・タクシーにおける運転士不足が深刻化し、需要に対応出来ない、コロナ禍前の便数に復便出来ないなどの状況が発生いたしました。また、営業費用においては、昨年度からのエネルギー単価の高騰により電力費ならびに軽油単価の高止まりが続いており、利益を圧迫する大きな要因となっております。
鉄道事業では、年間の旅客数は観光客の増加により前期比105.9%の133万6,129人となり、コロナ禍前の92.2%の水準まで回復しました。
乗合旅行自動車運送事業は、一般路線においても観光客の増加から利用者が増加し増収となった一方で、運転士不足が極めて深刻化したことから一部路線の廃止・減便をせざるを得ない状況となりました。高速路線も行動制限の緩和によるビジネス客・観光客の利用者が順調に回復し、各路線ともに増収となりましたが、こちらも運転士不足からコロナ禍前のダイヤへの復便が出来ない状況が続いております。空港連絡バスにおいては飛行機搭乗者増加により増収となりました。
貸切旅客自動車運送事業においては、企業の従業員送迎が一部終了したこと、クルーズ船就航や観光ツアーの団体旅行からの貸切需要に対し、運転士不足によりその需要に応えられない等の機会損失が発生し減収となりました。
乗用旅客自動車運送事業は、朝の各種送迎利用、夜間の飲食店利用者からの利用ニーズはあるものの、運転士不足から配車対応に限界が生じ、前期比微増の売上高に留まりました。
以上の結果、運輸業の営業収益は前期に比べて+9.4%、245,798千円増の2,872,538千円となりました。
(運輸業営業成績)
業種当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
営業収益(千円)前年同期比(%)
鉄道事業456,32311.3
乗合旅客自動車運送事業1,301,63419.3
貸切旅客自動車運送事業525,687△5.8
乗用旅客自動車運送事業631,8983.4
消去△43,006△0.5
2,872,5389.4

ロ.サービス業
サービス業は、行動制限緩和後の観光需要の急速な回復により、主力の旅行業・ホテル業を中心に営業収益は増収となりました。
旅行業は、行動制限の緩和後、県外への旅行需要が急速に高まり、航空機を利用したツアーの早期完売、修学旅行に加え法人旅行も活発となり、また、前期より取組んでいる、しまね旅キャンペーン等の事務局の委託業務も寄与し、増収となりました。
航空代理業は、JAL便、FDA便ともに計画通りの運行により安定した営業収益を確保することが出来ました。また、労働者派遣事業の許可を取得し、国内の他空港へハンドリング業務の人材派遣を実施し、新たな営業収益のチャネルを構築いたしました。
ホテル業は、観光客の増加により客室稼働率は高く推移しました。また、観光庁の補助金を利用し、大浴場のバリアフリーの改修と近年人気のサウナの新設を行い昨年3月にオープンし、宿泊客の満足度向上を図るとともに、「日帰りサウナ」等による新たなサウナ客の集客を行うことが出来ました。宴会需要については、コロナ禍前の水準には及ばないものの回復の方向にあり、ホテル業全体では増収となりました。
自動車教習業では、普通車科の入所者数は前期を下回りましたが、特殊車科への入所者数が増加したことによりほぼ前期並みの営業収益を確保いたしました。また、オンライン学科教習を導入いたしました。これにより教習生の利便性の向上を図り、入所者の確保に繋げるとともに、指導教官の業務効率化・省力化を図りました。
観光施設管理運営事業である「松江フォーゲルパーク」の受託事業は、上期は全国旅行支援による観光客の入園者が増加、全国旅行支援が終了した下期は学校団体が増加したこと等により入園者数は前期比109.8%と増加し営業収益も増収となりました。
以上の結果、サービス業の営業収益は前期に比べて+20.8%、613,893千円増の3,560,304千円となりました。
(サービス業営業成績)
業種当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
営業収益(千円)前年同期比(%)
航空代理業469,9177.3
旅行業447,40233.5
ホテル業1,886,44027.7
自動車教習業228,5841.1
観光施設運営管理業558,16011.1
消去△30,201△6.8
3,560,30420.8

ハ.卸・小売業
㈱一畑百貨店は、令和5年6月に唯一営業する店舗である松江店の閉店を発表し、昭和33年10月の創業から65年の歴史に幕を降ろし、令和6年1月14日に営業を終了いたしました。近年の地方百貨店を取巻く経営環境は極めて厳しく、外部テナント誘致による売場改装を模索する等の経営立直しに取り組んで参りましたが、コロナ禍もあり売上減少に歯止めが掛らず、再建の見通しが極めて厳しいとの判断から閉店を決断いたしました。閉店発表後は、大変多くのお客様にご来店いただき、10ヵ月弱の営業期間で前期並みの営業収益を確保することが出来ました。また、関連事業を行う㈱一畑友の会も廃業することとなりました。
土産品販売・飲食業は、出雲大社を中心とした観光地への観光客増加から各店舗売上を伸ばし増収となりました。
自動車販売・整備業では、整備士不足の課題は続く中で、大型車両・特殊車両の整備部門を中心に営業活動を行い、前期並みの営業収益を確保いたしました。
以上の結果、卸・小売業の営業収益は、前期に比べて+1.2%、48,871千円増の4,142,680千円となりました。
(卸・小売業営業成績)
業種当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
営業収益(千円)前年同期比(%)
百貨店業4,257,894△3.2
土産品販売・飲食業1,189,03420.4
自動車販売・整備業632,475△3.9
消去△1,936,724△0.6
4,142,6801.2

ニ.建設業
建設業は、土木工事を除き新規受注に苦戦を強いられる1年となりました。
建築工事は、松江市役所新築工事の大型繰越工事はありましたが、大型の新規案件の受注が出来ず非常に厳しい1年となりました。一方、土木工事では、大型の公共工事が順調に受注出来たことから前期に続き好調に推移いたしました。鉄道工事部門は、人員不足から発注工事を受注出来ない状況もありましたが、協力会社の新規確保等により盛り返し増収となりました。
設備工事では、資材不足による納入遅延に伴い工事の完成が翌期に延期となることが影響し減益となりました。
以上の結果、建設業の営業収益は前期に比べて+3.6%、110,893千円増の3,230,351千円となりました。
(建設業営業成績)
業種当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
営業収益(千円)前年同期比(%)
建設業3,603,791△3.6
消去△373,439△39.7
3,230,3513.6

ホ.その他事業
不動産業は、自社所有物件の入居率低下、仲介手数料が減少したことから前期に比べて若干の減収となりました。
広告代理業は、新規広告の出稿、イベント業務の復活、Ruby関連の受託業務等の新規業務受注に注力いたしましたが、前期並みの売上に留まりました。
保険代理業は、損害保険の既存契約の手数料が逓減傾向にあること、大口保険の減額があったことから減収となりました。
自動車リース業は、新規法人契約の獲得ならびに既存規約先からの増車獲得に苦戦したことから減収となりました。
指定管理業務である古代出雲歴史博物館については、出雲大社への観光客の増加に伴い入館者数は順調に回復いたしました。
有料老人ホーム「ホームいちばた」並びに同ホーム併設の訪問介護事業所「ヘルパーステーションいちばた」を運営する介護事業部門は、入居者の引合いはあるものの職員不足から入居受入れを見合わせる状況が発生し、また当初計画した保険料収入が確保出来ず、引続き厳しい状況となりました。
企業主導型保育園「キッズいちばた」は、入園者数は順調に推移し、子育てするグループ社員の働きやすい環境を整え、雇用の安定を図るとともに、地域枠としてグループ社員以外のお子様も受入れており、地域との繋がりも図っております。
以上の結果、その他の営業収益は前期に比べて+0.7%、6,471千円増の872,410千円となりました。
(その他事業営業成績)
業種当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
営業収益(千円)前年同期比(%)
不動産業1,218,264△1.6
その他946,9883.9
消去△1,292,8410.7
872,4100.7

② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ289,440千円減少し、当連結会計年度末には3,415,334千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は204,733千円(前年同期比90.3%減)となりました。主な要因は、契約負債が637,104千円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は63,302千円(前年同期比67.6%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が235,096千円減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は430,870千円(前年同期比70.2%減)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が760,000千円増加したこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の販売品目は受注生産形態をとらないものが多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、運輸業、サービス業を中心に需要が回復し、営業収益は前連結会計年度と比較して1,025,927千円増加し、14,678,285千円となりました。営業費は前連結会計年度と比較して379,396千円増加し、14,966,012千円となりました。営業損失は前連結会計年度と比較して646,530千円改善し、287,727千円となりました。経常損失は、前連結会計年度と比較して521,845千円改善し、600,054千円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失等の特別損失を計上した結果、前連結会計年度と比較して214,228千円悪化し、854,148千円となりました。
ロ.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、地域に根ざした企業であり、当地域の観光動向や経済状況の変化等に大きく左右される特性をもっていることから、その動向等を的確に捉えることが重要であると考えております。また、安定的な収益の確保を図るとともに、グループ経営資源を有効活用できる新規事業を模索し、積極的に新しい分野へ進出しグループの活性化を図ることとしております。
ハ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標等について
当社グループは、創立120周年を迎える2032年までを長期経営戦略期間とし、長期ビジョンの達成に向け当社グループが総合力を発揮して取り組んでおります。また、この地域のインフラを維持していくため、「構造改革計画」に基づき、経営再建に取り組んでおります。具体的には、グループ事業施設の整備として、ホテル一畑の新館を建設し、2021年5月にリニューアルオープンいたしました。今後も、同計画の着実な進捗により、経営再建に注力して参ります。
ニ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容について
運輸業、サービス業、卸・小売業、建設業、その他事業は、いずれも需要が回復し、増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資本の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、運輸業、ホテル業等の大規模な設備を運用し収益を得ており、これらの設備の修繕や更新等、計画的・継続的な設備投資を行う必要があります。これらの資金の大部分は金融機関による借入によって調達していますが、このほか、当社グループ内での資金流用により効率的な運用を行うことで賄っております。今後もグループ内での効率的な資金運用や遊休不動産の売却、事業収益による財務体質の改善に取り組んで参ります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

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